2012年10月24日

【お別れの会】

俳優の大滝秀治さんに多くの人が最後のお別れを告げました。

『肺がんのため2日に亡くなった俳優の大滝秀治さん(享年87)の「お別れの会」が22日、東京・青山葬儀所で営まれた。

 「お別れの会」には女優の八千草薫(81)や白川由美(76)、俳優の阿部寛(48)、浅野忠信(38)、フジテレビの「北の国から」の脚本家倉本聰氏(77)ら、一般のファンも合わせ約980人が参列した。

 劇団民藝の後輩である女優の樫山文枝(71)の進行のもと、最初に参列者が黙とうをささげた。続いて会場に設置されたモニターに、大滝さんの舞台「審判」「らくだ」などの映像が流れ、参列者は会場のモニタを見つめ、故人をしのんだ。

 参列者には、大滝さんが死の10日前に描いたという絵入りの色紙が配られ、「もう駄目だと思ったり まだやれると思ったり」という自筆の文字が書かれていた。』(10月22日付スポニチアネックス)


【高倉健の言葉】

僕は大滝秀治さんをもう数十年前、まだ東京に住んで間もないころ見かけたことがあります。確か、西武新宿線の沿線だったのですが、何気なく見かけた銘俳優の姿に「ああ、あれが大滝さんかあ」と何故か記憶の片隅に残っていました。

そして今、87歳で天寿をまっとうされた大滝秀治さん。最近、また、その名優ぶりを見かけたのは先月。福津の映画館の映画の中でした。その姿と言葉は依然にも増して鮮烈に僕の頭の中に残っていました。そのシーンは高倉健さんが妻の遺骨を海に散骨するために漁師の大滝さんにやっとの思いでお願いして、港に帰ってきた後、大滝さんが「久しぶりにきれいな海ば見た」という短いセリフのシーン。

それをまたNHKで高倉健さんが語っていました。

「大滝さんが言われると、ああいうふうに、なんかこの作品のテーマみたいなね。すごいなあと。ぼくはその話は、佐藤くんと草彅くんにしたんですけど。たった一人の俳優さんが、今回の出演者の中では最高齢の人ですよね、ああいうことができる仕事なんだなあと。はあって思いましたね。誰かがスナップ写真を撮ってるとき、大滝さん帰られる時、旅館の前で僕、最敬礼してるよね。あれ正直な反応だよね。
メイクの佐藤が言ってたのかな、『これ大滝さん、何なのかな、メイキャップも何もしてない顔が神々しい』って言ったよ。神々しいお顔されてるって。神々しいって・・・神々しいってメイキャップしてないのにそれどういうことなのかなって。それを知りたいよって。それでどうやったら神々しくなれるか分かれば、俳優として何段も上がったわけだから、ぜひなんて。仏像のようだって言ってた。仏像の顔していらっしゃる。
ものすごい参考になりましたね。ああいう芝居を目の当たりで見ただけで、この作品に出てよかったと思ってます。それぐらい強烈だった。うへえって思いましたよ。そういうことができる、俳優って言うのが商売なんですよね。(大滝さんに)負けたくないねえ、負けたくない。勝負しようとは思わないけど、なんとか追っかけたいと思いますよ。まだ何年かは働けるもんね。追っかけたいと思う。縁があって俳優を選んだんだからね。やっぱり出会う人でしょうね。どういう人に人生で出会うか、そこで決まるんじゃないですかね。やっぱりいい人に出会うと、いろいろなものをもらいますよね。」


このとき、高倉健さんは大滝さんを「神々しい」「仏像のようだ」と語っていたのです。そのとおりだと僕も思いました。その大滝さんが亡くなる前に高倉さんとまたご一緒したいとおっしゃっていたそうです。実現はしませんでしたが、もうひとりの大俳優に間違いなく大きな命を吹き込まれたと思います。

大滝秀治さん、安らかにお眠りください。

  



