2011年03月31日

【視察への批判】

菅首相の初動対応に自民党が噛みつきました。

『菅直人首相は29日午前の参院予算委員会で、東日本大震災の影響で東京電力福島第1原発を襲った津波について「(原発設置)当時の津波に対する認識が大きく間違っていたのは否定しようがない」と述べ、津波の想定を今後の検証対象とする考えを示した。一方、同原発を視察したことが放射性物質を含む気体を原子炉から排出する「ベント」の遅れにつながったとの指摘に対しては「(初動対応が)遅延したという指摘はまったくあたっていない」と反論した。首相の国会答弁は震災後初めて。

【官房長官もフォロー】1号機の排気「再三指示」 枝野官房長官

 津波に関し、首相は「(1960年の)チリ地震の後にできた原子炉でありながら、チリ地震の基準も満たしていないとすれば相当問題だ」と述べた。視察がベントの遅れを招いたとの指摘には「政府は12日午前1時半にベントすべき姿勢を明確にし、一貫してその方針を東電に伝えてきた」と強調した。

 原発事故への対応では「予断を許さない状況が続いている。最大限の緊張感を持って取り組む」と表明した。

 同原発を廃炉にするかについては「専門家の意見を聞いて決めるが、その可能性は高い」と語った。』(3月29日付毎日新聞)


【菅首相の現地視察】

政権交代してからの民主党の体たらくに国民は失望していたところに、今回の大地震と大津波、さらには原発の事故と未曾有の災害に見舞われて、菅政権がその対応に右往左往しているのを見て一層不安感を高めているのは事実だと思います。

しかしながら、僕は地震と津波が起きて福島第一原発事故が起きた後、早い段階で原発を視察した菅首相の行動は、正しかったと思っています。もちろんその後の指導力や実行力という面で首相というにはお粗末なこともたくさんあるのですが、少なくとも初動の対応として現地に行ったのは評価されるべきだと思います。

あのとき、首相が行ったために放射性物質を含む気体を原子炉から排出する「ベント」の遅れにつながったというのは、報道だけで判断するしかないのですが東電や原子力安全保安院の都合のいい言い訳ではないかと思われます。その後の対応を見ても東電や原子力安全保安院とその監督をする経産省がいかに今まで国民から事実を隠し、癒着してきたかがわかりますし、そういう体質が今の危機を大きくさせているかが誰の目にも明らかですので、そういう点からも首相がもし最初に現地視察をしていなかったら、その後の対応はもっと混乱していたのでないかと想像できます。

【トップの役割と問題の所在】

平成7年1月17日に発生した阪神大震災の際、当時の村山富一首相は阿鼻叫喚の地獄のような被災地・神戸が助けを求めているときに何ら決断せず、現場にも行きませんでした。国家のリーダーが逃げたために、自衛隊を所管する防衛庁長官、警察を統率する国家公安委員長、消防を所管する自治大臣など当時の首相直下の部下たちがどれだけ初動が遅れたか、そのためにどれだけの助かったかもしれない命が失われたかはかり知れません。(今回の事故では、東電の清水社長も13日の記者会見以降姿を見せず、ついに30日には高血圧とめまいで入院という発表となりました。村山元首相同様、最悪のリーダー像だと思います。)

未曾有の国難のときに、その現場にまずトップが行くことは当然のことです。行くだけでもその場の状況がある程度読めますし、その後の対処の仕方も違ってくるはずです。そしてトップが来てくれたという信頼感を現場が持てば、現場は現場の指揮官のもとで必死で対応してくれるでしょう。そんな指導層と現場の信頼感さえ失われているのが今の日本の「惨状」です。

繰り返しますが、有事の指揮官として現場に急行するのは当然のことです。もともと電力会社、経産省、原発メーカーと一緒に原発推進を過去数十年にわたって進めてきた自民党の政治家たちが、もしも政権党としてこの原発事故の対応に当たっていたら、現場に行くどころか、今より事実が国民から隠ぺいされ、もっともっと酷い状況になっていたのではないかと思います。そういう意味では世間の批判はありますが、菅内閣のほうがマシだと言えるかもしれません。

自民党の政治家たちは「俺だったらちゃんと現場に先ず行った」と菅首相に言えないから、ちょこちょことイチャモンをつけるだけしか出来ないのです。残念なことです。

それからもうひとつ。3週間近く経ってから東電がフランスに泣きついたとか、事故当初は米軍の救援を断ったとかいろいろな話が伝わってきていますが、初動対応という意味では東電も原子力安全保安院も、経産省全体も、官邸も、民主党も、今回の事故対応に当たっている当事者幹部はみんなあまりにも甘すぎます。こんな体たらくでやれ「温暖化対策に有効だ」とか、「必要不可欠なエネルギー源だ」とか、「絶対安全だ」といった宣伝を繰り返し、いったん事故が起こったら「想定外だ」と言って責任を回避し、日本国の住民、いや世界中の人々の命を蹂躙しようとしているのです。事故の広がりと深刻さを考えれば、これはほとんど旧ソ連の指導層と同じだし、犯罪的だと思います。自分たちで安全を守れないなら、即刻救援を求めるべきでしょう。命を守るのに恥も外聞もありません。  



2011年03月29日

【厳格すぎる?】

民主党から放射性物質の基準緩和を求める声が出てきました。

『民主党の岡田克也幹事長は27日、農産物の出荷停止や摂取制限の目安となる放射性物質の基準値について、「少し厳格さを求めすぎている」と述べ、風評被害を招かないためにも見直しが必要との認識を示した。青森県八戸市で記者団に語った。

 現在適用されている食品衛生法の基準値は暫定的な数値で、食品安全委員会が体内に取り込んでも健康に問題がない数値について議論している。岡田氏は「心配ないものは心配ないときちっと言えることが必要だ。科学的な厳格さを求めすぎれば風評被害になる」と指摘した。 』(3月27日付朝日新聞)


【現状追認】

農産物の出荷制限などが長引いてくると、放射能の風評被害と相まって、それらの作物を生産している農家にとっては死活問題となってきます。したがって、時間が経てば経つほど放射性物質の基準値に対する不満が高まってくる事態は今後ますます増えてくるでしょう。

しかし、一方で福島第一原発からの放射性物質の放出が止まらなければ、広範囲に日々変化していく風下地域において葉物類などの野菜、水、土壌等への放射能汚染は半減期の長いものがどんどん残留・蓄積していく結果となります。

『文部科学省は28日、福島第1原子力発電所から北西約40キロの福島県飯舘村で26日に採取した雑草1キログラム当たりから、過去最高値の放射性セシウム287万ベクレルを検出したと発表した。北西約45キロの川俣町でも過去最高値のセシウム57万1000ベクレルを検出。これまで減少傾向だった放射性物質が2地点で急増した。文科省は「採取場所が全く同じではなく一概に評価できないが、高いレベルの放射性物質が残留していることは確かで、農作物への影響を注視する必要がある」と説明した。

 飯舘村の雑草のこれまでのセシウム最高値は20日採取分の265万ベクレル。セシウムの半減期は約30年で、採取地点付近では拡散しないで残留している可能性が高い。一方、放射性ヨウ素は20日採取分の254万ベクレルから103万ベクレルに減少。半減期が8日のためとみられる。』(3月28日付毎日新聞)

福島第一原発の3号機や2号機の水たまりで高濃度の放射線が見つかり、本格的な復旧には長い時間がかかると予想されています。その間にも放射性物質の放出が続くのであれば、農産物や水、土壌への汚染の蓄積をしっかりとモニターし続ける必要があります。そして監視すべきことがもうひとつあります。それは冒頭の政治家の発言のように、時間が経つにつれて放射性物質の基準値緩和の動きが次々と出てくるだろうということです。事故現場周辺地域の方々は、自分たちの健康を守るのは自分たちしかないという覚悟を持って、しっかりと基準緩和の動きを監視しておくべきだと思います。
  



2011年03月28日

【怒涛のような2週間】

3月11日に東北関東大地震が発生して16日が経過しました。地震と津波による死者・行方不明者は2万人を超えてまだまだ増えて行きそうだとメディアは伝えています。現代日本が未だかつて経験したことのない大災害です。2週間以上経過した今、助かった被災者の救援が最優先の課題となっています。

そしてもうひとつの大きな災害である福島第一原発の事故。こちらは直接の死者こそ出ていませんが、原発周辺の住民の方々、福島県をはじめとする近隣県、そして関東・首都圏を中心に日本全国、世界にまで放射能汚染の恐怖のどん底に陥れました。

