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2008年07月31日

【人物検索ウェブ】

また面白いウェブが立ち上がったという記事が目に留まりました。

『ある人物の情報を、ネット上から調べ尽くす――そんな検索サービスが登場した。3月に設立されたばかりのベンチャー企業・オーマが運営する「あのひと検索 SPYSEE」だ。

 「セマンティックWeb技術を使い、Web上から人と人の関係を見つけ出して見える形にするサービス」というふれこみ。人名を入力すれば、顔写真やプロフィール、関係の深い組織、つながりのある人物、関連動画などをネットじゅうから探し回って表示する。ネット上に情報の多い有名人の場合は、かなり正確・詳細な結果が出て驚く。

 例えばソフトバンクの孫正義社長で検索すると、「1957年生まれ、佐賀県出身の日本の実業家」というプロフィールや20枚以上の顔写真を表示。関連する組織として「ソフトバンク」「Yahoo! JAPAN」などを、関係が深い人物として、実弟の孫泰蔵さんやソフトバンクホークスの王貞治監督などを、関連の深い作品としてiPhoneなどを表示する。』(7月16日付1 ITmediaニュース)


【これからが勝負】

ウィキペディアに比べれば、まだ立ち上がったばかりとはいえ12万人くらいの登録数なので利用者の支持を得られるかどうかは未知数ですが、こういうネットでの新しい試みというのは大歓迎ですね。

利用する側にとっては、どんなサービスであれ選択肢が多いほうが面白いものです。そういう意味で、これからも新規参入者による新しいサービスが次々と覇を競うのは大歓迎です。

まだまだこの検索サイトが生き残るかどうかは未知数ですが、ベンチャー企業・オーマさん、頑張ってくださいね。

  


2008年07月30日

【不吉な予兆】

先週お伝えしたウミガメのニュース。産卵上陸が全国で最多となったとの報道とは裏腹に不吉な予兆を知らせるニュースが目に留まりました。

『国内有数のウミガメの生息地として知られる八丈島(東京都八丈町)の近海で、絶滅危惧種のアオウミガメに、ヒレや頭の付け根に腫瘍ができるフィブロパピロマという病気が広がっている。地元のダイバーによると、八丈島近海では最近約5年間で爆発的に広がり、現在では、目撃されるアオウミガメの8~9割には腫瘍が見られるまでに広がっているという。しかし、これまでに詳しい実態調査は行われておらず、研究者らは危機感を強めている。
 NPO法人(非営利特定法人)「日本ウミガメ協議会」(亀崎直樹会長)によると、フィブロパピロマは、ウイルスの感染によって起きるとされ、主にアオウミガメで見られる。1980年代から世界各地で報告されている。ウイルスの種類や感染経路など詳しいことはほとんどわかっていない。腫瘍は成長するとグレープフルーツ大になる。死亡原因と断定された例はないが、腫瘍のあるカメの動きが極端に鈍かったり衰弱していたりという報告や、大きな腫瘍のあるカメが死亡して岸に漂着したという報告もあるという。』(7月22日付産経新聞)


【原因不明】

別の新聞報道の中で、NPO法人日本ウミガメ協議会の松沢慶将主任研究員は、「体中に白い腫瘍(しゅよう)ができるフィブロパピロマにかかった可能性がある。5年ほど前から急激に伊豆周辺などで発見例が増えている。原因不明の病気だが、熱帯性の有毒なシアノバクテリアとの関与が指摘されており、早急な調査が必要だ」と話している。

フィブロパピロマ?写真にあるように人にできるイボに似た腫瘍だとのことで、1950年代以前にはほとんど見られなかった病気だそうです。一体、アオウミガメたちの身体に何が起こり、なぜ多発しているのでしょうか。

【明らかな異変】

最近、海の異変が各地で伝えられるようになりました。ここ九州の玄界灘でもサンゴの白化減少が対馬や壱岐周辺でも見られるようになったり、熱帯でしか見られない魚が網にかかったりと海水温の上昇と関係がありそうな異変がいたるところで報告されています。

あらゆるものを呑み込んで、その大きさゆえにとてつもない復元力を持っていると信じられていた大海原。それさえも人間がほんの数十年あるいは数年で取り返しのつかないような大変化を引き起こそうとしているのかもしれません。もう小手先の対策ではどうにもならなくなっているような予感がするのは僕だけでしょうか。
  



2008年07月29日

【あなたのブログ採点します】

インターネットの世界は、次々と新しい試みが出てくると感心します。今回は「ブログ通信簿」のアップです。

『NTTレゾナントが運営する「goo」は7月23日、ブログ記事をもとにブロガーの年齢や性別、影響度などを推定し、“通信簿”として表示する「ブログ通信簿」の実験を「gooラボ」で始めた。

 ブログURLを入力してクリックすると、ブログを分析。推定した書き手の年齢・性別と、ブログの「主張度」「気楽度」「マメ度」「影響度」の4つの尺度を5段階評価する「ブログ通信簿」を表示する。「通信欄」には、記事の分析結果からうかがえる性格などを「生徒会長タイプ」などと評価。合いそうな職業なども表示する。

 分析は最新の記事(10件)を対象に行うため、記事を更新するたびに表示結果が楽しめ、自分のブログにどんな特徴があるのかを知ることができるとしている。』(7月23日付 ITmediaニュース)


【嫌なイメージ】

「通信簿」という言葉に対するイメージは、学校時代をどう過ごしたかによって大きく異なるでしょう。成績が良くていつもオール5だった人にとってはいいイメージでしょうし、僕のようにあまりいい思い出がない人にとっては思い出したくない学校の象徴のひとつかもしれません。

でもこれはお遊びと思って自分のブログも採点してもらおうと、ブログのURLを入力してみました。その結果は?

