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2009年08月04日

【内閣府の調査】

内閣府から発表された調査に、わずかながらではあるが国民の意識の変化がうかがえるようだ。

『内閣府が1日付で発表した「環境問題に関する世論調査」によると、循環型社会に移行するためには現在の生活水準を落としても構わないと考える人が5割を超えたことが分かった。地球温暖化問題などが深刻化する中、環境や生活スタイルへの国民の意識の高まりがうかがえる結果となった。
 調査は6月4日から14日にかけて、全国の成人男女3千人を対象に実施。回収率は64.0%だった。』(8月1日付時事通信) 

【待ったなしの地球温暖化、気候変動】

最近、環境ジャーナリストのフレッド・ピアス氏が書いた「地球最後の世代-自然が人類に報復しはじめた」(日本放送出版協会、2009年6月25日第一刷)を読んだ。この本は2005年にピアス氏が執筆しているのだが、今から4年前でさえ地球温暖化問題が人類だけでなく、地球上に住むあらゆる生物にとって極めて差し迫った危機であることを改めて確認させるものであり、非常に衝撃的だった。

それによれば、地球温暖化に関しては世界中の科学者がその裏づけに全力を挙げているものの、気象はまだまだ不確定な要素や未知の部分が多く、果たして人間の活動がどれだけ気候変動の原因になり、これからどれくらいの時間的尺度で破局的な事態が来るのか来ないのか、わからない部分も多いという前提のもとでも、科学者たちの大方の合意は、人間活動によるCO2の排出が大きな影響を与えているのは間違いなく、北極海の海氷消失、南極の棚氷崩壊などに見られるように制御できないほどの大きな気温上昇、気候変動のリスクが相当高まっており、ここ10年くらいの間に決定的といえるような対策を打たなければ完全に手遅れになるというものだ。いや、たとえ対策を打ってもすでに限界点を超えているのかもしれないのだ。

【不安の裏返しの懐疑論】

日本国内では最近、「地球温暖化論のウソとワナ」といった懐疑派による本がベストセラーの一角に何冊も置かれているが、これは最近頻発する局地的豪雨や異常な暑さなど天候の異変が続く中で、一般の人々が「地球温暖化は現実であってほしくない」という願望が、懐疑派の意見を勢いづかせているのだと思われる。

というのは、2007年にIPCCが第四次報告書を発表し、地球温暖化の事実が科学的にも世界的に認知されたにもかかわらず、国内でもいまだに賛否が渦巻き、海外の国際交渉の場では途上国と先進国の間で深刻な政治的対立が続くなど、現実に多発する世界各地の異常気象とは裏腹に対策は後手後手に回っていることに人々がいらだちや不安を深めているのではないかと推測する。

今回の内閣府の世論調査にもそのような不安を少しでもやわらげたいと思う人々が地球温暖化を防止するためならある程度生活水準を落とすことも厭わないと答えたのだろう。しかし、今の世界の政治・経済状況からすると、地球温暖化を阻止するための全世界的な統一行動がここ数年のうちに劇的に実行される可能性はますます小さくなっているのも紛れもない現実なのだ。

それでも今回のような人々の心理的な変化に少しでも希望をつなぎたいと思う。



  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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