この二つの災害の大きな違いは、地震と津波は災害発生後の救援にステージが移っているのに、原発事故は未だ救済どころか恐怖が現実のものになるかも知れない、出口の見えない状況に陥っているところです。

怒涛のように経過したこの2週間。僕自身はチェルノブイリ事故以来、日本での大規模原発事故を心配していたので、それが現実となったことに衝撃を受け、この未曾有の原発事故の経過を追い続けています。

【見えてきたもの】

昨日は本屋に行って週刊誌を中心とした雑誌メディア(AERA、週刊朝日、週刊文春、サンデー毎日等)が地震と原発事故をどう報道しているか、いくつかの週刊誌を手に取って見てきました。事故から2週間近くが経過した今、テレビ、新聞、そして雑誌、さらにはインターネットという媒体を通して、ここで一度事故発生から今までに見えてきたもの、未だ見えないものが何かについて考えてみたいと思います。

1. 福島第一原発事故は天災ではなく、人災だということ

事故発生当初から僕は今回の原発事故は、東電や政府の言う「想定外」の津波が直接の引き金とはいえ、「原発は安全」としてきた原発に携わる当事者の方々の原発そのものや防災、危機管理、そして市民社会に対する認識の甘さ、傲慢さ、怠慢がもたらした「人災」であると思っています。それは事故後の東電、原子力安全保安院、原子力安全委員会、政府官邸等の対応があまりにもお粗末で見るに堪えない狼狽ぶりだったことからもうかがえます。しかもそれは政府・電力会社・原子炉メーカーが三位一体となって進めてきたわけですから、東電だけを責めるのは事の本質を見誤る可能性があります。いづれにしても、それら当事者たちの上層部の怠慢のために現場で必死で作業している人たちや近隣住民の方々がどれだけ命を脅かされていることか。そしてそれは今も続いています。

以前にも書きましたが、スリーマイル事故やチェルノブイリ事故、さらには国内での無数の重大事故、専門家の巨大津波の警告等をないがしろにし、特にチェルノブイリ事故の鳴らした警鐘を文明観の転換に結びつけることもせず、事故後25年間という貴重な時間も無駄にしてしまったことが今回の事故の原因だと思います。

こんなに酷い事故を起こしてなおも情報を隠そうとし、「想定外だから」と言い訳をし、国家のエネルギー政策の抜本的見直しを怠るようなことがあれば、国民は黙っていないでしょう。もちろんその際忘れてはならないのは、国や電力会社に対して、今まで何十年も怒りの声を上げずに見て見ぬふりをしてきたのは他でもない電気の恩恵だけを受けてきた都市を中心に住む僕たち国民だということです。(3月19日に書きました)

2. インターネットによる情報社会の存在の大きさと国際的な情報発信の貧弱さ

もうひとつ見えてきたものがあります。それはツィッターやフェイスブックといったソーシャルネットワークを中心にインターネットによる個人を中心とするメディアが巨大災害の発生後、とてつもない役割を果たしているということです。

先ずは負の側面。僕も経験しましたが、地震発生直後から数日にわたってチェーンメールやツィッターのRT(リ・ツィート)を使って様々な流言飛語が飛び交い、インターネットがなかった時代には考えられなかったスピードで拡散していったことです。特に被災した現地よりも、被災地以外の地域での間接情報に基づくチェーンメール等が流言飛語を増幅したのではないかと推測します。幸いなことに、日本人の国民性でしょうか、比較的多くの人が冷静に対処したのではないかと思いますが。

プラスの側面もあります。それは僕自身が経験したことですが、福島第一原発事故についての政府発表の真偽、事故の進捗・拡大の可能性、メルトダウンの可能性、専門家の意見などについて様々な考え方や事実、参考となるデータなどがツィッターやブログ、各機関のホームページ等を通じて公開され、個々人が判断する材料が比較的多く得られているということです。枝野官房長官や東電、原子力安全保安院の記者会見などと比べながら真実はどこにあるのか、見極める手掛かりが少しでも得られるということはパニックを防ぐうえでも重要だと思われます。

具体例をひとつ申し上げます。3月22日に配信された村上龍のメールマガジン「ジャパンニースメディア」で環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏のレポートが紹介されました。村上龍自身も福島第一原発の状況に不安と疑心暗鬼が深まるなか、事故がどこまで進むかについてこのレポートは貴重な示唆といくらかの安心を与えてくれたとのことでした。僕も読んでそう思いました。

以下から、pdf.でダウンロードできます。

http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf

もうひとつ国際的な情報発信の問題があります。海外のメディアの福島第一原発に関するニュースを見ていると、日本に対する不安感がものすごく大きくなっているということと、日本に対する不信感が大きくなっていることを感じます。その原因のひとつは、政府から出てくる情報があまりにも統一性がなくて信頼感に乏しいこと、さらにはそれらの公式発表が英語でしっかりと出来る人がいないこと、英語での文書による資料も極端に少ないことが挙げられます。特にBBC、ABCやNBC、CNNといった欧米のテレビやiPadの放送で放映される枝野長官等の政府発表に女性の同時通訳の声がかぶさっているのですが、それらも信頼感を損ねている一因かもしれません。

世界に発信できるかどうかについては政府・東京電力の当事者能力が低いことから考えると今すぐに対応するのは難しいでしょうが、であればIAEAなどの力を借りて世界に向けた一貫性のある発表を急ぐべきです。もちろん、その前提となるのは信頼できる公開情報を出来る限りだすことが必要です。

3. 福島と首都圏、九州の温度差

3つ目に福島第一原発の周辺地区、首都圏、そして九州の事故に対する温度差についてです。東北の方々は辛抱強いと昔から言われていますが、今回の地震・津波災害、原発事故においても、テレビを見る限り現地で被災された方々や原発の放射能被害に遭われている方々、自治体の関係者などのインタビューで感情を抑えた表情で語っておられるのが目につきます。しかし、実際にはこの後に及んでも情報を出し渋ったりする東電や政府関係者の対応にハラワタが煮えくりかえる思いだと察します。

そして首都圏。これも関東に住む知人に聞いたり、テレビなどで見たりする情報に限られますが、首都圏の方々は福島第一原発の事故の進展具合では大規模な首都圏での放射能汚染の可能性も指摘される中、平静を装いつつも相当緊張感を持って事故の状況を心配して見ておられるのではないかと思います。すでに首都圏の水や食品の放射能汚染も起きています。場合によっては、プルトニウムという半永久的に残留する猛毒物質を含むMOX燃料(プルサーマル用)が装填されている福島第一原発3号炉等の放射能のさらなる拡散といった事態が来れば、首都圏も無傷ではいられない差し迫った状況も考えられるからです。

これに対して福島や関東からは遠く離れた九州、福岡ではそれほど差し迫った危機感は感じられません。友人や知人や家族が福島や関東におられる方は相当の懸念を持ってあると思われますが、多くの一般の人々は現地の人たちに比べれば不安感は低いと思います。

この福島、首都圏と九州あるいは北海道など他の地域との温度は僕は実は事故収束後に大きな影響を与えると考えています。なぜなら日本全国には高速増殖炉を含め55基の原発があり、福島と同じ事態はどこの地域でも起こる可能性があるからです。これから原発を中心とするエネルギー政策の見直しは必至です。そうした中で、福島原発周辺地域と関西・四国・九州・北海道などとの事故に対する温度差は、原発の是非についての大きな意見の相違につながってくる可能性があります。ただ、全国の電力会社の頂点に位置する東京電力、事故に大きな責任のある経済産業省が事故の被害を被る可能性のある首都圏にあるということは今後の原発の議論に大きな意味を持ってくると思います。

【見えないもの】

そして最後に見えないものについてです。それは事故の最終的な出口です。福島第一原発は事故を起こした現在1号機から4号機まですべての原子炉の状況が東電や政府にさえ明確に詳細までは把握されていないのではないのでしょうか。しかも、高濃度の放射能汚染の中、現地での効果的な作業までも滞っている状況です。炉心の状態がどうなのか、使用済燃料プールは大丈夫なのか、自信を持って答えられる人が事故の当事者にいない。これは身の毛もよだつ事態です。普通の事故ならまだしも、大規模な放射能汚染のさらなる拡散の可能性がある原発が1機ではなく、4機もあるのです。

原発事故がこれほどの規模で起こったために、政府も民間も本来救援を急ぐべき地震と津波の被害に遭った他の東北の地域の初動対応から今まで相当の遅れが生じていることは間違いないと思います。