2011年02月28日

【吃音に悩む王】

アカデミー賞受賞最有力と見られている映画を観てきました。 「英国王のスピーチ("The King's Speech")」です。確かに前評判通り、吃音に悩む英国王ジョージⅥ世を演じる英国の名優コリン・ファースの渋い演技が光る英国らしい映画でした。そして国王を頂点とする英国同様、象徴天皇の国ニッポンの国民である僕にとってもいろいろと考えさせられる映画でした。

【階層社会の王と平民】

映画の舞台は英国王室。第二次大戦前夜の緊迫した情勢の中、不本意にも突然の王位継承という運命を背負った英国王ジョージ6世が、内向的な性格のゆえに吃音に悩んでいたのですが、妻エリザベスの助けを借りて言語障害の専門医ライオン・ローグを雇い吃音の克服に挑戦、苦闘の末に国民にドイツとの戦争を告げるスピーチをやり遂げ、立派な国王となっていくというストーリーです。

国王の吃音は生まれつきではなく幼少期の体験から来る後天的なものということを見抜く言語聴覚士のオーストラリア人ライオン・ローグを、最初は田舎者の平民と罵倒することもあった国王も次第にその粘り強い治療に心を開くようになり、国王と平民というクラス社会の壁を乗り越え、固い友情の絆で吃音を克服していくプロセスは、これが実話であることも相まって観る者に静かな感動を呼び起こします。

【名優の演技と英語】

それにしても国王役のコリン・ファースの吃音の演技やそのクイーンズイングリッシュの素晴らしさ。タイム誌の記事("Enter the King" by Catherine Mayer, p.44-45, Culture, TIME issued on Feb.28, 2011)によれば彼はイギリス生まれではあるものの、教師であった両親がインドで育ち、家族はアフリカに移住、その後英国に戻ってきて再びアメリカミズーリに行くなど、英国生まれ・英国育ちとはちょっと違いどちらかというと言葉では苦労した「ある意味、本物のイギリス人」(so-called quintessential Englishman)だそうです。だからこそ、今回の英国王の役回りがピタッとはまったのかもしれません。

そして舞台となっている英国王室。もう日本人である僕たちはイギリスびいきが多いと言われていますが、そのクイーンズ・イングリッシュの響きの良さについつい惹かれてしまいます。多くの日本女性が英国に憧れるのもわかるような気がします。

【英王室と天皇家】

最後にこの映画を観て感じたことがあります。それは同じ時代の運命に翻弄されたふたつの国のロイヤルファミリィの対照的なスピーチが思い浮かんだということです。

ひとつはこの映画のラストシーンに出てくる英国王ジョージ6世による、ドイツへの宣戦布告を英国民、そして英連邦の人々に伝えるスピーチ。もうひとつはそれから数年を経て英国から1万キロ以上離れた極東の地・日本で昭和天皇が日本国民に敗戦を告げたスピーチです。宣戦布告と敗戦という意味では全く逆のスピーチなのですが、「国民を鼓舞する」という意味では暗い時代に突入することを素直に語り心の準備を呼び掛ける英国王も、戦争に負けてこれから新しい日本を創るように語りかける昭和天皇も、同じ思いだったのではないかと思いました。いづれにしても、リーダーが思いを伝えるスピーチの巧拙は直感的に聴衆に伝わります。そういう意味でも僕ら「平民」にとっても考えさせられる映画でした。

果たして、今の日本で聴衆を感動させるスピーチが出来るリーダーはいるのでしょうか。  



2011年02月21日

【本日封切り】

80歳になるクリント・イーストウッド監督が問う来世を信じてつながる人々の物語「ヒアアフター」が封切となった19日の土曜日、さっそく近くのTOHOシネマズで観てきました。そしてクライマックスに近くなって思わず涙が出てきました。淡々としたストーリーの中に流れるイーストウッド監督の人に対する温かみみたいなものが伝わってきたのが涙の理由でした。

