2012年09月18日

【地方紙の力】

9月14日に政府が発表した革新的エネルギー・環境戦略についての西日本新聞の東京支社報道部長・三村龍一氏の論評は自分の意見にも近く、納得できるものだったのでここで引用します。みなさんも是非読んでみてください。西日本新聞は原子力について時折いい意見を出しています。

【後戻りせぬ国会決議を】~2012年9月15日付西日本新聞朝刊2面右上に掲載している記事を引用~

『「原子力発電は安全か」と問えば、国民の大半は「ノー」と答える。「経済的か」と聞けば、企業の多くは「イエス」だろう。安全性と経済性。判断基準が全く異なるから、両者の意見はどこまでも平行線だ。
そこで問いたい。「原発は存在するべきか」。これは倫理的な判断だ。安価な電力供給のための必要悪ではなく、温室効果ガスを減らすための次善の策でもない。積極的な存在理由が原発にあるだろうか。私は「ノー」だと思う。
福島第一原発の事故から1年半。福島県では今も6万人以上が県外で避難生活を送る...
。帰還困難区域には最低5年戻れない。放射能汚染による健康被害の不安は一生つきまとうだろう。全ては、首都圏に電力を送るために造った原発で事故が起きたせいだ。原発が国民の生命と財産を危険にさらすことは今や明白だ。
原発をこれからどうするのか。政府の方針がようやく決まった。まずは原発ゼロを明記したことを評価したい。しかし、その実現時期は曖昧で、既存の原発再稼働も容認している。脱原発を望む世論と、経済界への配慮の板挟みになり、どっちにもいい顔をしようと「政治的」計算が働いた結果だ。次期衆院選を控え、民衆党代表選が行われているさなかにバタバタとまとめたことでも、それはうかがえる。
日本より1年2カ月も早く、ドイツ政府は原発ゼロを決断した。達成期限も2022年と限定している。何よりの違いは、政府から諮問を受けた原子力の専門家委員会が「ドイツの原発は比較的安全」と答申したにもかかわらず、哲学者や宗教家による倫理委員会の提言を優先したことだ。この委員会は「福島の事故で原発事故のリスクは大きすぎると分かった」として、一国も早い原発廃止を求めた。
ドイツのメルケル首相に政治的打算がなかったとは言わない。それでも、その決断は正しかったといえる。ドイツ国民の多くは支持したのだから。対照的に、野田政権の中途半端な決定は、脱原発も推進派も容認しないだろう。
さらに問題なのは、衆院選で政権の枠組みが変わったとき、最終的な「原発ゼロ」でさえうやむやになることだ。ここからは絶対、後戻りしてはいけない。そのために、国会で「全原発の廃止」を決議してもらいたい。そして、心ある政治家に、その達成期限と過程、原発立地自治体への対応を明文化した法案を提出してほしい。
09年、国会は、唯一の被爆国である日本は「核兵器の廃絶の先頭に立って行動する責務がある」として、政府に核兵器廃絶の取り組み強化を求める決議をした。重大な放射能災害を経験した国として、「原発廃絶」でも先頭に立つことを望む。』(9月15日付西日本新聞)

【国会で脱原発法を制定せよ】

まったく同感です。そして法案は「脱原発法」として現在の「原子力基本法」の廃止もうたうべきです。

また、その法案には今回の福島第一原発事故の責任者、そして今後も原発事故や原子力に関する情報隠ぺいを行う者への処罰、原子力に関する徹底的な情報公開も盛り込むべきです。

また、国会事故調が出した報告書の忠実な履行についても法律化すべきだと付け加えたい。原子力ムラはほっとけばまたゾンビのように子どもたちの命を奪いに這いあがってくるのは間違いありません。

