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2012年04月11日

【怒りの8条件】

ここ数週間における大飯原発を何が何でも再稼働させようとする政府の茶番劇に、橋下市長が8つからなる再稼働のための条件を提示しました。

『大阪府と大阪市でつくる府市統合本部のエネルギー戦略会議は十日、大阪市内で会合を開き、関西電力の大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働などに際し、原発から百キロ圏内の自治体との安全協定締結など八条件を固め公表した。

 「独立性の高い原子力規制庁の設立」「使用済み核燃料の最終処理体制の確立」なども盛り込み、大飯3、4号機の再稼働に向け安全性を事実上確認した政府側には高いハードル。今後の政府の判断にも影響を与えそうだ。

 関電筆頭株主の大阪市の橋下徹市長は再稼働を急ぐ政府側の動きを批判。八条件提示の狙いについて十日、市役所で記者団に「有権者に政治的な判断をしてもらう材料だ。次の総選挙で判断してほしい」と説明した。

 八条件は(1)安全基準を根本から作り直す(2)新安全基準に基づく完全な安全評価(ストレステスト)の実施(3)電力需給の徹底検証-なども求めた。

 同市阿倍野区で開いた会合では、関電幹部も加わり関電の原発が再稼働しない場合の電力需給見通しなども再協議した。

 大阪市は三十項目以上の情報開示を求める質問状を二月に提出し関電と協議したが、回答内容が不十分だと判断。三月に再質問状を提出していた。再質問には、これまでに開示されなかった政治家のパーティー券の購入実績、役員ごとの報酬などが盛り込まれたが明らかにされなかった。』(4月10日付東京新聞)


【先ず自分の目で確かめよ】

橋下市長率いる府市統合本部のエネルギー戦略会議が示した再稼働の8条件は下記の「原発再稼働に関する八条件」をクリックすれば読むことができます。みなさん、先ずその内容を読んでみてください。野田首相や枝野大臣が進める再稼働に向けた動きがいかに欺瞞に満ち、本気で市民・国民の命を守ろうとしていないことが肌でわかると思います。まず自分の目でひとりひとりが確かめることが大事です。

「原発再稼働に関する八条件」・・・大阪府市統合本部エネルギー戦略会議から公表されたもの

ここに書かれた八条件は以下のとおりです。

1.国民が信頼できる規制機関として、3条委員会の規制庁を設立すること
2.新体制のもとで安全基準を根本から作り直すこと
3.新体制のもとで新たな安全規制に基づいた完全なストレステストを実施すること
4.事故発生を前提とした防災計画と危機管理体制を構築すること
5.原発から100キロ程度の広域の住民同意を得て自治体との安全協定を締結すること
6.使用済燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること
7.電力需給について徹底的に検証すること
8.事故収束と損害賠償など原発事故で生じる倒産リスクを最小化すること


これらの条件は、原発の再稼働を認める前に絶対に満たしておかなければならない最低必須条件だと僕も思います。8番目の倒産リスクの最小化などは関西電力のみならず原発を持つすべての電力会社が原発を持つことで抱えているとてつもない経営リスクのことであり、本来は電力会社が国にしっかりと働きかけるべき話です。原発の安全を過去何十年もないがしろにして、原発稼働による目先の利益ばかりを追い求め、事故による倒産リスクもほっぽり出して再稼働にまい進するのですから、電力会社の経営者は公益企業のトップどころか、普通の企業の経営者としてもまったく失格でしょう。

この8条件の前提として府市統合本部が挙げる「そもそも論」も拍手喝さいしたくなるような話です。政府を筆頭に原子力ムラの連中は、次のフクシマが起きたら日本は滅びるという危機感が欠如しているという点はまさにその通りだと思います。

大飯原発の周辺自治体である大阪だけでなく、日本全国の他の原発周辺自治体も大飯の再稼働は他人事ではありません。もっと危機感を持って、大阪や滋賀や京都と歩調を合わせて、各電力会社や政府を徹底的に追及すべきでしょう。今や、枝野大臣が自ら言ったように、原発の「地元」とは日本全国なのですから。日本国民であれば、当然の危機感です。
  



2012年04月06日

【はじめに再稼働ありき】

結局、抜本的な安全対策などせずに再稼働にまい進していくようです。

『野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は5日夜、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を巡り首相官邸で2回目の関係閣僚会合を行い、再稼働のために必要な安全性の判断基準を大筋で了承した。6日に再度会合を開き、基準の詳細な内容を協議、安全基準に照らして大飯原発の再稼働が妥当と判断できれば、来週にも枝野経産相が福井県を訪れ、西川一誠知事に対し再稼働を要請する。

 枝野経産相は協議終了後、記者団に対し、「大飯原発への当てはめも必要。関西電力にしっかり対応させないといけない」と述べ、大飯原発に追加対策を求める可能性を示唆した。

 この日了承した判断基準の骨子は、経産省原子力安全・保安院が福島第1原発事故の教訓を踏まえて作成した30項目の対策をもとに策定した。

 全電源喪失の進展を防ぐ電源設備対策や格納容器破損対策などの安全対策実施▽地震・津波が襲来しても燃料損傷に至らないことを国が確認▽さらなる安全対策の着実な実施計画が事業者により明らかにされていること--の3点が柱になっている。

 閣僚会合には藤村修官房長官、細野豪志原発事故担当相のほか、民主党の仙谷由人政調会長代行らが出席。枝野経産相は「文章表現がわかりにくいとの指摘があり、専門家以外にも理解が容易なように改める」と述べ、6日の協議でわかりやすい表現に手直しした安全基準を公表する方針を明らかにした。

 全国に54基ある原発のうち、北海道泊原発3号機(北海道泊村)以外は定期検査などで停止中。泊原発も5月5日から定期検査に入ることから、5月5日までに大飯原発が再稼働しなければ全原発停止の事態に陥ることになる。このため、大飯原発の再稼働に慎重姿勢を示す福井県の西川知事が求める暫定安全基準を定めることで、地元の理解を得る狙いがある。【丸山進、小倉祥徳】

 ◇政府が示した、原発再稼働に向けた判断基準の骨子

◆全電源喪失防止のための以下の安全対策の実施

 (1)発電所内電源設備対策

 (2)冷却・注水設備対策

 (3)格納容器破損対策

 (4)管理・計装設備対策

◆東京電力福島第1原発事故級の地震・津波が来ても、炉心や使用済み燃料プールの冷却を継続し、燃料損傷に至らないことを国が確認

◆事業者が以下の安全対策に関する実施計画を明示していること

 (1)原子力安全・保安院によるストレステスト(1次評価)で求められた事項

 (2)福島第1原発事故を受けた30項目の安全対策』(4月5日付毎日新聞)


【無為無策の末の官僚服従】

今回示された3つの基準というのは、昨年原子力安全・保安院が緊急に電力会社に要請した内容に今までの議論を整理しただけで、根本的な安全対策にはなっていません。この一年で抜本的な手立ては何も打たずに官僚の書いたシナリオどおりに「再稼働ありき」で駒を進めているとしか見えません。フクイチの事故原因は調査中で、新しい安全に関する組織は出来ず、「地元」の範囲も従来のままといったような従来のやり方でことを進めていては、国民の信頼を得るのは困難です。こんなことでは、次の事故は不可避でしょう。

さらに、藤村修官房長官は5日午前の記者会見で、政府が原子力発電所を再稼働させる方針を決めた場合の対応について、「何らかの法律などの枠組みで同意などが義務付けられているわけではない」と述べ、地元からの「同意」取り付けは必要ないとの見解を改めて示したそうですが、これもひどい話です。事故があれば最も被害を受ける地元の同意もなしに再稼働ですか?そんな権利が国のどこにあるんでしょうか?