【3人それぞれの来世とのつながり】

ネタばれになってはいけませんので、詳しくは語れませんがストーリーは死後の世界にとらわれてしまった3人の登場人物、パリの女性ジャーナリスト・マリー、ロンドンの小学生マーカス、サンフランシスコの元霊能者ジョージ、のそれぞれの人生が別々に進んでいく中、最後にはお互いの心の問いかけに導かれるように出会い、死後というより来世の存在を信じつつ新しい人生を歩み始めるというものでした。

イーストウッド監督は「荒野の七人」等に俳優として出ていたころからはすでに50年以上の時が過ぎ、今では80歳という高齢ながら次々と新しい映画を発表する大監督として活躍されていますが、人間の死について自らも真摯に向き合い、その思いを共有したいと今回の映画を造られたのではないかと思います。

来世が本当に存在するのかどうかはともかく、人は例外なく死を迎えるという現実の中で、いかに今、この瞬間を精いっぱい生きるか、そしてそのかけがえのない自分の人生を生き切るためには人とのつながりがいかに大切かを静かに語りかけてくれるような映画でした。「今を生き切る」というのは僕のモットーでもあるので、この映画には共感するものがありました。

2008年にアカデミー賞外国語映画賞に輝いた日本映画「おくりびと」同様、この「ヒアアフター」も暗いムードではなく、自らの死について改めて考えるキッカケになりました。「生と死」に興味ある方、ご覧になってはいかがですか。  



2010年04月13日

【吹替えによる理解】

「超吹替え」という新しい試みが今、日本で上映される洋画で話題を集めています。

『映画館で洋画の字幕を追うのは疲れる。でも、吹替版は…。そんな人に朗報。レオナルド・ディカプリオ主演「シャッターアイランド」に、業界初の「超日本語吹替版」が登場する。字幕翻訳の第一人者、戸田奈津子さんが初の吹替監修を務め、違和感のない話し言葉を実現。“大人の吹替版”で映画に集中できそう?

 「超日本語吹替版」誕生のきっかけは近年の洋画離れだった。その一因は“字幕”。配給のパラマウントピクチャーズジャパンが10~50代の男女300人に実施したアンケートによると、半数以上が字幕に対して「疲れる」「見にくい」「読み切れない」など否定的な印象を持っていた。

 超日本語吹替版に興味を持っているのは全体の49%。なかでも50代以上と、10代の興味が高かったという。これには「24-TWENTY FOUR-」や「LOST」などの海外ドラマのヒットの影響も。字幕を追うのに疲れた世代と、字幕と吹替の切り替えが自由にできるDVDに慣れた世代が、吹替への抵抗が少ないことが分かった。

 もっとも日本では、映画館で見る洋画は字幕版が主流。「俳優と声優の声のイメージが違う」「日本語が不自然」など、吹替版への“アレルギー”がある人も多い。そんなファンの声をもとに「超日本語吹替版」へと改良された。

 字幕翻訳家の戸田さんが吹替監修に初挑戦。「殺したいわけじゃない」↓「殺す気はない」。「不条理には勝てないわ」↓「そういうものなのよ」と、翻訳的な言い回しではなく、より自然な話し言葉に。プロの声優のみを起用し、先入観なくストーリーに入っていけるようになっている。

 さらに、役名を表記。海外ドラマのように主要キャストが初登場の際、「連邦保安官 テディ」など役名の文字が画面上に出る。これも業界初の試みだ。

 「シャッターアイランド」は謎解きミステリー。細かなシーンに注目して見ていくと、真相が明らかになったとき、より楽しめる。字幕に気を取られず、役者たちのしぐさひとつひとつをじっくりと見ることができそう。』(3月20日付産経新聞)


【新しい潮流】

つい最近、映画「アバター」の大ヒットでハリウッドを中心に映画界の流れは一気に3D映像になっています。確かにインパクトの大きさという点では2Dよりは遥かに娯楽性が高いので、これからの映画はどんどん3Dが主流になっていくでしょう。