それを止めることが出来るのは市民だけであり、国会は市民のために動くべきです。  



2012年05月09日

【いつ見ても原発推進】

読売新聞の5月4日の社説に使用済み核燃料のことが書かれていました。

『 内閣府の原子力委員会が、原子力発電所で生じる使用済み核燃料の処理方法を変更した場合のコストを試算した。

 変更に伴う費用は兆円規模の巨額に上る。

 東京電力福島第一原発の事故を受け、原子力政策は見直しを迫られている。検討に当たる政府のエネルギー・環境会議は、試算を踏まえ冷静に議論すべきだろう。

 主要な論点は二つある。「脱原発」を目指すのかどうか。各原発などに大量に存在する使用済み核燃料をどう処理するかだ。

 試算は、2020年以降は原発ゼロとする場合と、最大で現状並みに発電量の20~35%を原発で賄う場合に分け、30年までの使用済み核燃料の処理費用を出した。

 日本は、これまで、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、核燃料に再利用する「核燃料サイクル」を採用してきた。

 ウラン資源を有効活用でき、放射性廃棄物の量も大幅に減らせる利点があるためだ。

 原発をゼロにすると使用済み核燃料の増加は止まる。残る使用済み核燃料は、そのまま地中に埋める「直接処分」だけになり、他の政策を選ぶより最大で約5兆円コストが下がる、としている。

 問題は、原発に代わる火力発電の燃料費だ。年に約3兆円、30年までに計約30兆円以上かかる。負担の大きさからも、脱原発は非現実的な政策と言えよう。

 一方、原発利用を続けたまま直接処分に完全に切り替えると、費用は約2兆円拡大する。

 核燃料サイクルより放射性廃棄物の量が増え、その分コストが膨らむからだ。青森県六ヶ所村で完成目前の核燃料再処理工場も廃棄され、投資が無駄になる。

 この場合も、代替の燃料費が深刻な問題となる。

 核燃料サイクル政策を放棄すると、青森県との約束で、これまでに六ヶ所村に搬入された使用済み核燃料約3000トンが、各原発への返送を迫られる。

 使用済み核燃料の置き場が満杯になる原発も多く、運転できなくなる。順次止まる原発を火力発電で補うと、30年までに最大32兆円の燃料費が必要と試算された。

 いずれにせよ、電力料金は大幅に上がる。産業界や家庭にとっては大打撃となろう。

 やはり、再処理工場を完成させることが必要だ。

 核燃料サイクルは高い技術を要するが、核兵器を持たない国で実用段階にあるのは日本だけだ。簡単にあきらめるべきではない。』(2012年5月4日付 読売新聞)


【原子力ムラの広告塔?】

フクイチの事故が起こってもまったく揺るがない原発推進の大号令をかけつづけている大新聞の筆頭は、僕の知る限りではこの読売新聞です。現政権に対する批判のトーンも「早く再稼働しろ」ではあっても、住民の安全を最優先に考える姿勢はまったく見えません。まるで原子力ムラの広告塔です。

今回の社説も原発をゼロにして使用済み核燃料を直接処分することによるコスト減よりも、原発の代替火力の燃料費がかさむから脱原発は非現実的だと主張します。社説の中で、コストの前提となる条件も時間軸もあいまいなまま、膨大なコストをかけているにもかかわらず今までもこれからも再処理実現がまったく見通せないことも棚に上げて、再処理工場も含め原発事故がもたらす超巨大なリスクには目もくれずにただ脱原発は非現実的だというその主張には、福島第一原発の教訓などひとかけらもありません。3/11以前も以後もただ主張したいのは、原発推進だけ。

こんな硬直的な大手メディアが、未だに論理の飛躍ばかりが目立つ、無反省な原発推進の論調をしゃあしゃあと社説に繰り広げている非常識のほうを問題にしたくなります。

原子力がこれほどの災禍をもたらすことなど想像も出来なかった時代に「読売の中興の祖」と言われる正力松太郎氏が日本に原発を導入した功労者だから、日本が原発事故によって破滅の危機に陥ろうが先輩の功績に泥を塗るような脱原発になど絶対に与しないということなのでしょうか。そう勘ぐられても仕方がないほど、どうしようもない新聞だと思います。