橋下大阪市長の言うとおり、この政権はこんなことをやっていてはもたないでしょう。こんな「なにがなんでも再稼働」といったやり方を市民、国民である私たちは絶対に許してはいけません。ひとりひとりの命が今脅かされています。新聞社やテレビ局、原子力安全・保安院、内閣府、野田首相など安全をないがしろにして何が何でも原発の再稼働を目論む人たち、組織に対して、ツィッター、フェイスブック、電話、ファックス、なんでもかまいません。ありとあらゆる手段を通じて「再稼働は絶対に許さない」という声をあげましょう。

原発の問題は消費税や他の問題とは全く事の重大性が違います。何も行動しなければ、明日にでも自分たちがフクイチと同じ放射能汚染に晒されると思ってください。それほど緊迫した問題なのです。

今回の政府のやり方を許したら、これから従来と同じように原発が危険なまま稼働されていくことになると危惧します。
  



2012年04月05日

【再稼働へ】

大飯原発の再稼働に向けて国家の暴走が加速しはじめました。

『野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は5日、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題を巡り、2回目の協議を行う。首相は3日の初会合で、東京電力福島第1原発事故の知見を反映した「暫定安全基準」を示すよう指示した。5日の会合では基準の妥当性と、大飯原発3、4号機が基準を満たしているかなどを検討するとみられる。

 首相は今後、会合を重ね、暫定基準をクリアしていると判断すれば、再稼働に向けた説明のため、早ければ来週にも枝野氏を地元自治体に派遣し、理解を得るための作業に入る。枝野氏は2日の参院予算委員会で、自身が説明に入る自治体について「原発の立地町とか立地県の意向はものすごく重要だ」と述べ、大飯原発の再稼働については福井県とおおい町に直接訪問する意向を示した。ただ、「事故の影響は全国に及び、そういう意味では日本全国が地元だ」とも述べており、理解を得る「地元」の範囲はあいまいなままになっている。

 一方、福井県に隣接する滋賀県、京都府には経産省原子力安全・保安院がこれまで説明に訪れている。これについて枝野氏は「県や政令市から説明を求められれば(保安院を)行かせる」と語り、他の自治体から要望があれば事務方に説明させる方針を示している。』(4月5日付毎日新聞)


【経産相のデジャブ】

つい前日に「再稼働に反対」と表明した舌の根も乾かない翌朝に「反対ではない」と前言を翻す枝野経産相の動きを見ていると、経産省という巨大官僚組織の猛烈な圧力が大臣にかかっていると想像できます。これは昨年、海江田前経産相が何度も苦悩の表情を浮かべてついには涙していたときとそっくりです。 「地元なんかどうでもいい、原発の安全なんていままで通りやってりゃいい、とにかく稼働原発がゼロになる前になんとしてでも大飯原発を再稼働するんだ!」という経産省や原子力推進を目論む原子力ムラ関係者の猛烈なチャージがそうさせているのでしょう。恐るべき暴走です。

こんなことで原発が今後も安全に運転できるのか?史上最悪の核惨事となったフクイチの事故原因も明らかになっていない今、一体何が安全なのか?とんでもない暴走国家です。百歩譲って再稼働が必要だとしても、少なくともしっかりしたフクイチの原因究明に基づいた原発を管理する政治、官僚組織、技術的枠組みなどの全面的な見直しを終えてからでしょう。これは、今度事故が起これば国家が破局の淵に立つかもしれない重大な事態なのですから。

橋下市長や京都府知事、滋賀県知事はしっかりと国の暴挙に「ノー」と言うべきだと思います。僕たち市民もしっかりと声をあげるべきだと思います。こんなことでは命は守れないことは明らかです。
  



2012年03月31日

「フクシマ・アーカイブ」20日目。1年前の今ごろ、菅前首相の福島第一原発の初動対応を巡って経済界や与野党の政治家たちの菅氏に対する袋叩きが報道されていました。あのときの異常なまでの菅叩きは、原子力ムラといわれる勢力が脱原発に向かう首相を引きずり下ろしたい一心でありとあらゆる手段を使っていたのだと想像できます。

それにしても1年経った今も被災地のことも、次の地震が来れば日本を崩壊させかねない福島第一原発のことも置き忘れ、与野党の政治家たちは消費税増税を巡って迷走を続けています。今回のターゲットは野田首相ですが、日本の政治状況はもう末期的症状を超えてメルトダウンを起こしていると言ってもいいでしょう。これで次の原発事故が起こったら、今の政治家たちは原発に命がけで視察に行った菅前首相とは反対に全員われ先に逃げ出すのは目に見えています。

そんなことを思いつつ、2011年3月31日のブログを振り返ります。


【視察への批判】

菅首相の初動対応に自民党が噛みつきました。

『菅直人首相は29日午前の参院予算委員会で、東日本大震災の影響で東京電力福島第1原発を襲った津波について「(原発設置)当時の津波に対する認識が大きく間違っていたのは否定しようがない」と述べ、津波の想定を今後の検証対象とする考えを示した。一方、同原発を視察したことが放射性物質を含む気体を原子炉から排出する「ベント」の遅れにつながったとの指摘に対しては「(初動対応が)遅延したという指摘はまったくあたっていない」と反論した。首相の国会答弁は震災後初めて。

【官房長官もフォロー】1号機の排気「再三指示」 枝野官房長官

 津波に関し、首相は「(1960年の)チリ地震の後にできた原子炉でありながら、チリ地震の基準も満たしていないとすれば相当問題だ」と述べた。視察がベントの遅れを招いたとの指摘には「政府は12日午前1時半にベントすべき姿勢を明確にし、一貫してその方針を東電に伝えてきた」と強調した。

 原発事故への対応では「予断を許さない状況が続いている。最大限の緊張感を持って取り組む」と表明した。

 同原発を廃炉にするかについては「専門家の意見を聞いて決めるが、その可能性は高い」と語った。』(3月29日付毎日新聞)


【菅首相の現地視察】

政権交代してからの民主党の体たらくに国民は失望していたところに、今回の大地震と大津波、さらには原発の事故と未曾有の災害に見舞われて、菅政権がその対応に右往左往しているのを見て一層不安感を高めているのは事実だと思います。

しかしながら、僕は地震と津波が起きて福島第一原発事故が起きた後、早い段階で原発を視察した菅首相の行動は、正しかったと思っています。もちろんその後の指導力や実行力という面で首相というにはお粗末なこともたくさんあるのですが、少なくとも初動の対応として現地に行ったのは評価されるべきだと思います。

あのとき、首相が行ったために放射性物質を含む気体を原子炉から排出する「ベント」の遅れにつながったというのは、報道だけで判断するしかないのですが東電や原子力安全保安院の都合のいい言い訳ではないかと思われます。その後の対応を見ても東電や原子力安全保安院とその監督をする経産省がいかに今まで国民から事実を隠し、癒着してきたかがわかりますし、そういう体質が今の危機を大きくさせているかが誰の目にも明らかですので、そういう点からも首相がもし最初に現地視察をしていなかったら、その後の対応はもっと混乱していたのでないかと想像できます。

【トップの役割と問題の所在】

平成7年1月17日に発生した阪神大震災の際、当時の村山富一首相阿鼻叫喚の地獄のような被災地・神戸が助けを求めているときに何ら決断せず、現場にも行きませんでした。国家のリーダーが逃げたために、自衛隊を所管する防衛庁長官、警察を統率する国家公安委員長、消防を所管する自治大臣など当時の首相直下の部下たちがどれだけ初動が遅れたか、そのためにどれだけの助かったかもしれない命が失われたかはかり知れません。(今回の事故では、東電の清水社長も13日の記者会見以降姿を見せず、ついに30日には高血圧とめまいで入院という発表となりました。村山元首相同様、最悪のリーダー像だと思います。)

未曾有の国難のときに、その現場にまずトップが行くことは当然のことです。行くだけでもその場の状況がある程度読めますし、その後の対処の仕方も違ってくるはずです。そしてトップが来てくれたという信頼感を現場が持てば、現場は現場の指揮官のもとで必死で対応してくれるでしょう。そんな指導層と現場の信頼感さえ失われているのが今の日本の「惨状」です。

繰り返しますが、有事の指揮官として現場に急行するのは当然のことです。もともと電力会社、経産省、原発メーカーと一緒に原発推進を過去数十年にわたって進めてきた自民党の政治家たちが、もしも政権党としてこの原発事故の対応に当たっていたら、現場に行くどころか、今より事実が国民から隠ぺいされ、もっともっと酷い状況になっていたのではないかと思います。そういう意味では世間の批判はありますが、管内閣のほうがマシだと言えるかもしれません。