左の画像のとおり、2と3ばかり。やはり、あまり芳しくなかった・・・・学校の成績と相関関係があるのかなあ。あなたも試してみませんか?

「ブログ通信簿サービス」 → http://blogreport.labs.goo.ne.jp/tushinbo.rb
  



2008年07月28日

【猛暑続く】

今月に入ってから全国的に猛烈な暑さが続いています。

『高気圧に覆われた26日、全国各地で最高気温が35度を超える「猛暑日」になるなど、厳しい暑さになった。岐阜県多治見市では39.0度と、今夏全国で初めて39度台を記録した。

 気象庁によると、各地で今夏最高を更新。愛知県東海市38.4度▽浜松市37・8度--となったほか、東京都心でも31.7度と15日連続で真夏日になった。日本の南海上に高気圧があり、暖かい空気が入り込んでいるためで、今後も厳しい暑さが続く見込み。』(7月26日付毎日新聞)


【また記録更新か】

昨年は8月16日に今回と同じ岐阜県多治見市に続いて、埼玉県熊谷市でも観測史上最高の40.9度を記録したのは未だ記憶に新しいところではないでしょうか。このまま行くと、今年は40.9度さえも上回るかもしれませんね。

ここ福岡でも連日猛暑が続いています。今日も36度近くまで温度が上がり、家の中にいても暑いし、外に出たら5分と立っていられないくらいでした。

おそらく北極海の氷は昨年以上に解けているでしょうし、海水温もそうとう上がっているのではないかと想像されます。

※写真は毎日新聞に掲載された7月26日夕刻に大阪市内で目撃された「猛暑の怪物」さながらの入道雲

現在、世界中で議論されている地球温暖化防止のためのCO2削減がどれくらいこの気温上昇に歯止めをかけるのに役に立つのか見当もつきませんが、打てる手は早く打たないと取り返しのつかない結果をもたらすだろうと危惧するばかりです。

とにかく、熱中症にならないようにこまめに水分を取るなど自己防衛策だけはきちんとやっておいたほうがよさそうですね。

  
タグ :猛暑



2008年07月25日

【ウミガメ最多上陸】

絶滅が心配されているウミガメの産卵に今年異変が起きています。

『全国一のウミガメ上陸・産卵地の鹿児島県屋久島で、今年の上陸が観測史上最高ペースになっている。宮崎市内の産卵地では既に過去最高数を超え、福岡県福津市でも過去最高に迫る。関係者は「ウミガメが乗る海流の北上などの影響か」などと首をひねりながら、「保護活動が実ってきた面もある」と喜んでいる。

 日本に来るウミガメの大半を占める「アカウミガメ」は、環境省のレッドリストで、近い将来絶滅する危険性が高い「絶滅危(惧ぐ)1B類」に指定。国内では80年代から保護活動が本格化した。主に5~8月に産卵し、屋久島は全国の5割前後を占める。

 屋久島で85年から保護活動をしているNPO法人・屋久島うみがめ館によると、島全体の9割超を占める永田地区の上陸数は、6月末で延べ5243頭。観測史上最高を記録した04年(島全体で5643頭)の同時期の約1・5倍で、記録更新はほぼ確実だ。福岡県福津市の津屋崎海岸で18日朝、うみがめの産卵が確認された。同市周辺では03年に並ぶ過去最高の4回目の産卵(上陸数は03年7回、今年は6回目)。同市の担当者は「海水浴場での産卵は半世紀近くないのでは」と驚く。』(7月18日付毎日新聞)


【なじみ深いウミガメ】

ウミガメと言えば、日本では古くからウミガメに乗って竜宮城に赴く浦島太郎の話で多くの人に親しまれています。日本に産卵のため上陸してくるウミガメの大半はアオウミガメと言われていて、福島県・石川県以南の本州・四国・九州・南西諸島の海岸にやってきます。

しかし、近年これらのウミガメは地球規模の海洋汚染の影響で絶滅に瀕しており、日本に産卵に来る数も激減していました。そんな状況に危機感を抱いた市民のボランティアグループが50年以上も前からウミガメの保護活動を全国規模で展開していたにもかかわらず妙薬はないといった状況だったのです。

【過去最高が意味するもの】


僕の地元である福岡県福津市の津屋崎海岸でも過去に例を見ない規模でウミガメの産卵が確認されているとのことです。いつも釣りに出かけている海岸にはウミガメの保護を呼びかける立て看板がありますが、産卵の確認自体は喜ばしいことでしょう。

しかし、突然の吉報が本当に吉報なのか、過去最高の産卵確認が意味するものは何なのか。世界の海洋汚染や気候変動による海流の変化などがどんな影響をウミガメの産卵に与えているのかをしっかりと調査しなければ喜んでばかりはいられないのかもしれません。  



2008年07月24日

【クールビズの盲点】

クールビズの意外な盲点が浮かび上がってきた。

『地球温暖化対策として、夏場を軽装で過ごす「クールビズ」。

 冷房温度を28度と高めに設定し、省エネを図る取り組みで、年々広がっているが、日本建築学会のチームによる最近の研究で、軽装だけでは暑さで仕事の能率が落ち、経済損失にもつながる場合もあることがわかってきた。

 専門家は「換気や送風を組み合わせ、作業能率を下げない省エネ方法が必要だ」と提言している。

 クールビズは、6~9月に「ノーネクタイ、ノー上着」で職場の消費電力を減らす運動。環境省が2005年に提唱した。28度は建築物衛生法の定める執務室の上限温度だが、作業の能率への影響は不明で、日本建築学会は06年から科学的検証を進めてきた。

 神奈川県の電話交換手100人を対象に1年間かけた調査では、室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下した。』 (7月18日付読売新聞)


【扇風機併用の愚】

僕のオフィスでも7月からクールビズが始まりました。連日の真夏日の中では「ノーネクタイ、ノー上着」は確かに快適です。汗を拭きながら通勤電車に揺られていた1ヶ月前が嘘のように感じられます。