ただ、各新聞の主張は主張として、その新聞が読むに値するかどうかは読者ひとりひとりの判断です。しっかりと読んで、ひとりの市民としてその姿勢にモノ申すことが大事だと思います。
  



2012年03月18日

「フクシマ・アーカイブ」7日目。2011年3月18日のブログを読むと、このころからテレビメディアに多くの原子力や放射能の専門家と称する人間が登場し、「ただちに健康に影響はない」とか「原発はメルトダウンしていない」とか異口同音に唱え始めたことが記録されています。ある時点からテレビメディアが同じ方向の「宣伝」を始めたのです。これは本当に恐ろしいことです。そして政府はtwitterといったインターネットなどのメディアで「流言飛語」が飛び交っていると非難し始めました。「流言飛語」は政府と大手メディアが流していたのに。

以下は、2011年3月18日の僕のブログ記事です。


【決死の放水】

自衛隊による決死の放水作業がやっと始まりました。

『東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故で、自衛隊は17日午後7時半すぎ、使用済み核燃料プールの水が蒸発している3号機建屋に向け、高性能消防車で地上から放水した。防衛省によると、消防車は5台で約30分間に計30トンを放水。水は建屋内に届いたが、経済産業省原子力安全・保安院は効果について「まだ評価できる段階ではない」としている。
 防衛省は、ヘリによる水の投下と地上放水について、18日も同様の態勢を取っており、東京電力などから示される17日中の効果を見て、18日以降の放水方法を決める。
 一方、警察庁によると、警視庁の高圧放水車は同7時ごろから放水。約5分後、放射線量を示す線量計の警告アラームが鳴ったため、中断した。』(3月17日付時事通信)


【変化する情報の質】

国家的危機とも呼べる緊迫した状況が続く中、「おやっ?」と思うような変化が見られてきました。というのは、日に日にテレビ等のメディアに出てくる情報の質が変わってきていることに気がついたのです。

その最大のものは放射能の危険性に関する情報。福島原発周辺の放射線量が日増しに増加する中、国だけでなくテレビ等に出てくる専門家と呼ばれる人たちも「原発敷地周辺は危険だが、その他は安全だ」(現時点では安全でも刻々と変わる可能性があることを十分認識すべき)といった発言が多くなり、放射能の危険性に対して意図してかどうか、抑制気味の発言になってきているようなのです。もちろん、パニックを防ぐ必要からかもしれませんが、テレビにその傾向が強くなっている気がします。これは一体何を意味するのでしょうか?

テレビメディアは活字メディアよりも流せる情報量が少ないのと反比例して映像を中心に大勢の大衆に瞬時に影響を及ぼします。これほどの危機的状況の中、各テレビ局の報道する内容はあまりに似通っていると事故当初から懸念しているのですが、事態の悪化とともにあまりいい言葉ではありませんが、政府の「大本営発表」を流すのみか、パニックを恐れてか正確な放射線などの情報を流すのに躊躇しているのか、伝えなければならない本当の事実がどんどん遠のいているのではないかと思われます。

【バランス感覚】

海外の主要メディアでは東北大地震と福島原発の事故発生以来、連日トップ扱いの報道が続いています。最初はセンセーショナルな日本礼賛といったトーンばかりが目立ちましたが、ここ数日はあまりの事態の悪化の速さと広がりと日本政府の危機対応能力の低さなどに対する様々な恐怖心を高めながらも、今回の原発事故の自国と世界に与える影響などを比較的冷静にわかりやすく伝え始めているように思われます。

