2013年01月17日

【度重なる事故】

最新鋭旅客機に一体何が起こっているのでしょうか?

『全日本空輸692便の最新鋭旅客機ボーイング787型機(乗客乗員137人)が高松空港に緊急着陸したトラブルで、機体前方の電気室にあるバッテリーが黒く変色して壊れていたことが16日、全日空への取材で分かった。
 このバッテリーは、米ボストン・ローガン国際空港で出火し、ぼやとなった日本航空機と同じ製品だったことも判明。運輸安全委員会や国土交通省は16日、高松空港に航空事故調査官や専門職員を派遣し、詳しい状況を調べている。
 787型機の運航再開は、全日空や日航が国交省と相談し、調査状況などを踏まえ判断する。
 全日空や国交省によると、同機は16日午前8時11分、山口宇部空港を離陸。同26分、高松空港付近を飛行中に「前方電気室から煙が出た」と表示されたため、パイロットが機体のチェックを行うと、発電機に故障があった際にバックアップなどで使われる「メーンバッテリー」関係の異常が多数表示された。
 同47分に高松空港に緊急着陸したが、地上走行中に管制官から「前輪付近から煙が出ている」との指摘を受け、乗客乗員全員を脱出用スロープで機外に避難させた。この際、乗客の女性2人が右手の甲にそれぞれ擦り傷を負った。
 その後の調査で、前方電気室のメーンバッテリーの一部が縦8センチ、横9センチにわたって黒色に変色、中の溶液が漏れていたことが確認された。』(1月16日付時事通信)


【電気系統の不具合?】

それにしても16日の高松空港での全日空787型機のトラブルには、乗っていた方々も生きた心地がしなかったのではないでしょうか。昨年12月にユナイテッド航空や日航機で同じようなトラブルがあったとも報道されていたので、インタビューを受けた一部の乗客が「あわや、墜落」と思ったと言うのも頷けます。

政府も重大事故という認識で早速調査官を派遣して事故原因の徹底的な調査をするとのことですが、現時点ではトラブルには電気系統の不具合が関係しているとの報道が多く見られます。一刻も早く原因を究明してほしいものです。

この航空機の開発過程を調べてみると、燃料効率を従来型機よりも20%も改善させるために機体に軽量の炭素繊維を使ったり、エンジンは推進力強化に特化され、その他の機器の動力は電気でまかなうといった改良がおこなわれているため、従来機よりも電気系統がより複雑になっているとある航空評論家は語っていました。

「より早く」という時代の要求に加えて、「より効率的に」、「より便利に、快適に」という要請に応えるために、電気や電子化に依存度を高める現代社会。ボーイング787もその要請に完璧に応えた飛行機として人々の夢を叶えるものとして「ドリームライナー」という理想的な名前を冠してデビューしました。しかし、そこにある意味現代社会に潜む「死角」や「油断」があったのではないか。

電気や電子化に過度に依存すればするほど、そういう「死角」や「油断」は大きくなっていく可能性があるということを僕らはしっかりと認識しておく必要がありそうです。  



2012年08月03日

【福岡での意見聴取会】

いよいよこの週末、8月4日(土)の午後2時から4時にかけて福岡でも政府主催の「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」が開かれます。この機会に福岡に住む僕たち市民も一度真剣に原発を今後どうするのかについて考えてみようではありませんか。
「意見聴取会」という呼び方自体ふざけていると言うか、「国民の意見を一応聞こうではないか」というお上意識が感じられるのですが、そんな瑣末な批判をしている場合ではありません。僕たち自身の命がかかっている問題なので、この際政府の考え方にしっかりとモノを言うべきだと思います。原子力問題は3/11前とは違ってすべての国民にとってタブーではなくなりました。

【3つのシナリオ】

政府はこの意見聴取会を行うに当たって、3つのシナリオを用意しています。それは2030年時点での原子力の比率を①ゼロ、②15%、③20~25%にするという選択肢です。(詳しくは内閣府のページをご覧になってください)

そのシナリオをどれかを選択するか、あるいは第4のシナリオがあればそれを意見表明するということです。パブリック・コメントとして内閣府に提出することも8月12日までは可能です。みなさんも是非提出してみられてはどうでしょうか。

【僕の主張】

ちなみに僕の主張を以下に述べておきますので、ご意見をいただければ幸いです。手短に言うと、原発と核燃サイクルの即時停止を求めるもので、その理由としては①地震多発国での国家の崩壊を招くような原子力災害を避けるため、②日本社会は原発をコントロールする能力がないこと、③放射性廃棄物の最終処理方法、処理地を決めきれていないこと、④暗黒の産業ではなく、未来の産業を早急に育てる必要があること、です。


『私は、内閣府が提示する3つのシナリオではなく、第4のシナリオとして全原発の即時廃炉と核燃料サイクルの即時停止を求めます。その最も大きな理由としては、東日本大震災同様、世界で最も地震が多発する日本では高度な技術だけでは国家の壊滅さえ招きかねない原子力災害を防ぐことは不可能だからです。以下にその主要な論点のみを申し上げます。



1. 原発を即時全廃しなければならない最大の理由は、他の産業事故などと比べてあまりにも巨大なリスクの大きさにあります。今回の福島第一原発事故でも明らかになったように、人類は過去何千年にわたって戦争によって破壊と復興を繰り返してきましたが、原子力事故というのは一旦大規模に発生すれば何万年と続く大気・水・土壌の放射能汚染のゆえに、放射能に被災した広大な地域の復興が不可能になるからです。ある意味、大規模な原子力災害が起これば国家そのものが何千年もの間放射能に汚染され機能しなくなるという事態が想定されます。それは復興が可能な戦争よりもひどいし、福島の事故でさえ最悪ではなく、もっと悲惨で取り返しのつかない原子力災害が原発の集中立地する若狭湾や六ヶ所村の再処理施設などでは現実に起こりうるということです。そして、その事故が起こる確率がきわめて高いのが、地震が世界でもっとも多発し、地震学者の最近の知見によれば今後10年以上活発な地震活動が続くと言われている地震大国・日本の現実であるということです。原子力を推進しようとしている政府関係者や原子力産業界、電力業界、原子力学会や原子力を擁護しようとするマスメディアなどの「原子力村」関係者は、「原子力はそれでも日本の経済の発展にとって必要だ」「世界最高水準の日本の技術をもってすれば原子力は安全に運転できる」と主張しますが、そのような主張をするときにこの活動期に入った地震の脅威、東海・東南海地震の確率の高さなどについて何の説明もないのはどういうことでしょうか?そういう地震のリスクに言及せずに、技術力で克服できるとか、電力不足や経済への足かせばかりを強調するのは著しく説得力を欠いていると言わざるをえません。それは国家を一瞬にして崩壊させかねないほどの原子力災害をあまりにも過小評価しているということです。言いかえれば、原子力技術の温存を図りつつ潜在的な核保有による安全保障を確保するどころか、自国の原発が地震によって複数壊滅することによる国家経済・社会・文化の一瞬の破たんというとてつもないリスクを抱え込んでいるということではないでしょうか。これは国家の存立そのものを脅かすほどのリスクであり、その近い将来における発生確率は極めて高いと言わざるをえません。そういうリスクの存在を国家や政財界のリーダーたちはあまりにも過小評価しすぎているし、もし意図的に無視しているとしたら国家や政財界のリーダーとして失格でしょう。



2. 二つ目の理由は、日本という国が社会全体として原発や核燃料サイクルという巨大技術を動かす能力、キャパシティがないということが今回の福島の事故によって明確になったということです。今まで原子力の安全をここまで疎かにして、国民の生命と財産を脅かし、立地自治体にあっては補助金や様々な経済的なアメを与え続けることによって原発への依存から脱却できないようにしてきた「原子力村」を核とした社会・経済構造が日本という国家にビルトインされ、福島ほどの事故が起きても何ら責任も取らず、反省もせず、開き直ってきたのです。この社会構造はまさに太平洋戦争に突き進んで国家を破たんさせた戦前の官僚組織、政治家等の硬直性と同質のものだと言わざるをえず、ひとかけらの正統性もキャパシティもありません。福島の事故後もその社会・経済構造は何も変わっておらず、たとえ高度な技術力を持っていてもその精神の荒廃が続く限り、いったん事故を起こせば一瞬にして国家を非常事態に陥れるような原子力災害に対応できないのは明白です。その証拠に3/11以後1年半もの時間が経過しても原子力災害に対する備えは何も出来ていないというのが実態であるし、原子力村は国民の生命の安全よりも自分たちの権益の確保ばかり画策しているのではないでしょうか。



3. 三つ目の理由は、「トイレなきマンション」と言われる放射性廃棄物の最終処分問題の存在です。すでに六ヶ所村の再処理施設には日本全国の原発から集まってきた放射性廃棄物であと数年もすれば満杯になることは明白であり、この問題を放置したまま原発を運転しつづければどんなに原発を運転したくともすべての原発は自動的に停止せざるを得ない状況に追い込まれるのは時間の問題です。これこそ政府そして原子力村全体の無責任ぶりを象徴するものであり、この道筋を示せない限り原発と核燃サイクルの即停止は当然だと考えます。



4. 最後に、福島の核被害を経た今、正統性を失い、常に国家を非常事態に陥れる危険性が高く、何十万人もの住民にこれから放射能汚染という健康被害を出し続け、子供たちに未来への希望を失わせるような産業ではなく、たとえ当面は厳しい道のりであっても市民、国民に希望を与え、併せて新しい経済・社会の発展の礎となるような産業を育成していくことが今早急に求められているということです。それは、エネルギーの分野では間違いなく太陽光などの自然エネルギー産業の育成です。もちろん、自然エネルギーへの大胆なシフトを進めるため、原発を即廃炉にして電力の供給体制に齟齬を生じないようにするには天然ガスや石炭によるコンバインドタービン発電やコージェネレーション発電による効率的な発電、発送電分離による電力の地域独占体制の見直しなどを進めることです。また、原発を即廃炉にしてもすでに発生している膨大な放射性廃棄物の処理を国民のコンセンサスを得ながら進めていくには、新しい産業へのシフトを大胆かつ迅速に行って、原子力の負の遺産処理を早急に始め、その高度な処理技術の開発・実施能力を世界に伝えていくことが世界最悪の原子力災害を起こした日本の責務だと考えます。』



