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2007年10月11日

【進化する中国人の胃袋】 (少し長くなりますが、お付き合いくださいね)

世界経済を猛烈な勢いで牽引しはじめた中国経済。その経済力を維持・拡大するため、中国は世界中から石油を始めとするエネルギーをかき集めていることが最近問題になっているが、数億人ともいわれる中流以上の中国人たちの胃袋も世界中のあらゆる食品を物色し始めてさまざまな波紋を投げかけている。

日本との関係でいえば、魚。日本食ブームに乗ってマグロなどの寿司、刺身食材で日本の商社が世界各地で中国企業に買い負けていることが最近話題になった。そしてアメリカとの関係では・・・・・そう、牛だ。

豊かになれば例外なく肉の需要が爆発する。その真っ只中に今中国はあるのだ。

【カウボーイ登場】

10月8日号のタイム誌「グローバル・ビジネス」で、 「オープン・レンジ」("Open Range")と題した内モンゴル自治区に進出する米畜産会社Western Cattleの中国進出の話が取り上げられている。

裕福になった中国人たちの巨大な胃袋を満たすために、米国流の大規模畜産の手法を持ってカウボーイが教育的指導に中国に乗り込んできたのだ。

Open Range : To satisfy China's hankering for steak, American cowboys are teaching Inner Mongolians a new way to raise cattle

中国では1990年代のマクドナルドの進出以来、急激に肉の消費が盛り上がり過去5年での肉の消費量は31パーセントも伸びているのだ。(因みにその間、アルゼンチンは6%、米国▲2.4%、日本▲8.6%)

こんなビジネスチャンスを逃す手はないとばかり、様々な投資優遇措置で外資を惹きつける内モンゴル自治区政府にアメリカの「カウボーイ」企業が颯爽と進出してきたのだ。このままいけば、来年にも牛肉の不足が顕在化すると言われる中国では救世主的存在なのかもしれない。

Comsumption has risen 31% in the past in the past five years alone, according to the U.S.Depatment of Agriculture. "The beef market is expoloding," says Western Cattle president Jim Mueller. Owing to soaring demand, China could face beef shortages as early as next year.

【退却なき前進】

しかし、問題もある。進出当初はそれなりの人手も必要となり、内モンゴルの雇用創出にも役立つかもしれないが、もともと米国流の大規模農業の代表のような畜産手法は、コストを最小限にするために人手をかけないのが特徴だ。さらには、区都フフホト(Hohhot)周辺の小規模畜産農家への打撃もこれから顕在化するだろう。もっと言えば、中国は環境対策が遅れているため、今後大規模畜産による伝染病の可能性、環境汚染などの影響も心配されるのだ。それらを避けるためには、今後、自治政府によるインフラ整備のための大規模投資が不可欠だろう。

Without investment, "the booming beef and cattle industry would mean the destruction of the community and environment they rely on, "says Wen.

グローバルなビジネスチャンスを狙って、様々な分野で外資の進出が加速する中国。マネーを追うスピードはピカイチの連中ばかりだ。ここでも弱者を置いてきぼりにしない手当てを早めに打っておくことが後々に傷口が大きくなるのを防ぐことになると考えるのは僕だけだろうか。中国だけではない。インドでも東南アジアでも日本でも問題の本質は同じなのだ。  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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