3Dともうひとつ日本で上映される洋画においては、言葉の問題が観客の動員に大きな影響を与えています。それは字幕にあります。低学年の小学生などの子供は字幕を見ながらというのは難しいのは当然ですが、大人でも字幕と映像を両方追っかけながら鑑賞するのはかなりしんどいものです。一部のファンや英語学習者などにとっては俳優の生の声じゃなければ駄目だという声も根強くあるのですが、この記事にある「シャッターアイルランド」のような謎解きミステリーなどストーリーを言葉でしっかりと追っていかなければならないような映画ではやはり吹替えで見たほうが理解がしやすいでしょう。一部のファンの不満はDVDなどで外国語を後で楽しむということで吸収できるかもしれません。

そこでこの「超吹替え版」というのが登場したのだと思います。今回の試みがうまくいけば、3D映像とともに日本では「超吹替え版」の洋画が主流になっていくのかもしれませんね。これは裏を返せば、戸田奈津子さんのような字幕の専門家が少なく、今まで如何に字幕が粗製乱造されていたか、ユーザーの不満に応えていなかったかということかもしれません。

  


2010年02月17日

【予見と現物の違い】

映画「アバター」を観た。昨年秋に「2012年」を観たとき、「アバター」の予告編を見せられて、「この映画はきっと流行らない」と思っていた。なぜなら、その時はCGで合成されたアバター達の姿があまりにも唐突で生理的に受けつけなかったからだ。しかし、僕の「直感」は見事に外れた。映画は米国だけでなく、全世界の興行収入は「タイタニック」を抜き、2月10日には22億1000万ドル(約1989億円)に達し、日本でも2月11日までに100億円を突破したそうだ。

「なんであんな映画が」と思っていた矢先、知人の薦めに押されて観に行ったのだ。そこには、予告編で見たときの印象とは全く別物の映画があった。

【観客を釘付け?】

12月23日に封切られてすでに1カ月以上経っているというのに映画館には行列ができるほど観客がいた。みんな3Dのメガネをかけて緑に包まれた惑星パンドラで繰り広げられる「アバター」と先住民族ナヴィと人間達のストーリーが織りなす、時には美しく、時には悲しい、そして何よりも今まで体験したことのないような不思議な映像体験に引き込まれていた。僕もほぼ3時間その映像の中に釘付けとなった。

そしてアバターと現実の俳優の区別がつかなくなるほど主役のアバター達に感情移入してしまい、あの予告編を見たときにアバターに冷笑を投げかけた自分を忘れてしまっていた。その3時間にいろいろな思いが頭をよぎった。

【アバターの意味するもの】

キャメロン監督はアバターにいろいろな思いやメッセージを込めたのだろう。その中で、僕が感じたのはこういうことだ。

この映画は、これからの映画のあり方そのものを根底から変えてしまうほどのパワーがあるのかもしれない。それは3D映像だけではない、そのエンターテインメント性や人間の在り方そのものへの問いかけといった、もっと大きな変化となるかもしれない。

・惑星パンドラの先住民族ナビィ達の平和な暮らしや豊かな緑を破壊して、そこにある希少金属を奪い去ろうとする人間たちの貪欲さは、気候変動を引き起こしてまで資源獲得競争に奔走する人間国家の愚かさを暗示しているようだった。

・中国が「アバター」の公開を一部制限したのは、この先住民族や資源獲得競争が自国と2重写しになることを恐れたのではないか。

「アバター」という設定そのものが、インターネット時代の「自我」の在り方、人間存在そのもの、現実と仮想空間の交錯などが生み出す問題を投げかけているのではないか。

・折しも2月12日にカナダのバンクーバーで冬季オリンピックが開催され、その開会式の主役としてカナダの先住民族が数多く出演した。人類の歴史の中で今も征服された側として弱い立場に立たされ続けている先住民族たちと、パンドラのナヴィが2重写しになった。

・最後に、自分だけでなく他人の生存環境を破壊してもなお懲りない人間の戦争欲の醜さと愚かさが、地球環境をなんとか守ろうとする人間の英知を挫くのではないかという恐れも感じさせられた。