これから福島第一原発の放射能汚染をどう食い止めていくのか、政府と東電は全力で対応してもらわなければなりません。そして僕ら国民は事態の推移と対応を厳しく監視し、事故の推移について想像力を働かせて次に取るべき行動を自ら判断していく必要があると思います。  



2011年03月26日

【また重大局面】

作業員が被ばくした水たまりは1号機~4号機すべてに見つかりました。

『東京電力は25日夜、東日本大震災で被災した福島第1原発1号機のタービン建屋地下でも水たまりが見つかり、採取した水から1立方センチメートル当たり約380万ベクレルの放射能を持つ放射性物質が検出されたと発表した。原子炉の冷却水の約1万倍の濃度。ヨウ素131やセシウム137などで、溶融した核燃料の一部が漏れ出した可能性がある。24日には3号機のタービン建屋地下で3人が被ばくし、2人が放射性物質に汚染された水たまりに足を入れて被ばくしている。3号機の水について東電や経済産業省原子力安全・保安院は25日、原子炉から燃料の一部が漏れ出したとの見解を明らかにした。

 東電によると水たまりは24日までに1~4号機で見つかった。タービン建屋の地下は2区画に区切られているが、配電盤などがある区画はすべて津波で水没しており、その水深は▽1号機約40センチ▽2号機約1メートル▽3号機約1.5メートル▽4号機約80センチ。もう一つの区画に浅い水たまりが点在しているという。東電は2、4号機の水たまりについても調べている。

 3号機で見つかった水について東電の武藤栄副社長は25日、「原子炉側から出てきた可能性がある」と話した。保安院も「原子炉から何らかの理由で放射性物質が漏れている可能性が高い」との見方を示しており、厳重に閉じ込められているはずの核燃料の一部が原子炉建屋の外に漏れ出た可能性がある。』(3月26日付毎日新聞)


【刻々と悪化】

3号機での作業員3人の被ばくで明らかになったのは、1号機から4号機すべての建屋で放射能汚染されたかなりの水たまりがあり、しかも高濃度だということでした。そしてもっと重大なことは、その放射性物質の中に原子炉の炉心にしかないセリウムもあったということです。すなわち、汚染水は原子炉内から漏れている可能性が強いということです。

高濃度の放射能汚染水が「炉心のメルトダウン→原子炉爆発」という最悪の事態を回避する作業を大幅に遅らせる可能性が高くなってきました。福島原発1機であれば、チェルノブイリ原発3号機のような大惨事と比較すれば小さいかも知れませんが、4機すべてが炉心溶融や燃料プールからの大量の放射能放出となると単純に考えても事故の規模はチェルノブイリを上回る可能性が出てきます。身の毛もよだつ事態です。

【日本全土から世界へ】

すでにこの福岡でも微量ではありますが、23日から24日にかけて自然界には存在しないヨウ素131が検出されています。また、中国の港で日本の船が放射能汚染されているという理由で足止めされたり、アジア諸国で日本からの食品輸入に制限をかけたりという動きも出ています。

福島第一原発の事態収拾の目途が立たない中、世界は日本発の放射能汚染の世界への拡散に警戒を強めて行くでしょう。

今、福島第一原発の現場は地獄というか放射能の修羅場そのものです。一番末端の作業員の人たちをこんな危険な仕事に従事させている、今まで原発を推進してきた幹部の人たちには激しい怒りを覚えますが、今はとにかく幹部の人たちに命を賭けてでも福島第一原発の最悪の事態を回避してもらいたいと思います。もう「想定外だったから」とうそぶくようなことは誰ひとり許さないでしょう。

そして無力な僕らは日本発の大規模放射能汚染が世界に広がらないようにひたすら祈りたいと思います。  



2011年03月25日

【謝罪行脚】

東京電力の幹部が事故後初めて原発周辺の住民に謝罪行脚をしているとの報道がありました。

『東京電力の皷(つづみ)紀男副社長が22日、福島県田村市の市総合体育館に設置された大熊町の町災害対策本部を訪れ、渡辺利綱町長や町民に謝罪した。

 また福島市内で記者会見し、福島第一原発1~4号機の廃炉について「収束に全力を尽くしており今は考える状況でない」と述べ、農作物などの被害に対する補償についても「どういう場合に可能か方向性を検討している」と話した。

 原発の事故以後、初めて福島県入りした皷副社長は同日午後、渡辺町長に「ご心配をおかけして申し訳ございません。一刻も早くこの事態を収束させたいと思っています」と謝罪。渡辺町長は「一刻も早く危機的な状態を脱してもらいたい」と訴えた。

 皷副社長は、約670人の避難住民に頭を下げて回ったが、「何しに来たんだ」と住民が怒りをぶつける場面もあった。』(3月22日付読売新聞)


【本当の謝罪】

これより前、福島県の佐藤雄平知事は22日午前に東京電力から清水正孝社長による謝罪訪問の申し入れがあったが、断ったことを明らかにしました。当然だと思います。謝って済むような問題ではない。ましてや福島原発の事故の直接の被害だけでなく、放出され続けている様々な放射性物質による農産物の被害が顕在化し、福島県の農業まで破局に瀕している今、どんな言い訳をされても許される事態ではないと思います。

では東京電力がこれからやるべきことは何か。それは先ず福島第一原発の核惨事の一刻も早い収束であることは間違いありません。次に、収束後の事故前の原状回復の努力です。そして最後に過去何十年にもわたって住民を懐柔したり騙したりしながら、「絶対に起こらない」と強弁していた原発事故を起こしたことを踏まえ、これからのエネルギー供給のあり方をどうしていくのか、国とともにしっかりとした青写真を書いて、それを着実に実施していくことです。

もちろん、それは文明のパラダイムを変えるくらいの決意で、中長期的な核エネルギーから自然エネルギーなどへの本気の転換を図ることが出来るかどうかです。

【東電が事故を起こした意味】

そういう大きな転換が出来るかどうかという意味で、日本の中枢である首都圏に近い福島原発が事故を起こし、その責任者が東京電力であったということは重大な意味を持つと思います。日本の電力会社の頂点に位置し、他の地方電力会社を事実上引っ張ってきたのが東京電力であり、ここが首都圏の近くでこれだけの大災害を起こしたということは、最も日本の中枢に近い人たちに原発事故の重大性を認識させ、大きな転換が必要だと思わせたのではないかと考えるからです。(世界に原発が増えて行く現状を踏まえ、日本の高度な原発安全技術は今後も必要だと思います。日本は事故の経験を踏まえ、今後長期的な自然エネルギー転換への過程での原発安全技術と廃炉の技術で世界をリードしていくべきだと思います。)

九州や北海道でこんな核惨事が起きても首都圏に遠ければ遠いほど、エネルギー政策の大転換を図るのは困難が伴うでしょう。そういう意味でも、今回の福島第一原発の核惨事の意味は重大だと僕は考えます。

あと一ヶ月ほどで1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故からちょうど25年になります。日本にとって2011年3月11日は旧ソ連のチェルノブイリ以上のものになる、そしてこれを契機に文明の転換に匹敵する転機にしなければ日本の未来はないと思います。  



2011年03月24日

【驚愕の数値】

恐れていた事態が次々と現実に起こっています。

『東京都は23日、都内に水道水を供給する浄水場から、乳児が飲む規制値の2倍を超える放射性ヨウ素を検出したと発表した。

 都は、乳児が水道水を飲むことを控えるよう呼びかけている。

 呼びかけの対象地域は東京23区、武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市。

 検出されたのは、葛飾区の金町浄水場で、22日午前9時に採水したところ、210ベクレルを検出した。食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な規制値は100ベクレルとなっている。

 都では、この水道水を乳児の粉ミルクなどに使うことを控えるよう呼びかけている。ただ、指標は乳児が長期にわたり飲み続けた場合を想定しており、他の飲用水が確保できない場合は飲んでも構わないとしている。』(3月23日付読売新聞)

【水も食品も土壌も】

福島から200キロ以上離れた東京のど真ん中で、しかも水道水がここまで汚染されていると聞いて本当にびっくりしました。国や東京都の乳児に対する注意は適切だとは思いますが、関東におられる方々、特に乳児や幼児をお持ちのご家庭の心配に心が痛みます。冷静に行動することは必要ですが、出来る限りのデータやアドバイスをインターネットやテレビなどあらゆる情報源から得て自ら判断していく必要があると思います。

もうひとつ驚愕したのは、数日前に福島原発周辺の原乳やホウレンソウの放射能汚染が報じられた後、23日の時点ではそれが様々な葉物類、そして地域も広範囲になっていることです。すでに相当広範囲に放射性物質が広がっていることがわかります。

