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2011年02月22日

【女性キャスターの悲劇】

エジプト民主革命の歓喜の瞬間に米女性キャスターが暴行を受けていたことが米国のメディアでは連日報道されています。

『米CBSニュースは15日、同社の女性記者が、エジプトのムバラク前大統領が11日に辞任した際に反政府デモ隊が集まっていたカイロ中心部を取材中に、暴漢の集団に拘束され性的暴行を受けたと発表した。同記者は米国に戻り病院で治療を受けているという。

 CBSによると、被害を受けたのは国際報道担当のベテラン、ララ・ローガン記者。人気番組「シクスティ・ミニッツ」のため、ムバラク辞任に沸くタハリール広場を取材中だった。約200人の群衆に取り囲まれて他の取材クルーや警備担当者と離れ離れになった後、性的暴行を受け殴られるなどした。女性のグループやエジプト軍兵士約20人に助けられたという。』(2月16日付毎日新聞)


【戦場の女性記者】

日本では最近、戦場カメラマンとして渡辺陽一さんがバラエティ等によく出て戦場取材について少しばかり一般の人も関心が出てきているようですが、戦場からのリポートに女性キャスターが活躍するということはほとんどないのではないでしょうか。それとは対照的に米国では戦場からのリポートをするのは女性キャスターが中心です。今回エジプトのムバラク政権崩壊の歓喜の瞬間に暴行を受けたララ・ローガン記者もその一人です。

今回の事件の背景は、米国社会の女性の地位やその政治性、メディアの考え方など様々な側面があるのですが、戦場取材における日本と米国の女性レポーターの違いはいったいどこから来るのでしょうか?

【日米の女性の地位】

村上龍のメールマガジン「ジャパン・メール・メディア(JMM)」に投稿している米国ニュージャージー州在住の作家・冷泉彰彦氏の「CBS女性記者襲撃事件とアメリカ的フェニミズム」(2月19日付)のレポートにそのあたりの背景が詳しく分析されています。

冷泉氏が先ず挙げているのは、米メディアが視聴率競争のために目立つ女性を戦場に送り込んでいるということです。日本でも視聴率競争はあるわけですが、男女同権が徹底している米国と違い、日本ではまだまだいい意味で言えば女性は守るべきものという文化があり、戦場に女性キャスターを送り込んだらかえって「可哀そうだ」という批判の矢面に立つかもしれません。やはり米国と日本では女性に対する考え方、文化の違いが相当あるということでしょうか。

戦場では女性は弱い立場にあります。過去の戦争においても特に民間人の女性は真っ先に敵に狙われますし、場合によっては戦場のどさくさの中で味方にも狙われる危険性が高いのではないでしょうか。そういう意味で、米国では軍隊に相当の割合で女性が入っており、軍隊内での性暴力が問題になっていることや、市民社会でも女性への性暴力が相当ひどいということを忘れてはいけないと思います。今回のローガン記者の実名報道はかなり異例なことだそうですが、エジプトでのローガン記者の悲劇を公開することで米国社会に内在する女性への性暴力に毅然と対応するという空気がメディアにも国民にもあるのかもしれませんね。それにしてもローガンさんの心身の傷が早く癒えることを祈っています。  




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