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2008年05月15日

【消費者行動で評価】

環境保護というと国単位での評価が多い中、各国の消費者の行動で評価するという新しい試みが米地理学協会によって発表された。

『日本人の環境意識や行動は、温室効果ガスの主要排出14カ国中、11位とする調査結果を米地理学協会(本部・ワシントン)が7日、発表した。1位はインドとブラジルで、最下位は米国。日本は輸入食材や外食の利用が多く、灯油を暖房に使うなど、特に食・住生活の面で、環境への悪影響が大きいライフスタイルだという。省エネ家電の利用や車の所有状況など日常生活の数十項目について、同協会が今年1~2月、各国1000人ずつインターネットで調査。環境と調和した生活ほど高得点になる同協会の指標「グリーンデックス」(100点満点)で評価した。その結果、インドは肉の消費量が少なく、ブラジルは住居に個室が少なく暖房をほとんど使わないため、食品、住宅部門でそれぞれ首位を占め、総合評価でも1位となった。

 一方、日本は外食や加工食品の利用が最も多く、食品部門は最下位。断熱効果を高める住宅改修や省エネ型の家電導入率も最低で、住宅部門も13位だった。また、ハイブリッド車の購入意欲が低く、マイカーの1人乗り増加などから交通部門で6位。修理より新しい物に買い替える傾向が強いことから消費財部門も5位。環境団体への寄付や活動への参加など、意識の面でも14カ国中最低だった。同協会は「自分が生きている間に温暖化で生活が悪化する、と思う日本人が回答者の3割と少ないためではないか」とみている。

 同協会によると、対象14カ国で世界の人口の55%、エネルギー消費量の75%を占める。』(5月8日付毎日新聞)


【価値あるものさし】

この米地理学協会のレポートはまさに僕が日頃から感じていたことを事実に基づいて調査した価値ある物差しだ。

日頃目にする地球温暖化や環境問題に関する日本の立場は、それが政府の声明であれ、民間の意見であれ、「日本の環境技術は世界最高水準だ」とか「世界で最も環境保護への対応が進んでいるのは日本だ」といった日本礼賛ばかりが目に付くことが多い。

しかし、それはあくまで日本の産業をリードしてきた技術力に富む大企業や中小企業の血の滲むような努力の結果であり、僕ら一般市民、一般の消費者がどれだけ他の国と比較して「環境にやさしい」消費行動を取ってきたかというと非常に疑問が多いのだ。日本は戦後一貫してアメリカ型の大量消費型の経済体制を築き、維持・発展させてきたわけで、消費者はその恩恵を受け続けてきたのだ。

今、気候変動や資源枯渇が眼前に迫りつつある世界においては、どこの国の消費者であっても、その大量消費の価値観、ライフスタイルを大きく変える必要に迫られているのだ。その大転換をするための物差しのひとつとして今回のレポートは非常に参考になるだろう。

【後進国を謙虚に見習え】

このレポートでは、消費者がどれだけ環境にやさしい行動をとっているかを評価するために「グリーンデックス」(Greendex)という指標を使っているが、その結果1位となったのは、肉の消費量が少ないなどの理由からインド、住居に個室が少なく暖房をほとんど使わないなどの理由からブラジルとなった。

インドとブラジル。CO2排出や森林破壊といった負の側面ばかりが強調されがちなこの2つの国の消費者が貧富の差といった背景があるとしても、14カ国中最も環境にやさしい行動をとっているというのは、なんでもかんでも世界中から資源や食料を買い集めて大量消費に明け暮れるアメリカや日本の消費者にとっては、自らの姿勢を反省し、自らの文明のパラダイムシフトを考える上で大きな示唆を与えているのではないかと思う。みなさんはどう思われますか?


《参考》

・FIRST-OF-ITS-KIND 14-COUNTRY STUDY RANKS CONSUMERS ACCORDING TO ENVIRONMENTAL BEHAVIOR --- National Geographic.com
  




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