自民党の政治家たちは「俺だったらちゃんと現場に先ず行った」と菅首相に言えないから、ちょこちょことイチャモンをつけるだけしか出来ないのです。残念なことです。

それからもうひとつ。3週間近く経ってから東電がフランスに泣きついたとか、事故当初は米軍の救援を断ったとかいろいろな話が伝わってきていますが、初動対応という意味では東電も原子力安全保安院も、経産省全体も、官邸も、民主党も、今回の事故対応に当たっている当事者幹部はみんなあまりにも甘すぎます。こんな体たらくでやれ「温暖化対策に有効だ」とか、「必要不可欠なエネルギー源だ」とか、「絶対安全だ」といった宣伝を繰り返し、いったん事故が起こったら「想定外だ」と言って責任を回避し、日本国の住民、いや世界中の人々の命を蹂躙しようとしているのです。事故の広がりと深刻さを考えれば、これはほとんど旧ソ連の指導層と同じだし、犯罪的だと思います。自分たちで安全を守れないなら、即刻救援を求めるべきでしょう。命を守るのに恥も外聞もありません。
  



2012年03月23日

「フクシマ・アーカイブ」12日目。東日本大震災とそれに続く福島第一原発の核惨事のときに日本の政治の情けないまでの無能力さが白日の下に晒されました。僕ら日本人だけでなく、世界にその恥をさらしたのです。日本の政治家も政府も官僚も、そしてそれを擁護しようとする原発利権に群がる産業界や御用学者そしてメディアは、このとき国民の信頼を完全に失ったと言っていいと思います。それが原発の再稼働を巡る混乱の中で一層明確になってきています。国民の命を一顧だにしない政治家たち、そして目先の利益のためにそれを後押しする一部の経済人たち。国家が沈没しようが、国民の命がどれだけ失われようが彼らにとっては問題ではないのです。不都合なことは頬かむりして原発再稼働にまい進する野田首相も同じです。

そんな人間たちの集団に黙っていたら、間違いなく次の原発事故によって日本は終わります。それでもあなたは彼らを見過ごし、怒りの声を上げませんか?

以下は、2011年3月23日に原発事故に何もなす術をもたなかった無能な政治家たちについて書いた僕のブログ記事です。


【入閣拒否】

菅首相の入閣申し入れを谷垣総裁が拒否したそうです。

『菅直人首相は19日午後、自民党の谷垣禎一総裁と電話で会談し、東日本大震災への対応に関し「国家的危機への責任分担をしてもらえないか」と述べ、副総理兼震災復興担当相としての入閣を要請した。これに対し、谷垣氏は「あまりにも唐突な話だ。今は体制をいじるときでなく、被災者支援、原発対応に全力を尽くすべきだ」と拒否した。子ども手当など民主党の主要政策に反対していることを踏まえ、連立政権への参加は有権者の理解を得られないと判断した。
 ただ、谷垣氏は「これからも震災復旧に惜しむことなく閣外で協力する」と述べ、被災者の生活支援や被災地の復興には積極的に取り組む考えを伝えた。
 首相が入閣を要請したのは、震災や福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故に対応するには、「大連立内閣」をつくり、与野党の総力を挙げる必要があると考えたためだ。一方、谷垣氏には入閣した場合、深刻化した原発事故の責任を共に負わされかねないとの強い警戒感もあったとみられる。』(3月20日付時事通信)


【政治への怒り】

一体政治家たちは何を考えているのでしょうか?3月11日の東北関東大震災の発生から昨日まで、とてつもない被害を受けた被災地。そして福島第一原発を襲った恐怖の核惨事。とりわけ福島第一原発の緊迫した状況は福島周辺だけでなく、日本全国を恐怖のどん底に突き落とし、全世界もその危機的状況に震えています。僕も事故発生から昨日までずっと福島第一原発の危機をブログに書き続けてきました。

その間菅首相をトップとする官邸は、危機的状況に陥ったニッポンを何とか立ち直すべく必死の努力をしています。地震・津波被災地の救済も、原発危機への対応も、正直、あまりにも経験不足で、あまりにも失敗続きで、とても満足できるようなものではないかもしれません。しかし、とにもかくにも必死でやっていることは確かだと思います。

その最中に入ってきた菅首相の谷垣総裁への入閣要請のニュース。物別れに終わったとのことですが、正直呆れ、怒りがこみ上げてきました。なぜか?それは菅首相の要請も、谷垣自民党がいろいろ屁理屈をつけて協力を拒むのも、平時のやり取りならともかく、これほど国家が危機的状況にあるときに、日本の政治のトップが政争をやっている場合かということです。

谷垣総裁は、国家的危機にあたって政策の一致が必要と言うなら、自ら民主党に乗りこんで必死でそういう接点を模索したらどうでしょうか。ちょろちょろと自民党幹部と話して、「やっぱり駄目です」なんて言ってる場合でしょうか。地震と津波という自然災害については防げなかったかもしれませんが、原発についてはここまでずるずると国民から真実の情報を隠し、電力会社や経産省の体質を歪めてきた責任の一端はそもそも自民党にあるのではないでしょうか。福島原発の危機回避にむけて自民党がやることは山ほどあると思います。

放射能の恐怖に怯えて屋内待機したり、着の身着のままで自宅を放棄して退避する福島の方々のことを本当に真剣に考えているのでしょうか。

もちろん、自民党だけでなく民主党や他の野党にだってこんな事態に至ったことに対し政治家としての責任はあります。こんな危機の最中には小沢氏も鳩山氏も死に物狂いで政権を支えるべきだと思います。なのに彼らの顔も行動も何も見えません。これほどの危機に際して、政治家たちの顔がまったく見えないのは一体何なのかと問いたいです。

国民は間違いなく、この危機が去った後この政治家たちを見放すと思います。  



2012年03月22日

【株主提案】

これから命を守るための本当の戦いが始まります。

『大阪府市の「エネルギー戦略会議」(座長=植田和弘・京都大教授)は18日、関西電力の筆頭株主である大阪市が6月の同社株主総会で提案する内容の骨子をまとめた。

 全11基の原子力発電所を可及的速やかに廃止し、代替電源として再生可能エネルギーによる発電所の導入を求めるなどとしており、近く府市統合本部で最終決定する。

 骨子では、絶対的安全性の確保を徹底した上で当面の原発稼働を容認する一方で、「事故が起きれば府民、市民に回復不可能な被害を及ぼし、関電が倒産するリスクも高くなる」として全原発廃止を求めている。また、再生可能エネルギーによる発電所などへの投資優先のため、送電部門の別会社化、役員、従業員数の削減、政治家への寄付やパーティー券購入の廃止によるコストカット、他社管内での電力小売り進出なども明記した。

 さらに、この日の会議では、株主提案とは別に、政府が再稼働を目指している福井県おおい町の大飯原発について、エネルギー戦略会議としての再稼働条件を関電や政府に提示することも確認した。

 関電株は大阪市が9%を保有しているほか、神戸市も3%、京都市も0・5%を保有。今後、神戸、京都両市にも共同提案を呼び掛ける。』(3月19日付読売新聞)


【既得権者との壮絶な戦い】

福島第一原発の核惨事を経て、わずかずつではありますが日本も変わりつつあることを実感するような現象が起こっています。そのひとつが橋下氏の動きです。財界には経団連の米倉会長の親原発路線に真っ向から対峙している孫正義氏の存在がひときわ目立ちますが、政界では今まで既存の政治家でここまでハッキリと脱原発の姿勢を明確にした人はいなかったのではないでしょうか?自民党の中でも原発に厳しい見方をしている河野太郎氏でさえ、自分は脱原発ではなく核燃料サイクルに反対なのだと言っていたのを聞いたことがあります。河野氏でさえそうですから、他の議員は推して知るべしでしょう。既得権益にまみれて原子力ムラに正面から対峙する気などさらさらない議員ばかりです。野田首相が菅前首相の脱原発路線はかなぐり捨てて、原発再稼働にまい進しているのはご存知のとおりです。

このまま原発という既得権益のためなら国家が滅びても構わないと言わんばかりの原子力ムラの人たちをのさばらしていたら、本当にニッポンという国家は近い将来、第二の福島の事故を起こして一瞬にして崩壊するでしょう。それを止めることができるとしたら、やはり政治しかない。その一筋の光明が橋下氏ではないかと僕は期待しています。関西電力は東電に次ぐ電力界のドンです。株主提案にある電気事業連合会からの関西電力の脱退も是非やってもらいたい。こことの戦いは熾烈を極めるのではないかと思いますが、是非、橋下氏に頑張ってもらいたいです。