反面、問題点も少しずつわかってきました。そのひとつが新聞報道にあるように作業効率との兼ね合いです。室温28度の設定にすると、窓際など直接日光が当たる場所などは場合によっては30度以上に室温が上がります。

そうなると、たとえ「ノーネクタイ、ノー上着」であってもかなり不快になり、仕事の効率も落ちてしまうようです。職場によっては、個人用の扇風機を持ってきて暑さをしのいでいる人もいるようです。

しかし、本来のクールビズの趣旨から言えば、暑いからと言って扇風機が職場に増えてしまえばクーラーと扇風機の併用となり、CO2の排出抑制には逆行してしまうのではないでしょうか。

ここは画一的な思考にとらわれず、仕事の効率を落とすことなく、クールビズの趣旨を理解したうえで、各職場が工夫を凝らしていく必要がありそうですね。
  



2008年07月23日

【大分県で教員採用試験】

教員採用汚職で刑事事件に発展しつつある大分県で、教員採用試験が始まった。

『教員採用汚職事件で混乱が続く大分県で、19日午前、来年度の公立学校教員採用に向けた1次試験が始まった。一連の事件の舞台となり県教育委員会幹部や校長ら5人の逮捕者を出した小学校の採用試験では、大分市内の会場に早朝から緊張した表情の受験者が集まった。受験者らは口々に「今年は不正はないと信じたい」と話し難関に臨んだ。

 今回の1次試験の受験者は小、中学と高校などを合わせ計約1700人で平均倍率は約13.8倍の狭き門。19日は一般教養などの筆記試験、20日は集団面接や実技試験が行われる。1次試験の結果は8月14日に判明。9月中旬の2次試験を経て10月に最終合格者を発表する。』(7月19日付日経新聞)


【昔からあった「噂」】

「教員採用試験から実際の採用までには何らかのコネがあるのではないか」という話は昔からあった。自分も学生の頃、英語の教員を目指して教員免許状を取得し、教師として地元に帰ろうと思ったこともあったが、その時一番のネックになったのは自分には地元の教育界にコネがないということだった。

同じ競争率ならば千葉や神奈川、東京といった大都会の方がコネがなくても実力で先生になれる。なぜなら、それらの地域では新設校が次々に出来ていたので、コネがなくても教師はいくらでも採用のチャンスがあったからだ。

教師の息子でもなく、有力政治家のコネもない自分にとってはリスクが大きすぎると思って教師になるのはあきらめたことを覚えている。

それは当時は噂だったのだけれど、今でも教育界では噂が真実として生きていたのだ。

【社会から隔離された世界】

ある意味で教育界は、一般社会から隔離された社会である。時としてそれは必要なこともあるが、悪い方向に向かえば今回のような事件としてその閉鎖的体質が浮かび上がってくるのだ。

試験制度というのは、本来優秀な人間を選ぶためにある。そのためには、試験問題や試験の方法を出来るだけ公開して、受験者に知らしめることは最低限のルールだろう。そのプロセスをないがしろにして、不正の温床になっていたというのでは、教育界の信用は地に堕ちたといっても過言ではない。

どうやって這い上がるべきか。大分県だけでなく、全国の教育関係者、そしてその大本である文部科学省にどれくらいの真剣さがあるか、僕ら一般市民は当面の間、しっかり見据えておかないといけない。みなさんはどう思われますか?

  



2008年07月22日

【ロンドンで見た銅像】

7月5日の土曜日の朝にホテルから散歩に出かけ、ロンドンの地下鉄駅エンバンクメントからゴールデン・ジュビリーブリッジを渡ったところにあるロイヤルフェスティバルホールで大きなネルソン・マンデラ氏の顔の銅像を見かけました。そのときは、「イギリス人が自分たちの植民地主義の免罪符のようなつもりで銅像を作ったのかな」-くらいの意識しかありませんでした。

ネルソン・マンデラ - 南アフリカでアパルトヘイト撤廃を実現し、その後も南ア大統領、アフリカ民族会議議長として白人と黒人の民族融和に尽力した政治家でノーベル平和賞受賞者。

そのマンデラ氏が、7月21日号タイム誌「マンデラ リーダーの8つの条件」("Mandela - His 8 Lessons of Leadership")というタイトルで取り上げられていました。なぜ、今マンデラなのか?それは、7月18日でマンデラ氏が90歳の誕生日を迎えたからだったのです。ロンドンで偶然に見たマンデラの銅像がこの記事に結びついた瞬間でした。

【リーダーの8つの条件】

90歳になったマンデラ氏は、今まで生きてきた人生の実に3分の1にあたる27年間を刑務所で過ごしてきたという特異な経歴を持っています。それだけではなく、南アフリカの民族融和を実現するために多くの想像を絶するような苦難を乗り越えてきた人物です。そのマンデラ氏をリーダーとして導いてきた信条とは何か。タイム誌は氏へのインタビューで8つを挙げています。

1. 勇気とは恐怖が存在しないことではない-みんなに恐怖を乗り越えさせることだ。("Courage is not the absence of fear - it's inspiring others to move beyond it")

2.先頭に立って行動しなさい、ただし基本を置き去りにしてはいけない("Lead from the front - but don't leave your base behind")

3.後方から指揮しさない-そしてみんなには先頭に立っていると思わせるのです("Lead from the back - and let others believe they are in front")


これは後ろから羊の群れを導く羊飼いを思い浮かべるとわかると思います。マンデラは子供のころ羊飼いが好きだったのです。

4.敵を知りなさい-そして敵が好きなスポーツを学びなさい("Know your enemy - and learn about his favorite sport")

5.友人は傍に - そしてライバルはもっと傍に("Keep your friends close - and your rivals even closer")