≪参考≫

1. 内閣府のページ「話そう、"エネルギーと環境の未来"」

2. 内閣府の提示する3つのシナリオ

3. エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会  



2012年08月02日

【まっとうな受け答え】
田中俊一氏の所信だけを聞いていると、ひょっとしたら新しい規制委員会はうまくいくのではないかという期待を抱かせるような上手な受け答えに聞こえます。

『衆院議院運営委員会は1日午前、政府が国会に提示した原子力規制委員会の同意人事案で初代委員長候補の田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)から所信を聴取した。田中氏は原発の再稼働について「新たな調査の結果、活断層による影響があるとの判断になれば、運転の停止を求めるべきだ」と述べ、再稼働した関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を含め規制を厳格に適用していく考えを示した。

 田中氏は「(再稼働の)安全性に関する判断基準も含め、慎重に確認、評価を行う必要がある」と強調。そのうえで「津波や活断層の評価など技術的な点の精査が不十分だった可能性がある」との認識を示した。

 さらに、大飯原発の敷地内の断層(破砕帯)が活断層である可能性が指摘されていることについて「事業者任せではなく、委員会としても調査に加わって自ら判断していく」と語った。

 規制委設置法に盛り込まれた原発の40年運転制限ルールについては「40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させない姿勢で臨むべきだ」と述べた。

 田中氏は「油断してはだめだが、原発はコントロールできると思う」とも発言。東京電力福島第1原発事故に関しては「どんなに反省しても、し切れるものではない。福島の地をできるだけ早く元に戻し、古里に戻れるようにする思いで取り組んできている」と話した。

 また「原子力ムラの住人」と指摘されていることについて「今まで仕事をした経歴で言われるのであれば、否定するすべはない。ただ、私は研究所が長く、あまり事業者との付き合いはない」と説明。「規制委の透明性を守ることで、今までとは違う、事業者とは一線を画した規制行政ができる」と強調した。委員会の運営については透明性確保の観点から「基本的には原則すべて公開し、議事録を取りたい」と述べた。

 同意人事をめぐっては、田中氏が内閣府原子力委員会の前委員長代理だったことなどに、超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」や鳩山由紀夫元首相ら与野党から再考を求める声が上がっている。【笈田直樹、岡崎大輔】』(8月1日付毎日新聞)


【裏に潜む巨大権力の危険性】

しかしながら、まともそうな受け答えをする田中俊一氏が新しい原子力規制委員会の委員長になって本当にこの国の原子力行政が今までとは全く違う、国民の側に立った規制を行っていけるでしょうか?

残念ながら、僕は今のままでは「否」と答えざるを得ません。なぜか?そう考える理由は以下のとおりです。

1. 田中俊一氏がどんなに原子力ムラから「足を洗った」と宣言しても、今まで原子力推進の責任の一端を担ったことについて、国民が納得のいく責任の取り方を示して、今後も委員長としてどういう風に国民に対する「透明性」を確保してその職に就くかを明確にしない限り、原子力ムラの一員だったこの人がたったこれだけの所信表明をするだけではまったく信用できないこと。

2. 委員長が誰になろうと、3/11以降もそもそも経産省をはじめとする政府、電力業界、原子力業界、政治家、それらを取り巻く御用学者や御用メディアなどの原子力ムラの無責任体質と、原発と核燃サイクルを何としてでも維持しようとする数々の工作や企てはまったく変わっていないことから推察すれば、新しく発足する原子力規制委員会は原子力から国民を守るよりもさらなる原子力翼賛体制の維持・拡大のために、今まで以上の強大な権力として国民の命と国家の安全を脅かす可能性が強いこと。これは元の木阿弥どころか、さらに強大な原子力帝国の復活となるでしょう。

その工作や企てとは、玄海原発再稼働を巡るやらせメール疑惑、鉢呂大臣の突然の経産相辞任騒ぎ、原子力委員会の秘密会議疑惑、野田首相の大飯原発再稼働声明など数え上げればキリがありません。

【今、何が必要か】

ではどうすればいいのでしょうか?やはり、原点に戻ってすべてを一からやり直すしかありません。すなわち、

1. 福島第一原発事故を起こした責任者の処罰と原子力ムラ全体の解体

先ずやるべきはあれだけの巨大な核惨事を引き起こし、10万人以上もの避難者を未だに救えなくしたフクイチ事故の責任者をすべて告発し、牢屋に入れることです。東京電力の幹部はもちろん、原子力安全・保安院や原子力委員会、原子力安全委員会の委員たち、御用学者らすべてです。そして責任の所在を明らかにして原子力ムラといわれる悪魔のような人間たちを一掃することが先決です。そうしなければどんなに規制組織を作っても「張り子の虎」に終わってまた大事故を引き起こすことは必定です。原子力事故は、今でもフクイチだけで将来的な被害額は天文学的になるのは目に見えており、今度起こればもちろん国家は破たんします。

2. 原子力に関するすべての情報を国民の共有財産として公開すること

国家機密とか企業秘密といったもっともらしい理由で、この国全体の電力需給が本当はどうなのかとか、フクイチ事故の真の原因はどこにあるのかなど国民が最も知りたい原子力に関する情報を国家の崩壊を食い止めるためにすべて国民の前に公開することが必要です。情報の公開が不完全にしか行われず、原子力ムラの意図するままに情報操作が行われている現状では、今行われている意見聴取会は茶番にすぎません。国民の必要とする情報を公開することが関係者の処罰と同時に速やかに行われなければなりません。

3. その上で現在存在する原発、それから核燃料サイクル関連の施設はすべて即廃止すること

その際発生する電力会社の債務超過などは当然の報いです。やることもやらない中での国民へのつけ回しは言語道断です。まともな経営者であればもっと早く手を打つべきだったことをしていなかったわけですから、政府に原発を引き取ってもらうなり、新たな電源を早急に確保するなり命を懸けてやっていくべきでしょう。ただ、国民経済の混乱を招かないように当然政府は緊急措置を次々と取っていくべきですし、そのための国民負担の発生も僕たち市民・国民は覚悟すべきでしょう。それをしなければ、明日にでも大地震が起きたり、馬鹿な電力会社の人為ミスで原発が大事故を起こせば日本列島は即破局に落ちいるわけですから、そうならないための「覚悟」だと考えなければなりません。緩やかな減原発などと甘っちょろい対策ではもう日本は救われないほど危機的だという認識を国民全員が持つ必要があると思います。

日本を世界で最初の原子力の墓場としない覚悟が求められています。日本が原子力の墓場になるということは、世界全体が経済も社会も文化も歴史も崩壊の危機に晒されるということです。人類の最も愚かな民族として未来永劫迫害を受け続けることにならないようにするために、今日本人に本当の覚悟が求められていると思います。世界は日本の動きを真剣に見ています。  



2012年08月01日

【メールを削除】

こういう行為は犯罪そのものです。

『内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、司会役だった内閣府原子力政策担当室の職員(当時)が、パソコンから大半の関連メールを削除していたことが関係者の話で分かった。内閣府が設置した検証チームなどが2回にわたり関連資料の提出を要請した後に実行しており、意図的な隠滅の疑いがある。事態を重視した検証チームは、内閣府のサーバーからメールを復元する作業に乗り出した。【核燃サイクル取材班】

 この元職員は山口嘉温(よしはる)・上席政策調査員(当時)。秘密会議問題発覚後の事務局(原子力政策担当室)態勢見直しに伴い、6月末に内閣府を退職して7月1日付で出向元の「日本原子力発電」に戻った。

 最初に資料提出を求めたのは、原子力政策担当室の中村雅人参事官。6月上旬、同室職員に対し、自主的にパソコンを調べ関連するメールを発見次第提出するよう指示した。

 2回目は後藤斎(ひとし)・副内閣相をトップとする検証チームが要請。6月14日、秘密会議に出席していた近藤駿介・原子力委員長や原子力委員4人▽原子力政策担当室▽経済産業省・資源エネルギー庁▽文部科学省▽電力会社の各職員らにメールを含む全関連資料の提出を求め、秘密会議の実態解明を進めている。

 関係者によると、このうち原子力政策担当室は職員が保存していた関連メール約1000本を印刷し、ファイル約10冊にとじ込んで検証チームに提出した。秘密会議で中核的な役割を果たしていた山口氏が、秘密会議出席者との間でやり取りしたメールがほとんど含まれていなかったため、検証チームがヒアリングで追及したところ、山口氏は「消去した」と答えた。検証チームは業者に依頼し24時間態勢でメールの復元作業を進めている。

 検証チームは6月11日、後藤副内閣相と内閣府職員の計7人(現在10人に増員)で発足。「内部調査に過ぎない」と厳しい批判を受けたため、今月13日、企業の危機管理に精通する国広正弁護士と高巌(たか・いわお)・麗沢大経済学部長(企業倫理)を顧問に招いた。メールの復元は国広弁護士の指示で、来週末をめどに検証結果を公表する方針。

 山口氏は取材に対し「必要のないメールは消しており(担当室を)退職する時にも消した」と6月末に削除したことを認めた。「意図的な隠滅ではないか」とただすと「それはない。いらないと思ったから消した。第三者の指示は受けておらず、自分の判断で削除した」と話した。』(7月27日付毎日新聞)