それにしても官僚の姑息な手口を知り尽くしている元経産省官僚の古賀邦明氏が大阪市のエネルギー戦略会議を引っ張っているのは頼もしい限りです。
  



2012年03月05日

【なぜ海外メディア?】

野田首相が海外メディアのインタビューの中で原発の再稼働について述べました。

『野田佳彦首相は3日、海外メディアのインタビューに応じた。停止中の原発について「政治判断して、稼働をお願いせねばならない時は、政府を挙げて自治体の理解を得るべく全力を尽くす」と強調。安全と認めた原発の再稼働に向け、地元自治体の説得に乗り出す考えを表明した。税と社会保障の一体改革に関しては「国会論戦はかみ合ってきている。さまざまな分野で合意を得られる可能性はゼロではなくなってきた」と与野党協議の実現に自信を見せた。

 インタビューは、東日本大震災から1年を前に、米CNNや英BBC、中国・新華社、韓国・聯合ニュースなど9カ国19社の報道機関が、首相官邸で実施。海外で関心の高い東京電力福島第1原発事故への質問が相次いだ。

 原発再稼働について首相は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会が、電力会社による安全評価(ストレステスト)の結果を二重に点検する仕組みを説明。国内の電力需給がこの夏、逼迫(ひっぱく)する懸念を認めた上で「稼働できるものは稼働するということで対応する」と前向きな姿勢を示した。』(3月4日付毎日新聞)


【3/11前と変わらぬ原発容認姿勢】

野田首相は昨年秋に菅前首相と交代して以来ずっと脱原発を表明した前首相を否定し、福島第一原発の核惨事が起きる以前の政府の原発推進容認姿勢に逆戻りしてきました。福島の事故原因の究明さえ終わっていない段階での原発の海外輸出の容認がそうでしたし、国連での福島事故の収束宣言や、福島原発の冷温停止状態達成宣言もそうでした。

その一方で、野田首相は事故後どれほど原発の安全性が強化されたのかについて直接国民にわかりやすく説明したことがありません。福島やその周辺で放射能被害に苦しむ方々にも直接出向いて原発の安全性がこれだけ向上したから安心だと本気で説明したことなど一度もありません。消費税増税の説明には本気だというのがわかりますが、原発の話になるとテレビの画面に映る野田首相の顔も声も到底本気だとは思えません。人間はその表情を見れば本気度はわかるものです。

そんな中で今度は原発の再稼働に向けて地元自治体を説得するこという。冗談じゃない。そんなことをする前に首相としてやるべきことがあると思います。先ずは事故の徹底究明を終わらせることです。そしてその結果を原子力ムラの解体、原発の安全を担保するための組織の抜本的な改革、電力会社の独占体制の抜本的見直し、放射能被害に苦しむ福島やその周辺の方々への完全な補償、福島から出た放射性物質の中間貯蔵、破たんしている核燃料サイクルを含む日本全国の原発から出た放射性廃棄物のこれからの処分方法の見直し、そして日本経済の活力を維持しながら日本をいつ破滅させるかもしれない危険な原発依存から脱却するための新しいエネルギー戦略の構築。どれひとつとっても昨年3/11から何一つ終わっていないし、本気で首相が音頭を取っている気配さえ見えません。

そして時間切れになるから再稼働のために地元を説得するという。しかも国民の前でそういう重大なことを発表するのではなく、海外メディアに対して明らかにしたそうです。それでは3/11以前の政治と何も変わらないじゃないですか?日本国民全体の命を預かる総理大臣として、原子力規制庁などと看板だけ変えて、「はい、もう原発は安全です」などと言えるような甘いものではないということをしっかりと腹に据えていただきたいと思うのは僕だけでしょうか?  



2012年02月29日

【株主提案権行使】

いよいよ関西で脱原発を巡る動きが本格化してきました。

『大阪、神戸、京都の3市は27日、関西電力に対し、脱原発依存や発送電分離を求める意見書を連名で提出した。「大規模集中型電源の脆弱(ぜいじゃく)性は明らか」と主張している。3市は関電株を保有しており、大阪市の橋下徹市長は株主提案権を行使する方針。意見書で3市の足並みをそろえ、提案権行使での連携につなげる狙いがある。

 意見書は「再生可能エネルギーを中心とした小規模分散型電源の普及と地産地消のエネルギー社会の構築が必要」と指摘。天然ガスを利用した火力発電など、原発に依存しない供給体制の確立▽発電・送電部門の分離▽需給情報の開示▽料金低減や安定化に向けた経営方針の転換--の4項目について、3月15日までの回答を求めている。

 この日は3市の担当部局の幹部が関電本店(大阪市北区)を訪れ、勝田達規(ひろのり)・関電総務室長に意見書を手渡した。

 関電は「意見書の内容を踏まえ、適切に対応したい」としている。』(2月27日付毎日新聞)

【本格的な改革への一歩】

市民運動家では成し得ない本格的な戦いの火ぶたが切って落とされようとしています。場所は関西。大阪市と神戸市と京都市が関西電力に対して脱原発依存へ舵を切るよう株主提案権を行使するというものです。

関西電力は自社のエネルギー源の半分近くを若狭湾を中心に集中立地している原発に依存しています。「原発銀座」と呼ばれる福井県若狭湾の海岸線には5つの発電所があり、超危険な高速増殖炉もんじゅを含めて、合計14基もの原子炉がこんな狭い地域に林立する全国いや全世界でも例を見ない原発の集中立地地帯ですが、このうち高浜原発、大飯原発は関西電力が運転しています。この地域は多くの活断層が存在するばかりか、老朽化原発が多く、ここに大地震が発生すれば14基もの原発が一気に全滅する可能性が高く、間違いなく日本壊滅という事態になるでしょう。

こんな身の毛もよだつようなリスクを日々背負って、コスト意識が薄くガバナンスにも問題ある電力会社が運転しつづけていること自体おかしな話だったのですが、ついに福島第一原発の核惨事を経験して、橋下市長を筆頭に関西の有力な都市が立ちあがったのです。関西の市民、そしてニッポン全体の市民、さらには世界の安全のためには脱原発依存は当然の成り行きだと思います。

これは非力な市民運動家ではなしえないことです。まさに既得権益勢力と新興勢力、巨大利権と地域の新興勢力との政治的な戦いが始まったと言っても過言ではないと思います。いづれ、この流れは原発依存に対する危機感が薄く、政治的にも無風状態にある九州にも波及していくことは間違いないでしょう。注視しておきたいと思います。  



2012年02月17日

【何も変えられない自民党】

自民党という政党は本当に何にも変えることができなくなったとつくづく思います。

『自民党総合エネルギー政策特命委員会は15日、新たなエネルギー政策の中間報告を決定した。

 原子力政策のあり方について「向こう10年で結論を出す」とし、意見集約を先送りした。特命委は福島第一原子力発電所の事故を受け、昨年7月から「脱原発」の是非を議論してきたが、原発推進派と脱原発派の対立を解消できなかった。

 委員長の山本一太参院議員は記者会見で「再生可能エネルギーや、原発開発技術の動向などを見極める必要がある。先送りではない」と語ったが、エネルギー政策への姿勢が定まらない党の現状を露呈した格好だ。

 特命委は、政府が新たなエネルギー基本計画をまとめる今夏をめどに最終報告をまとめる。

 自民党内では、政府が1月に提出した原子力規制関連法案を巡っても足並みの乱れが生じている。新設する原子力規制庁を国家行政組織法上の「3条委員会」にするなど、政府案以上の独立性を求める声と、原発への過度の規制を懸念する声が混在しており、意見集約は難航が予想される。』(2月16日付読売新聞)


【反骨の河野太郎氏】

2月9日の河野太郎自民党議員の公式サイトを見ていたら、自民党エネルギー政策議員連盟による「新しい日本のエネルギー政策」の提案が掲載されていました。その冒頭には、大きな方針として「原子力ムラを解体し、現実的な脱原発を実現する」、「エネルギー分野で多様な主体による分散型技術革新を実現する」、「将来の化石燃料の価格高騰にも対応できる、世界に先駆けた再生エネルギービジョンを実現する」とあり、そのあとには原発の規制、再稼働、今後の原発の在り方などが理路整然と書かれていました。