最後に23日夜のNHKニュースで報じられたセシウムによる土壌汚染です。福島原発の北40キロほどの場所で何と通常の1600倍近いセシウム137が土壌から発見されたと報じられていました。これはチェルノブイリ原発事故現場から数10キロから50キロ付近で検出された放射能量に匹敵する値であり、高濃度であることは間違いありません。また、セシウム137は土壌に残る可能性は高いものの、半減期は30年近くあり、食品から人体に取り込まれると筋肉に付着しやすく外部被ばく、内部被ばくを長期にわたり及ぼす可能性が高いものです。

【日本全国どこも可能性あり】

次々と明らかになる毎日の生活に欠かせない水、食品への放射能汚染の広がりに、恐れていたことが現実のものになったという驚きを隠せません。被害の度合いは桁違いかもしれませんが、状況的には25年前に経験したチェルノブイリ原発事故の光景が福島周辺から関東のあちこちに広がっているという印象です。

福岡から見ている分は毎日ニュースで報道される数値を冷静に見ることが出来ますが、東北や関東の方々は気が気ではないと思います。とにかく様々な情報源からデータを出来るだけ集め、パニックにならずに自らの判断をしていくことしかないと思います。

それから東北、関東以外の地域でこのブログ、あるいは放射能汚染のニュースを見てられる方も安心は禁物だと思います。福島第一原発からの放射能は様々な条件で放射能雲となって風下に流れ、思わぬ高濃度の放射性物質を広範囲に運んでくることを肝に銘じておくべきです。また、日本には狭い国土に55基もの原発が全国にある原発過密国であり、今回の食品や水の汚染の原発からの距離が100キロから200キロ近くに及んでいることを考えればどこにも逃げ場はないということです。(ちなみに玄海原発から福岡までは50数キロしかありません)  



2011年03月23日

【続く不安な状態】

ここ数日福島第一原発の3号機の使用済燃料プールを中心に自衛隊、消防隊、警察の現場担当者の決死の放水を続けたことで、放射能の大量放出の継続という最悪の事態が僅かながら改善できる一筋の光明が見えてきたと多くの人が思ったのではないでしょうか。しかし、3号機の一部破損があると見られる格納容器の圧力が上昇しつつあり、もし炉の破損が広がればプルトニウム等の大量の燃料が放出されるという新たな危機が始まりつつあります。複数の原子炉で危機的な状況が進行しているために、複合的な事態が危機回避を難しくしているのです。

電源の復旧も今のところ進展しているように言われていますが、はたしてあれだけの津波と水素爆発などを乗り越えて、冷却装置等の機器が動くのかどうかもまだ未知数です。原子力安全保安院の言うレベル5の事態は、一気に6や7に進み、炉心が稼働を停止しているとはいえ、チェルノブイリのような核事故に進む可能性を誰も否定できないのではないのでしょうか。

【対外被ばくと体内被曝への備え】

すでに福島周辺の空気中には連続的にヨウ素セシウムといった放射性物質が放出され、原乳やホウレンソウがかなり高濃度に汚染されているという報道がありました。例えばヨウ素(131)は半減期は8日と短いものの、ホウレンソウなどの葉っぱや牧草に付着し、それを食べる牛を通して食物連鎖で濃度が高まり、原乳に高い放射能が溜まっているのです。

発表では「「今すぐ」健康に影響があるレベルではない」ということですが、もうここまで現実が進んでいる以上、不測の事態に備えて個人個人でしっかりと事実を把握し、福島との自分との距離もよく考えて、空気からの被ばくと食物の摂取による体内被曝両方について事前の準備をしておく必要があると思います。主な点は以下のとおりです。

1. 時々刻々、自治体や原発団体などから発表される放射線の種類や濃度について正確な情報を収集し、原子力安全保安院の食品安全基準である「飲料水や牛乳に含まれる放射性ヨウ素の量が300ベクレル/kg、野菜類で2000ベクレル/kgとどれくらいの差があるかを知ること。→体内被曝への備え

特に赤ん坊や小さな子供さんはヨウ素等が大人の何十倍も蓄積されますので出来るだけ原発から離れることが必要です。

2. 対外被ばくを避けるため、屋内退避の勧告が政府から出されれば基本的にはそれに従う。水も汚染するのでポリバケツや水筒なども用意して水を保存しておくこと。また雨合羽やビニールシートも用意して放射能に出来るだけ当たらないようにすること。

3.ガーゼマスクや懐中電灯、小型トランジスタ等を用意しておくこと。原発周辺ではヨウ素が大量に放出される可能性があるので自治体などからヨウ素剤をもらうのを忘れないこと。


※詳しくは脱原発団体の原子力資料情報室(以下、CNIC)のホームページをご覧ください。→ http://www.cnic.jp/

【あまりにもお粗末な当事者】

福島第一原発の最前線の現場で決死の思いで放水等の作業を行う自衛隊や消防隊員、警察、そして保安作業員等の人たちには、僕ら市民はただ、ただ感謝の思いでいっぱいです。

それに対して、この後におよんでもトップが出てこない東京電力、住民の安全を確保するためにあるはずなのに情報をスルーするだけに見える原子力安全保安院(この機関のホームページの「原子力災害発生時の住民としての対応」というページのお粗末さには絶句しました。いかにもお役所的な体裁だけで、市民を守る真摯な姿勢など見えません。それに対して、CNICのほうが市民の防災の観点からしっかり書いており極めて充実しています)、未だに政争を繰り返して事態の重大さを認識しているとは思えない与野党の政治家たち(少なくとも官邸は必死に見えます)などを見るともう絶望的にさえなります。

さらに加えて、先週末に記者会見を開いた一部の地方電力会社のトップは、これほどの深刻な事態が福島原発で進行しているさなかに、「自分の原発で想定外のことはないと思うが、」とか、「万が一不測の事態があっても、炉心などに水がいかないようなことは絶対に防ぐ」といった発言をしています。大自然の猛威や人間のヒューマンエラーは想定外ばかりであり、「絶対に防ぐ」などというのは原子力広報や精神論では言えても、市民に信頼の得られる言葉ではないことは明らかです。これは彼らの考え方が事故前から何も変わってないことを暴露したようなものです。ましてや事故が起きて「想定外だからごめんなさい」なんて冗談ではないです。もう彼らには頼れない、自分たちは自分たちで守るしかないと強く思います。

≪参考≫

・日本各地の放射線量がわかるマップ → 

『東日本大震災・非公式・放射性物質モニタリングポストMAP / Japan quake radioactive material monitoring post MAP』
http://ow.ly/4dGhQ

・各地の放射線量がわかるリンクまとめ →

http://getnews.jp/archives/104544
  



2011年03月21日

【放心状態の1週間】

最初に放水作業を終了した東京消防庁のハイパーレスキュー隊員の隊長達の会見に涙しました。放射能に対する知識を十分に持っている方達だからこそその危険性を熟知し、恐怖心も強い中よくやってくれたと思います。

3月11日の東北大震災の発生から昨日まで、東北からは遠く離れた福岡に住んでいるのに眠れない夜が続きましたもちろん、想像を絶する災害に見舞われている被災者の方々の苦難とは比べようもありませんが、テレビの前に広がる信じられない光景に絶句し、何か自分にも出来ないかと苦悩しました。そして、とりあえずは震災募金のいくつかを実行しました。

特に福島第一原発の事故については、多くの方と同様、未曾有の核惨事を信じたくないという気持ちや後手に回る電力会社や政府の対応に怒りを感じる日々が続いています。この気持ちを出来るだけ多くの人と共有したいと、原発についてほぼ連日ブログに書き続けています。

福島第一原発のことが心配でたまらないと話すと、平穏な福岡にいて何故そんなに心配するのかと事故発生当初の頃は笑われることもありましたが、事態は笑っていた人たちをあざ笑うような方向に日々刻々と変化していきました。

【気になること】

ただ、金曜日あたりから自衛隊や消防、警察の方々の現場での決死の放水作業によって、原発上空の温度が下がったり、原発周辺の放射線量が減少してきたりすることで、ほんの少しですが最悪事態の回避が進んでいるようなムードが広がっています。事実が正しければそれ自体はいいことなのですが気になることもあります。

第一に、4号機の状況がよく見えないことです。4号機に関して、日本政府と救援に来た米軍、米国の専門家との間に意見の相違が出てきているようなのです。日本側は放水作業と電源回復準備で事態は好転しているとの見方ですが、米国の専門家は4号機がプールに亀裂が入り冷却水が漏れ、「打つ手のない」状況に追い込まれる可能性を指摘しているしているというのです。(3月19日付の産経新聞電子版の記事を参照)

