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2008年08月25日

【原油急落】

原油先物相場が大幅に下落したとの報道が目に付いた。

『22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、ユーロなど主要通貨に対するドル高が進んだことなどを受けて急落、指標である米国産標準油種(WTI)の10月渡しの終値は、前日終値比6.59ドル安の1バレル=114.59ドルまで値下がりして通常取引を終えた。1日の下落幅としては91年1月以来、約17年半ぶりの大幅な下げとなった。

 ドル高で原油の割安感が薄れたことに加えて、グルジアの政情安定化への期待感も原油価格を押し下げた。前日の5ドル超の値上がり分を1日で帳消しにした形で、原油相場の先安感が一段と強まった。』(8月23日付毎日新聞)


【石油市場の乱高下とドル】

米国の原油先物相場は7月11日に147.27ドルの過去最高値をつけてから、世界的な実需の低迷を背景に下落に転じていたが、8月21日には米国と資源大国ロシアのグルジアを巡る関係悪化などを材料に前日比5%近く上昇していた。その一日後に大幅な下落を記録したわけで、市場は乱高下して神経質な動きとなっている。

果たして原油相場はどうなっていくのだろうか。

米ロの関係などといった政治的要因と原油の需給以外で、原油相場の動向に大きく影響を与えるであろう一番の要因は、今回の相場下落の理由となったドルの動向だろう。

ドルに代わる通貨としてのユーロの存在感が最近増しているとは言うものの、世界の基軸通貨としてのドルの地位は依然として高い。現に石油取引もドルベースで行われることが圧倒的に多く、もちろん原油先物もドル建てでの取引が主流だ。

【ドルの復調が石油を下げる?】

そのドルがこのところユーロなどの主要通貨に対して高くなっており、為替の専門家の間でも今後ドル高を予想する向きが増えているそうだ。たとえば、8月4日付の米国ビジネスウィーク誌に掲載された米国経済の見通しの記事で、ジェームス・クーパー氏もヨーロッパの景気減速とユーロ安と米国経済の先行きから判断してドルの反転上昇の可能性が高くなりつつあるとの見方を紹介している。("Why the dollar may be ready for a rebound", page 10, by James C. Cooper, BusinessWeek dated on August 4, 2008)

投資筋の原油先物の買いが一段落して、ドル高基調が原油の割高感をさらに助長することになれば、もともと原油の需給を飛び越えて急騰していた原油相場が当面、若干の乱高下を繰り返しながらも下落トレンドに入ることは十分考えられるだろう。ごく短期で見れば、これから数ヶ月以内に100ドル割れも見えてくるかもしれない。

ただし、5年以上の長期スパンで考えればピークオイルの可能性も含め再び原油は上昇していくだろうし、一時的にせよ原油相場が下落して代替エネルギー開発にブレーキをかけるようなことになってCO2削減による地球温暖化防止の努力に水を差すような事態は避けなければならない。

みなさんはどうお考えですか。

  




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