以前から原発推進という既得権益にまみれた自民党の中にあって、どんな批判にもめげずに戦ってきた河野太郎氏の反骨精神というか、百万人の敵あろうとも我行かんという気概には脱帽していましたが、この提案の中には河野氏の原発に対する積年の思いが反映されているということが直観的に感じられました。

しかし、この日の自民党総合エネルギー政策特命委員会の中間報告には河野氏の真摯な提案などまったく反映されていませんでした。もともと医師会や原子力ムラなどさまざまな既得権益集団なくして成り立たない政党であることはわかっていましたが、こと原発に関しては国家を壊滅させたかもしれない福島第一原発の核惨事を経験して、少しはマシな方向に向かうのではという期待もありました。でもやはり馬鹿な政治家の集まりだということがまたしても明確になりました。

あと10年かけて原発の方向性を決める?冗談でしょう?10年といえば2020年。そんな後になって一体何を決めると言うのでしょう。原発の存廃は「今、そこにある危機」であり、まさに国家の存亡がかかっているというのに、まだこの人たちはわかっていないとしか言いようがない。賛否両論が党内にあってそれさえもまとめられない政党に国家の危機が救えるはずがないと思うのは僕だけでしょうか?自民党の政治家たちはもはやこの日本にとって害にしかなりえない存在だと断言せざるを得ないと心底感じました。さようなら、自民党。

もちろん、民主党もほとんど同じ穴のムジナになっていることも付け加えておかなければなりません。

≪参考≫

・「自民党エネルギー政策議連提案」・・・2012年2月9日の河野太郎氏の公式ブログ記事
  



2012年02月06日

【老人たちの離合集散】

石原都知事や国民新党の亀井代表が元気みたいです。

『東京都の石原慎太郎知事は3日、国会内で開かれたたちあがれ日本の全国拡大支部長会議で、同党の平沼代表、国民新党の亀井代表らとの新党構想について「東京でやることはやった。みなさんに命を預けたい。一緒にやりましょう」と述べ、参加に強い意欲を示した。

 民主党や自民党では新党を期待する議員もおり、特に政策面で比較的近いとみられる自民党執行部は引き抜きを警戒している。

 石原知事は「この国はどうなってしまうのか、という思いだ。自民党も(先行きは)長くないし、民主党も飽き飽きされて、放り出された」と語り、第3極の結集による政界再編を目指す考えを示した。

 石原知事や平沼氏らはすでに、新党結成に向けた綱領の検討に着手しており、「自主憲法の制定」などを盛り込む考えだ。国政進出の準備を進める「大阪維新の会」の橋下徹大阪市長、大村秀章愛知県知事との連携もにらんでいる。人気の高い石原知事と橋下氏が連携すれば政界再編への起爆剤となる可能性もあり、自民党の一部ではすでに「両氏の連携が成功すれば新党に加わりたい」という声が出ている。こうした声は民主党の保守系若手議員の中にもある。

 自民党執行部では、次期衆院選の責任者で石原知事の長男の石原伸晃幹事長が、新党構想に不快感を示している。石原幹事長は1日に会談した大村氏に、「関ヶ原の戦い」で親子が敵と味方に分かれた戦国大名の真田家を引き合いに「真田の心境だが、オヤジを頼む」と漏らすなど、複雑な心境ものぞかせている。

 石原知事は昨年春、伸晃氏の説得を受け入れる形で都知事選不出馬の意向を撤回し、4選を果たした経緯があり、自民党内には「石原知事は伸晃氏を窮地に追い込むような行動は取らないだろう」という見方もあるが、石原知事の真意は定かではない。知事周辺には「第3極を作るにはまず新党の設計図を描くことが必要で、そのための協力は惜しまないということ。知事の発言は知事を辞めるという意味ではない」と解説する向きもある。

 石原知事はこの日の記者会見で、橋下氏との連携に関し、「新党という政局の動きと大阪都構想など地方自治の話は次元が違う」という指摘があることについて、「その通りなんじゃないですか」と述べた。

 橋下氏も3日夜、大阪市役所で記者団に、石原知事らとの連携について、「先に誰と組むか、誰とつるむのか、そんな話では国民はすぐに冷めてしまう」と語った。』(2月4日付読売新聞)

【あるのは幻滅感だけ】

石原知事や亀井代表が新党構想をぶちあげて、たちあがれ日本の平沼赳夫代表にも協力を要請していると聞いて、みなさんはどんな風に感じられるでしょうか?正直言って、こんな老人たちの集まりではとても暴風雨の中で沈没寸前の日本丸を救うことは体力的にも気力的にも絶対無理だと思うのは僕だけでしょうか?そもそもなぜこの老人たちを凌ぐようなパワーのある人たちが若手の政治家から出てこないのか?人材不足も甚だしい気がします。

記事の最後に出てくる橋下大阪市長の一言「先に誰と組むか、誰とつるむのか、そんな話では国民はすぐに冷めてしまう」がまさに大多数の国民の本音を言い当てているのではないでしょうか。

幻滅してばかりはいられないのですが、絶望的なニッポンの政治状況です。  



2012年01月27日

【菅氏の訴え】

野田首相は多忙のためダボスには出席していませんが、前首相の菅氏は彼の地で脱原発を訴えています。

『世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席するためスイスを訪れている菅直人前首相は26日、記者団に対し、原子力発電所の安全性などに関する国際ルールを作る必要があるとの考えを示した。首相はこの後、東日本大震災がテーマの講演で提唱。自ら主張する「脱原発依存」について、国際的な機運を高めていく狙いもあるとみられる。
 前首相は記者団に、核兵器に関しては国際原子力機関(IAEA)など国際的な監視の枠組みがある一方、原発については「核兵器への転用を除けば各国に任されている」と指摘。原発の安全性や人的ミス、テロ対策、核燃料の最終処分地などに関し、「国際的な議論が必要だ」と語った。
 原発に関する国際ルール作りについて、前首相は「そうした(原発事故という)経験をした前首相としての私の考えだ」と述べ、日本政府の見解ではなく個人的な主張だと説明した。』(1月26日付時事通信) 


【首相経験のある市民活動家】

菅氏が昨年の3月11日、あの未曾有の東日本大震災の最中に起きた福島第一原発の核惨事という日本国の存亡にかかわるほどの修羅場にあって、一部対応のまずさなど批判はあるものの、何とか関東の壊滅という事態に至るのを回避したのは紛れもない事実です。原発の利権にまみれた他の政治家だったらあの危機は回避できなかったでしょう。

菅氏が首相の座を去った後、野田総理は菅氏の打ち出した「脱原発」路線についてはまるで何事もなかったのように無言になり、福島第一原発の事故調査も終わらないうちに原発輸出は再開、原発の廃炉については40年と期限を決めても60年まで可能との例外規定を設けるなど3/11前と実質変わらないような対策を講じようとするなど、国家が崩壊するほどの核汚染の恐れがあったことなどよその国の出来事のような態度に終始しています。

3/11とその後に起こったあのおぞましい福島の核惨事の中、原子力の専門家と言われていた東電経営陣、原子力安全委員会や原子力安全・保安院が無能ぶりをさらけだしていたときに、とにもかくにも重圧に耐えて陣頭指揮を執った菅氏の経験はこれから長い間つきあっていかなければならない原発の廃炉や放射能汚染の処理、政府や東電の原子力安全に関する組織づくりなどに生かしていくべき貴重な国家の財産だと思います。

是非、菅氏には世界最悪の原発事故を経験した首相経験者として、さらにはかつての市民運動家としてのバイタリティで原子力ムラの強固な包囲網をものともせずに、脱原発に向けた新しい日本の再生に向けて頑張ってもらいたいと思います。

≪参考≫

・「菅首相と原発―週刊朝日インタビュー」・・・2011年8月11日付の僕のブログ記事
  



2012年01月16日

【小さな政府】

オバマ大統領が「小さな政府」を目指すのでしょうか?