【犯罪人集団を告発せよ】

こういうことが原子力ムラの論理で今までどれほど繰り返されてきたことか、本当に怒りに震えます。隠ぺいに次ぐ隠ぺい。国民に対する裏切り行為です。原子力発電所が次々と建設されていた数十年前に遡れば、今問題となっている活断層の疑いのある断層や地質のデータを改ざんしたり、隠ぺいしたりといったことも電力会社が行っていたことが疑われています。これもおそらく氷山の一角でしょう。とにかく彼らは原発や核燃料サイクルの温存のためには犯罪的な行為も平気でやるのです。

そして何の罪にも問われない。その最たる例が福島第一原発の核惨事を招いた責任の所在ではないでしょうか。誰一人として責任を問われない。こんなことで何が新組織か、何が原子力の安全か、笑止千万です。

この山口嘉温(よしはる)・上席政策調査員(当時)という元職員は即刻刑事告発して、逮捕させるべきでしょう。恥を知れと言いたい。

僕たち市民は、脱原発に向けて政治家を動かすこともさることながら、こういう原子力ムラの住人たちである小役人の悪事についても徹底的に監視、追及していくべきでしょう。そのためにはその悪事を見逃す読売などの御用メディアにも監視の目を光らせる必要があります。
  



2012年07月31日

【2033年まで健全?】

「開いた口が塞がらない」とはこんな人たちのことを言うための言葉です。

『九州電力玄海原発1号機(佐賀県、定期検査で停止中)の原子炉圧力容器が予想を上回り劣化していた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は27日、現時点の劣化は異常なレベルではなく「2033年までは十分健全」との見解をまとめた。1975年に運転開始した1号機は、2033年まで運転すれば58年となる。政府は原発を原則40年で廃炉とする方針を決めているが、9月に発足予定の原子力規制委員会が再検討することが決まっており、今回の見解は論議に影響を与えそうだ。

【図でみる】原子炉圧力容器と中性子

 保安院は昨年11月からこの問題を検討。27日開かれた専門家による意見聴取会で大筋了承を得た。

 原子炉圧力容器は、核分裂反応で生じる中性子を浴び続けるともろくなる。劣化の程度を間接的に調べるため、各電力会社は圧力容器内に同じ材質の試験片を設置。定期検査の際に取り出して、劣化の程度を示す「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」などを調べる。この値が異常に高いと、事故の際の注水がきっかけで圧力容器が破損する恐れがある。

 九電は玄海1号機について97年までに3回分析。いずれも脆性遷移温度は予測値を下回っていたが、09年の値が約14度上回る98度と、国内の原発で最高値を記録した。想定以上の老朽化を示す結果に、圧力容器の健全性を不安視する声が上がり、保安院が専門家会合で検討してきた。

 試験片を電子顕微鏡で詳しく調べたところ異常な劣化は見つからず、現時点では「健全」と判断。圧力容器の内壁は試験片より炉心から遠く、その分浴びる中性子の量が少ないため劣化は遅く、実際に圧力容器の劣化が試験片と同程度になるのは、運転開始から約58年後の2033年ごろになるとした。

 議論では、圧力容器の脆性遷移温度が98度になったと仮定しても、理論上は事故の際の注水で容器の破損には至らないとの意見が多数を占めた。

 一方、1号機の脆性遷移温度が予測値を大幅に上回った理由は説明がつかないとして、予測に使われる計算式の精度を今後、学会などが詳しく検証するよう求めた。【奥山智己】』(7月27日付毎日新聞)


【保安院の「健全」は電力会社の「健全」】

フクイチ事故のときに住民の安全を確保するどころか、電力会社の「安全」ばかりに重点を置いてきた原子力安全・保安院。あれだけの惨禍を起こしておきながら誰一人として刑務所にも入れられず、反省もせずに新しい規制組織が出来るまでは自分たちが判断して当たり前とうそぶき、今度は井野博満・東大名誉教授(金属材料物性)に言わせれば「日本一危険な原発」と恐れられている老朽化した玄海原発一号機をして、2033年まで「健全」ですと言い放つ保安院。

誰が彼らの言うことを信じるでしょうか?もしも事故が起きれば日本全国が緊急事態に陥るという危険性が少しでも疑われれば、その原因を先送りすることなく徹底的にわかるまで、しかも迅速に調査するというのが保安院の最低限の仕事ではないでしょうか?そんなことも無視するようなら全員玄海原発1号機に家族ともども住まわせて自分たちの命をかけて調べてもらいたい。それくらい1号機の脆性遷移温度が予測値を大幅に上回った理由の究明というのは重大なことなのです。

あまりにも安易、あまりにも無責任と言わざるを得ません。市民を馬鹿にするのもほどがあると思います。

  



2012年07月26日

【細野氏の発言公開】

民間事故調が行った細野氏などへのヒアリング内容が公開されました。

『細野豪志原発事故担当相が、福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)の聴取で、昨年3月15日に菅直人首相(当時)が東京電力本店に出向き「撤退はあり得ない」などと言った問題について、「日本を救ったと思っている」と話していることが24日、分かった。民間事故調が同日夜、聴取内容をホームページ(HP)上で公開した。

【フォト】 菅直人元首相の「虚言」と「悪あがき」

 事故当時、首相補佐官だった細野氏に対しては、政府事故調や国会事故調も聴取しているが、すべて非公開で、細野氏への聴取内容が公になるのは初めて。

 細野氏は、菅氏について「国が生き残るために何をしなければいけないかの判断は、すさまじい嗅覚がある人」と評価した。そのうえで「私は(菅氏のように作業員に)『残れ』と言うことには躊躇(ちゅうちょ)した。言えない」と述べている。

 民間事故調は、報告書の中で、菅氏のこの時の行動を評価しているが、細野氏のこうした証言が強く影響しているとみられる。

 一方、政府が作成しながら公表せず、批判された「最悪シナリオ」については、細野氏が作成を指示したと証言。公表しなかった理由については「数カ月かけて深刻な影響を及ぼすもので、その間に対応できると判断した」と説明した。

 民間事故調は細野氏のほか菅氏▽枝野幸男経済産業相▽海江田万里前経産相▽福山哲郎元官房副長官-の4人の聴取内容も同日、公開。内容は民間事故調のHP(http://rebuildjpn.org/)で見られる。』(7月24日付産経新聞)


【菅氏の嗅覚と覚悟】

あの3月11日から15日というのは、本当に日本の一番長い日だったのではないでしょうか。もしかしたら、あの時点で日本は終わっていたかもしれない、それほどほんの一握りのリーダーたちのひとりひとりの判断がニッポンという国家そのものの存亡を決定づけた「魔の瞬間」だったと僕は思います。

その中心にいたのが一国の総理として陣頭指揮を執っていた菅直人前総理大臣でした。その菅氏の評価が未だに真っ二つに分かれていることはご存知のとおりです。

僕はそのときのブログにも書いていますが、次々と制御不能に陥る福島第一原発の状況に右往左往する東電幹部に対する不信感から菅氏が先ず現場を見に行ったのは細野氏の言うとおり、菅氏の鋭い嗅覚というか、胆力がそうさせたのであり、その後の現場への信頼感や統合本部の設置などによる事態収拾への道につながり、メルトダウンは防げなかったものの首都圏3千万人の避難といった破滅的事態から結果的に日本を救ったと思います。

なぜなら、あの時、原子力ムラと言われる東電、保安院、原子力安全委員会、数えきれないほどの御用学者、読売などのマスメディアはまったく無能で、状況把握や事態収拾の動きどころか、事態を悪化させ、混乱させるようなことばかりやっていたのであり、菅氏の「日本を救わなければならない」という覚悟なしにはその悲劇的ともいえる混沌とした状況からの脱出は不可能だったと思われるからです。

あれから1年半近くたっても、未だに何の反省もなくまたしても国民の安全をないがしろにしたまま原発の再稼働に突っ走り、再び原子力帝国の復活にまい進する原子力ムラの面々は恥を知れといいたい気持ちです。大本営発表のような報道ばかりしていた産経や読売もあの時なにをしていたか、よく胸に手を当てて考えてみるべきです。

≪参考≫

「細野大臣に対する民間事故調のヒアリング内容」

「菅首相の率先視察をどう見るか―福島第一原発 」・・・2011年3月31日付の僕のブログ記事

  



2012年07月23日

【火力発電の増強】

火力発電能力の増強が東京ガスと石油元売り会社によって検討されています。

『東京ガスと石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは、川崎市で共同運営している火力発電所の能力を増強する方向で検討に入った。

 現在の発電能力は原子力発電所1基分に相当する約85万キロ・ワットだが、これを2020年頃に2倍以上に増やす。増やした分はほとんどを新電力に販売するため、新電力の供給能力が高まり、利用者が電気を購入する際の選択肢も増える。

 昨年3月の東日本大震災以降で、既存の電力会社以外の発電事業者による能力増強としては、最大規模になる。東京電力が、原発の再稼働にメドを立てられず、供給力を増やせないため、東ガスとJXは発電能力を増強しても需要は十分にあると判断した。

 両社が共同運営しているのは、川崎市川崎区の臨海部にある天然ガスを燃料にした「川崎天然ガス発電所」。すでに2基の発電プラントがあり、同じ敷地内に新たなプラントを建設する。ガスタービンと蒸気タービンを併設し、発電効率が高い最新鋭の「コンバインドサイクル(複合発電)」を採用する。投資額は数百億円規模。』(7月22日付読売新聞)

【自然エネルギーへの転換】

政府は今、2030年時点の日本のエネルギー戦略について3つの選択肢を示して、各地で意見聴取会を開催しています。原発0%、15%、20~25%という3つの選択肢のカギとなるのは、自然エネルギーの比率をどこまで実現性を持って高められるのかではないでしょうか。経団連や日商などの経済団体が3案とも実現不可能だと批判しているのも自然エネルギーが原発の代替にはなりえないというところを主な論拠にしているようです。

