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2009年03月04日

【「おくりびと」の快挙】

映画「おくりびと」のアカデミー賞受賞は、さわやかすぎるほど爽やかな日本映画の快挙です。主演の本木さんと滝田監督そしてこの映画製作に携わった全ての方々に心よりお祝い申し上げます。

『第81回米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた「おくりびと」の滝田洋二郎監督と主演の本木雅弘さんが28日、東京都内のホテルで報告会見を開いた。この日帰国したばかりの本木さんは「日本での興奮に、じかに触れた感じはまだありませんが、すれ違う方々に祝福されて幸せな気分です。映画の親近感は世界共通なんだと感じた」と喜びを語った。

 今後の仕事について滝田監督は「これまで通り自分を、自分の勘を信じて撮っていきたい。映画のような数奇な人生は歩みたくないからね」と笑わせた。』(2月28日付毎日新聞)


【生と死を見つめて】

と言っても、実は僕自身はまだこの映画観ていません。上映されている間に見に行こうとは思っていますが、一体なぜ「おくりびと」が外国語映画賞の有力候補と目されていたイスラエルの『戦場でワルツを』など他のノミネート作品を押さえて受賞できたのか興味があったのでいくつかの記事を読んでみました。

すると、外国語映画賞の候補5作を選ぶ米アカデミー賞外国語映画賞委員会のマーク・ジョンソン委員長(63)の毎日新聞のインタビュー記事が目に留まりました。

そのインタビューの中で、マーク委員長は、「おくりびと」が米映画人の胸を打った理由について、 「今の時代にぴったり合い、発想が新鮮だった」と述べるとともに、「新聞、テレビなどで毎日、戦争に直面し、米国人は戦争を見たくないと思っている。その点、『おくりびと』は癒やしの映画。死者を送る行為だけでなく、主人公が自分を捨てた父親への怒りから解き放たれ、より完成した人間へと成長する物語。万人に通じる主題で、最も感情に訴え、心を動かした」と解説したと書かれていました。

アフガニスタンやイラクでの戦闘で数千人の命が奪われている米国民の心情が、「おくりびと」で描かれている日本人的な生と死への向き合い方にぴったりとはまったということでしょうか。おそらく「おくりびと」に出てくる納棺師による死者の葬送の儀式は、「清める」という言葉で表現されるような日本人の美意識に深く関わっているのでしょう。

【本木さんの執念】

そういう生死の問題を「納棺夫日記」という本に見出して、執拗に映画製作にまでもっていった本木さんの執念が今回の受賞の最大の功労だとも言えますね。すばらしいことです。

映画を見ていなくても、本木さんのインタビューを聞いていると、彼の執念や生真面目さが伝わってきます。本木さん、そして滝田監督、ほんとうにおめでとうございました。  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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