『オバマ米大統領は13日、政府機関の本格的な再編・統合に乗り出すことを明らかにした。第1段階として商務省を廃止し、米通商代表部(USTR)など商業や貿易を担当する6政府機関を一つに統合することを提案した。行政のスリム化により歳出を削減するとともに、行政機能の強化を図る狙いで、約半世紀ぶりの本格再編となる。

 オバマ大統領は会見で、「経済や市民の要望が時代とともに変化しているのに、政府は変わらずにより複雑になっている。私たちの政府は、私たちが必要とする政府ではない」と、再編の理由を説明。議会に対し、行政機関の改革のための大統領権限を付与するよう求めた。

 提案では、商務省の予算の半分以上を占める海洋大気局を内務省に移管。商業・貿易に関する残りの部局と、中小企業局、USTR、輸出入銀行、海外民間投資公社、貿易開発局を統合する。10年間で30億ドル(約2300億円)の経費圧縮が見込まれるという。オバマ大統領は、行政機能を集約することなどで、企業支援や貿易促進など経済活性化や雇用拡大の効果を強調した。

 今回の行政再編は、野党の共和党が訴える「小さな政府」に沿ったもの。ただ、議会では11月の大統領選を前にした与野党の対立が深刻化しており、議会の承認を得られるかは不透明だ。』(1月14日毎日新聞)


【財政再建】

米国の民主党といえば、思想的にはリベラルで、国家の在り方と言えば社会政策などを積極的に行い、経済に対する規制にもどちらかというと積極的というのが素人なりの理解なのですが、そういう観点からすると民主党の大統領であるオバマ氏が省庁を再編し「小さな政府」を目指すというのは本当なのかと疑ってしまいます。

しかし見方を変えれば、長引く経済の低迷や遅々として進まない政府の赤字削減などで米国債が格下げになったり、米国政府の財政規律に対する米国民、世界の投資家や他国の信任が揺らいでいる中で、オバマ氏が次期大統領選を制して民主党が政権を維持していくためにはなりふりかまわぬ努力が求められているということなのでしょう。

振り返ってニッポン。社会保障政策と税の一体改革を掲げて中央突破を目指すという野田内閣。米国よりもはるかに深刻といわれる日本の財政赤字を減らし、国債暴落という最悪のシナリオを回避するために、消費税引き上げのスケジュールをその中に組み込まざるを得ないのはある程度わかるとしても、歳出削減のための「小さな政府」への本格的取り組み、例えば米国以上の省庁再編や独立行政法人の大幅廃止などの具体的な取り組みが俎上に上らないことに疑念をいだくのは僕だけでしょうか?

福島第一原発の核惨事後、原発の安全のために人・モノ・カネをさらに投下せざるを得ない中、省庁の大幅な見直しは避けて通れないと思いますがみなさんはどう思われますか?
  



2011年12月19日

【突然の訃報】

昼ごろに友人のFacebookのリンクで知りました。

『北朝鮮の朝鮮中央テレビと朝鮮中央放送、平壌放送は19日正午からの「特別放送」で、最高指導者の金正日総書記が死去した、と伝えた。69歳だった。葬儀の日程などは不明。

 北朝鮮は昨年から金総書記の三男で朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長を務める金正恩氏を中心とする三代世襲態勢への移行を推進していた。金総書記の死去が今後の北の核活動を含む対外政策にどのように影響するか、米韓など各国は不測の事態に備え情報の収集と分析に全力を挙げる。

 ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮中央テレビは同日午前10時、正午からの特別放送を予告。その際、アナウンサーが悲しい表情をしていたうえ、背景音楽が「将軍」を称える主旨の曲調だったことから死亡したとの見方が有力だった。

 北朝鮮では2010年9月、朝鮮労働党代表者会を44年ぶりに開催し、正恩氏を後継者に選出。健康に不安を抱える金総書記の死後の“金王朝”の安泰をアピールし、国内の安定を図ってきた。

 北朝鮮は核開発に力を入れ、06年10月と09年5月に核実験を実施。既に数発の核爆弾を保有しているとみられている。また10年には米国の核専門家に対してウラン濃縮施設を公開するなど、核を恫喝(どうかつ)外交の手段としてきた。

 金総書記は73年、31歳で党、軍の人事を握る朝鮮労働党組織指導部長、思想担当兼宣伝扇動部長に就任。翌年、労働党中央委員会で政治局員に選出され、金日成主席(94年死去)の後継者となった。08年8月に脳卒中で倒れたとされ、健康が不安視されていた。

 故金日成主席の生誕100年に当たり、自身も70歳を迎える12年を「強盛大国の大門を開く年」と位置付け、軍事強国を目指し、正恩氏の後継体制確立を推進してきた。』(12月19日付産経新聞)

【急変するアジア】

政権交代による混乱、東日本大震災に続く巨大津波と世界最悪の放射能汚染となった福島第一原発の核惨事への対応など国家的な危機ともいえる状況にあるニッポンにとって、またひとつ頭の痛い問題が突如北朝鮮で起こったのです。

故金日成主席の死去の際には、北朝鮮は3年間国家として喪に服したそうですが、今回も相当の期間、喪に服することになるでしょう。したがって少なくともその期間、表向きは軍部の暴走が今すぐ起きるようなことはないかもしれません。しかし、絶対権力者が突然いなくなった意味は大きいでしょう。それもその権力者が指名したのは、金総書記の三男である若干28歳の金正恩氏。今まで何の実績もないため、側近が付いて当面集団指導体制を敷くようですが、水面下では激しい権力闘争が繰り広げられることになるのではないかと思います。

金正恩氏が権力基盤固めに失敗すれば、飢餓と貧困に喘ぐ北朝鮮の多くの国民は中国や韓国に大量に脱出していくことになるでしょう。それは中国にとっても韓国にとってもある意味、悪夢のようなシナリオだと思います。

自国民にさえ愛想を尽かされているニッポン政府では、この緊急事態に対処できないのではないかと危惧するばかりです。
  



2011年12月17日

【冷温停止状態】

野田首相が原発事故収束のステップ2が完了したと宣言しました。

『東京電力福島第1原発事故で、政府は16日、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)の会議を首相官邸で開いた。原子炉の冷却が安定して放射性物質の放出が大幅に抑えられた「冷温停止状態」が実現し、事故収束に向けた工程表「ステップ2」が完了したとする政府・東電統合対策室の判断を了承。野田首相は「冷温停止状態に達し、事故収束に至ったと判断した」と宣言した。
 同原発では3基の原子炉が炉心溶融(メルトダウン)を起こし、溶けた核燃料の状況が確認できない上、放射性物質の外部への放出も完全に止まっていない。避難した周辺住民の帰還のめども立っておらず、反発を呼びそうだ。
 宣言を受け、政府は同原発から半径20キロ圏内の警戒区域と、年間放射線量が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域を、新たに3区域に再編する検討に入った。近い将来の帰宅が可能な「解除準備区域」(年間線量20ミリシーベルト未満)、数年間居住が難しい「居住制限区域」(同20ミリシーベルト以上~50ミリシーベルト未満)、数十年間帰宅できない可能性がある「帰還困難区域」(同50ミリシーベルト以上)とする方向で調整している。』(12月16日付時事通信)

【大本営発表変わらず】

正直言って、今回の事故収束宣言は野田首相がいかに福島原発事故問題に本気で取り組んでいないかを内外に示しただけです。本当の意味での事故の収束は何も進んでいないのは誰の目にも明らかです。そもそもメルトダウンした原子炉内の状況も明確に把握すらできないのに、通常専門家が使う「冷温停止」という言葉を「冷温停止状態」などとあいまいに表現して事故の収束が完了したなどと発表するのは、まさに戦前の大本営発表並みの大ウソではないでしょうか。

野田首相は本気で福島原発の核惨事を収束させるどころか、こんな事態に至っても未だに首相の指導力を発揮して経産省主導の原発維持体制を脱原発に方向転換する意志などまったくないということがますますはっきりしてきました。菅前首相が本気で経産省と対峙し国民の声に向き合ったのとは正反対です。

おそらく年内にステップ2完了を宣言するのを急いだのは、日本の原発の安全性を海外にアピールしたいからでしょうが、福島県を中心に故郷にも帰れなくなった住民の方々のことを考えれば、もっとやるべきことは山積しているのではないでしょうか。例えば鳩山元首相が言っているように相変わらず情報を隠し続ける東電から福島原発を分離して国有化して、本気で事故原因を調査するとかもそのひとつです。

