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2010年04月22日

【アーミッシュの失敗率】

みなさんはアーミッシュをご存知ですか。彼らは米国のペンシルバニア州やオハイオ州などに住むドイツ系アメリカ人で、キリスト教と共同体に忠実に生きるために厳格な戒律を守り、車や電気などの現代人の利便性に背を向けて生活している集団です。

僕がこの集団のことを知ったのは、ハリソン・フォードが主演した1985年のアメリカ映画『刑事ジョン・ブック/目撃者』でした。喪服のような黒い質素な服を着て、交通手段は馬車で移動する人たちの質素な生活ぶりはその映画の中で忠実に再現されていました。その後米国に駐在していたときに、ペンシルバニア州ランカスターの町に遊びに行ったときに実際にその生活ぶりを見ることもできました。

そのアーミッシュの商売における失敗率が他のアメリカ人よりも低いという調査結果が発表され注目されているという記事がタイム誌に載っていました。("Management, Plain and Simple." p.43, TIME magazine issued on April 19, 2010) 馬車に乗って生活しているような人たちがこの気ぜわしい現代のマーケットでどうやってうまくやっているのか、素朴な疑問がわいてきます。

【失敗しない商売の秘訣】

それは商売を始めてから最初の5年間での失敗の確率というもので、通常の米国人は約50%なのに対し、アーミッシュは10%以下だというのです。どこに秘訣があるのか、それをEric Wesnerと言う人が3年間アーミッシュと生活して調査した結果を「"Success Made Simple: An Inside Look at Why Amish Businesses Trive."」という本にまとめています。

その本によれば、失敗しない商売の秘訣はアーミッシュの簡素な生活様式と同じく、シンプルな経営者と従業員の関係にあるといいます。

典型的な例は、経営者が常に従業員ととも働くということ。「自分がしないことを従業員にはさせない」というのがアーミッシュの経営者のモットーなのだそうです。そうすることで従業員は経営者を信頼してよく働くというのです。

もうひとつは厳しい仕事に対する倫理観(A rigorous work ethic)。アーミッシュには、どんなに単純な作業でも厭わずにやりとげることが求められています。

そして、最後にアーミッシュが自分たちの居住エリア以外の大学などでも堅実な商売を広げていることにもその成功の秘訣があるようです。

アーミッシュの会社は家族経営的なものが多く、フォーチュン誌500企業の中に入るような企業はありませんが、その商売のやり方には効率ばかりを追い求めるMBA流の現代的なマネジメント手法が忘れている商売の真髄みたいなものがあるのではないでしょうか。なんだか教えられますね。

  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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