例えば、日本のiPodで視聴できる米国のCNNのテレビ番組「Anderson Cooper 360 Daily」ではメインキャスターのアンダーソン・クーパー氏が日本で取材、米国の核や放射線の専門家との衛星中継でのやり取りで福島原発の事故の説明や米国への影響などについて素人でもわかりやすいように解説していました。この番組の専門家の解説でひとつ参考になったのは、福島原発の危険性を格納容器の炉心溶融と使用済燃料プールの二つに分けて、炉心溶融と同じくらい、あるいはそれ以上に使用済燃料プールのほうが危険性が高まっているというものでした。

BBCは日本の冷静な対応を賞賛しつつも、今回の原発事故の深刻さに大きな危機感を抱いていることがうかがわれます。

いづれにしても、日本が危機の震源地ですから日本の新聞やテレビの報道が最も詳細にわたって福島原発の状況を伝えているのですが、あまりにも細かかったり、技術的すぎたりすぎるかと思うと、焦点を当てるべきトピックがどこも似通っていたり、世界的な視野が欠けていたり、事故の全体像が一般の僕たちにはわかりにくくなっているという懸念があります。こんなときだからこそ、出来れば海外の報道とも見比べて自分なりの立ち位置をしっかりと定めるバランス感覚が必要だと感じます。

中でも最も危惧することは、自衛隊が決死の放水作業をするところまで来てからは、東電に対するヒステリックな非難とは裏腹に決死の作業を過度に美談化するような方向に走りすぎたりすることで、本当の事故の本質が見失われていくのではないかということです。これは戦時中の日本のメディアにも多く見られたことではないでしょうか。とにかく僕たちはどんなに危機が高まっても出来るだけ冷静にバランス感覚をもってこの未曾有の危機を「監視」し続けることが求められると思います。流言飛語的な情報を鵜呑みにしないこと、同時に大手メディアの報道も鵜呑みにしない判断力が求められます。
  



2011年02月24日

【戦場復帰】

あの独特の語り口でこの一年お茶の間を笑わせてくれたベレー帽の「あの方」が戦場に復帰されるようです。

『独特な口調でテレビやCMなどで人気の戦場カメラマン、渡部陽一氏(38)が22日、近く“戦場復帰”することを明らかにした。この日、都内で「渡部陽一の世界名作童話劇場」と題したよみきかせライブを行った渡部氏は「近いうちに」紛争地域に取材で旅立つことを明言。候補地としてパキスタンなどを挙げた。エジプトなど中東情勢が緊迫化する中、あえて紛争地域に戻る選択をした。

 「エジプト…リビア…世界が…中東が動いている。エジプトではネットで呼びかけて革命が起きた。こんな話…聞いたことがない。現場を…見たい。近いうちに…出発することを…考えています。行きたいところが…あるんです。スーダン…パキスタン…アフガニスタンです。(期間は)基本的に…1カ月です」。
 事務所側は3月中の渡航こそ否定したものの、本人の口ぶりから、早ければ今春にも旅立つ決意がうかがえる。
 2010年を「挑戦の年」とし、メディア出演や講演に費やした。戦場取材の資金を稼ぐためという側面がある一方、「撮られる側の恐怖心も分かった」。最後に紛争地帯に赴いたのは昨年9月のアフガニスタンでの米軍従軍取材だ。テレビのレギュラー番組を抱えているが、渡航による出演キャンセルについては契約時に了解を得ており、問題はないという。
 私生活では昨年6月に第1子が誕生。気になる家族の反応も「行かないでとは…言われていません」と、理解を得ていると明かした。』(2月23日付デイリースポーツ)

【くれぐれも安全に】

もともと渡部さんはテレビで人気者になっても、いつでも戦場に戻るという姿勢だったと聞いています。記事にもあるように、そもそもずっとバラエティ番組の人気者として生きていくつもりなどなく、次の戦場取材のための資金稼ぎだと本人も語っていたのです。それが証拠に渡部さんの公式サイトに出ているのは戦場の生々しい写真ばかり、バラエティのおちゃらけなどは一切ありません。それほど真剣なのです。