僕も自然エネルギーを主要な電気エネルギーに据えるには、かなり大胆な政策誘導なり、民間による短期間での相当の投資が求められることなどを考えればやや懐疑的な気持ちもあります。

しかしだからと言って地震大国ニッポンで明日にでもフクイチ以上の核惨事が起こり、国家が壊滅しかねないという状況が現に存在する以上、原発は今すぐにでも廃止するべきだという一点にいささかの迷いもありません。そんな重大な危機を棚に上げて原発ばかりを維持しようとする経済界や官僚などの原子力ムラの姿勢は既得権益を守りたいだけだと思われても仕方がないのではないでしょうか。

【自然エネルギーの有力なつなぎ】

その自然エネルギーまでのつなぎとして十分な役割を果たすことが期待されるのがガスタービンと蒸気タービンを併設し、発電効率が高い最新鋭の「コンバインドサイクル(複合発電)」であり、東京都の猪瀬副知事の火力発電所構想も今回の東京ガスとJX日鉱日石エネルギーの発電所建設構想も原子力が動かせない現状での緊急措置というだけでなく、自然エネルギーまでの時間稼ぎとして十分な能力を発揮するでしょう。

原発は生みだすエネルギーの3/2は温排水として海に捨てますが、天然ガス「コンバインドサイクル(複合発電)」は生みだすエネルギーの3/2を有効利用できるだけでなく、工事着工から発電までの期間も原発と比べれば半年~数年のサイクルであり極めて現実的かつ効率的な発電手段なのです。

もちろんガスタービンは原発のような核災害による破滅的な事故は起こらない。これは安全を望む市民だけでなく、マーケットや投資家にとってもより受け入れやすい選択です。

現在の意見聴取会の議論の詳細な中身は知りませんが、是非このコンバインド天然ガス発電を原発を即廃炉にして自然エネルギー普及させるまでの有力な選択肢として大いに議論してほしいと思っています。


≪参考≫

・「自然エネルギーは地方から、つなぎはガスで電力と雇用を!!」・・・2011年7月29日の僕のブログ記事

  



2012年07月19日

【近藤委員長らを告発】

全国18人の弁護士が原子力委員会の幹部らを告発しました。

『内閣府原子力委員会による秘密会議問題で、全国18人の弁護士が18日、最高検公安部に告発状を提出した。近藤駿介原子力委員長ら27人が、「表」の小委員会で使用予定の議案や原発反対派の作成した意見書など計32件402ページの文書を、電気事業者に漏えいした行為が国家公務員法(守秘義務)違反容疑などに当たるとしている。

【図解】3月8日の秘密会議によるシナリオ隠蔽の構図

 18人は「脱原発弁護団全国連絡会」に所属する北海道、東京、愛知、大阪、福岡など11都道府県の弁護士。

 告発状は、近藤委員長を含む5人の原子力委員▽内閣府▽文部科学省▽経済産業省・資源エネルギー庁の各職員ら計27人が、昨年11月~今年4月の秘密会議で、外部への配布が許されない「機密性2情報」と明記された文書などを事業者7人に渡したとしている。

 告発人の紀藤正樹弁護士は会見で「反対派を封じ込めるために秘密会議を開いていた。民主主義の根幹である『手続きの適正さ』にかかわる問題」と強調。望月賢司弁護士は「告発は5人の原子力委員を解任しない政府への抗議だ」と述べた。内閣府原子力政策担当室は「告発の有無を確認中で(現段階では)コメントのしようがない」としている。【核燃サイクル取材班】』(7月18日付毎日新聞)


【弁護士の良心に続け】

6月下旬には1324人もの福島県民が福島第一原発事故で被ばくさせられたとして東京電力や国などの33人を福島地検に告訴・告発しています。この場合は1324人の被ばくが傷害にあたるとして業務上過失傷害容疑での告訴でした。しかしながら、過去においても原発立地や原発の安全性に対する告発は全国各地で行われていましたが、ことごとく裁判で敗れていると言うのが実態です。

それでも国家や官僚、原子力関係者の無為無策が今回の福島第一原発の事故を起こしたことは、国会事故調が指摘する通り「人災」だったことが明らかなわけですから、事故に対する責任は問われ続けなければならないし、今回のような事故後の原子力ムラによる原子力の温存を目的とした様々な隠ぺい工作や秘密会議などの不正は告訴・告発をしていくことが重要だと思います。

司法は今まで少なくとも原発や原子力事故などに関しては行政の後追い、既成事実の追認という立場で原告側となった住民や市民の声を無視し続けてきました。裁判所は、原発の危険性を訴える住民の声に耳を傾けることなく、伊方や浜岡だけでなく、全国各地の原発の稼働を容認し続けてきたのです。しかし、それらの論拠はフクイチですべて崩壊したと言ってもいいと思います。

この期に及んで、原子力ムラの権益擁護のために秘密会議まで開いていた近藤委員長らの不正を告発することも原発の危険性を訴える以上に重要なことは言うまでもありません。これからも全国各地で心ある弁護士の方々が住民のために告発を続けていくことが大事だと思います。
  



2012年07月17日

【やらせのオンパレード】

こういうことになることは、ある意味最初からわかっていました。

『今後のエネルギー政策について、政府が国民から直接意見を聞く第3回意見聴取会が16日、名古屋市内で開かれた。抽選で選ばれた発言者9人のうち1人が中部電力の課長職社員で、原発推進を主張。15日の仙台市での聴取会でも東北電力幹部が原発推進の立場で発言しており、2日連続の電力社員の発言に不満が噴出し、会場は一時騒然となった。  発言したのは中部電の原子力部に所属する課長(46)。「個人としての意見」と断った上で、「福島の原発事故による放射能の影響で亡くなった人は一人もいない」「(政府は)原子力のリスクを過大評価している。このままでは日本は衰退の一途をたどる」と持論を展開。会場から「中部電の回し者か」「またやらせか」などと批判の声が飛んだ。  

◇「無作為抽選」博報堂が強調  聴取会は2030年の原発比率を0%、15%、20~25%とする三つの選択肢から抽選で選ばれた3人ずつが意見を述べる形式。運営事務局を務める広告代理店の博報堂によると、名古屋では出席可能な応募者が0%は106人、15%は18人、20~25%は37人だった。職業や個人名が分からないように番号などで管理して無作為抽選したところ、20~25%の賛同者として、この課長が選ばれた。  今月13日と会開始前の2回、課長から「中部電力の社員で問題はないか」と問い合わせがあったが、事務局側は「個人的な意見表明を」と求めた上で発言してもらったという。事務局は「無作為抽選なので、電力会社員だからといって外すことは難しい」と説明。公平を期すため、政府側にも抽選結果は伝えなかったという。

 課長が意見を述べたことについて、中部電広報は「会社として社員に参加依頼をしたことはない。発言した社員からは、聴取会に出席し、意見を話すとの報告は受けていた。個人として参加し、意見表明をしたと考えている」と話した。  一方、発言者9人のうち、4人が関東・関西在住だった。聴衆の一人は取材に対し「他地区の人が発言するのは、地元の意見を聞くとするこの会の趣旨から外れている」と批判した。【森有正】』(7月16日付毎日新聞)


【結論ありきではダメ】

今まであった仙台、名古屋の意見聴取会の光景、どこかで見たことはありませんか?そう、昨年の玄海原発の再稼働に向けた経産省主導の意見聴取会とそっくりそのままではないでしょうか?

電力会社の人間が個人的意見と敢えて述べてから発言する?電力会社が死守しようとする原発に反対の意見を述べるなら敢えて「個人的意見」だと言う必要があるかもしれませんが、会社と同じ立場なのに個人的意見だという必要がどこにあるのでしょうか?あきれてモノも言えません。

とにかく、「腐っている」の一言しかありません。自分たちのシナリオ通りに進めていって、市民の意見を「聴取」したうえで、最終的な落とし所は原発15%にするということなのでしょう。そのためなら、電力会社の社員であろうが、原子力研究の外郭団体の職員であろうが、利用できるものは何でも利用する。どんなにマスコミに叩かれようが、一般の市民がどんなに反対しようが、守るべき原子力のためならどんな汚いことでもごり押ししていく。そういう原子力ムラの体質は3/11を経ても何も変わっていないのです。

この流れを止めるのは非常に困難だと言うことはわかっていますが、それでも断固として反発し続けることは大事です。少しずつでも彼らのスケジュールやシナリオの進行を遅らせること、出来れば軌道修正をさせること、そういう時間稼ぎしか出来なくても、その間に政治情勢が変わる可能性もあります。今までも上関原発建設予定地から海を隔てて数キロ先にある祝島の住民の方々のように原発建設が持ち上がった地域で何十年にもわたって原発反対のあらゆる抵抗を試みた結果、原発建設が何年にもわたって延期されたり、実際に断念に追い込まれた地域も数多くあるのです。宮崎の串間もそうでした。そこには、生活に根差した方々の命を懸けた抵抗があった。

ひとりひとりが自分たちの持ち分や役割の中で、それぞれのレジスタンスを続けていくことが大事なのです。それは反体制などいった胡散臭いものではあまりません。市民が憲法に定められた自分たちの基本的人権を守るために立ちあがっているだけです。
  



2012年07月06日

【国会事故調、報告提出】

国会の事故調が事故から1年3カ月以上経ってようやく最終報告書を提出しました。

『東京電力福島第1原発の事故原因などを調べてきた国会の事故調査委員会(国会事故調、黒川清委員長)は5日、根源的な原因は「『自然災害』ではなく明らかに『人災』である」との判断を示した報告書を公表した。地震・津波対策を立てる機会が過去、何度もあったのに、政府の規制当局と東電が先送りしてきたと断定。その背景に「組織的、制度的問題」があると指摘した。