マンデラ氏は努めて自宅に友人だけでなく、自分のライバル達も呼んで話をしていたそうです。

6.容姿は大事だ-スマイルを忘れずに("Appearances matter - and remember to smile")

大衆に向かうとき、どんなにつらくとも笑顔を見せること-マンデラ氏は本質と同様に外見やシンボルも重要だと見抜いていたのです。そういえばマンデラ氏の笑顔は印象的です。

7.黒・白は関係ない("Nothing is black or white")

ヨーロッパから入植してきた白人であるAfricaner達と黒人を区別せず、最後には融和させたマンデラ氏だからこそ言える言葉かも知れません。

8.やめることも指導者の力量だ("Quitting is leading too")

辞め時を失する最近の経営者には耳の痛い言葉かも知れません。

【永遠の課題】

上に挙げた8つのリーダーの条件は、あくまでもマンデラ氏が自らの体験から語った「覚えておくべきリーダーの心得」のようなものでしょう。したがって、南アフリカ特有の考え方や境遇から来ているものもあるかもしれません。

しかし、ひとつひとつの条件をじっくりと見ていると、私達の身の回りにいる指導者達や自分自身にも当てはまる教訓があるような気がします。みなさんはどう思われますか?  



2008年07月18日

【ボストンの友人】

10日にお伝えした福岡市美術館で開催されるボストン浮世絵展の続報です。そう、あのアメリカの友人と会うことが出来ました。彼女に会うのは数年ぶりでしたが、元気そうでなによりでした。家内と二人で博多駅近くのレストランで食事をする時間が取れたのです。イギリスから帰国した日の夕刻、博多駅前の博多駅商店連合会17番飾り山の前で待ち合わせました。

まだ、時差ぼけでぼんやりしたままの状態でしたので、レストランでの食事も結構辛かったのですが、久しぶりに海外から遠路はるばる来た友人です。そんなことは言ってられません。そして期待に違わず、彼女は福岡での展覧会の仕事をしっかりとこなし、ボストン美術館に関するいろいろな話をしてくれたのです。

【偉大なボストン美術館、そして友人】

ボストンは米国東海岸にあるマサチューセッツ州の州都で60万人の人口を擁する都市で、17世紀に英国からやってきた清教徒たちが創った歴史と伝統のあるヨーロッパ的な町並みが印象的です。この街には、あの有名なハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などとともに今回浮世絵を福岡に持ち込んでいただいたボストン美術館もあります。

そのボストン美術館について、日本人の僕達にとっては新鮮な感動を与えるような話を彼女は語ってくれました。その一部を紹介します。

1. ボストン美術館は、1870年に地元の有志によって全くゼロから民間で立ち上げ、今でも政府や地方自治体などからの補助金にもたよらず、民間で運営されていること。(日本の大半の大美術館が公的なものであるのと大違いです)

2. そして、今回の浮世絵など夥しい数の日本の古美術品のコレクションは、動物学者のモース、研究者のフェノロサ、医師のビゲローの三人が大いに貢献していること。

3. さらには、それらの日本の美術品の修復や維持管理は、何代にもわたる美術館の美術品修復スタッフの厳密で科学的な日本美術の考証努力と技術の研鑽によって、日本にも引けを取らないようなものであること。

4. そして、その現在のスタッフ5名のうちの1人が僕の友人であること。


こういった話を、民営のボストン美術館の方針の下で、活発に日本での展覧会を開催していくために、何度も来日し、苦労を重ねながらも日米の架け橋となった重要な古美術修復の仕事をこなしているという自信が、彼女の語り口や表情から伝わったきました。本当に会えて話が聞けてよかったと思った瞬間でした。

【開会式そして内覧会】

彼女の話を聞いた翌日、偶然にも福岡市美術館での浮世絵展の開会式とそれに続く内覧会に出席する機会に恵まれました。

日経新聞や地元の西日本新聞社、TVQの役員による主催者挨拶のあと、ボストン美術館側からはあのモース氏のお孫さんであろと思われる女性のスピーチがあり、続いて内覧会がありました。

そこで友人の言葉に違わず、本当に素晴らしい130点あまりにのぼる本物の浮世絵を目にすることが出来たのです。春信、歌麿、写楽、北斎、広重といった日本人なら誰でも一度は学校の教科書でみたことのある浮世絵のすばらしさは本当に目を見張るものでした。これらの浮世絵の保存状態の良さが彼女達の日々の修復技術の研鑽の結果だと事前に知ったことがその感動をさらに深いものにしてくれたと思います。彼女の名前は、内覧会でいただいた解説書にも書かれていません。でも、そんなことは些細なことです。

これからも彼の地ボストンで日本と米国の文化交流のために尽くして欲しいと願っています。

《参考》

・「ボストンの浮世絵が博多に来る!」・・・2008年7月10日の僕のブログ記事

  



2008年07月17日

【快晴、博多一番!】

今年の7月15日は大荒れだった昨年から一転、抜けるような快晴に恵まれての追い山日和となりました。

そんな中、例年どおり参加者を募って「追い山見学ツアー」を実施しました。親しい友人の大きな助けがあって集まったのは何と17人。今までで一番多い参加者にちょっととまどいましたが、嬉しい悲鳴でした。

早朝4時25分、博多駅前の飾り山前に集合して全員でいざ出陣。途中ではぐれたら、そこからは自分で見学してくださいと事前に説明した上で、まさに追い山を「追っかけて」回るツアーの開始です。

【勇壮、追い山の男たち】

今年の一番山は大黒流、そして二番は僕の故郷の東流でした。いつもの通り、承天寺から見学し、旧東町筋を走って行きましたが、狭い通りを走り抜ける男たちと舁き山の勇壮さには惚れ惚れします。そして各流れの前を走る子供たちの凛々しい姿も早朝の博多の町にぴったりとはまっていました。