戦場カメラマン渡部陽一の公式サイト → http://www.yoichi-watanabe.com/index.html

そして1年間のテレビ出演を経て、再び戦地へ。その間に第一子も誕生したと言うのに、ご家族は再び戦地に赴く渡部さんを理解はしてあるのでしょうが、はやり不安は隠せないと思います。

誰かが伝えなければ、戦争はなくならないのかもしれませんが、だからといって自分が行けと言われたら相当の覚悟がなければ行けないと思います。現に最近ではおびただしい数のジャーナリストや戦場カメラマンが戦地や取材先で倒れているのが厳しい現実なのです。渡部さんにとっては戦場取材が自分の生きざまそのものだからと他人は何とでも言えますが、その信念、信条、そして勇気には本当に頭が下がります。とにもかくにも、ご自身が語っておられるように「戦場カメラマンは生きて帰ること」という信条をとにかく実践して必ず帰ってきてほしい、そう願っています。  



2010年03月26日

【ついに電子版】


日経新聞がついに電子版をスタートしました。

『日本経済新聞社は23日、「日本経済新聞 電子版」をスタートした。2月下旬に発表していたもので、すでに1日から受け付けを開始していた。電子版広報部と題したページには「もうひとつの日経新聞をつくるような、決意」と表示されている。

 大別して購読者限定(有料会員)の記事と一般読者も読める記事の2種類を提供している。料金プランの説明には日経Wプラン(宅配+電子版)、電子版(月ぎめプラン)、電子版登録会員、未登録読者があり、電子版月ぎめプランは月額4,000円。特ダネ、朝刊・夕刊、おすすめの記事、記事検索、見出し、投資情報、世界の市況、携帯利用が可能となっている。』(3月23日付RBB TODAY)


【メディアの凋落】

昨日もNHKが「激震マスメディア ~テレビ・新聞の未来」というタイトルでマスメディアの危機について業界人や評論家を招いて討論番組を放送していました。ITジャーナリストの佐々木俊尚氏や学習院大学の遠藤薫教授がマスメディアの危機を様々なデータから必然の結果であり、アメリカでのマスメディアの凋落は必ず日本に波及すると述べていたのに対し、日本新聞協会会長や日本民間放送連盟会長らの業界トップの方々は日米のマスメディアの違いを強調し、日本はアメリカのような危機はやってこないような論調が目立っていました。

しかし、僕が前からこのブログでもお伝えしている通り、日本のマスメディアも本質的にはインターネットによるメディア革命の波から逃れることはできないと思います。
佐々木氏が語っていたように、メディアの在り方がインターネットの登場で根本的に変わり、マスメディアがかつて独占していた情報は市民の手に移り、情報の量も質も10年前とは決定的に変わってきたのです。

したがって、日本のマスメディアも早晩、広告収入の激減、新聞購読者やテレビ視聴者の減少の波に呑まれ、今の経営形態が維持できなくなるでしょう。今の若者だけでなく、知識人と言われる人たちの新聞離れ、テレビ離れはこれからさらに激しくなっていくと思われます。

【進むも退くも地獄】

そんな中、現状肯定をして守りの姿勢に入っているメディアは自然消滅していくと思われます。日経新聞の電子版は、それが成功するかどうかは別にして、消滅しないための当然の努力だと僕は思います。他の大手新聞にそれが出来るか。おそらく日経新聞ほどにインターネットへの対応を進めていなかった他の新聞には直ぐに追随するのは無理でしょう。日経新聞でさえ、一寸先は闇のように見えます。

インターネットが人々に与えたフリーの情報は、マスメディアの存在そのものを消し去るほどの威力で迫ってきています。果たして、この動きは僕ら一般市民にとっていいことなのか、悪いことなのか、まさに同時代に生きる人間のひとりとしてこれほどエキサイティングなテーマはないと思っています。みなさんはマスメディアの将来についてどう思われますか?