 報告書は641ページ。衆参両院議長に提出した。

事故の根源的な原因として、経済産業省と密接な関係にあった東電が、歴代の規制当局に規制の先送りや基準を軟化するよう強い圧力をかけ、「規制する立場と、される立場の『逆転関係』が起き、規制当局は電気事業者の『虜(とりこ)』になっていた」とした。

 その結果、経産省原子力安全・保安院の「原子力安全についての監視・監督機能が崩壊していた」とし、東電を「自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する黒幕のような経営体質」と断じた。

 事故の直接的な原因として「事故は津波が要因」との見方を否定する見解も盛り込んだ。政府の事故調査・検証委員会(政府事故調、畑村洋太郎委員長)の中間報告書(昨年12月公表)や、東電の社内調査報告書(今年6月公表)は「非常用電源の喪失は津波による浸水が原因」との見方を示してきた。

 しかし国会事故調の報告書は、津波の到達時間などを検証した結果、少なくとも1号機の非常用電源の喪失は津波によるものではない可能性があると指摘した。原子炉圧力容器の圧力を下げるための弁が作動していなければ、「1号機では地震の揺れによる小規模の冷却材喪失事故が起きていた可能性がある」とした。

 東電が原発からの「全面撤退」を検討したとされる点は「東電内部で全面撤退が決まった形跡はなく(官邸側の)『誤解』だった」と結論付けた。

 ただ、誤解を生んだ最大の責任は「民間企業の経営者でありながら、自律性と責任感に乏しい清水(正孝元)社長が、あいまいな連絡に終始した点に求められる」と指摘。「東電は、官邸の誤解や過剰介入を責められる立場になく、そうした事態を招いた張本人である」とした。

 事故後の対応では、保安院や東電の説明不足に不信感を募らせた官邸が現場に介入したとし、「情報を把握できないまま介入し混乱を引き起こした。事故の進展を止められず、被害を最小化できなかった最大の要因」と批判。「官邸、規制当局、東電経営陣には、準備も心構えもなく、被害拡大を防ぐことはできなかった」と強く批判した。

 事故発生翌日の3月12日朝、菅直人前首相が現場を視察したことに関しても「現場の士気を鼓舞したというよりも、自己のいら立ちをぶつけることで、むしろ現場にプレッシャーを与えた可能性もある」と指摘した。

 こうした検証を踏まえ、報告書は▽規制当局に対する国会の監視▽政府の危機管理体制の見直し▽新しい規制組織に必要な要件--など7項目を提言している。【笈田直樹、奥山智己】』(7月5日付毎日新聞)


【かなり踏み込んだ責任追及と提言】

当時の官邸に対しても、東京電力や原子力安全・保安院、経産省などの原子力ムラに対しても厳しい責任追及をしていることが報告書のダイジェスト版からだけでも読み取れました。黒川委員長をはじめ、委員の顔ぶれからすれば原子力ムラの利害に惑わされることなく、きっちりと「仕事をした」と認められると思います。

先ず事故の原因は「人災」と断言して関係者を厳しく指弾した後の提言として、①規制当局に対する国民の監視、②政府の危機管理体制の見直し、③被災住民に対する政府の対応、④電気事業者に対する監視、⑤新しい規制組織の要件、⑥原子力規制の見直し、⑦独立調査委員会の活用の7つを示しました。それぞれの内容はみなさんが自分の目で確認していただければと思いますが、ダイジェスト版に目を通した限りにおいては日本の原子力推進、原子力安全に関する国家と電力事業者の責任に踏み込んだ提言だと感じました。

この提言を踏まえて、これから何が求められるかというと7つの提言に基づくこの国の原子力政策、原子力推進、原子力安全に関わる人的、組織的、社会的、文化的な分野までも含めた抜本的な体制の見直しを行い、実効性のあるものにすることです。

残念ながら、その事故調の報告書の前に大飯の再稼働は強行され、エネルギーの中長期的な政策を検討する会議は「先ず原発ありき」で強行されているという事実があります。すなわち、すでに政府や電力会社はこの報告書と事故調の委員のやっていることを最初から蹂躙しているということです。やはり、報告書を本気で活かすにはフクイチ事故の責任者すべてを刑務所に入れることから始めなければ何も始まらないというのが僕の意見です。

≪参考≫

・国会事故調の報告書のウェブページ
  



2012年07月04日

【専門家会議】

保安院と専門家による原発敷地内の断層に関する会議が行われました。

『原発敷地内の断層の活動性について、経済産業省原子力安全・保安院は3日、専門家による会合を開き、全国の原発の再点検を始めた。このうち関西電力美浜、高浜原発と日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(いずれも福井県)の3施設については「活断層ではない」とする事業者の主張を根拠不足として再検討を求めた。

 この問題をめぐっては、日本原子力発電敦賀原発の原子炉建屋直下の断層「破砕帯」を調査した専門家らが「活断層の可能性がある」と指摘し注目されている。

 関電と同機構は従来、3施設の破砕帯は12万~13万年前より後に動いた活断層ではないと主張してきた。破砕帯の構造が水平方向にずれる「正断層型」で、12万~13万年前以降では活動がほとんど観測されていないことを根拠としていた。

 しかし東日本大震災後には正断層型の地震が実際に起きており、保安院は「正断層型だから古い断層という説明だけでは、活動性を否定するのは難しい」と根拠不足を指摘。さらに、美浜原発ともんじゅは約1キロ以内に活断層があり、破砕帯が連動する可能性も再検討するよう求めた。今後、追加調査が必要と判断すれば指示する。

 3施設のほか、敦賀原発と東北電力東通(ひがしどおり)原発には既に追加調査を指示しているが、その他の原発については情報収集に努めるよう求めた。

 政府が再稼働を決めた関西電力大飯原発についてもこの日、過去の資料を再点検する予定だったが、関電に求めていた資料がそろわず、今月中旬の次回会合で議論することになった。【岡田英】』(7月3日付毎日新聞)

【今、最も重要な大飯を後回し】

昨晩放送されていた報道ステーションでは、この記事の最後に書かれている大飯原発の過去の資料について、「関電が資料が見つからないと言って未だ出してこないので資料がそろい次第議論する」と保安院の室長が語っている映像が映されていた。この保安院の室長は「関電には再度探すように厳しく言っている」ともっともらしく言っていたが、関電も保安院も言っていることが本当かどうか極めて怪しい。

そもそも活断層に関するそんな重要な資料を簡単に紛失してしまうなんて一体どういう管理をしているのか。さらに活断層の再調査を求めている渡辺教授は6年も前から関電や保安院に言い続けていたと言うのに、再稼働が決まってもなお資料が出てこないなどというのは結局再稼働を優先して安全を後回しにしたということであり言語道断である。

関電も保安院もようするに専門家をナメているのであり、活断層が動くなんて起こらないとタカをくくっているということだと言わざるを得ないのではないか。それって言い換えれば、大津波など起こらないとして専門家の意見を無視し続けて何の対策もとらずにフクイチの大惨事を引き起こした東電と政府の大失態と何も変わっていないということではないか。

ということは、この連中は3/11以降も自分たちに不都合な真実を隠ぺいし続けようとしている疑いが濃厚で、このままいけば本当に活断層が動けばフクイチ以上の核災害が今度は大飯で起こると言うことなのだ。

こんなデタラメを放っていたら、大飯で大事故がまた起こるのは必然であり、それ以外の原発でも同じようなことが繰り返されるだろう。一体、僕らはどうしたらこの狂気の沙汰の連中を止められるのか、本当に途方に暮れてしまう。

≪参考記事≫・・・『大飯原発断層 「掘削調査は可能」-東洋大・渡辺教授が確認』

『東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は28日、27日に関西電力大飯原発(福井県おおい町)で行った破砕帯(断層)の現況確認結果を発表した。この中で原発敷地内を南北に横断する「F6」と呼ばれる断層について渡辺教授は「掘削調査は不可能ではない」と結論付けた。

F6断層は原子炉の直下を通ってはいないが、重要構造物の一つである非常用取水路がF6断層を横切っており、渡辺教授は「F6破砕帯(断層)が活断層と認定された場合、3・4号炉の使用は不可能となる」と指摘している。

断層の掘削調査の可能性を判断するため、渡辺教授は原発敷地内の5地点を視察。地下に埋設物がある地点などを除き、掘削調査は可能であるとの見方を示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)』(6月29日付オルタナ)
  



2012年06月26日

【報告書出る】

秘密会疑惑の解明を置き去りにしたまま原子力委員会が報告書を発表しました。

『今後の核燃料サイクル政策の選択肢を検討してきた原子力委員会は二十一日、二〇三〇年時点で総発電量に占める原発の割合(依存度)に応じた選択肢の報告書をまとめた。依存度を0%、15%、20~25%の三つに分け、使用済み核燃料や再処理工場、高速増殖原型炉「もんじゅ」の扱いをどうすべきかを記した。どれがいいかは書かなかったが、核燃料は再処理と地中に埋める直接処分を併存させる方式が望ましいとの意向をにじませている。  

原子力委は近く、政府エネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略担当相)に報告書を提出。同会議は八月にも新たなエネルギー政策をまとめる。  報告書は、原発依存度が0%(脱原発)を選ぶ場合、残された使用済み核燃料は全て直接処分し、再処理工場(青森県六ケ所村)は廃止、もんじゅの開発は中止し、高速増殖炉関連は基礎研究程度にとどめるのが適切だとした。  

依存度が15、20~25%の場合は、使用済み核燃料が継続的に発生することになるため、どちらも再処理工場は稼働させる形に。処理しきれない核燃料が残るため、再処理と直接処分の併存が適切とした。再処理で取り出したプルトニウムの使い道として、高速増殖炉実現に向けた努力を続けるのが適切とした。その一環で、もんじゅは一定期間動かす、としている。  

