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2009年03月17日

【緊急事態】

国際宇宙ステーションが一時、緊急事態に陥ったとの報道が目に留まった。

『米航空宇宙局(NASA)は12日、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙ごみが衝突する恐れがあったため、滞在中の3人の乗組員が緊急脱出装置に一時避難したと発表した。宇宙ごみは通過し、衝突を免れた。
 接近が予測された宇宙ごみは直径13センチ程度。時速約2万8000キロ以上で周回しており、ISSに衝突していれば大きな被害が生じる可能性があった。
 NASAは宇宙ごみがISSから約4.5キロ以内に接近する危険性を予測。ISSの位置を変えて衝突の危険を回避する時間がなく、マイケル・フィンク船長ら米国とロシアの乗員3人はISSにドッキングしているロシアの宇宙船「ソユーズ」の脱出カプセルに約10分間避難した。』(3月13日付産経新聞)


【宇宙ゴミの脅威】

宇宙ゴミ(うちゅうゴミ)とは、英語ではスペース・デブリ(space debris)と呼ばれ、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上〔低・中・高軌道〕を周回している人工物体のことである。(フリー百科事典『ウィキペディア』より引用)

旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げて以来、世界各国で4,000回を超える打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生し、その多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたものの、現在もなお4,500トンを越える宇宙ゴミが残されている。

その後も人工衛星の打ち上げなどで宇宙ゴミは増加の一途を辿っており、それらは人工衛星や宇宙ステーションと同じ周回軌道を高速で回っていて、その破壊力がすさまじいために、今回のような事態がますます増えていくことが予想されているとのことだ。どのくらいすさまじいかというと、直径10センチほどの宇宙ゴミでも宇宙船を完全に破壊してしまうくらいなのだ。

【有効な対策、未だなし】

当然ながら、人工衛星や宇宙船を頻繁に打ち上げているアメリカやロシアは、その対策のため宇宙監視ネットワーク を構築して、9000個近くにのぼる比較的大きな宇宙ゴミを登録して常時その動きを監視している。

しかし、登録されていない1ミリ以下の宇宙ゴミは数百万個以上にのぼるとされていることや、監視してもすべての宇宙ゴミを消滅させたり、今回のように宇宙ステーションの回避行動に間に合わなかったりするなど万全とは言えない状態なのだ。

人間が平和利用であれ、戦争利用であれ、過去60年近くにわたって宇宙空間に無造作に投げ捨ててきた宇宙ゴミ。地球近くの大気圏外の空間も地球同様、有限のものであり放置すれば自らのリスクとして跳ね返ってくると言うことをここでも思い知らされているのだ。

アメリカやロシアだけでなく、中国やインドなど新興経済国も核弾頭作りにいそしむばかりでなく、宇宙ゴミの除去に積極的な関与・国際協力が望まれるところだ。ちなみに日本も美星スペースガードセンター(BSGC)、上斎原スペースガードセンター(KSGC)の2施設でデブリの監視を行っている。

  




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