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2008年12月08日

【大転換】

ホンダが自らのDNAを変えかねないほどの大決断を下した。

『ホンダは5日、2008年シーズンを最後に自動車レースのフォーミュラ・ワン(F1)から撤退すると発表した。同日会見した福井威夫社長はF1の技術・開発者約400人を「次世代環境車やエンジン開発に投入する」と表明。自動車の販売不振が深刻化するなか、本業に経営資源を集中するというホンダの決断は、F1に参戦する欧州の自動車メーカーの戦略にも影響を及ぼす可能性がある。

 F1で培った車体設計や駆動制御などの技術を中・大型クラスのハイブリッド車や1000ccクラスの小型ガソリン車、小型ディーゼルエンジンなどの開発に生かす。09年を含め鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)でのF1レース開催は継続する。』(12月5日付日経新聞)


【不況と自動車】

今回のホンダの決断が意味するところは、ホンダ1社に限らず、他の自動車メーカー、いや、他の産業、これからの社会のあり方まで考えさせられるほどの衝撃があった。

その第一は、もちろんホンダの車メーカーとしての苦境だ。GMをはじめとするアメリカの三大自動車メーカーの苦境は、大型車から小型車、環境への配慮、絶え間ない技術開発努力の必要性といった時代の変化に経営がついていけず自ら招いたものだが、本田の場合は自社の経営努力を超えた力に対するひとつの苦渋の「答え」だと言えるのではないか。それはもちろん9月に始まった金融危機を直接の契機とする未曾有の不況の到来だ。ホンダが自らのDNAであるF1を切り捨てざるを得なくなったというのは、今回の不況がどれくらい底深いものかを知らしめるものだろう。これは言わば「今の苦境をどう乗り切るか」という目先の問題でもある。

【環境と自動車】

その第二は、ホンダを始めとする自動車メーカーの将来の方向性だ。F1は自動車の性能を極限まで高めて如何にスピードを上げられるかというのが目標であり、そのための開発競争であり、それからの果実を如何に普通の自動車に生かせるかがメーカーにとっての課題だ。もちろん、F1のPR効果も大きい。

今回ホンダがそのF1から撤退したのは、未曾有の不況が目先の理由ではあるが、福井威夫社長がいみじくも語っているようにこれからの自動車はスピードよりも環境へいかに対応するかが問われているからだ。21世紀に厳しい競争を生き残るにはスピード優先の開発よりも、いかにクリーンで省資源のクルマを作るかが問われているのだ。

今回のホンダの決断は、ある意味、クルマが引っ張った20世紀型の世界経済が本当の意味での大転換を促されているということでもあるのだ。もしかしたら、僕たちはクルマそのものが、これからの社会には必要とされなくなるほどの発想の転換を迫られているのかもしれない。

ホンダの決断-あなたはどうお考えですか?
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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