また、20~25%の場合は、併存のほか、高速増殖炉の開発を積極的に進め、核燃料は全て再処理することもメリットが多いと指摘した。  どの選択肢がいいか直接的な意見は示さなかった。ただ、将来、政策が見直されてもいいよう備えることを推奨したり、急激な政策変更は再処理工場を受け入れた自治体との信頼を崩すことへの懸念を示したりしている。その点で、使用済み核燃料は併存方式を採るのが望ましいと受け取れる。  

併存方式なら、再処理工場は残り、もんじゅも基本的には存続する。政策変更に伴う混乱は避けられる。ただし、東京電力福島第一原発事故を受けた核燃料サイクル政策の見直し議論は、これまでの政策とほとんど変わらないことになる。』(6月22日付東京新聞)

【狙いは「現状維持」?】

先週日曜日のサンデーモーニングでも金子教授が発言していましたが、金子氏らが原発推進関係者だけの秘密会議の解明が出来るまでは原子力委員会の結論を出すのは待つように要望していたにもかかわらず、原子力委員会はそれを無視して報告書を公表したようです。しかもその中には委員会でほとんど議論もしなかった「もんじゅ」についても記述が入っているということですから、ひどい話です。

結局、経産省の事務方をはじめ秘密会議のメンバーを中心とする原子力ムラの面々の狙いは原子力をなんとしてでも温存するということ以外にはありません。誤解を恐れずに言えば、この3択にしても原発の依存度をゼロにする気などは毛頭なく、0%と20~25%の中間の15%を落とし所にするという魂胆がありありです。あわよくば20~25%にもっていくように国民を誘導できればとも思っていることでしょう。15%というのは結局、現状維持以外の何物でもないのです。そういう結論に最終的に持っていくことになるのでしょうが、そうなったときには時すでに遅しです。何という厚顔無恥、何という卑劣なやり方でしょうか。

この人間たちはフクイチの事故で何十万人もの人々が理不尽な避難生活を強いられても何の反省もなく、次の大事故が起こってそれ以上の放射能被害が市民に広がっても、国家が破局の淵に立っても何も変えないつもりなのです。こんなことが許されるのでしょうか?こんな人間たちの支配する原子力帝国・ニッポンをどうしたら救えるのでしょうか?絶望的な気持ちになります。
  



2012年06月21日

【警報器作動】

再稼働準備がはじまって未だ数日というのに、もう警報器作動の発表を内輪の判断で遅らせたそうです。

『関西電力は20日、再稼働の準備作業中の大飯原発3号機(福井県おおい町)で19日午後9時51分、発電機の冷却水タンクの水位低下を示す警報器が作動したと発表した。現地では「特別な監視体制」として、24時間態勢で経済産業省原子力安全・保安院や関電、福井県などの担当者が作業を監視している。保安院は20日午前11時から現地で記者会見し、発表が約半日後になったことを陳謝した。  関電によると、警報は4分後に止まった。実際はタンクの水位に異常はなく、ポンプを動かしたことにより一時的に水位が変動したことが原因とみられる。16日に始まった準備作業で、警報が鳴ったのは初めて。3号機では現在、2次系配管や復水器周りを水で洗浄する作業をしている。今後の作業に影響はないという。  報道各社には20日午前8時半ごろ、記者会見の通告があった。保安院などによると、警報器鳴動は、同原発に近い大飯オフサイトセンターに設置した「特別な監視体制」が発生と同時に把握。保安院や関電、福井県などの担当者が常駐しているが、「安全への影響がなく、法令に基づく異常事象でもないので、夜中に発表する必要はないと判断した」(保安院)という。』(6月20日付毎日新聞)

【危機感なき傲慢と無神経】

本当にこの連中に再稼働をさせたらどういうことになるのか、僕たちに懸念を抱かせるに十分な「事件」でした。保安院は警報器が鳴ったことについて発表が半日も遅れたことについて、「安全への影響がなく、法令に基づく異常事象でもないので、夜中に発表する必要はないと判断した」と述べたそうです。3/11前とまったく変わらない物言いは、この人間たちがフクイチから何も学んでいないことを図らずも再稼働準備の最初の段階で自ら暴露したようなものです。


※左の写真は17日に「トラブルはなく順調だ」と記者会見していた保安院と関電の担当者です。そして19日に警報がなり「大したことではない」と発表を遅らせました。問題はトラブルがあったかどうかではなく、それを隠そうとする危機感なき「姿勢」です。


異常事態を異常事態とも認識せず、夜中だから発表しなくてもいいだろうと自分たちだけの内輪の論理でいとも簡単に片づけてしまう、その集大成がフクイチの核惨事の元凶だったなどと露ほども思っていない原子力ムラの頂点に位置する原子力安全・保安院の官僚たちと電気事業連合会のボス・関西電力にとって、ニッポン全国の市民が不安の中で再稼働を見ていることなど最初から念頭にないのです。こんな原子力ムラの論理がこれからなにをもたらすか、市民は想像力をもって対応しなければなりません。

どんな小さなことでも、どういう形で大事故につながるかわからない、そしていったん起これば普通の産業事故とは比較にならない国家、あるいは周辺諸国をも巻き込む巨大核惨事を招く原発事故の恐ろしさをフクイチにおいて経験して、自分たちの無能さをさらけ出したばかりなのにこのザマです。

市民を、国民を馬鹿にするものいいかげんにしてもらいたいとみんなが声をあげなければ本当にこの人間たちに殺されてしまう日は近いと思います。謝って済むような問題ではないことは明らかです。絶対にこのまま許してはいけないと思います。
  



2012年06月18日

【強行突破】

国民の強い懸念を無視してついに強行突破しました。

『政府は十六日午前、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係三閣僚による四者会合を開き、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決めた。これに先立ち、福井県の西川一誠知事は官邸で首相と会談し、同意する考えを伝えた。政府は十分な安全対策を取らないまま、裏打ちのない首相の「安全宣言」によって再稼働を強行した。
 首相は四者会合で「立地自治体の理解が得られた今、再稼働を政府の最終的判断とする」と表明。「政権として、原子力行政と安全規制の信頼回復に向けさらなる取り組みを進める決意だ。新たな規制機関の一日も早い発足に向け、一丸となって努力を続けたい」と強調した。記者会見はしなかった。

 四者会合前の会談には、首相のほか、枝野氏ら関係三閣僚らも同席。西川知事は安全対策や使用済み燃料の中間貯蔵施設の整備など八項目を要望し「関西の人々の生活安定のため再稼働に同意したい」と述べた。

 枝野氏は八項目の要望について「重く受け止め、真摯(しんし)に対応する」と応じ、首相は「福井県の決断に深く感謝したい」と語った。

 関電は同日午後、機器の点検など再稼働に向けた作業に着手。二基の起動は順番に行い、それぞれ本格稼働に三週間程度が必要とされるため、フル稼働は早くても七月下旬になる。

 国内の原発五十基は北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が五月五日に定期検査入りして以降、すべて停止している。大飯原発3、4号機が再稼働すれば昨年の東京電力福島第一原発事故以来、定期検査後の原発が再稼働するのは初めてとなる。

 しかし、安全対策に盛り込まれた免震施設の建設や防潮堤の整備などは計画を示せば十分とされ、今回の再稼働には間に合っていない。事故で信頼を失った経産省原子力安全・保安院に代わる安全規制の新組織もまだできておらず、安全対策は万全とはいえない。

 大飯再稼働をめぐっては、政府が四月十三日に再稼働方針を決定。首相は今月八日の会見で「福島を襲ったような地震、津波が起きても事故を防止できる」と表明していた。』(6月16日付東京新聞)

【常に再稼働ありき】

大飯の再稼働。フクイチ後1年3カ月経ったひとつの結論がこれです。なんという無反省、なんという無責任、なんという無定見と強引さ。なんという非科学性。この1年半にわたる動きを見ていると日本の現在の原子力に関わる組織や人間の愚かさがすべて露呈していると言ってもいいのではないでしょうか。

これでは次のフクイチを超える原子力災害は到底防げないでしょう。自然災害が原因にせよ、人為ミスが原因にせよ、間違いなく次の巨大事故は日本で起こると僕は見ています。過去の事故を見ても他の国よりも日本で主要な事故は起こり、回を重ねるごとに深刻度を加え、ついにフクイチに至ったのです。

もう一度、福島第一原発事故のときに僕たちが何を見たか、記憶を呼び覚ましてほしいと思います。僕はときどき自分のブログの2011年3月13日から4月にかけての記事を読み直してあのときの恐怖を思い、「なんとかみんなにも伝えたい」と日々訴えています。そしてこれを読んでいるみなさんも僕の言っていることを鵜呑みにするのではなく、是非、自らの頭で原子力の在り方について真剣に考え、調べ、やはり原発はやめるべきだという確信が得られたら、どんな小さな行動でもいい、自ら動いてほしいと思います。

原子力ムラの連中は国民ひとりひとりが本当に立ち上がるのが怖いのです。この国をたったひとにぎりの集団に操られて破滅の淵に立たせるわけにはいきません。大げさではなく、原発の存廃には自分たちの命がかかっていることを福島第一原発の事故が教えてくれたことを今一度思い起こしてほしいと思います。

≪参考≫

・「メルトダウンの恐怖―福島原発」・・・2011年3月13日の僕のブログ記事(このとき記事に書いた思いはそのまま現実となりました。そしてその現実は今も重くこの日本の空を覆い尽くしています。)
  



2012年06月15日

【延命策】

原発の延命ばかりが見え隠れする原子力規制関連法案を巡っての与野党のやりとりです。

『民主、自民、公明3党は13日、政府の原子力規制関連法案の修正協議を行い、原子力発電所を原則40年に制限して廃炉とする政府方針に関し、見直しの規定を置くことで合意した。

 新たな原子力規制組織として創設する「原子力規制委員会」が、原発の運転期間を再検討する。3党は修正協議をほぼ終え、これを反映させた法案を議員立法で今国会で提出、成立させることも確認し、規制委は8月にも発足する見通しとなった。