みなさんも一度、だまされたと思って、何も考えずにこの「アバター」をご覧になることをお勧めします。  



2009年09月18日

【早過ぎる死】

あの有名なラブ・ストーリーの主人公が亡くなりました。

『ハリウッド映画の「ゴースト ニューヨークの幻」(90年)や「ダーティ・ダンシング」(87年)などで知られる米国の俳優パトリック・スウェイジさんが14日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。57歳だった。AP通信などが報じた。スウェイジさんは昨年3月にがんを公表し、闘病生活を送っていた。

 米テキサス州出身。ダンスの振付師だった母の影響で幼いころからバレエを学び、バレエ団で活躍の後、舞台・映画俳優に転じた。「ダーティ・ダンシング」では得意のダンスを披露した。死亡した男性と婚約者のラブストーリーを描いた「ゴースト」では、その男性(幽霊)を演じ、人気を確立した。』(9月15日付毎日新聞)


【鮮烈な記憶】

それにしても「ゴースト ニューヨークの幻」の映像は鮮烈に今も脳裏に残っています。暴漢に襲われて殺されたサムを演じたパトリック・スウェイジさんの恋人モリ役はあのデミ・ムーア。彼女の美しさを引き立てたのが、ゴーストになっても恋人のことを心配し、やさしく振舞うパトリック・スウェイジさんだったのです。

今でも心に残るラストシーン。モリーをたぶらかそうとする2人の男を地獄に追いやった後、モリーに別れを告げて天に昇ろうとするサムの後姿はどこか淋しいものでした。

そして、映画の中だけではなく本当に天国に旅立ってしまったパトリック・スウェイジさん。安らかにお休みください。合掌。  


2009年07月07日

【剱岳の快挙】

映画「剱岳 点の記」が絶好調のようです。

『日本映画の名カメラマン、木村大作氏(69)が初監督した映画「劔岳(つるぎだけ) 点の記」の観客動員数が102万6258人に達した。先月20日の公開から12日間の数字で、興行収入11億2095万円を記録。東映作品では歴代興収1位の「男たちの大和/YAMATO」(05年、興収51億円)よりも1日早い100万人突破となった。自家用車で47都道府県を“宣伝行脚”した木村監督は「本当にありがたい。今後ももっとたくさんの方に見ていただきたい」と話している。』(7月3日付スポニチアネックス)

【崇高な山の魅力】

僕もこの映画、封切と同時に見に行きましたが、館内の観客のほとんどは中高年のご夫婦でした。そして目の前に現れた剱岳の映像の素晴らしさとその剱岳に淡々と挑戦する浅野忠信扮する陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎芳太郎のひたむきな姿勢に感動しました。

長い間、地元の修験者さえもなかなかよせつけなかった急峻で崇高な剱岳の偉容は見るものを圧倒せずにはいません。監督と俳優、スタッフが一体となって山にこもってすべてを実写で撮影したからこその映像が鬼気として観客の眼前に迫ってくるのですから。

【己を知る】

しかし、一方で山と中高年にまつわる悲しい知らせもあります。7月3日付の時事通信によれば、『2008年の山岳遭難は前年比147件増の1631件発生し、遭難者は125人増の1933人、死者・行方不明者は22人増の281人だったことが3日、警察庁のまとめで分かった。いずれも統計の残る1961年以降で最多となった。
 中高年(40歳以上)の増加が目立ち、遭難者が128人増の1567人、死者・不明者は19人増の256人だった。』とのことでした。

近年の登山技術と装備の高度化・大衆化によって、かつては熟練した登山家さえもよせつけなかった山々にも比較的気軽に登れるようになりましたが、その反面、登山のリスクを侮り遭難する登山者が中高年を中心に急増しているのです。

己を知ることが先ず登山を始める前に必要なことを中高年登山者は肝に銘じるべきでしょう。


  



2009年03月04日

【「おくりびと」の快挙】

映画「おくりびと」のアカデミー賞受賞は、さわやかすぎるほど爽やかな日本映画の快挙です。主演の本木さんと滝田監督そしてこの映画製作に携わった全ての方々に心よりお祝い申し上げます。