どちらの見方が正しいのか現時点ではわかりませんが、日本政府は米国の専門家の意見も尊重して4号機の状況が悪化する場合も想定して動くべきだと思います。できることはプライドなんかかなぐり捨ててなんでもやる姿勢が必要です。

もうひとつは第一の点とも重なるのですが、海外からの報道などを見ていると米国との協力体制に一部不協和音があるのではないかということです。少なくとも日本では最悪の原発事故であり、日本の電力会社や政府は初動から失敗続きなのですから、能力不足の点は正直に認めて米国の力を借りるべきところは恥を忍んででも借りるべきです。現場の方々の決死の努力は本当に素晴らしいのですが、それを指揮する政府の上層部にまだまだ問題が山積していると感じています。

最後に、被災地とその周辺地域と遠く離れた九州の温度差です。出来ることが限られているということもありますが、特に福島第一原発の事故に関しては放射線の恐怖などは福岡にいるとほとんど実感としては感じないでしょうから、今後放射能汚染された食品など新たな問題が出てきたときに東日本と西日本の認識のズレがいろいろな問題を引き起こさないかと懸念します。

【信頼できる情報源】

原子力災害が起こったときに最も信頼できる日本の情報源は「原子力資料情報室(CNIC)です。このNPOは故高木仁三郎という市民科学者が設立した市民の市民による脱原発を目的とする団体で、経産省も反原発団体でありながら一目置いていると思います。

僕はチェルノブイリ原発事故が起こった1986年4月以前からこの団体のことは知っていましたが、1988年から90年にかけて米国のワシントンDCにいたときも米国の原子力事情を調べたりするのに非常に役立ちました。先週もこの団体の伴英幸共同代表がたびたびテレビにも出演しておられました。これからの事態の進展を監視するうえでご活用ください。

「原子力資料情報室(CNIC)」サイト → http://www.cnic.jp/

最後にこれを読んでおられる福岡のみなさん、昨日の3月20日は福岡玄界沖地震からちょうど6年目にあたります。あの地震は震度6弱だったと思いますが、僕も会社のビルの10階にいて地震の怖さを知りました。でも今回の東北地震はそれを大きく上回るものでした。福岡も被災した東北の各地同様海辺に面しています。また50数キロ西には玄海原発も存在してます。さらには対岸の韓国には海岸沿いに5機もの原発が存在しています。心しておかなければならないと思います。  



2011年03月20日

【原乳とホウレンソウ】

最初の汚染食品が検出されました。

『政府は19日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて実施した食品のサンプル調査で、福島県川俣町の酪農家が提出した原乳と、茨城県内の6市町村のホウレンソウから、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表した。枝野官房長官は記者会見で「直ちに健康に影響する数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」と述べた。

 食品衛生法に食品の放射能汚染を規制する基準がないため、厚生労働省は放射線の専門家でつくる「国際放射線防護委員会」(ICRP)が健康被害を防ぐために設けた基準を放射性物質の食品安全基準として暫定的に採用。これを受けて、福島県と茨城県がそれぞれサンプル調査を実施した。

 その結果、福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が16~18日に生産した原乳から最高で1510ベクレルと、規制値の約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。

 茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、ひたちなか市の農家のホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。高萩市のホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも検出されている。

 これを受けて同県の橋本昌知事は19日、記者会見で地元農協などに露地栽培のホウレンソウの出荷自粛を求めたことを明らかにした。 』(3月19日付読売新聞)

【次なる脅威―食品汚染】

ひとまず自衛隊、警察、消防の努力によって放水車、ヘリコプターによる3号機への放水が行われ、3号機については使用済燃料プールに水が溜まり燃料棒からの放射能放出は少なくなってきているようです。ただし、1号機・2号機・4号機もそれぞれ外部の損傷や燃料棒の損傷などが続いていて全体として危機が去ったとはとても言い難い状況が続いているようです。

そして19日、次なる脅威が迫っていることがわかりました。それは放射能による食品汚染です。放射能汚染が見つかったのは、原乳とホウレンソウ。それぞれ原乳は福島第一原発から47キロの地域で放射性ヨウ素1510ベクレル、ホウレンソウは茨城県のいくつかの市町村で放射性ヨウ素15020ベクレルだったそうです。ホウレンソウには規制値を超えるセシウムも一部検出されたそうです。それらは政府によれば「直ちに健康に影響する数値ではない。」とのことですが、油断は禁物です。

1986年のチェルノブイリ原発事故のときには、ロシア・欧州からやってくる輸入食品に対する放射能汚染の基準値はどの食品でも一律370ベクレル/kgでした。その当時とは比較にはならないかもしれませんが、今後の福島第一原発からの放射能汚染の拡散がどれくらい防げるかによりますが、原発周辺の農産物を中心に次々と汚染された食品が問題となってくるでしょう。

それらのデータをチェックしておいて、刻一刻と変化する各種食品の汚染状況の政府発表や民間の公開情報に常に目を光らせておく必要がありそうです。汚染の広がりの深刻度によっては、情報公開が遅れたり、いづれは規制基準の緩和といった措置が取られていく可能性もありうると考えています。政府の情報を鵜呑みにすることなく、これからは自分の家族を守るのは自分だという覚悟を持って、しっかり監視していく姿勢が必要だと思います。

最後にこれを読んでおられる福岡のみなさん、今日は福岡玄界沖地震からちょうど6年目にあたります。あの地震は震度6弱だったと思いますが、僕も会社のビルの10階にいて地震の怖さを知りました。でも今回の東北地震はそれを大きく上回るものでした。福岡も被災した東北の各地同様海辺に面しています。また50数キロ西には玄海原発も存在してます。心しておかなければならないと思います。  



2011年03月19日

【ついに起こった核惨事】

3月11日の巨大地震発生、その後の巨大津波、そして東北各地の目を覆うばかりの被害。まるで戦後の焼け跡のような市街地。信じられないような夥しい数の死者行方不明者の発表。原発事故がなければすべての救援活動はこの地震・津波被害に遭った人々に向けられていたはずでした。

そんな悲惨な被災地を「後回し」にせざるを得ないほど、政府を狼狽させている福島第一原発の事故。多少、緊迫さが薄れつつあるものの、使用中そして使用済みの燃料の発熱が止められない限り、何が起こるかわからない状況は全く変わっていないのです。広大な土地があるロシアやアメリカと違って、国土が狭いニッポンに逃げ場はありません。「みえない雲」の恐怖に怯え逃げ惑う先には海しかないのです。

1990年に公開された黒澤明監督「夢」という映画の8つの短編の中に、「赤富士」(必見です。クリックすると観れます。7分ほどです。)という一篇がありました。富士山麓で大勢の人が何がおこったかわからずに逃げ惑っている場面。原発が次々と爆発し、赤や黄色の色のついた霧が人々に迫ってきます。それらは原発から出た様々な放射性物質でした。フィクションだから黒澤監督がわざと放射能に色をつけて警告していたのでしょう。巨匠は20年以上も前にわたしたちに警鐘を鳴らしていたのです。でもそれはただの映画。どんなに怖くても、映画館を出れば済みます。そして福島第一原発の惨事。この日が来てほしくなかった。チェルノブイリの後もこの映画を観た後もいつもそう思っていました。でも「夢」であってほしいとどんなに願っても非情な現実は次々と深刻度を加えていきます。

【為政者と国民】

日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 」とあり、第二項には「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 」と規定されています。

その基本的権利が今東北の被災地で、そして福島原発の周辺で、さらには日本国全域で侵されようとしています。でも、よく考えると原発に関してはその立地の過程から、立地地域で苦悩する農業者や漁業者を中心とする住民の基本的人権を、ときには懐柔し、ときには威嚇しながら、ないがしろにし続けてきたのは誰だったのでしょうか。もちろん直接の当事者は電力会社であり、官僚組織であり、政治家ですが、何十年もの間見て見ぬふりをしてきたのは他でもない電気の恩恵だけを受けてきた都市を中心に住む僕たち国民なのです。

スリーマイルが起きようと、チェルノブイリが起きようと、国内ではJOC東海村の臨界事故をはじめとする大事故や大事故寸前の原発事故が何度起きようと、その都度、「事故」を「事象」と読み変えたりして国民から事実を隠し、事故を矮小化しようとしてきた人たち。それに本気で怒り、方向転換を迫らなかった国民。今回の事故の責任が私たち日本人すべてにあるのは間違いありません。