追い山見学ツアーの参加者たちは終点の須崎の廻り止めまで大半が脱落せずに僕の後をついて来てくれました。きっと追い山を「追いかける」ことで少しでも舁き山を守って走る男たちの気持ちがわかってもらえたと思っています。

【新たな発見】

追い山を毎年見ていると、必ず新しい発見が何かあります。今年もひとつ大きな発見をしました。その発見とは、多くの人がきっと感じている疑問「なぜ、追い山は早朝に走るのか?」に対する答えです。

それは大自然をも山笠の演出舞台とする先人の知恵です。デジカメで舁き山を追いかけているうちにそのことに気づきました。承天寺で大黒流を撮ったときはほとんど見えなかった舁き山が、聖福寺前で撮った東流の舁き山は白々と明け始めた夜明けの太陽の光を浴びて浮かび上がっていたのです。

夜明けのダイナミックな光の演出が、まさに神事としての博多祇園山笠の一部となっているのです。

この発見にひとりで静かに感動を覚えて2008年の追い山を追えることが出来ました。追い山見学ツアー参加者のみなさん、どうもお疲れ様でした。

  



2008年07月16日

【また一斉休業】

福岡県の漁業者も一斉休業に入った。

『燃料代高騰による漁業の窮状を訴えようと、福岡県の全38の漁業協同組合が12日、一斉休漁に入った。対象は約7000隻。同県漁業協同組合連合会(福岡市)によると、県内一斉休漁は初めて。同日午後には漁業者約400人が同市内で決起大会とデモ行進を行う。

 同県漁連によると、県内で主に使われている燃料の軽油価格は現在、1リットル約120円、5年前の約3倍に上昇している。水揚げした魚を売っても燃料代が賄えず、廃業に追い込まれる漁業者が相次いでいるという。

 同県宗像市の鐘崎漁協ではこの日、約240隻が漁を休んだ。鐘崎でアナゴ漁を営む広橋幸年さん(53)は「今年に入って1週間ごとに燃料代が上がる感じ。今のままじゃ生活できない。沖に出れば出るほど燃料代がかさむので、たくさんの船が競って近くの漁場に集まっている。国の対応は遅すぎる。漁師を大事にしてほしい」と訴えた。』(7月12日付西日本新聞)


【自助努力の域を超え】

漁業者の叫びは、原油高にあえぐ日本漁業の危機の深刻さを物語っている。新聞報道によれば、漁船用A重油の6月の価格は1キロリットル当たり約10万7000円で、半年で6割程度上昇する一方、魚価は伸び悩んでおり、漁業関係者の収入が大幅に減少しているというのだ。さらに燃料費は5年前の3倍にまで上昇しており、経費全体の3割近くが燃料代に使われると言う漁業者にとってはまさに原油高は即し活問題なのだ。

このままいけば早晩、漁業者の倒産が続出するだろう。今回の事態は過去にはなかった異常事態だという認識を一般消費者も政治家も官僚ももつべきだと思うのは僕だけだろうか。

【厳しい現実】

しかし、漁業者にとって現実は厳しい。漁業関係者によれば、今回の一斉休漁が魚価に与える影響については、福岡市中央卸売市場鮮魚市場(中央区)が13日は休みのため「ほとんどない」とのことで、一斉休業やデモと魚の消費低迷や魚価に相関関係はほとんどないのが現実なのだ。

そんな中、県内の38漁協は全国漁業協同組合連合会(東京)などが15日に予定する全国一斉休漁(約20万隻が対象)にも参加する予定だという。漁業者にとって長く暑い夏が続く。

  



2008年07月15日

【未対応の掲示板】

ガソリンスタンドが想定外の事態に悩んでいる。

『石油元売り各社が、系列ガソリンスタンド(GS)の価格掲示板の改修を急いでいる。電光掲示方式では、百の位が「1」しか表示できないタイプが多く、このまま原油高騰が続きガソリン価格が200円台に乗ると表示できなくなるためだ。「改修費は1社当たり数億円規模」(大手元売り)といい、想定外の出費になっている。

 コスモ石油は、系列スタンドのうち約450基の電光掲示板の改修工事に着手する。百の位の発光ダイオード(LED)を交換して「999円」まで表示できるようにする。ポリタンク(18リットル)1個単位の灯油価格の表示も現在は千の位が「1」しか表示できないため、LEDを交換して「9999円」まで表示できるようにする。最近開業したGSでは、すでに新型掲示板を設置したところもあるという。

 石油情報センターが発表した7日現在のガソリン小売価格調査結果では、レギュラーの全国平均価格は1リットル=181.5円、ハイオクは192.4円。原油先物相場は11日も史上最高値を更新するなど原油高が収まる気配はなく、ガソリン価格は「いつ200円台になってもおかしくない」(昭和シェル石油広報部)状態だ。』(7月12日付毎日新聞)


【天井しらずの石油価格】

ガソリンスタンドの電光掲示板の千の位が「1」を想定していなかったのも無理はありません。1970年代の石油ショック以来30年近くにわたって石油価格は今回のような急激な上昇を経験してこなかったわけですから。

それにしても、ガソリンスタンドにとってはガソリン値上げによる消費者離れに悩まされている中で、泣きっ面に蜂のような事態です。

原油価格は今月になってもその騰勢はとどまるところを知らず、1バーレル当たり147ドル台をつけ、150ドルも目前に迫っています。当然、ガソリン価格もそれに連動して1リッター当たり200円というのも目前に迫ってくるでしょう。

そうなれば車中心の生活をしている大方の人たち、自分も含めてですが、生活全般のあり方を根本から見直す必要に迫られるでしょう。ある意味では、これこそが根本的なCO2排出削減につながることであり、地球全体としてみればいいことなのかもしれません。何ごとも痛みを伴わずには大きな変革など出来ないのが人の世の中なのですから。みなさんはどうお考えですか?

