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2008年12月02日

【冷え込む米国消費者心理】

米国の消費者心理の冷え込みが一段と目立ち始めたようだ。

『米国の年末商戦が「感謝祭」明けの28日、本格的にスタートした。

 米小売業界は年間売上高の約4割をこの商戦で稼いでいるが、金融危機の影響で消費者心理は一段と冷え込んでおり、厳しい商戦が予想される。

 ニューヨーク中心部にある大手百貨店メーシーズの店舗では、早朝午前5時の開店と同時に大勢の客が訪れ、40%引きの衣料品や均一価格のアクセサリーなどが人気を集めた。

 米国では、感謝祭翌日の金曜日は「ブラック・フライデー」と呼ばれる。年末商戦が本格化するこの日を境に、業績が「黒字」に転じる企業が多いためだ。今年は、27日にセールを始めた格安量販店のKマートのように、1日早く商戦に入る店も目立った。』(11月30日付読売新聞)


【クレジットのない消費】

年末商戦だけではない。9月15日のリーマン・ブラザーズ破綻から二ヶ月半近く。最悪の金融危機は脱しつつあるが、米国の実体経済に深刻が影響が出始めているのだ。

11月3日付のタイム誌の表紙は米国旗を掲げた何の飾りつけもない舟が大海原に浮かぶ絵を掲載していた。名づけて、 「借金の海」("The Sea of Debt")。米国経済の病状は重く、回復の道のりは遠いと記されている。(記事名「クレジットのない生活」("Life Without Credit", TIME dated on November 3, 2008))

A Sea of Debt ---- The U.S.economy is sick. And don't expect it to recover anytime soon.

タイム誌が説くように、過去20年間にわたってウォール街も米国の消費者も、1ドルの手持ち現金を10倍にも20倍にも増やすことが出来る「てこの原理」、すなわちレバレッジという錬金術を使って、世界中から欲しいものを手に入れてきたのだ。ウォール街ではそれは証券化手法であり、消費者にとってはそれは住宅や自分の資産を担保にしたクレジットだったのだ。

Leverage was the mother's milk of Wall Street - and of the Main Street - for the past 20 years.

そして、レバレッジを最も利かせて金儲けをしていたリーマン・ブラザーズが破綻し、今までのやり方は通用しなくなった。その結果として、今米国の多くの消費者はクレジット、借金なしでやり繰りすることを強いられているのだ。

【デイレバレッジの世界】

レバレッジが利かない米国経済(the great deleveraging of America)が生気を取り戻すには、まだしばらくの時間がかかるだろう。何故なら、借金をし続けていたアメリカの消費者は当面生活防衛のために貯蓄に励み、消費を抑えざるを得ないからだ。タイム誌が言うように再び彼らが「経済を回復させるには、お金を回す必要がある」と感じるまでには少々時間がかかりそうなのだ。

米国の消費者頼みだった国々-中国もアジア各国も欧州も、そして日本だってその中に含まれるのだが-はその影響を免れないだろう。そう覚悟を決めて、輸出や米国頼みではなく、これをチャンスと捉えて自国の内需、自由な貿易体制の維持のためにじっくりと腰を据えて取り組んでいくしかないと思うがどうだろうか。
  




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