【海外からの冷たい視線】

地震発生当初から今日まで、アメリカやヨーロッパ、そしてアジアから届くのは日本に対する励ましと応援、そしてこれほどの災禍の中でも暴動も起こさずじっと耐える国民に世界は驚嘆し、賞賛する声でした。

しかし、地震や津波に被災した国民の姿とは裏腹に、原発事故に臨む電力会社や政府の信じられないような愚かな対応を見るにつけ、海外の目は日増しに厳しくなってきています。なぜなら、被害は日本にとどまらず「見えない雲」に乗っていづれ彼らの頭上にも到達するからです。

為政者の人たちに素直に従い、現実は現実として受け止め、あきらめ、何も抵抗しない僕たち多くの日本人。一体いつからこうなったのでしょうか。これは本当に日本の美徳として納得していていいのでしょうか。自分も含め今まではそうしてきました。でもこれほどの核の惨事が起こった以上、ひとりひとりが声を上げ、為政者のひとたちのやり方がおかしければ、その誤りを糺すべきではないでしょうか。そうしなければ再び、同じような事故、いやそれ以上の惨禍がいづれ避けられないでしょう。

その際、ひとつ気をつけないといけないのは、海外がすべて正しいとは限らないということです。国際原子力機関(IAEA)が日本に乗りこんできましたが、この機関もチェルノブイリ原発事故の後、ロシア以上に事実を矮小化しようとしてきたことを忘れてはいけません。しっかりと僕ら国民がその行動を監視しておく必要があると思います。

東北の被災地で助けを求める被災者の方々、高濃度の放射能の中で身体を張ってこの美しい日本を守ろうとする自衛隊や消防士、警察官、電力会社の運転員など現場で奮闘する方々。本当に哀しい思いが毎日募る中、今書き留めておかないいけないと感じ、今の正直な気持ちを書きました。  



2011年03月18日

【決死の放水】

自衛隊による決死の放水作業がやっと始まりました。

『東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故で、自衛隊は17日午後7時半すぎ、使用済み核燃料プールの水が蒸発している3号機建屋に向け、高性能消防車で地上から放水した。防衛省によると、消防車は5台で約30分間に計30トンを放水。水は建屋内に届いたが、経済産業省原子力安全・保安院は効果について「まだ評価できる段階ではない」としている。
 防衛省は、ヘリによる水の投下と地上放水について、18日も同様の態勢を取っており、東京電力などから示される17日中の効果を見て、18日以降の放水方法を決める。
 一方、警察庁によると、警視庁の高圧放水車は同7時ごろから放水。約5分後、放射線量を示す線量計の警告アラームが鳴ったため、中断した。』(3月17日付時事通信)


【変化する情報の質】

国家的危機とも呼べる緊迫した状況が続く中、「おやっ?」と思うような変化が見られてきました。というのは、日に日にテレビ等のメディアに出てくる情報の質が変わってきていることに気がついたのです。

その最大のものは放射能の危険性に関する情報。福島原発周辺の放射線量が日増しに増加する中、国だけでなくテレビ等に出てくる専門家と呼ばれる人たちも「原発敷地周辺は危険だが、その他は安全だ」(現時点では安全でも刻々と変わる可能性があることを十分認識すべき)といった発言が多くなり、放射能の危険性に対して意図してかどうか、抑制気味の発言になってきているようなのです。もちろん、パニックを防ぐ必要からかもしれませんが、テレビにその傾向が強くなっている気がします。これは一体何を意味するのでしょうか?


テレビメディアは活字メディアよりも流せる情報量が少ないのと反比例して映像を中心に大勢の大衆に瞬時に影響を及ぼします。これほどの危機的状況の中、各テレビ局の報道する内容はあまりに似通っていると事故当初から懸念しているのですが、事態の悪化とともにあまりいい言葉ではありませんが、政府の「大本営発表」を流すのみか、パニックを恐れてか正確な放射線などの情報を流すのに躊躇しているのか、伝えなければならない本当の事実がどんどん遠のいているのではないかと思われます。

【バランス感覚】

海外の主要メディアでは東北大地震と福島原発の事故発生以来、連日トップ扱いの報道が続いています。最初はセンセーショナルな日本礼賛といったトーンばかりが目立ちましたが、ここ数日はあまりの事態の悪化の速さと広がりと日本政府の危機対応能力の低さなどに対する様々な恐怖心を高めながらも、今回の原発事故の自国と世界に与える影響などを比較的冷静にわかりやすく伝え始めているように思われます。

例えば、日本のiPodで視聴できる米国のCNNのテレビ番組「Anderson Cooper 360 Daily」ではメインキャスターのアンダーソン・クーパー氏が日本で取材、米国の核や放射線の専門家との衛星中継でのやり取りで福島原発の事故の説明や米国への影響などについて素人でもわかりやすいように解説していました。この番組の専門家の解説でひとつ参考になったのは、福島原発の危険性を格納容器の炉心溶融と使用済燃料プールの二つに分けて、炉心溶融と同じくらい、あるいはそれ以上に使用済燃料プールのほうが危険性が高まっているというものでした。

BBCは日本の冷静な対応を賞賛しつつも、今回の原発事故の深刻さに大きな危機感を抱いていることがうかがわれます。

いづれにしても、日本が危機の震源地ですから日本の新聞やテレビの報道が最も詳細にわたって福島原発の状況を伝えているのですが、あまりにも細かかったり、技術的すぎたりすぎるかと思うと、焦点を当てるべきトピックがどこも似通っていたり、世界的な視野が欠けていたり、事故の全体像が一般の僕たちにはわかりにくくなっているという懸念があります。こんなときだからこそ、出来れば海外の報道とも見比べて自分なりの立ち位置をしっかりと定めるバランス感覚が必要だと感じます。

中でも最も危惧することは、自衛隊が決死の放水作業をするところまで来てからは、東電に対するヒステリックな非難とは裏腹に決死の作業を過度に美談化するような方向に走りすぎたりすることで、本当の事故の本質が見失われていくのではないかということです。これは戦時中の日本のメディアにも多く見られたことではないでしょうか。とにかく僕たちはどんなに危機が高まっても出来るだけ冷静にバランス感覚をもってこの未曾有の危機を「監視」し続けることが求められると思います。流言飛語的な情報を鵜呑みにしないこと、同時に大手メディアの報道も鵜呑みにしない判断力が求められます。

それにしても現場で放水をする自衛隊員等の決死の活動に本当に、本当に敬意を表します。  



2011年03月17日

【核惨事の現実】

福島第一原発で今起きていることが如何に深刻か、3つの原発がボロボロになって白煙を出している映像だけでもわかるのですが、海外の専門家もそれをチェルノブイリの原発事故と同等と表現しています。

『米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、声明を出し、福島第1原発事故の状況が国際原子力事故評価尺度(INES)で2番目に深刻な「レベル6」に近く、最悪の「レベル7」に達する可能性もあるとの見方を示した。
 日本の経済産業省原子力安全・保安院は先に、今回の事故の暫定値を「レベル4」と発表していた。
 ISISは声明で、福島第1原発の1~3号機で爆発があったことや、4号機の原子炉建屋で火災が起きたことを踏まえ、「この事故はもはや(局所的な影響を伴う)レベル4とはみなせない」と指摘。緊急措置と広範な放射能汚染対策で国際社会の支援が必要だと強調した。
 INESは、安全上の懸念がないレベル0から8段階で評価。1986年の旧ソ連のチェルノブイリの原発事故を「7」、1979年の米スリーマイル島原発事故を「5」としている。』(3月16日付時事通信)


【気になる現実】

それにしてもこれほど毎時間、毎日連続して事態が急速に悪化していく現実を目の当たりにすると、自暴自棄的な気持ちになっていきます。上記記事にあるように、もう福島第一原発がチェルノブイリの惨禍をはるかに超えることは確実のように思われます。現場の方々の決死の作業でそれをいくらかでも遅らせるか、被害の程度を少しやわらげることができるように心から祈るばかりですが、もうその望みも刻一刻と絶たれようとしています。

今その責任を東京電力に求めようとする声が大きくなってきているようですが、確かにその対応のお粗末さが事態の悪化を招いているのは明らかなように思えます。しかしながら、同時にそもそもここに至った根本的な原因を考えておかなければならいないとも思います。それについて少し僕の考え方を整理しておこうと思います。