残念ながら、事故後の対応を今まで見ていると日本政府には真に国民の安全を考えて原発という危険な技術を維持管理する能力はないと断言せざるを得ないと思います。これだけの核惨事を招いても大本営発表をする政府。深い怒りと失望を覚えます。  



2011年12月12日

【筆頭株主の威力】

橋下次期市長の脱原発に向けた動きが始まります。

『大阪市の橋下徹次期市長は9日、市が筆頭株主となっている関西電力の株主総会で、原発依存度を下げるため「発送電分離」で他の民間業者の参入を促す株主提案権を行使する方針を改めて表明。市の担当部局にも準備を指示した。

 市は関電株の約9%を保有する筆頭株主。

 橋下氏は報道陣の取材に対し、東京都と大阪市で原発の是非を問う住民投票を目指す市民グループの活動に触れ、「市民グループの活動は否定しないが、自分としては株主提案権を行使する方にエネルギーを振り向けたい」と発言。

 さらに「株主提案権を行使して株主の賛同を集めれば、関電の経営陣は実施しなければならない」と実効性を強調。株主提案権行使の際には、発送電分離の提案を盛りこむ方針を明らかにした。

 橋下氏は、東京電力福島第1原発事故を受けた今夏の節電騒動をめぐり、現職の平松邦夫市長の対応を「市は関電の筆頭株主であるにもかかわらず、何の結果も出ていない」と批判。平松氏と直接対決した大阪市長選でも、発送電分離のほか、原発依存度を下げるエネルギー政策の実現などを訴えていた。』(12月9日付産経新聞)

【既得権益との壮絶な戦い】

福島第一原発の核惨事を経て、わずかずつではありますが日本も変わりつつあることを実感するような現象が起こっています。そのひとつが橋下氏の動きです。財界には経団連の米倉会長の親原発路線に真っ向から対峙している孫正義氏の存在がひときわ目立ちますが、政界では今まで既存の政治家でここまでハッキリと脱原発の姿勢を明確にした人はいなかったのではないでしょうか?自民党の中でも原発に厳しい見方をしている河野太郎氏でさえ、自分は脱原発ではなく核燃料サイクルに反対なのだと言っていたのを聞いたことがあります。河野氏でさえそうですから、他の議員は推して知るべしでしょう。既得権益にまみれて原子力ムラに正面から対峙する気などさらさらない議員ばかりです。

このまま原発という既得権益のためなら国家が滅びても構わないと言わんばかりの原子力ムラの人たちをのさばらしていたら、本当にニッポンという国家は近い将来、第二の福島の事故を起こして一瞬にして崩壊するでしょう。それを止めることができるとしたら、やはり政治しかない。その一筋の光明が橋下氏ではないかと僕は期待しています。関西電力は東電に次ぐ電力界のドンです。こことの戦いは熾烈を極めるのではないかと思いますが、是非、橋下氏に頑張ってもらいたいです。  



2011年11月01日

【次々と進む体制立て直し】

着々と体制立て直しが進んでいるようです。

『野田佳彦首相は31日、首相官邸でベトナムのグエン・タン・ズン首相と会談する。ベトナム南部のニントゥアン省で進んでいる原子力発電所2基の建設計画への技術協力やレアアース(希土類)の共同開発など、昨年10月に菅直人前首相とズン首相が発表した共同声明に沿った成果を確認し、今後の協力強化について意見交換する。

 原発については25日、グエン・スアン・フック副首相が毎日新聞との会見でズン首相の訪日時に日本の技術導入で正式合意する方針を表明。日本政府は原発などインフラ輸出を積極的に進めてきたが、東京電力福島第1原発事故後は停滞しており、今回の首脳会談が原発輸出再開へ向けたゴーサインとなる。』
(10月29日付毎日新聞)


【菅前首相との違い】

一体菅前首相が政府の一部である経産省と全面的に対決してまで、原発に急ブレーキをかけようとしてきたのは何だったんでしょうか?菅直人氏がすべて狂っていたのでしょうか?3/11から半年あまり、未曾有のフクシマの核惨事によって明らかになった原子力ムラの強引な原子力推進体制のツケが福島で回ってきたのだと多くの人が感じたにもかかわらず、野田政権に変わってからはまるで福島の核惨事などなかったかのように、野田首相による国連での原発の安全性に関する演説、原発輸出の再開や原発の新規着工に対するあいまいな姿勢など着々と3/11前の原発維持体制に戻しつつあるようにしか見えないのは僕だけでしょうか。

原発の今後について、早々にダンマリを決め込んで世論の鎮静化を待つような自民党は論外ですが、野田政権の原発を巡る「守り」というか、着々と時計の針を元に戻していくような姿勢には警戒の念を持たざるをえません。(但し、細野環境相はよく奮闘していると思いますが。)

菅前首相が3/11後に東日本全体が壊滅するかもしれないという身の毛もよだつような経験をし、多くの国民がこのままの原発維持は危ないと感じた直観を今もう一度呼び覚まして、市民である僕たちは政府の原発に関する政策や姿勢、原発ムラの人間たちの言動をしっかりと監視していくことが求められていると思います。  



2011年10月25日

【異例のダブル選挙】

橋下知事が大阪市長選にいよいよ名乗りを上げました。

『大阪市長選(11月27日投開票)への出馬を表明した大阪府の橋下徹知事(42)は22日午後、代表を務める地域政党・大阪維新の会の集会に出席し、選挙戦の争点に掲げる「大阪都構想」を訴えた。

 再選出馬を表明している平松邦夫市長(62)も支援団体の集会で都構想批判を展開し、両氏の直接対決が事実上、スタートした。

 出馬表明から約10時間後の午後2時。維新が大阪市福島区で開いた「区民会議」に出席した橋下知事は今の大阪市内の区役所について、「名前は役所でも、実態は(市役所の)『窓口』。区長も『窓口所長』だ」と言い切り、「(都構想で)すべてのことを区単独で決められる、本物の役所を作りたい」と訴えた。

 一方、平松市長も同市西成区での集会で「温厚な平松で知られているが、たまりにたまっている」と前置きしたうえで、「大阪都と言うだけで、暮らしがよくなるわけがない。この街を独裁者の手に渡してはならない」と声を張り上げた。

 市長選には共産党などが擁立する前大阪市議の渡司考一氏(59)、前兵庫県加西市長の中川暢三氏(55)も立候補を表明している。』(10月22日付読売新聞)


【大阪の反乱】

大阪市の人口は約265万人、全国最大の政令指定都市です。もうひとつの政令指定都市である堺市とこの巨大都市・大阪市を中心にもつ大阪府は人口約880万人。福岡市の人口が150万人、福岡県が500万人と比較するとその大きさがわかります。

大阪市と大阪府、お互いの政治的意志が近ければ相互協力・依存関係を維持していけるのでしょうが、大阪都構想を掲げる「改革派」の橋下知事にとってはことごとく反旗を掲げる平松市長は目の上のタンコブ的な存在でしょう。

それにしても知事から市長への転身とは奇想天外です。既存の地位や名誉に拘泥せず、改革に必要なことなら何でもやるという気構えだからこそこういった発想が出てくるものと信じたいですね。

【大阪復活】

僕はあまり詳しく大阪府や大阪市のことも知りませんし、橋下知事の「大阪都構想」についても勉強不足です。ただ、ときおり新聞などで話題になったりテレビに出演する橋下知事の言動を見ていると、大阪をなんとか変えたいという信念のようなものが伝わってきます。既存の官僚制度や政治の枠組みを変えようという意志が感じられるのです。

折しも3月11日の東日本大震災後、関東は福島の核惨事によって首都機能そのものがマヒする事態に見舞われました。半年以上経った今でも首都圏3千万人もの人々は放射能の脅威にさらされ、首都圏だけでなく日本全体がこのままでいいのかという思いにかられているのでないかと思います。それは何か。

それは関東が今回のような原発震災や大規模な自然災害に見舞われた時に関東の首都機能を補完できるところを早急に作る必要があるということです。すでにさまざまな形で国土軸が東から西へ移る兆しが見えています。

時代の風が東から西に急速に吹こうとしている今、橋下知事の大阪都構想はその風に乗っていくという予感がしています。橋下知事は脱原発を公言する数少ない知事でもあります。関西が首都機能を補完できるようになるには、地震国では危険極まりない原発に依存していてはリスク分散など出来ないということもあるのでしょう、新しいタイプの政治家としてその改革に期待したいですね。  