  


2008年07月14日

【本番前の最終練習】

「追い山」を明日に控えた最後の練習-それが「流れ舁き」です。明日と言っても15日の午前4時59分が一番山のスタートですから、もうすぐです。僕は子供の頃に東流れの後についていってただけなので舁き手としての盛り上がりを実体験したわけではありませんが、でも相当血液中のアドレナリンがたぎっているだろうなあとは想像できます。明日、本番だ。よ~し。

【なんで4時59分?】

その「追い山」のスタート時間がなぜ4時59分という半端な時間なのかご存知ですか?それは一番に走る一番山笠だけ櫛田神社の清道内で「博多祝い唄」を歌うことが許されているからなのです。

各山笠は5分ごとに出発する約束があり、午前5時に舁き出すと、一番山笠だけ「唄」の分、短くなるので舁き出しを1分早めてあわてることがないように配慮してあるということです(博多祇園山笠振興会のパンフレットより)。

昨年追い山を見にいけなかったので今年こそはと張り切っていますが、櫛田神社での一番山の雄姿を見るのはあきらめています。多分、朝一番に行っても観光客が溢れてて見れないでしょう。東長寺の清道か東町筋の聖福寺前に陣取ろうかと考えています。

【「博多祝い唄」って?】

ところでその一番山笠が清道をくるりと回り、途中でストップして歌うのが「博多祝い唄」です。博多っ子なら知らんかったらもぐりと言われます。披露宴や宴会などのおめでたい席ではもちろん色々な集まりの最後に締めとして皆で歌いますが、これを歌うと「ああ、博多におれてよかった!」と胸にジーンと来るのです。元唄は、伊勢音頭と言われ、お伊勢参りに出かけた人たちが、そこで歌われる唄を覚えて、故郷に持ち帰ったそうです。

  祝いめでたの若松さま~よ、若松さま~よ、
  枝も栄ゆりゃ 葉も繁る(しゅげる)
  ※エーイーショウエー エーイーショウエー
  ショーエ ショーエ (ア)ションガネ
  アレワイサソ エーサーソー エー ションガネ※

  (※はやし言葉繰り返し)
  
というのがその歌詞です。博多に来られて少し滞在し、宴会の席に呼ばれるときっと一度は聞くことになると思います。明日の追い山の一番山笠でも歌いますのでよく確かめてみてください。

  


2008年07月13日

【「集団山見せ」ってなに?】

山笠は商人の町博多のお祭りです。

なに?新幹線で降りたらJR博多駅。でも都市名は福岡市一体どうなっているの?

そう、明治時代に福岡にするか博多にするか迷ったそうですが、最終的に政令指定都市としての公の都市名は福岡市となりました。というのは、昔は、那珂川を挟んで、東が商人の町博多、西側が武士の町、黒田52万石の城下町、福岡だったのです。
その福岡と博多の違いを踏まえて「集団山見せ」とは何かご紹介します。

「集団山見せ」とは、昭和37年に福岡市が「より多くの人たちに山笠の楽しさを」と要請して始まった行事で、博多の祭りの山笠を福岡の人達にも見せる為、たった1度、山笠が那珂川を越えて福岡に入ることを言います。

【博多と福岡の違い】

僕は博多の生まれなので、博多っ子であることに誇りを持っています。生まれは自分では選択できないので、たまたま自分は博多っ子になった、ただそれだけなのですが、特に山笠の時期になるとなんとなく博多の血が騒ぐのです。

僕の通った高校は長谷川法世さんの漫画「博多っ子純情」のモデルになっている学校ですが、そこは商人の子供が多く呉服町の呉服商の息子や博多人形師の息子などがいました。そして山笠の時期になると、学校も心得ていて山笠に出るといえば何と学校を休むこともできたのです!

そういうわけで博多は商人の魂が生きている、それは庶民の町でもあります。さらに言えば反骨精神、官に物申す心意気、自由で奔放な気風など庶民のイメージぴったりです。それに比べて福岡は武士の町でもあり、何か型にはまった、時にはいばったような、「お上」のイメージが付きまといます。

【集団山見せ再考】

「集団山見せ」も行事としてはいいことだとは思いますが、どうもよく考えると「お上」である福岡の市役所に博多の商人が年に一度ご挨拶にお伺いするような、博多っ子からすると「なしてお上に挨拶せないかんとや」とも言いたくなります。

まあ、いいか。そこはおおらかに「お上」の要請に応えて挨拶にいっちゃろうというところですか。寛大でしょ、博多っ子は。

  



2008年07月12日

【追い山に向けた足慣らし】

本日、7月12日にはいよいよ15日の追い山に向けた本番さながらの足慣らしである「追い山ならし」があります。

「追い山ならし」は12日の午後3時59分に、一番山の「櫛田入り」で始まります。今年の一番山は大黒流です。昼間ではありますが、走る距離が1キロ短い以外は「追い山笠」と同じ条件ですので、祭り気分はグーンと盛り上がります。

【テンション高まる舁き手たち】

僕は実際には山笠を舁いた(担いだ)ことはありませんが、経験のある友人に尋ねるとこの追い山ならしのころから舁き手たちのテンションは15日の追い山に向けてどんどん高まっていくようです。もちろんこの期間も含めて山笠期間中は女性からも遠ざかってひたすら自分たちの流れの山が無事に、最も勇壮に走れるように猛々しいエネルギーのすべてを山笠ひとつに注いでいくのです。

【早朝の追い山が見れない人は「追い山ならし」見学がオススメ】

その舁き手たちの勇壮な姿を見る観客の方ですが、実際の追い山は15日の早朝4時59分がスタートなので朝が弱いけれど追い山の雰囲気を味わいたいという方はこの「追い山ならし」が狙い目です。

ただし、はやり本当の迫力を味わうためには本番の15日に行くしかありません。今年は15日は火曜日で大方の人は出勤前の追い山見物ということになりますが、一度見る価値は十分あります。みんな一度見に行きませんか?
  