『第81回米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた「おくりびと」の滝田洋二郎監督と主演の本木雅弘さんが28日、東京都内のホテルで報告会見を開いた。この日帰国したばかりの本木さんは「日本での興奮に、じかに触れた感じはまだありませんが、すれ違う方々に祝福されて幸せな気分です。映画の親近感は世界共通なんだと感じた」と喜びを語った。

 今後の仕事について滝田監督は「これまで通り自分を、自分の勘を信じて撮っていきたい。映画のような数奇な人生は歩みたくないからね」と笑わせた。』(2月28日付毎日新聞)


【生と死を見つめて】

と言っても、実は僕自身はまだこの映画観ていません。上映されている間に見に行こうとは思っていますが、一体なぜ「おくりびと」が外国語映画賞の有力候補と目されていたイスラエルの『戦場でワルツを』など他のノミネート作品を押さえて受賞できたのか興味があったのでいくつかの記事を読んでみました。

すると、外国語映画賞の候補5作を選ぶ米アカデミー賞外国語映画賞委員会のマーク・ジョンソン委員長(63)の毎日新聞のインタビュー記事が目に留まりました。

そのインタビューの中で、マーク委員長は、「おくりびと」が米映画人の胸を打った理由について、 「今の時代にぴったり合い、発想が新鮮だった」と述べるとともに、「新聞、テレビなどで毎日、戦争に直面し、米国人は戦争を見たくないと思っている。その点、『おくりびと』は癒やしの映画。死者を送る行為だけでなく、主人公が自分を捨てた父親への怒りから解き放たれ、より完成した人間へと成長する物語。万人に通じる主題で、最も感情に訴え、心を動かした」と解説したと書かれていました。

アフガニスタンやイラクでの戦闘で数千人の命が奪われている米国民の心情が、「おくりびと」で描かれている日本人的な生と死への向き合い方にぴったりとはまったということでしょうか。おそらく「おくりびと」に出てくる納棺師による死者の葬送の儀式は、「清める」という言葉で表現されるような日本人の美意識に深く関わっているのでしょう。

【本木さんの執念】

そういう生死の問題を「納棺夫日記」という本に見出して、執拗に映画製作にまでもっていった本木さんの執念が今回の受賞の最大の功労だとも言えますね。すばらしいことです。

映画を見ていなくても、本木さんのインタビューを聞いていると、彼の執念や生真面目さが伝わってきます。本木さん、そして滝田監督、ほんとうにおめでとうございました。  



2008年04月08日

【巨星落つ】

米国映画界の巨星が遂に落ちた。

『米アカデミー賞受賞俳優のチャールトン・ヘストン氏が5日夜、ビバリーヒルズの自宅で死去した。家族が声明で明らかにした。84歳だった。
 それによると、全米ライフル協会の会長を務めたこともあるヘストン氏は妻リディアさんにみとられての最期だった。
 映画「十戒」のモーセ役で俳優として頭角を現したヘストン氏は、2002年にはアルツハイマー症に見舞われたことを発表していた。』(4月6日付ロイター)


子供の頃に見た「ベンハー」の勇姿は今も目に焼きついている。

【マッチョなヒーロー】

チャールトン・ヘストン
 - イリノイ州エバンストン生まれ。兵役後、俳優活動を始め、ノースウエスタン大学で演劇を学んだ後、50年に、「虐殺の街」で本格的に映画デビュー、「地上最大のショウ」(52年)のサーカス団長役で注目された。映画界で注目を集めたのは「十戒」(56年)の預言者モーゼ役。その後、大作「ベン・ハー」で数奇な運命をたどるローマのユダヤ人貴族を演じ、スターの地位を確立した。重厚な存在感で史劇への出演が多く、70年代に制作された「アントニーとクレオパトラ」では監督も務めた。
 一方、世界的大ヒットとなった「猿の惑星」(68年)でSFに初挑戦し、近未来の暗たんとした都市生活を描いた「ソイレント・グリーン」(73年)にも主演。さらに多くのファンを獲得し、ハリウッドを代表する男優として一時代を築いた。(4月6日時事通信より一部引用) 