【責めを追う人】

日本は数十年も前から原発なしには生きていけない経済構造になっていて、今から見直すとしても膨大な時間と費用がかかってしまうでしょう。僕は原発には個人的には反対ですが、それでも現実を考えると原発の安全性をある程度確保しながら現状追認していくしかないと素人ながら思っていました。でも今回の事故でどんなに時間と費用がかかっても新しい文明のあり方のひとつとして原発から自然エネルギーに、集中電源から分散電源にしていくべきだと思っています。日本は1986年に起こったチェルノブイリ原発事故のときに、文明の大きな転換点に立ったのですが、多くの欧州の国々とは違い(フランスは例外です)、大きな転換を図らずに現状追認の方向を選びました。いや何もしなかったというべきでしょうか。あのときが日本のひとつの大きな転機だったと思います。

あのとき欧州の多くの人たちが感じた危機感、現代文明に対する「揺らぎ」の感覚が当時の西ドイツを中心に、環境政策の大転換、エネルギー政策の見直しなどを市民のひとりひとりが声をあげながら実行したと僕は認識しています。政治もそのときから大きく変わりました。もちろんその後揺り戻しもありましたし、最近ではもうひとつの待ったなしの環境問題である地球温暖化を避けるためのひとつの方策として原発への回帰が多くの国で行われているという事実もあります。しかしあのチェルノブイリの後の文明のパラダイムシフトともいえる変化ほどではないと思います。

日本では僕ら都市に住む人間を中心に、それ以前も、そのときも、そして今回の事故が起こる前まで、電力会社にも、官僚にも、政治家にも、原発の見直しについて決死の思いで迫ったことはなかったのではないでしょうか。唯一、原発立地地域の農業者や漁業者の方々たちだけが生活をかけて、命を賭けて原発の危険を訴え続けてきたのです。それを思えば、電力会社や、官僚や、政治家だけを責めることはできません。日本の多くの国民が今まで容認してきたのですから。

【日本の行く末】

日本は残念ながら、今回の福島第一原発の惨禍を機にとてつもなく大きな国力の衰退に見舞われるのではないかと危惧しています。放射能汚染の厳しさを考えれば復興には10年単位で20年とか30年以上かかるのではないでしょうか。

国民の多くがこれを契機に日本の文明のあり方そのものを変えるくらいの決断をしなければ今までの延長線上でのエネルギー政策、環境政策しか実行できず、結果としてより大きな社会全体の変革は実行できないと思います。もちろんそこには原発の現状維持も含まれます。そしてもっと深刻で早急な対応を必要とされる地球規模の気候変動、地球温暖化問題についても抜本的な社会全体の方向転換は出来ないと懸念しています。(もちろん他の国々はもっとひどいのかもしれませんが。) みなさんはどう思われますか?

  



2011年03月16日

【予測不能の大惨事へ】

朝起きて、新聞の紙面を見て本当に身の毛のよだつような思いです。福島第一原発は常駐の運転員が放射能濃度が高まって制御室から退避し、原発の現状把握が困難な状況だそうです。恐れていた最悪の最悪というか、複数の原発が制御不能でメルトダウンを次々と起こしていく可能性が高まっています。チェルノブイリ以上の惨禍になる可能性があると思います。これからの事態の推移は出来る限りの情報を集めて、ひとりひとりがしっかりと想像力を働かせて次にどうすべきかを自ら判断していく必要があります。

日本全国が原発被災地になり、地球全体が汚染される可能性が高まっているのかもしれません。本当に大変なことです。地球汚染の責任は日本国が背負うことになるでしょう。

あとひとつだけ、これを読んでおられる福岡のみなさんへ。東日本の惨禍を見るにつけ、これからの日本の復興は西日本、特に九州が元気を出して引っ張っていくことになると思います。勇気を出して日本の再興に向けて頑張りましょう。
  



2011年03月15日

【危機続く】

まだまだ予断を許さない状況が続いています。

『東日本大震災に見舞われた東京電力福島第1原発で14日、2号機の燃料棒が一時、冷却水から完全に露出するという、前例のない事態が起きた。一時的な「空だき状態」で、最悪の場合は米スリーマイル島原発事故のような非常事態につながりかねない。同日午前には、3号機の原子炉建屋(たてや)で水素爆発が発生。完璧な管理によって、その安全性を強調してきた日本の原発は、前代未聞の制御不能状態に陥っている。

 2号機では14日午後、原子炉圧力容器内の水位が一気に低下し始めた。このため、原子炉建屋が爆発した1、3号機よりも優先して注水作業が続けられたが、水位の低下を止められず、約4メートルある燃料棒全体が露出する「空だき」状態が一時的に発生した。

 その後の注水で水位は上昇したが、万が一、水位が回復しなければ、燃料棒が溶ける炉心溶融が進行し、原子炉内の燃料の大半が溶ける「メルトダウン」と呼ばれる事態になる恐れがあった。

 これは原子炉自体が損傷し、放射性物質が外界に拡散しかねない事態だ。』
(3月14日付毎日新聞)


【現場の努力に敬意】

原子炉の「空だき状態」が一時的にせよ起きたことにショックを受けました。報道にある通り、冷却水がなくなって燃料棒全体が露出することを「空だき」状態と言い、これが続くと最悪の場合原子炉内の燃料が溶ける「メルトダウン」に陥るのです。メルトダウンとなれば原子炉内の放射能が外部に放出されることが予想されますから、絶対に避けなければならないのです。

問題なのは空だき状態となった2号機だけでなく、1号機も3号機も建屋が爆発で破壊され依然として安心できる状況ではないことです。ひとつの原子炉だけでも大変なのに3つも同時に危機的状況にある。これはもはや最悪の事態を想定して、福島県だけでなく首都圏も含め、ヨウ素剤の頒布や大規模な避難計画を実施すべきときに来ているのかもしれません。そして長期的な電力不足に対応した経済の立て直しを早急に検討すべきだと思います。

平和で安全な日本という国が今脆くも崩れ去ろうとしています。日本に今いる僕たちは福島原発の周辺の方々だけでなく、すべての地域で戦争以上の国家存亡の危機にあることを肝に銘じておかなければならないと思います。

今はとにかく、そんな危機的な状況の中で必死になって、死を覚悟で現場の方々がメルトダウンという最悪の事態に至らないように動いている。僕らはこの方々たちの無事を祈り、最悪の事態にならないように祈りたいと思います。


そして最後に、福岡でこのブログをご覧になっているみなさんも決して遠い地域のことと思わないようにしてください。想像力を働かせてください。今の状況がさらに悪化すれば、食べる物、着るもの、生活する人間もすべて日本全国はつながっているのです。私たちはどこにいても日本にいる限りは運命共同体なのです。(このブログを更新した15日午後6時半の時点では福島第一原発2号機は「空だき状態」から圧力容器の一部が損傷し、外部に高濃度の放射能が放出する事態となっています)  



2011年03月14日

【依然、危機的状況】

海外メディアは福島原発の危機的状況について詳しく報道しています。

『米メディアは福島第一原発1号機の事故について「緊急事態の一層の悪化」(ニューヨーク・タイムズ紙)、「最も深刻に懸念される事態」(CNNテレビ)などと最大級の扱いで詳報している。

 CNNでは、専門家が「核の大惨事が近い」などと危機感を表明し、「避難範囲を広げよ」と求めた。

 12日夕の番組では、出演した藤崎一郎駐米大使に、キャスターが「チェルノブイリ原発事故の再発をどう防ぐのか」「外国からの支援が必要ではないか」と問い詰め、大使が「放射線量は減少している」「我が国だけで対応している」と反論する一幕もあった。』(3月13日付読売新聞)


【予断を許さず】

13日(日)午後8時半現在、福島第一原発の1号機、3号機とも一応海水を注入することで落ち着いているように報道されています。しかし、本当のところ、どこまでメルトダウンが進んでいるのかいないのか報道からだけでは窺い知れません。政府は今回の事故ではかなり情報開示と住民の不安の払しょくのために全力で努力しているという姿勢が読み取れますしかしながら、危機的状況はまだ現在進行形で続いていると思った方がいいと思います。

まだまだ1986年4月26日に起こったソ連のチェルノブイリ原発事故のような放射能の大量放出という事態に至らないという確信は誰ひとりとして持てない状況が続いているのです。

「もしも」ということは考えたくないし、そうなってはいけないのですが、想像力を働かせて、次にどうすべきかを日本国民すべてが考え抜く必要があると思います。もちろん現場の東電社員などのスタッフ、消防士、自衛隊の方々などは死を覚悟しながら必死の努力を続けておられます。それは絶対に忘れてはならない。と同時に僕ら一般市民も今考え抜くことが次の事故を防ぐことにつながることになると思います。たとえ今回の最悪の事態は防げなくてもです。