2008年07月11日

【舁き山と飾り山の歴史】

昨日に続き今日も朝から東流とか千代流といった博多山笠の各流区域内を担って回る流舁きが行われます。これは各流が決められた時間に、太鼓の合図とともに山笠を舁き出すもので、路地の隅々まで舁き入れられ、地域全体で祭りを喜び合う行事です。(「山笠講座」に各流の説明がありますのでここをクリック!)

この各流の男衆に担がれる山笠の舁き山は、明治時代中期、市中に電話線が張り巡らされたことにより、山笠は舁き山と飾り山とに分離されて今日に至っています。そしてこの飾り山は毎年7月1日から市内の各流の決められた場所に飾られ市民の目を楽しませてくれるのです。

【飾り山と博多人形】

この飾り山笠は、高さ15メートルに達するものもあり、博多人形師が腕によりをかけて作った武者人形などが正面に、反対側には子供たちが喜ぶ「どらえもん」などの漫画の主人公などがこれも博多人形師の手によって作られています。
 明治以前は”動”の舁き山と”静”の飾り山笠はもともと一体のものであって、飾り山笠そのものが「山笠」で、それを舁き手が渾身の力で担っていました。しかし、今は分離されているために舁き山の勇壮さには少しマイナスかも知れませんが、かえってじっくりと博多人形の伝統美を眺められるという利点もあります。

【博多人形師と博多を知る絶好の機会!】

各流の博多人形を作る博多人形師には置鮎さんや中野さんといった方々がおられ、博多人形の伝統を山笠に毎年刻み込んでいるのです。 (どの飾り山がどの博多人形師によるものかはここをクリック!)

いづれにしても7月1日から15日にかけては、山笠と博多の伝統を知る年に一度の貴重な機会です。この時期に出張や観光で博多に来られる方、是非このブログ活用してくださいね。

≪参考≫

・「博多祇園山笠」・・・西日本新聞が今年提供している山笠に関するサイトです。各山の担当記者が生の取材でわかりやすく書いています。

  



2008年07月10日

【ボストンの浮世絵】

凄いものがこの夏、福岡にやってきます。といってもマドンナやシュアちゃんといった有名人ではありません。アメリカに所蔵されている日本の浮世絵です。

7月12日から8月31日までほぼ2ヶ月間にわたって、福岡市美術館にボストン美術館から持ち込まれる約150点におよぶ日本の浮世絵の名品の数々です。

ボストン美術館に所蔵されている浮世絵は5万点におよぶと言われており、その質の高さと数量は世界一だそうです。しかし、今までそれらの大半が公開されてはいなかったとのことで、もちろん今回福岡に2ヶ月近く展示されるのも初めての試みです。

【友人の努力】

あまり美術館の展覧会など紹介してこなかったこのブログで、なぜ今回ご紹介するかといいますと、それはこの展覧会に僕のアメリカの友人が関わっているからです。

もう20年近く前にアメリカのワシントンDCに2年間駐在していたとき、その事務所で働いていたアメリカ人女性が、その後東京芸術大学に留学し、古美術品の修復(英語ではコンサーベーション(conservation)と言います)を研究し、修士号をと取るとともに東京の下町の古美術品の修繕をするところで修行をした後、ボストン美術館に就職し、子育てをしながら日本の美術品の修復をやっていたのです。

その女性はアメリカ人と日本人の混血で、アメリカ人的なバイタリティと日本的な古風な女性の良さを兼ね備えた立派な人で、もうひとつの古里日本のことを大好きだったのです。

その友人が修復を手がけたであろうボストン美術館の浮世絵。当然、長期間の展示のための準備で来日し、それらの浮世絵の名品が傷まないように万全の体制を取るのでしょう。本当にすばらしい仕事だと思います。

【これからも日米のために】

来福中はものすごく忙しいらしくて、本人と会えるかどうかわかりませんが、是非福岡の市民のために万全の体制でアメリカにある日本の素晴らしい浮世絵の名品が見られるようにしっかりと仕事してくれればと願っています。

これからも日米のために、いい仕事をしてほしい。そしてまたいつの日か福岡に来れるようになることを心から祈っています。

《参考》

・ボストン美術館浮世絵名品展のポスター

・福岡市美術館の「ボストン美術館浮世絵名品展」のサイト
  



2008年07月09日

【長谷川法世の世界】

皆さん、長谷川法世っていう漫画家をご存知でしょうか。博多の人はよく知っていると思いますが博多以外の人にはあまり知られていないのかもしれません。でも何年か前に博多山笠を題材にしたNHK朝の連続ドラマの原作を書いた人と言えば少しはピンと来るかもしれませんね。

【博多っ子純情】

その長谷川法世が世に出した最も有名な漫画が「博多っ子純情」ですが、最近西日本新聞社からその復刻版が数年前に出ていて中学生編の第一冊目から序徐々に買い揃えています。直近のは6冊目かな。この漫画に出てくる主人公の六平を見ていると、自分も同じような失敗をしていたことを思い出し、おもわず「ぷっ」とふきだしてしまいます。
なんか、博多もんのおおざっぱでおおらかで、元気なところをよく描き出しているのです。

【ふるさとを大切に思うこころ】

僕はこの主人公と同じく、博多山笠がスタートする櫛田神社という神社のすぐ近くで生まれ育ちましたので、よく六平の心情がわかるのです。そして読み進めていると、じーんと胸が熱くなることがある。

「ああ、ふるさとてよかね~。」という思いです。

博多に生まれ育って、今は博多から遠く離れて暮らしておられる博多っ子の皆さん、それから博多っ子ではなくても博多のファンのみなさん、なつかしくなったり、博多の元気がほしいとおもったら「博多っ子純情」を読まれるか、この「博多っ子の元気通信」を読んでください。きっとふるさとが暖かく迎えてくれますよ。

