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2008年06月30日

【イデア塾】

6月初旬に上京したときに、三田で聞いたシンポジウムのパネラーだった社長さんが主催する勉強会に出てきました。その名は「イデア塾」。そのキャッチフレーズには、「魅力的な人との出会い、有益な情報との出会いから、自分のイデア(IDEA、アイデア、理念、目的)を広げてみませんか。GENKI(元気)を蓄えませんか。」 と謳っています。

僕の「元気通信」にも通じる考え方に共感して参加したのですが、まさにキャッチフレーズどおりの語り手と勉強会でした。そしてイデア塾を主催する井手社長の人を観る目の確かさ、人を集めて感動させる術に感心しました。

場所は福岡、博多祇園山笠の起点である櫛田神社の直ぐ近くにある「鹿島本館」(写真は旅館の玄関)という古い旅館。ここは2年前に福岡市内では初めて国の有形登録文化財に指定されたところです。この古い旅館もその日の語り手のテーマに結びついていました。それは古いものの再生であり、まちの再生です。

【石見銀山の山里で】

テーマは「まちをデザインする、暮らしをデザインする」で、語り部は世界遺産に指定された石見銀山遺跡の麓にある人口500人しかいない大森町で、年商10億円を超える服飾ブランドを中心とした事業を展開する松場登美さんという方でした。松場さんは、そのデザイン工房や本店、自分の生活場所を大森町にあった朽ちかけた廃屋を修復・復活して町全体をよみがえらせていることでも知られている人なのです。

その静かな語り口の中に、力強い生活観、服飾デザインを生業(なりわい)とし、文化を再興するんだというプロとして生活者としての強い意志がひしひしと伝わってくる「凄い」方でした。

もう信じられないような山深いところにある小さな集落で、何故10億以上もの年商での商売が成り立ち、なぜ廃屋同然だった古民家を再興しているのか、ふつふつと沸いてくる疑問に静かに答えていく松場さん。

【生きるということ】

そこには、情報の洪水の中で自分の生き方さえ見失っている都会の日本人たちが見つめるべき「なにか」がある。そんな思いにさせてくれる語りがありました。

質疑応答の時間に、松場さんの商品は高すぎるという買い手の話を紹介した質問者に、「日本人は本物の価値を忘れてしまっているのではないか。私達の商品はほとんどすべて日本にある最高の品質の素材と職人の技を使って創っています。捨てるものなど一切ない。その価値に見合った値段をつけているのであって、ユニクロさんのように中国で大量に作って安く提供して、大半がゴミとなるようなものとは違うのです。」といった意味のことを静かに力強く語られたときには、思わずハッとしました。

20年以上前に大森町に夫とともに移住して、四苦八苦しながら日本の古き良き文化を守り、その中から新しい文化を創造してきた松場さん。その確固とした生き方、そのプロ精神に「生きる」ことの意味を改めて考えさせられました。松場さん、ありがとうございました。一度、大森町に家族で行ってみようと決心しています。


《参考》

「イデア塾」・・・ イデアパートナーズ株式会社の井手修身社長が主催する勉強会

「群言堂」・・・松場さんの会社「石見銀山生活文化研究所」のサイト

・ブログ記事「石見銀山の生活文化、暮しをデザインする「群言堂」」(2008年6月3日)・・・松場さんに会って来られた大和田順子さんの公式ブログの記事
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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