 3党合意では、原発の運転期間について、原則40年、さらに最長20年までの延長を認める政府案の規定を残した。そのうえで、規制委の発足後、速やかに見直すとした規定を法案の付則に明記することにした。見直し規定の導入は、自民党の主張によるもので、民主党政権が打ち出した「40年廃炉」は変更される可能性が出てきた。』(6月13日付読売新聞)


【恐るべき無定見】

これで自民党がいかに3/11前の体質と何も変わっていないかがわかります。彼らは何としてでも原発を延命したい、維持したい、その前提に立っての原子力規制組織の議論なのです。あきれてモノも言えない。フクイチで明らかになった原発の危険性から市民、国民、そして国家を当面いかに守っていくかという前提のもとに原子力規制機関の在り方を議論するのが筋なのに、やはりというか、再稼働を迅速に進めるために、そしてその先には原発を今まで通り出来るだけ長く稼働しつづけるために、国民への目くらましのために規制機関を作ろうとしているということが、この原発廃炉40年の見直しだけでも明確になります。

3/11から1年以上が経過して明らかになりつつあることは、今回の一件も含めて、原子力ムラと揶揄される原子力産業、電力会社、経産省をはじめとする原子力関係省庁、原発推進の政治家、御用学者、読売新聞などの一部マスメディアは、フクイチの責任をまったく無視し続け、国民の目から事故の真実の姿を出来るだけ隠し通し、停電や化石燃料代で国民を脅し、どんな反対があろうとも、原発の安全など二の次にして3/11前と同じように原発を稼働し続けようと目論んでいるということです。

こんな理不尽な動きに対して僕たち市民が出来ることは、どんな小さな手段でも彼らの不道徳で非論理的な行動を公の場で暴きつづけることしかないと思います。そのために最も有効なのがTwitterなどのSNSを使ったインターネットという手段だと思います。原子力ムラがどんなに強引でも、「絶対にあきらめないこと」、それしか市民には生き残る道は残されていません。

何度も言いますが、原子力の問題というのは、他のどんな問題よりも国家の存立を左右する重大な問題だということを僕らは決して忘れてはいけないと思います。それは今議論されている消費税と社会保障の一体改革よりもはるかに重要です。なぜなら、次の重大な原発事故で国家が破たんするほどの放射能汚染が起きれば、社会保障など吹き飛んでしまうからです。そして今のままではその可能性は限りなく高いのです。
  



2012年06月14日

【748万人の署名】

原発再稼働に反対する署名が748万人になったとのことです。

『作家、大江健三郎さんらが呼びかけ人の「さようなら原発1000万人アクション」のメンバーが12日、国会内で記者会見し、原発の再稼働に反対する署名が10日現在で748万1352人に達したと発表した。同会は、このうち約180万人分を横路孝弘衆院議長に提出した。野田佳彦首相にも近く提出する。
 同会には民主、自民、公明など超党派の国会議員約80人も名を連ねており、この日、国会内であった会合には約30人が参加した。菅直人前首相も出席し「この1年が勝負だ。脱原発を国の方向として確定することに頑張りたい」と訴えた。

 呼びかけ人の一人で経済学者の内橋克人さんは、政府が進める関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について「政治の決定と国民の意識がこれほど隔たった時代はない」と会見で批判した。今後も署名集めを続け、7月16日には東京・代々木公園で10万人規模の集会開催を予定している。【阿部亮介】』(6月12日付毎日新聞)


【あらゆる方法で動かす】

野田首相の再稼働記者会見から4日。昨日の福井県知事による大飯原発の視察をはじめ再稼働への秒読みは刻一刻と迫っています。もはや大飯原発の再稼働そのものを止めることは極めて困難でしょう。まさに原子力を今まで推進してきた「原子力ムラ」の関係者たちが昨年のフクイチ以後どうしても国民の意思を無視してでもやりとげたかった一つの節目がやってこようとしています。

そのやり口たるや、3/11以前と何ひとつ変わりません。その端的な例が野田首相の再稼働決定記者会見でした。国家を崩壊の崖っぷちまで追いやろうとしたフクイチ事故の教訓など無視して、誰一人責任も取らず、その無責任体制を温存したまま、「原子力は安全です、必要です」「原子力がなければ国家は立ち行かない」と国民を脅しすかすのですから、開いた口が塞がりません。

僕たち市民ひとりひとりはこんな無責任極まりない原子力ムラの人間たちに立ち向かうにはあまりにも無力です。でも原子力への回帰の動きをなんとしても止めなければ命がないという切迫感を持って、大江健三郎さんらが呼びかけ人の「さようなら原発1000万人アクション」の署名のように、取りうるあらゆる手段を使って無責任な政治家たちを突き動かしていくしかありません。署名でもいい、新聞への投書でもいい、政治家への苦言でもいい、どんな小さなことでも個人でできることをひとりひとりがやっていくこと、それが大きな流れを作っていくと信じましょう。
  



2012年06月13日


原子力委員会が秘密会のメールを公開しました。

『内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、原子力委は11日、昨年11月~今年4月、関係者に発信した電子メール21本をホームページで公開した。このうち昨年11月14日分には、原子力政策全般を論議する「新大綱策定会議」の準備のために秘密会議を設置したことが明記されている。原子力委はこれまで核燃サイクルの見直しを論議する「小委員会のため」だけに実施してきたと説明してきたが、虚偽であることが改めて裏付けられた。

 昨年11月14日のメールは、事務局を務める内閣府原子力政策担当室が電力10社で作る「電気事業連合会」や高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」関係者らに発信した。「策定会議や小委の準備のため勉強会を設置します」と記され、1回目(昨年11月17日)の議題は「六ケ所再処理工場を止めた場合のデメリット」「フェードアウトシナリオ(将来原子力依存度をゼロにする政策)となった場合のデメリット」。現行政策を見直した場合の負の側面だけを議論する偏った内容だったことが分かる。

 1回目を含め4回秘密会議に出席し、策定会議議長を務める近藤駿介原子力委員長(69)は毎日新聞の取材を拒否した。拒否理由は明らかにせず、内閣府職員を通じて「メールの存在さえ知らない」と回答した。

 小委員会は識者ら7人で構成され、核燃サイクル政策の見直しについて先月、取りまとめを終え解散した。この7人に近藤委員長ら20人を加えた計27人が策定会議のメンバーで、原子力政策大綱策定に向け幅広い議論をしていたが、秘密会議の発覚で次回開催のめどさえ立っていない。原子力委は発覚後「順次資料を公開する」とし、4日には出席者名などを明らかにしていた。【核燃サイクル取材班】』(6月11日付毎日新聞)


【権力は腐敗する】

自らの権益擁護のためには、どんなことでもやってのけるようになったら、もうそれは権力の腐敗以外の何物でもありません
。「権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する」という言葉通りの原子力委員会の秘密会議の状況が明らかになりつつあります。

ただ、ひとつだけ光明もあります。それは、このような状況が暴かれるようになったということは、もちろん毎日新聞のスクープがあったからなのですが、その背後には原子力を推進してきた面々の中からも「このままではいけない」と考える人たちが出てきて、膿を出そうと情報をリークしているのではないか、内部では相当の暗闘があるのではないかとも考えられることです。

もちろん、先週の野田首相による大飯の再稼働決定記者会見を聞けばわかるとおり、大きな原発維持の流れは揺らいでいないことも事実です。権力が腐敗して、その権力、既得権益集団だけが自滅するのが早いか、次の大事故が起こって国家そのものが機能停止するのが早いか、やっぱり、ニッポンという国土しかよって立つ所がない僕たち市民は、国家そのものの破局を招くわけにはいきませんので、なんとかこの腐敗した人間たちの暴走を止めなければならないことは言うまでもありません。
  



2012年06月12日

【再稼働へのレール】

ついに再稼働への秒読みが始まりました。これからは政府の想定通りに進んでいきます。

『関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全性を検証してきた福井県原子力安全専門委員会は10日開いた会合で、事業者による安全性向上策の確認結果や今後国などに対応を求める点などをまとめた報告書案を示した。結論として「東京電力福島第1原発事故を教訓に、想定すべきとされる地震、津波が襲っても、原子炉の安全を確保するために必要な対策は確保されているものと評価できる」としている。

 会合は午後3時半の開会直前に、再稼働に反対する一部の傍聴者が「傍聴者全てを入れろ」「きょうで打ち切るな」などと騒いで県職員や警備員ともみ合いになり、委員全員が退室する事態となった。約1時間後、県庁内の別室に移り、傍聴者のいない状態で開会した。

 県専門委による検証を再稼働判断の前提としていた西川一誠知事は今後、時岡忍おおい町長と県会の意向を聞き、現地視察した上で、早ければ週内にも再稼働に同意するとみられる。地元の同意を受け、野田佳彦首相は速やかに関係3閣僚との会合を開き、再稼働を最終判断する方針。

 大飯3、4号機の再稼働をめぐっては野田首相が8日、官邸で記者会見し「国民の生活を守るために再起動すべきというのが私の判断だ」と表明。西川知事は「重く受け止めている」とのコメントを発表し、同意に向けた手続きを進める意向を示していた。

 ただ、首相が今週中に再稼働を判断しても、運転再開は節電期間が始まる7月2日に間に合わない可能性が高い。再稼働の作業を始めてからフル出力まで1基につき約3週間かかるためで、2基がフル稼働するのは7月下旬になる見通し。』(6月10日付福井新聞ONLINE )


【重大な転機】

今回の大飯原発再稼働への手続きは、今後の他の原発の再稼働の模範的な手続きとして既定路線となっていくことは間違いありません。特に官僚はいったん既成事実が出来上がれば、それをルールとして次々と既成事実をおっかぶせていくのが得意な人間たちです。今後市民の力で他の原発の再稼働をやめさせるのは今まで以上に困難になっていくでしょう。