僕も近々、新聞購読をやめようと思っているひとりです。

  



2009年10月19日

【漫画で読む】

ユニークな新聞が創刊になりました。

『本日15日、世界初のマンガによるニュースサイト「漫画の新聞」がオープンした。
 
 「漫画の新聞」は、“マンガで読むニュース”というキャッチコピーのもと、世界中のどのようなニュースメディアより“分かりやすく”ニュース速報を伝えていくサイト。「JR東海が未来型新幹線の試算を公表」「北朝鮮が5発の短距離ミサイルを発射」「つぶやきシローがTwitterでつぶやき」など、さまざまなニュースをマンガで読むことができる。

 「政治・経済」「国際」「社会」「芸能・スポーツ」の各ジャンルのニュースが並び、コンテンツも充実。それらのニュースがすべてマンガ化されており、読み応えは充分だ。今後もニュースの配信本数や配信スピードの向上、漫画のクオリティーの向上も常に行っていくとのこと。また、英語・韓国語など多言語による配信や、モバイルサイトおよびiPhoneアプリでの配信も予定されている。』(10月15日付 RBB TODAY)


【若者の新聞離れを活字離れは?】

新聞業界は今、あらゆるメディアの中でも最も危機に瀕していると言われています。もちろん、その原因はインターネットの急速な普及によるものです。無料で読めるニュースがネット上で氾濫する中、若者の紙ベースの活字離れも進み、企業の広告収入も急減しているのです。それらの課題に対して、新聞業界は未だに有効な解決策を見出せていないのが現状です。

「漫画の新聞」は新聞メディアの危機的状況に対するひとつの実験として面白いかもしれません。それは、活字離れが進む若者の読者を呼び戻すことが出来るかもしれないからです。


しかしながら、現状では無料のネット配信であり、読者からの収入は期待できないので、出来るだけ多くの読者を集めることで広告主を獲得できるかが成功の鍵となるでしょう。

みなさんも、しばらく、この新しいチャレンジに注目していきませんか。

【参考】

漫画の新聞 ・・・10月15日に創刊となった「漫画の新聞」のサイト
  


2009年04月03日

【新聞広告がネットで】

新聞広告ってもしかしたら、新聞の記事よりも面白かったするのですが・・・それがネットで見れるサイトがオープンしたそうです。

『広告企画制作を行う有限会社ソーマは2009年4月1日、新聞広告を Web 配信する新聞広告サイト「新聞広告.com」をオープンした。

「新聞広告.com」は、新聞広告を全文読める形で Web 配信することにより、紙面に託されたメッセージや思い・情報を、より広く告知することができるサービス。

同社では、オープン企画として、1広告主につき1本、4月末日受付分まで無料で掲載するキャンペーンを実施中。なお、2007年以降に新聞紙上で掲載された広告が対象で、掲載期間は、制約がある広告を除き1年間となっている。』(4月1日付 japan.internet.com)


【新聞について想うこと】

つい最近、タイム誌の記事を参考にアメリカの新聞は未曾有の危機にあるとブログに書きました。

「瀕死の新聞を救う方法」・・・2009年3月12日付の僕のブログ記事

その中でも触れていますが、今、本当に新聞のビジネスモデルはアメリカだけでなく世界的に崩壊の危機にあるようです。というのも新聞メディアの主要な三つの収入源、店頭販売・購読・広告のすべてが成り立たなくなりつつあるからです。そしてその根本的な原因は、インターネットによる無料の情報が巷に溢れかえっているのに、新聞メディアがネットの無料情報に対抗できるような自らの発信情報を、有料で読者に自信を持って提供できる方法を未だに見つけきれていないことにあります。

その新聞メディアの現在の大きな収入源のひとつである新聞広告がネットで公開される。これって新聞業界にとっては、福音なのかそれとも新たな脅威となるのか、なかなか興味深い動きですね。みなさんも一度このサイト見てみませんか?