「十戒」でも「ベンハー」でも「猿の惑星」でもチャールトン・ヘストンは米国の典型的なマッチョなヒーロー役だった。西部開拓時代から一貫してアメリカ人が尊敬するヒーローの「かたち」だ。

そんなヘストンは映画の中だけではなく、実社会でもタカ派のヒーローとして公民権運動への取り組みや、全米ライフル協会(NRA)の会長(98~03年)として銃規制撤廃を目指したり保守色の強い米国の象徴的存在だった。

【新しいヒーロー像】

しかし、アメリカも変わりつつある。例えば、カリフォルニア州知事のシュワルツネガー氏。マッチョなヒーローのイメージは変わらないが、保守としてのヒーローよりも州独自の排ガス規制導入や地球温暖化問題への対応にも熱心なグリーンなヒーロー像にもなっているのだ。

時あたかも、大統領選の真っ只中。保守の権化のようなブッシュ大統領が任期を終え、黒人あるいは女性初の大統領が誕生するかもしれないときに保守の巨星的存在がこの世を去ったのは後から振り返れば象徴的な出来事になるかもしれない。

最後にチャールトン・ヘストン氏に心から哀悼の意を表します。

  



2007年11月06日

【舞台でのハプニング】

とんだハプニングでしたが、吉岡・堤の名コンビの活躍が映画の外でも際立った舞台となりました。

 『昭和ブームを巻き起こした大ヒット作の続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(山崎貴監督)が3日、封切られた。メーン館の東京・有楽町の日劇1で行われた2回目の舞台あいさつでは、男性客が突然ステージに乱入するハプニング。主演の吉岡秀隆(37)、堤真一(43)らが取り押さえたが、女優陣は大事を取って舞台から引っ込む事態になった。それでも全国での動員は前作の初日比280%と絶好調スタート。目標動員は1000万人で、興収100億円超のメガヒットも見えてきた。

 配給の東宝によると、ハプニングが起きたのは日劇1で行われた2回目の舞台あいさつ。6番目の堀北真希(19)のところで前方に座っていた30代くらいの男性客が突然、ステージに向かって突進したという。

 男はスタッフを振り切って舞台上手から階段を上ろうとしたが、吉岡、堤が壇上から制止。男を取り押さえるとスタッフに引き渡した。堤は制止する際に足を滑らせてステージから落ちたが、けがはなかった。男は丸の内署に引き渡され、お説教と謝罪文を提出して解放されたが堀北の熱烈なファンだと話していたという。』(11月4日付スポーツ報知)


【大ヒットの予感】

このハプニング、「クローズド・ノート」の沢尻エリカとは違って「三丁目の夕日」の続編プロモーションとしては大活躍の二人の役者によって爽やかにプラスの効果を発揮しそうです。

僕も封切日の土曜日に早速観てきましたが、前作ほどではないにしてもストーリーはシンプルで、懐かしい昭和の雰囲気と登場人物のほのぼのとした愛が全編にみなぎっており、映画が言うように「世の中には金より大切なものがある」との言葉どおり、本当に心豊かな気持ちになりました。

新聞報道によれば、「客足は順調。午後3時段階で興収35億円、動員284万人を記録した前作の初日と比べ280%と製作発表時に掲げた目標1000万人に向け、絶好の滑り出しになった。」ということなので、十分目標達成が出来そうな大ヒットの予感がします。

みなさんもちょっとした息抜きと思って映画館に足を運ばれてみてはいかがですか。

《参考》

・「ALWAYS 続三丁目の夕日」公式ホームページ
  



< 2017年05月 >
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
プロフィール
luckymentai
luckymentai
海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
Copyright(C)2017/博多っ子の元気通信 ALL Rights Reserved