僕たち市民が肝に銘じておかなければならないことがあります。それは、原発や核燃料サイクルの推進というのは、すでに産官学が30年以上にわたって利権構造をガチガチに作り上げたニッポンの巨大な産業となっていて、野田首相の言うとおり、それら原子力ムラの勢力にとってはこの産業なしには「自分たちは」立ち行かなくなっているという事実です。(この場合、立ち行かなくなっているのは日本ではなくて、原子力ムラの勢力、原子力の産官学複合体です)最も端的には、原発が再稼働できず次々と廃炉になれば原発という不良債権によって破たんが免れなくなるであろう電力会社がその最たるものです。彼らは自分たちが生き残るためなら原発の安全など二の次、三の次なのです。

そしていったんこのゾンビのような巨大な勢力に復活の口実を与えると、国民の不安や原発の安全などお構いなしに、次々とその隙間を埋めて既成事実化していくこということです。

そういう意味で今回の大飯の再稼働は重大な転機となるでしょう。彼らに市民、国民がつけいる隙を与えてしまったからです。

この重大さというのは、何度もこのブログで書いていますが、太平洋戦争に突き進んで600万人以上と言われる民間人・軍人の犠牲者を出し、沖縄をはじめとする国土を焼失させてしまった国家の破滅以上のものとなるということです。すなわち、戦争ならばまだ復興の可能性がありますが、大規模な原子力災害というものは復興は不可能だということです。それは、たとえどんなに政治家が責任を取ると明言しても誰一人として責任など取れない、フクイチ以上の原発や核燃料サイクル施設の核災害が近い将来必ず発生し、膨大な核汚染によって日本列島の分断どころか日本全体が人間の居住に適さない土地として何世代にもわたって社会も文化も伝統も人々の生活もすべてが根こそぎ奪われて2度とふたたびニッポンという国家が立ち直れなくなるということです。フクイチの事故がそれを証明しつつあります。もちろん、それは福島とその周辺の方々が被災して苦しんでおられるように、あなたも家族も家も土地もその核汚染の真っただ中でそれらすべてを捨てざるを得なくなるということです。しかもそのとき、放射能汚染には国境はないので、日本だけでなく世界中が大規模な核汚染の脅威にさらされることになるでしょう。

政治家も原子力ムラの人間たちも、そして僕たち多くの国民もそれほどのリスクが原子力にはあるということが人類上初めて明らかになった福島第一原発の事故をあまりにも、あまりにも軽く見すぎていないでしょうか?

【怒りを胸に、楽天性を保って最大防護を】

ここまで至っても、絶対に絶望することなく、なんとしてもこの崩壊への流れをひとりひとりが止めていくんだという決意だけは持ち続けないといけないと思います。これほどの時代を生きていくうえで非常に参考になる言葉を最後にご紹介します。それは沖縄在住で内部被曝の専門家として原爆症認定集団訴訟で証言をし、3/11以後は全国で講演をされている矢ヶ崎克馬先生が放射線被ばくにどのように立ち向かうかについて語られた言葉です。(岩波ブックレットNo.832「内部被曝」のP.56より引用)

「この時代を生きていくうえでの私の提言は『怒りを胸に、楽天性を保って最大防護を』です。事態がこうなった以上、能動的に立ち向かうことが大切です。内部被曝の恐ろしさを学んで、それでもだめだと考えてしまうのではなくて、恐ろしさをきちんと知ることで、政府の発表を鵜呑みにしないようにし、私たちのいまなすべきことを見出していくことができるのです。
私たちはもはや『汚染される覚悟』が必要です。しかし、悲観して恐怖のうちに汚染を待つのはよしましょう。この怒りを胸にしっかり収めて、開き直って、楽天的に、知恵を出し、最大防護を尽くしつつ、やるべきことはすべてやるのです。」
  



2012年06月08日

【原発維持が前提?】

何とか原発を維持していく姿勢をにじませているそうです。

『政府のエネルギー・環境会議が「エネルギーの安全保障や多様化と両立できる形で原発低減の道筋を具体化すべきだ」などとする中間報告案をまとめたことが、7日分かった。安全保障やコストの観点から原発の有用性をにじませる内容で、関係閣僚が出席する8日の会合で議論される。
 報告案は、東京電力福島第1原発事故を受け、原発比率を含む将来のエネルギー構成や、地球温暖化対策の戦略をつくる上で考慮すべきだとする7種の考え方を提示。

 この中で「原発依存度の低減を目指すべきだが、一方で、エネルギーの安全保障や多様化と両立できる形で低減の道筋を具体化すべきだ」などとした。』(6月7日付共同通信)


【変わらぬ原発推進】

この記事によれば「エネルギーの安全保障や多様化と両立」という文言が政府のエネルギー・環境会議の中間報告案に入っているとのことですが、そこには原発は化石燃料や省エネ、自然エネルギーなどの選択肢の中に一定の比率でこれからも入れたいという原発維持の強い意志が感じられます。

こんな政府の姿勢を裏付けるように、6月末に迫る東電や関電などの電力会社の株主総会に提出される多くの脱原発提案にも電力会社は頑なに全面拒否の姿勢を取ると見られています。大阪市のような大株主であろうが脱原発を目指す市民グループであろうが、原発をやめることに関わるようなことは一切認めない電力業界の姿勢というのも、福島で日本列島を分断させかねなかった未曾有の核惨事を経験しても微動だにしていないのです。

【猪瀬副知事のしたたかな戦略】

これほど強固な政府、電力業界をはじめとする原子力ムラの原発推進姿勢は次の原発事故で本当に日本が壊滅するまで変わらないのではないかと思わせるに十分ですが、大げさに聞こえるかもしれませんがこんな日本を破局の淵から救い出すために、絶対にひるまない姿勢で脱原発のうねりを市民が作り出していくしかありません。

ただ、そういう声をあげながらももっと重要なことがあります。それは何度かテレビに出演していた東京都の猪瀬副知事が語気強く語っていたのですが、やれ原子力ムラの策動だの経産官僚がうごめいているだのと騒ぐよりも、電力の在り方を実質的に変えていくことをやっていくことが大事だいうことです。
すなわち、東京都が検討しているようにガスタービン発電所を都内に作って東電に頼らない電力供給力をつけるとか、自家発電や省エネの本格的な導入を産業界が進めるとか手のつけられるところから電力の地域独占を崩していくという試みです。ただ、これは市民が出来ることではありません。やはり猪瀬氏や橋下氏のような地方行政に携わる有力者や産業界の人々の脱原発に向けた強固な意志と具体的行動が必要です。

原発まみれで暴走するこの国のの「カタチ」を本気で変えるには、原発維持を目論む原子力ムラへの断固たる姿勢と実質的に電力の在り方を変えていく努力、このふたつをしっかりと持続していくことが大事だと思います。
  



2012年06月06日

【外国人が次々避難】

みなさんは昨年の3月11日の東日本大震災の発生後、福島第一原発が次々と水素爆発や原因不明の爆発を起こし、1号機から3号機にかけてメルトダウンが起きていると誰もが疑った数週間、日本在住の外国人が雪崩を打つように東京から関西へ、海外へと脱出していったときのことを覚えておられますか?

フランス大使館やドイツ大使館をはじめとする東京在住の各国大使館は日本在住の自国民に対して避難勧告を出しましたし、その中でも米政府が福島第一原発の半径80キロ圏内に住む米国人に退避を勧告したことは特に衝撃的でした。

あのとき、日本政府も日本のメディアも日本在住の外国人は放射能に対する過度の恐怖心からパニックに陥っているとして冷静を装っていました。もちろん、その間日本政府は実際には猛烈な放射能汚染が福島周辺を覆っていたことを知りながら、数十万人の福島周辺住民の避難を「見送り」、結果的にその方々の無防備な被曝を放置してしまったのです。その被害が本当に顕在化してくるのはあと数年後です。

【未だに薄い危機意識】

結果として、現在も原子力委員長に居座り続けている近藤原子力委員長があのとき、菅直人前首相にフクイチの最悪のシュミレーションとして関東全域の三千万人の避難もありうるとした本当の「最悪の事態」はフクイチの現場の必死の努力といくつかの幸運な偶然によって回避され、避難勧告に従った多くの外国人の心配は杞憂に終わったとされています。

しかし、本当にそれでよかったのでしょうか?脱原発の機運が高まっていると言われる現在の日本でも、未だに多くの人々は「あれは外国人の放射能に対する過剰反応だった、そんな大げさなことは何もなかった。外国人が逃げ出すようなことを許した日本政府も悪いし、逆にあのとき日本は大丈夫だとアピールして日本に戻ってきた一部外国人芸能人は立派だった。」と思っている方が多いのではないでしょうか?

僕はそれはハッキリ言ってあまりにも危機意識が薄いし、放射能の恐怖、原発事故の本当の恐ろしさを甘く見ていると思います。あのときの在日大使館や外国メディアのフクイチ事故や放射能汚染に対する警戒感はまともだった、逆にフクイチの現場は別にしても日本の政府やメディア、電力会社の危機意識、放射能汚染に対する意識はあまりにも低かったというのが本当でしょう。

たった紙一重の違いで、本当にあの時日本は福島から東西に日本列島が分断され、経済も社会も文化も目茶苦茶になってしまう分水嶺にあったのです。そして今のような政府の再稼働ありき、目先の経済優先、安全軽視の姿勢でいけば、フクイチを凌ぐ本当の最悪の事態がいづれ日本に起こるのは必然です。

日本全国の経営者や企業幹部のみなさん、もちろん一般の会社員もそうですが、みんな、そのことをもう一度、自分の目、自分の頭で確かめて、とことんまで事故の経緯や日本の原子力政策の在り方、放射能汚染の厳しさを認識してほしいと願っています。そうすることが、日本が新たな次の一歩を確実に踏み出せるボトムラインです。

目先の再稼働の動きなどに惑わされてはいけません。
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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