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2009年11月30日

【揺れるドバイ】

リーマンショックの前まではわが世の春だったドバイが青色吐息状態だ。

『27日の東京外国為替市場で円相場が一時、14年ぶりの1ドル=84円台まで急伸した。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国で政府系開発会社が資金繰り難に陥り、関係が深い欧州系金融機関の先行き不安が高まって、ユーロが売られ、円に資金が逃げ込んだためだ。オイルマネーを元手に急成長してきたドバイ発の金融不安は「ドバイショック」として世界を駆けめぐり、日本も揺さぶった。

 震源となったのは、ドバイ政府の持ち株会社ドバイ・ワールドと傘下の開発会社ナキール。25日に総額590億ドル(約5兆円)の債務返済を繰り延べるよう要請した。ナキールはパームヤシを模したリゾート人工島の造成を続け、退役した豪華客船クイーンエリザベス2世号を買収したことなどでも知られる。

 ドバイは中東でも石油資源に恵まれていないが、外資誘導を打ち出し、原油高であふれたオイルマネーの受け皿となった。旺盛な不動産開発に目を付けた欧州系の金融機関などから資金が流入した。

 しかし、昨年9月のリーマン・ショックを契機に投資マネーが流出し、高層ビルなどの建設ラッシュが行き詰まった。今回は12月中旬以後に返済期限を迎える債務の支払いを半年間延期するよう要請するもので、大半は欧州系金融機関からの借り入れとみられており、欧州系金融機関の先行き不安が再燃した。

 このため、欧州の株価が急落し、外国為替市場ではユーロや英ポンドが売られた。外国為替市場では、既にドル安が進んでいたが、ユーロまで売られたため、残る主要通貨の円に資金が逃避し、円の独歩高を招いた。

 ドバイには日系企業もインフラ建設などに参入している。邦銀も数百億円規模の融資残高がある模様で、一定の損失を抱えそう。新興国がけん引する世界経済の回復シナリオに水を差す結果となった。』(11月27日付毎日新聞)


【連鎖する不安心理】

先週の急激な円高の背景に中東のドバイが絡んでいたと聞いたとき、「ああ、今度は中東がまた不安の火種となるのか」と嫌な気分になった。昨年日本のテレビも何度も紹介し、日本の経済界からも視察団がいくつも訪問したドバイ。リーマンショックの前まではまさにバブルの絶頂だったのだ。

砂漠に忽然と現れた超高層ビル群。そして華々しく埋め建てられた人工島の数々。まさにこれはいづれ砂上の楼閣となるだろうと誰もが思ったのではないだろうか。しかし、たった1年そこそこで、こんなにも早く砂上の楼閣になるとは誰も予想しなかっただろう。そのツケは主に欧州の金融機関にさっそく回り、そこから回りまわって不安心理に駈られたマネーがドルやユーロから日本の円に逃避したというのだ。

国内の乏しい需要と拡大したままの供給とのギャップが縮まらず、頼みの輸出もままならない日本経済は、本来ならば海外の投資家から敬遠されて円安になってもおかしくない状況なのに、市場は円買いに走ってしまうという皮肉な結果となっている。

金融不安はいづれ実体経済に深刻な影響を及ぼす。その証拠に米国の株価は神経質に下がり始めている。先進各国の政策当局が迅速に対策を打つ必要があるだろう。特に日本は円高、株安でさらなる不況の長期化が懸念される。

今の民主党政権に経済の司令塔となるべきリーダーがいそうにないのが非常に気になるところだ。こんなときに亀井氏が金融担当大臣というのは、日本にとって致命的となるかもしれない。




  
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