とにかく、僕らは市民は現場の方々の努力が実ることを祈り続けましょう。  



2011年03月13日

【メルトダウン】

ついに起こってしまいました。1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故から25年。あのときの恐怖がよみがえります。あの事故の後、日本でも福島原発や美浜原発、浜岡原発、志賀原発などできわどい事故を繰り返しながら、1999年には東海村のJOC核燃料加工施設の臨界事故という重大事故を起こし、ついに今回の福島第一原発のメルトダウンに至りました。

もう昨日から刻々と流れるニュースをテレビやインターネットのニコニコ動画などを見ながらTwitterやfacebookで情報交換し、ただただメルトダウンが圧力容器の破壊→大量の放射能放出にならないようにと天に祈りました。

【とりあえず最悪を回避】

そして昨夜の枝野官房長官による政府発表。少ない情報開示にいら立ちながらも、午後3時半ころに起きた爆発は建屋のみを破壊しただけで格納容器・圧力容器は破損を免れたと聞き、本当に、本当にとりあえず安堵しました。記者会見場にいたメディアも日本全国の人たちも同じ気持ちだったと思います。

もし、建屋だけでなく格納容器も破壊されていたら、大量の放射能が大気中に放出され、福島原発の周辺から風の向きに従って放射能雲が漂い、日本の中枢である首都圏を中心に非常事態に陥っていたと思います。そうなったら放射能にまみれながら津波や地震の被災地域を救助するというまさに「地獄絵図」そのものになったことでしょう。そしてそれは地震の復興であればある程度の期間で出来ますが、放射能災害となればチェルノブイリ同様、放射能汚染という目に見えない怪物との闘いとなり、高濃度の汚染地域を見捨てるなどの悲惨な状況となるほか、これからほぼ永久に放射能汚染と闘い続けることになるのです。

【油断は禁物】

政府は福島第一原発の事故を起こした炉に海水とホウ素を注入し、大量の放射能放出を全力で回避すると発表しました。現場ではおそらく死を覚悟した東電社員、自衛隊員などの必死の努力が続けられていると思います。日本の運命はまさにその現場の方々にかかっています。とにかく僕らは祈るしかないです。

しかし、油断はまったく出来ません。福島第二原発も緊急事態だと聞いています。また、大きな余震によって第二のメルトダウンが起きるかもしれません。

日本全国に存在する55基の原子力発電所。今回の地震が想定外だったとかいろいろな言い訳は言えても、一旦放射能が大量に放出されればそんな言い訳では誰も助からないのです。これからも原発が稼働する限り、活動期に入ったと言われる日本列島の住民である僕たちはこの現実から逃れることは出来ないと肝に銘じておかなければなりません。

今回の事故はまさに天からの啓示だと思います。天は人類への警告として日本を選んだ。「日本人よ、目覚めよ。」と。「いつまでこんな綱渡りを続けるつもりなのか」と。

きっと政府や関係者は事故が落ち着いたらまた言い訳の世界に戻ることでしょう。でも本当に本気でどうするのか考えてほしいと思います。日本列島どこも誰ひとりとして逃げ場はないということを。
もちろんこれをご覧になっている福岡の方々も例外ではありません。  



2011年03月09日

【深海温度上昇】

海の奥深いところでも温度の異常が起きているようです。

『深さ3000メートル以深の海水温が地球のほぼ全域で上昇していることを海洋研究開発機構が突き止め、5日付の米地球物理学誌で発表した。年間の貯熱量は、国内の全エネルギー消費量に換算して25~65年分に匹敵した。地球温暖化が原因とみられる。海水温の上昇は、海流の変化や海面上昇をもたらし、地球規模での異変につながる恐れがあるため、観測強化が急がれそうだ。

 09年までの10年間、海洋地球研究船「みらい」などを使って世界各地の海水温を測り、90年代の記録と比較。南極海を中心に深層の水温が10年間で最大0・077度上昇していることが分かった。地球の平均気温は100年間で0・7度上昇したが、もし深海の貯熱効果がなければわずか1年で気温を0・2度押し上げた恐れがある。

 原因として、温暖化で南極周辺の海面近くの水温が上昇したために、本来深海に沈み込んでいた氷になるような冷水の量が減り、海洋大循環で地球規模に広がったことが考えられるという。今後、深海のこれまで温暖化を和らげてきた「クッション役」が継続するのか注視する必要がある。』(3月4日付毎日新聞)


【深刻化する地球温暖化】

地球温暖化のメカニズムに関して素人にはなかなか事の重大さはわかりにくいのですが、地球のほぼ全域の3千メートル以上もの深海で海水温が上昇しているというのは現象面だけ捉えてもかなり深刻な事態だというのが僕らにもわかります。記事にあるように極地の温暖化によって深海に浸みこんでいくべき冷水の量が減り、海洋の大循環のサイクルが大きな異変を起こしているというのが科学者の見方のようです。

すでに温暖化の影響が海の奥深いところまで来ているとすれば、これはもう取り返しのつかないところまで来ているのではないかとの懸念が高まります。短期的に見てもここ数年から10年の期間に世界各地で起こった干ばつ、洪水、山火事、ハリケーンなどの自然災害の大規模化の少なからぬ原因は地球温暖化の進行にあると言われていますが、中長期的に見ても地球温暖化が関係していると見られる深海温の上昇はさらに大きな異変を地球全体にもたらすことになるのでしょうか。  



2011年03月04日

【ついにオープン!】

博多駅がついに3月3日、新装オープンしました。

『新しい博多駅ビル「JR博多シティ」(福岡市)が3日、本格開業した。開店に先立つ記念式典で、JR九州の唐池恒二社長らがテープカット。「国内最大の商業駅ビル」とうたう施設の門出を祝った。

 式典は午前8時40分、百貨店「博多阪急」前で始まり、駅前広場に模造の桜吹雪が舞った。唐池社長は「テナントは日本一の顔ぶれになった。愛される街に育つよう力を尽くし、九州、西日本、アジアを見据えた情報発信基地をつくりたい」とあいさつした。

 この日は小雨の中、開店前には約1100人が並び、1時間早めて午前9時にオープン。午後9時までの通常営業(レストラン街など一部を除く)が始まるため、プレオープンした2日の約18万5000人より多い人出が見込まれる。

 JR博多シティは1889年の鉄道開業時に完成した初代駅舎から数えて4代目となる。12日には九州新幹線が全線開業し、山陽新幹線と直通運転する。九州内だけでなく、中国、関西地区との所要時間が短縮され、より広域からの集客を目指している。』(3月3日付毎日新聞)


【博多の新しい顔】

新装オープンした3日の昼休み、韓国の留学生と一緒に新装なった博多駅の専門店街アミュプラザを歩いてみました。JR九州が社運を賭けて開業しただけあって来訪者を喜ばせる様々な仕掛けがしてありました。そのひとつが屋上の「つばめの杜ひろば」。旅の安全を祈願する鉄道神社やその参道沿いのお店、つばめ電車に展望台と若い人たちの新しいデートコースにも、家族連れのお楽しみにも、サラリーマンのお昼のお楽しみにも使えそうな楽しいスペースが広がっていました。その展望台から観た博多の町も素晴らしい眺めでした。

そもそも福岡市の表玄関のひとつ、JRの駅名が「福岡駅」ではなく「博多駅」となっている由来を知っている人は博多ではモグリですが(笑)、他県から来た人は知らないことが多いのではないでしょうか。

福岡とは江戸時代に黒田藩が封ぜられ福岡城を中心に栄えた武家の町であるのに対し、博多とは古代から大宰府の外港として栄えた町人の町だったのです。しかし、明治22年4月「市制及び町村制」の公布に基づき、県令により博多・福岡をまとめて「福岡市」として市制施行することとなり、九州鉄道の駅名を「博多」とすることにより市名議論の決着を図ろうとしたことが現在の「JR博多駅」の由来なのです。最近では、どちらかというとかつての武士の町・福岡地区、すなわち天神地区等のほうが栄えて、博多地区のほうがかつての賑わいを失いつつあると言われていました。そういう博多地区の劣勢をJR博多駅が挽回する起爆剤になってほしいと僕ら博多っ子は密かに期待しているのです。

JR博多駅の新装オープンが、歴史と伝統と市民の町、博多に賑わいを取り戻すキッカケになってほしいものです。  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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