「新聞広告.com」 ・・・・・・ http://www.sinbunkoukoku.com/main.html

  
タグ :新聞広告



2009年03月12日

【新聞の危機】

新聞のビジネスモデルが崩壊の危機にある。アメリカでは日本よりも新聞メディアの危機がはるかに深刻だという記事がタイム誌に「新聞を救う方法」("How to Save Your Newspaper", page 32-35, TIME dated on March 2, 2009)という見出しで掲載されていた。一体、なにが問題でどうしたら解決できるのだろうか。

【崩壊したビジネスモデル】

記事を書いたのは、ウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)という元タイム誌のマネージング・エディター。

危機の最大の原因は、インターネットの普及による従来型の新聞のビジネスモデルの崩壊だ。具体的には、読者が記事にお金を払わなくなったことにある。ウォール・ストリート・ジャーナルなど一部のウェブ版の新聞を除いて、ほとんどの新聞メディアは現在ウェブ上での新聞記事を無料で配信している。そのため、ペーパーの新聞購読者が激減、併せて店頭販売の新聞も急激に減っており、さらにここ半年の急激な経済の落ち込みで新聞広告も激減しているのだ。

The problem is that fewer of these consumers are paying.

すなわち、新聞メディアの主要な三つの収入源、店頭販売・購読・広告のすべてが成り立たなくなりつつあると言うのだ。これでは新聞メディアのビジネスモデルは崩壊したも同然だろう。

Newspapers and magazines traditionally have had three revenuesources: newsstand sales, subscriptions and advertising.

新聞にとってもっと問題なのは、これら三つの収入源のうち、店頭販売、購読収入が激減する中で、広告収入に極端に頼るようになり、読者と向き合うよりも特定の広告主に向き合うようになってきていることだ。これはメディアの死を意味する。

【生き残りの道】

ではどうすればいいか。アイザックソン氏が提案しているのは、オンラインでのビジネスが後戻りできない以上は、iPodとiTuneの組み合わせで音楽メディアのあり方を根本的に変えたアップルのようなビジネスモデルを導入することだ。

すなわち、消費者がiTunesで音楽を一曲ずつ購入するように、新聞もひとつひとつの記事を5セントからでも購入できるようなマイクロペイメント(micropayment)の仕組みを導入することだと同氏は言う。

The key to attracting online revenue, I think, is toacome up with an iTunes easy method of micropayment.

そうすれば、収入源の確保だけでなく、ジャーナリズムに再び緊張感を与える。なぜなら、消費者に小額でもお金を払って読ませるだけの良質の記事がもとめられるからだ。

Charging for content forces discipline on journalists: they must produce things that people actually value.

日本の新聞メディアは、まだ定期購読者が多く、紙メディアが優勢なこともあってここまでの危機感はないかもしれないが、アメリカのビジネスモデルの崩壊は早晩、日本のメディアにも大きな影響を与えることになるだろう。あなたはどう思われますか。

  
タグ :新聞iTune



2008年11月10日

【筑紫氏、死去】

またひとり大物がこの世を去った。

『ニュースキャスターの筑紫哲也(ちくしてつや)さんが7日午後1時50分、肺がんのため東京都内の病院で亡くなった。

 73歳だった。告別式は近親者のみで行い、後日「お別れの会」を開く。喪主は妻、房子(ふさこ)さん。

 大分県出身。早稲田大卒業後、1959年に朝日新聞社に入社。政治部記者、ワシントン特派員などを経て、84年に「朝日ジャーナル」編集長に就任。「新人類」「元気印」などの流行語を生み出した。78年から82年にかけて、記者活動のかたわら、「日曜夕刊!こちらデスク」(テレビ朝日系)のキャスターも務めた。

 89年に朝日新聞社を退社、TBS系「筑紫哲也NEWS23」のキャスターに転じた。雑誌的な切り口や街頭インタビュー、コラムコーナー「多事争論」など、従来の報道番組にはなかったスタイルで、テレビ朝日系「ニュースステーション」の久米宏さんとともに、新しい形のニュースキャスターとして人気を集めた。

