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2009年02月17日

【難局続くビッグスリー】

年末は米政府からのつなぎ融資で急場をしのいだものの、ビッグスリー三社(GM、クライスラー、フォード)の 1月の新車販売台数はそれぞれ49パーセント、55パーセント、39パーセント減少と大幅な落ち込みが続いている。優等生だったトヨタ自動車でさえ、1月の米国販売が同32%減と苦戦しているくらいだから今や「泥舟」とさえ揶揄されているビッグスリーにとっては未だ明るさは見えてきそうにない。

そんな中、ビッグスリーは必死で自社の車への消費者の回帰を目指すべくハイブリッド車電気自動車の開発を行っているようだが、そこにまたひとつ難題が立ちはだかっているとの記事が目に留まった。

【リチウム電池の原料国】


それは2月2日付のアジア版タイム誌に掲載されている「パワープレイ」("Power Play" by Jean Friedman-Rudovsky, page 33, TIME dated February 2, 2009)だ。

この記事のサブタイトルには、「自動車メーカーは、バッテリーで走る次世代のクルマのリチウムを必要としている。それはボリビアと交渉することを意味する。」とある。一体どういうことなのだろうか。

Automakers need lithium for the next generation of battery-driven cars. That will mean talking to Bolivia

そう、南米の貧しい国ボリビアには豊富なリチウム原料があって、その生産量は世界全体の半分近くにも及んでおり、このリチウム大国は「リチウムのサウジアラビア」(Saudi Arabia of lithium)と呼ばれているのだ。

しかし、ビッグスリー、そしてアメリカにとって厄介なのは、そのボリビアの大統領Evo Morales氏は、左派系でアメリカを嫌っていると言うこと、さらにはリチウムをはじめとする自国の天然資源の国家管理を望んでいると言うのだ。

【共生に向けた努力】

ボリビアが望んでいるのは、リチウムの採掘からバッテリーの製造までを一貫して行うリチウム・イオン・バッテリーの国営企業の育成なのだ。

What Bolivia is after is a largely, if not purely, state-run lithium industry from mining to manufacturing-including, the government hopes, a plant to manufacture lithuim-ion batteries.

そのため、ボリビア政府は今まで、安いリチウム原料だけを狙ってくる三菱やトヨタなどの海外の自動車メーカーも追い返しているという状況なのだ。

しかし、どんな産業も需要サイドと供給サイドがgive and take の関係で製品やサービスを安定的に提供していけなければ成り立たない。ボリビア政府もそこのところはわかっているようなので、これから地球温暖化防止のひとつの手段としても重要性を増してくる次世代カーの燃料の原料となるリチウムを巡っては、ボリビアとビッグスリー、そして他の自動車メーカーもお互いが共生していくための戦略を描いて前進していく必要があるだろう。

  




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