2011年10月13日

【先送り?】

自民党が過去の責任を棚に上げて頬かむりをしようとしています。

『自民党が東京電力福島第1原発事故を受けて党内で始めたエネルギー政策の見直し作業にブレーキをかけている。同党は菅直人前首相が「脱原発」を掲げて衆院解散・総選挙に踏み切るのを警戒し議論に着手したが、野田政権の発足で解散は遠のいたとの判断から先送りに転じた。政府・民主党の議論の行方を注視する構えだが、脱原発の世論もいずれ落ち着くとみて、時間を稼ぎたい原発推進派の思惑も働いている。

 自民党が「総合エネルギー政策特命委員会」(委員長・山本一太参院政審会長)を設置したのは7月。1955年の結党以来の原発推進政策が事故によって批判を浴び、菅前首相の脱原発解散に対抗できるよう8月中の中間報告を目指していた。しかし、原発の再稼働や輸出に前向きな野田佳彦首相に代わり、特命委幹部は「解散も遠のき、向こうの出方をみないといけない」と結論を来年まで先送りする考えを示唆する。

 エネルギー政策の見直しに積極的だった石破茂前政調会長が9月末の党人事で交代したことも影響している。これまでの議論は事故後の世論に押されて原発依存を減らす方向で進んでいたが、党内は見直し派と原発推進派に分かれ、意見集約は難航していた。

 野田政権発足後の9月14日の特命委では、旧通産省出身の細田博之元官房長官が「原発をやめろとか推進しろとか政治家が言うことは無用の議論を起こす。世論が中庸でいかざるを得ないと認識するまで1、2年はかかる」と発言。ほとぼりが冷めるのを待つよう主張する原発推進派に対し、見直し派は「基本方針は早く出すべきだ。世論が沈静化したらコソッとやろうなんてあってはならない」(柴山昌彦衆院議員)と反発する。

 自民党との連立政権時代、原子力を「過渡的エネルギー」として容認した公明党も「他党の議論を見ながらでいい」(党幹部)と様子見の構え。事故を受けて8月中に原発縮小の新方針をまとめる予定だったが、先送りしている。』(10月4日付毎日新聞)

【無責任政党】

もともと「特命委員会」などという仰々しい名前を付けた時から何もできもしないとは思っていましたが、やはりそのとおりほとぼりが冷めるまで様子を見ようという姑息な手を使ってきました。河野太郎氏など一部の議員がこういった党内の姿勢を批判しているようですが、大勢は脱原発に傾く世論が落ち着くまで先送り賛成のようです。

自分たちが政権与党から引きずりおろされた最大の原因がどこにあるかもわかっていない自民党。彼らは既得権益の擁護ばかりに走って本当の国民の要請に応えることができなくなったから野党に転落したはずです。

それが福島第一原発の核惨事という未曽有の原発震災を体験した後も、またしても原子力ムラの権益擁護を優先して国家と国民の安全をないがしろにしようとする無責任政党の本性がむき出しになってきました。こんなことでは政権奪取など永遠に無理でしょう。国民の真意をくみ取れない政党は早く解党して出直してもらいたい。恥を知れ、自民党。  



2011年10月06日

【電力への天下り】

あまりにも遅く、あまりにも中途半端と言わざるを得ません。

『枝野幸男経済産業相は4日の閣議後記者会見で、東京電力を含む各電力会社への経産省職員の天下りについて、「少なくとも自分の経産大臣の在職中に、再就職することがないよう強く求めたい」と述べ、認めない意向を示した。東電には8月末時点で、中央省庁の元官僚51人が天下り、再就職していることが明らかになっている。

 また電力会社を担当する同省幹部の子が東電に就職している事例が複数あることについて、「(親子は)それぞれ独立した別人格だが、疑われないよう努力する必要はある」と指摘し、情実人事につながらない仕組みを確立するよう求めた。』(10月4日付朝日新聞)


【永続性のある仕組みを】

電力会社と経産省がつるんでいるからこそ、九電をはじめとする電力会社がプルサーマルの導入や原発の再稼働を巡って数々の「やらせ」を演じていたことは周知の事実です。それほど自分たちの利益を守ることばかりに奔走しているからこそフクシマの核惨事を起こしたことに思いをいたすべきでしょう。天下りによる構造的な癒着関係が組織内、さらには国と電力会社との不透明なもたれ合いを確実に助長し、住民の安全などそっちのけで原発推進にまい進する歪んだ体質をもたらしているのです。

枝野経産相の判断はいいことでありますが、一大臣が自分の在任中に限って、しかも単に天下りを求めるだけではこの癒着を完全に断ち切ることは不可能でしょう。枝野大臣は即刻法律を作って経産官僚の電力への天下りを全面的に禁止してこの腐った癒着関係の息の根を止めるべきだと思います。今はフクシマの核惨事を経て国民の怒りは頂点に達しているのだから経産省の天下りを突破口にして官僚の天下りをやめさせる好機だと思います。後は枝野大臣、そして野田総理、さらには与党民主党の覚悟次第です。みなさんはどう思われますか?  



2011年09月27日

【原発推進派の勝利】

上関町では原発推進派の町長が3選されました。

『中国電力が上関原発を計画する山口県上関町の町長選が25日投開票され、原発推進派の現職、柏原重海氏(62)=無所属=が反対派で新人の前町議、山戸貞夫氏(61)=同=を破り、3選を果たした。福島第1原発の事故後、原発新設計画のある自治体としては初の首長選挙。野田佳彦首相は新規原発建設に否定的なため、柏原氏は原発なき後の町づくりも見据えた選挙戦を展開して圧勝した。確定得票数は柏原氏が1868票、山戸氏が905票だった。当日有権者数は3206人。投票率は87.55%(前回88.08%)。』(9月25日付毎日新聞)

【変わらない体質と変わる風向き】

原発推進派町長の誕生を受けて、中国電力は、「町民の皆さまのご判断だ。豊かな町づくりに向けた期待に応えるためにも、より安全な発電所造りを目指し、引き続き最大限取り組んでいく」との談話を発表したそうです。安全神話が崩壊した後も何の検証もせずに呪文のように「より安全な」を繰り返す電力会社の体質はまったく変わりません。

しかし、原発を巡る地方の風向きは明らかに変わりつつあります。先ずは上関市。当選した柏原氏は原発推進の姿勢は保ちつつも、「国のエネルギー政策の扱いは不透明。我々が30年国を信じ、国に疑いを持たず、原発を推進してきたことをしっかり受け止めてほしい」と原発なき後の支援を改めて国に求めています。原発推進派でさえ、じわりじわりと原発に対する不安も感じ始めているということでしょう。

【もっと大きなうねりを】

フクシマ後も原発を維持しようとする原子力ムラの人間たちにとってはもっといやな動きも表面化してきました。

『政府の要請を受け運転停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)から半径10キロ圏に位置する同県牧之原市議会は26日、「確実な安全・安心が担保されない限り、永久停止すべきだ」との決議案を賛成多数で可決した。西原茂樹市長も本会議で「直下型の東海地震が起きる可能性が高く、永久停止は譲れない」と表明した。県、御前崎市など中部電と安全協定を結んでいる地元5自治体の中で「永久停止」の意思表明は牧之原市が初めて。』(9月26日付毎日新聞)

電力会社と安全協定を結んでいる地元自治体の一部が「原発の永久停止」を求めたというのはかつてない動きだと思います。
こういった動きが周辺自治体へどんどん広がっていけば電力会社や経産省、そして原子力ムラを形成する人間達も方向転換を迫られるときが来るでしょう。

かつてのように直接原発の交付金という「アメ」で潤う自治体だけを「地元」と呼ぶことは早晩出来なくなるでしょう。そんな小さな恩恵さえも受けられずに、高い確率で起こる事故によって自分たちの住む土地や子供たちの命まで永遠に奪われてしまうようなリスクが原発にはあるということを誰もが気付き始めたのです。国家が滅亡するかもしれないような原発のリスクを無視しようとする馬鹿な政治家や財界の人間達に思い知らせるには、原発の周辺から囲い込んでいくのが最も効果的な方法かもしれません。

時代は変わりつつあります。「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する。」という言葉ありますが、絶対権力を追い込むのは市民の力しかないのです。  



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