 TBSが、オウム真理教幹部に坂本堤弁護士のインタビュー映像を放送前に見せてしまう問題が発生。これが坂本弁護士一家殺害のきっかけになったとされたことから、96年3月「TBSは死んだに等しい」と番組中で発言し、論議を巻き起こした。』(11月7日付読売新聞)


【立花氏とのコラボ】

筑紫さんと言えば、何と言っても長年の立花隆氏との親交、メディアでのコラボを思い出さずにはいられない。政治では立花氏が長年追求したロッキード事件、サイエンスでは宇宙、脳などに関する番組での共演など数え上げればきりがないほどだ。それほど立花隆氏も「筑紫さんとなら」と思っていたのだろう。筑紫哲也氏は、フリーのジャーナリストとしては巨人と称される立花隆氏をして、「戦後日本が生んだ最大のジャーナリストと言って過言ではないでしょう」と言わしめるほどの大物のキャスターだった。

【追悼】

その筑紫さんは、2007年5月、番組中に自ら肺がんであることを告白したのちも、時折番組への出演を続けながら療養されていた。最近では、今年5月に「テレビジャーナリズムの確立に多大の貢献をした」として日本記者クラブ賞を受賞し、8月11日放送の「NEWS23 マンデープラス」が最後の出演となった。73歳と言えば、まだまだ日本の政治や社会の現状に対して、ひとりの大物ご意見番としてますます活躍が期待される年齢だった。

自ら企画し、自ら独特の語り口で世相を斬る「多事争論」コーナーでの笑顔ももう見られないかと思うと淋しい。心からご冥福をお祈りします。
  



2008年02月20日

【CNNの実験】

CNNが本格的な市民記者サイトを立ち上げることが明らかになった。

『米Time Warner傘下のCNN Worldwideは2月13日、市民記者サイト「iReport.com」のβ版立ち上げを発表した。3月にはすべてのサービスが利用可能になる予定。iReport.comは、編集者が記事の取捨選択、監視、内容の編集を行わない、完全にユーザー任せのサイトだ。

 CNN.comが1年半前にサイト上で開始したiReportイニシアチブが順調で、送信されたビデオ、写真、テキストの総数が10万件近くに上った。中にはバージニア工科大学乱射事件を携帯電話で撮影した写真、ミネアポリスでの橋落下をとらえた映像、世界各国での政治的な抗議運動の写真など、貴重な情報が含まれていたという。

 しかしiReportに送られた情報のうち、CNNがテレビやサイトで実際に使用するのはわずか10%にすぎない。CNN.comから独立、新設されたiReport.comでは、寄せられたすべての情報がそのまま掲載される。』(2月15日付ITmediaニュース)


【市民記者の時代】

インターネットによるメディアの発信形態はどんどん進化・発展している。市民一般から広く記事を集めるジャーナリズムを市民ジャーナリズムと呼び、その担い手を市民記者と称している。市民ジャーナリズムの大きな成功例は韓国の「オーマイニュース」が有名だが、日本でも最近では、PJニュース、オーマイニュース、JANJAN、ツカサネット新聞といった活動が出てきている。

そして、ここ10年近く、世界ではマスメディアと市民ジャーナリズムは対立関係からコラボレーションを行うところまで変化するところまで進化してきた。

しかしながら、日本においてはまだまだ記者クラブに市民記者は入れないとか、マスメディア側の市民ジャーナリズム、あるいはアルファ・ブロガーへのアレルギーが強く、両者のコラボレーションはこれからといったところだろう。

CNNのような世界的なメディアが市民記者の活躍の場を提供するようになった今、日本のマスメディアも変革を迫られているのではないかと思うのは僕だけだろうか。みなさんはどう思われますか?  



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