  


2008年07月08日

今日から一週間は僕のブログは山笠一色になります。山笠以外の話題は一週間お休みをいただきますのでご了承ください。そして「じゃ見るまいか」とおっしゃらずに博多山笠をよく知る週間と考えてお付き合いください。

【博多の夏-博多祇園山笠】

いよいよ夏本番! 博多の男たちの血をたぎらせる博多祇園山笠のカウントダウンが近づいてきました。7月に入ってからの山笠の日程はというと、1日の飾り山公開に始まって、15日の追い山で幕を閉じます。

7月1日(火)  飾り山一般公開(14日夜まで) 夕方 お汐井取り(当番町)


7月9日(水)  夕方 お汐井取り(全流)

7月10日(木)  夕方 流舁き・流区域内

7月11日(金)  早朝 朝山・流区域内 午後 他流舁き・流区域外

7月12日(土)  追い山ならし(追い山リハーサル) 15時59分 舁きだし

7月13日(日)  集団山見せ 15時30分 (呉服町→明治通り→市役所)

7月14日(月)  夕方 流舁き・流区域内

7月15日(火)  追い山笠 4時59分 舁きだし


※昨年の「嵐の中の追い山見学」はここをクリック!

一年間、男たちが待ちに待った山笠の興奮がこの15日間の行事を通して徐々に高まってくるのです。

【7月9日のお汐井とり-神事での始まり】

博多祇園山笠は700年近く続く博多の神事です。その中でも神事らしい神事のひとつとしてこの「お汐井とり」があります。お汐井とは、海岸の砂のことで、博多湾に面した筥崎宮というお宮の海岸の真砂をお汐井てぼ(竹かご)に納めて各戸の玄関口に置き、「災いを除き、福を招く」お祓いとして身を清めるために使われるものです。

博多祇園山笠では、山笠を舁く前に身を清めるために各町内の山笠を流「ながれ」といいます。東流れ、大黒流れなどの各町内の流がそれぞれの山小屋から約10kmの距離を流毎に一番から順にお汐井とりに筥崎宮前の海岸にやってくるのです。僕も小学生のころはおじいさんに連れられてお汐井とりに行っていたことを覚えています。

【お汐井とり後の5日間】

お汐井とり後は、流舁き、追い山ならし、集団山見せと段階を踏んでクライマックスの追い山に達します。その最初の日は10日。今年初めて「舁き山」が動く流舁きです。夕方の16時~18時にかけて、7流すべてが流ごとに、それぞれの流の区域内を舁き回ります。いよいよ男たちの血が騒ぎ始めますよ。

それから忘れてはならない行事がもうひとつあります。それは追善山です。「追善山」とは前年の山笠後に亡くなった方で町総代や取締を務め、流に貢献した人を追悼する山笠の行事です。男衆が故人への敬意を込めて遺族の方々に追悼するもので、博多ならでわの行事であり厳粛なものを感じます。昨年は二番山笠の大黒流、五番山の西流などで追善山が行われました。西流は、3月に38歳で急逝した福岡市西区の博多人形師、井上和彦さんの追善山でした。

このような神聖なお祭りである博多祇園山笠。今年も勇壮な追い山がひとりの事故もなく行われることをお祈りします。  



2008年07月04日

【「だじゃれ」でマナー訴え】

最近、駅や電車内にだじゃれを使ったマナー向上を訴えるポスターが増えているそうです。ご存知でした?

『電車には駆け込“マンモス”。周りの迷惑“カンガルー(考える)”-こんなだじゃれを使って乗客にマナー向上を呼び掛けるポスターが、駅や電車内で目立ち始めた。乗客同士のトラブルや携帯電話使用などの苦情の増加に頭を悩ませている鉄道会社は、だじゃれでポスターへの注目度を高めるとともに、ムードを和らげることでトラブルを減らしたい考えだ。

西武鉄道(埼玉県所沢市)は2006年5月から、動物のキャラクターとマナー標語を組み合わせたポスターを掲示。これまでに猫を用いた「車内で電話かけ“ニャーイ”さん」など、9種類のポスターを作った。
 苦情の目立った減少など具体的な成果にはまだつながっていないが、沿線の学校から「道徳の授業の教材にしたい」とポスターの提供を求められるなど、反響はまずまずだ。』(6月29日付産経新聞)


【最近のマナー低下】

最近のマナー低下は、日本中いたるところで目を覆うばかりです。例えば、この新聞記事には、『JR東日本で、02年度は3888件だったマナー絡みの苦情が06年度は8306件と、数年で倍増した。車内での携帯電話使用のほか、指定場所以外での喫煙や駆け込み乗車、座り方などへの苦情が目立っている。』といった実態が報告されている。ここ福岡でも日々通勤している中で、電車の中で座り込む人、携帯電話で大声で話す人、お年寄りに席を譲らない大人たちなどマナー違反は枚挙にいとまがないくらいです。

さらに加えて、ちょっとした不満から駅員に暴力を振るう乗客も後を立たないと聞いています。一体、日本人の礼儀正しさやマナーの良さはどこに行ってしまったのでしょうか。

【目上を敬う大切さ】

社会の中での規律というのは、「やってはいけないこと」を親が子供に責任を持って身体を張って伝えることから生まれてくるような気がします。そして、その次には目上の人たちを敬うという倫理観というか雰囲気をみんなで作っていくことから始まるように思います。そのどちらも失われているかに見える日本で、「だじゃれ」を使ったポスターでマナー向上を図ろうとしても徒労に終わるでしょう。

遠回りでも、先ずは家庭、そして自分が属する身近なコミュニティや会社の中、学校や団体で出来ることから始めるしかないと考えますが、みなさんはどうお考えですか?
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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