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2011年04月25日

【謝罪と怒号】

東電の清水社長がやっと住民の方々に謝罪しました。

『東京電力の清水正孝社長は22日、福島第1原発事故で周辺住民が避難している福島県内の避難所を訪問した。事故から約1カ月半。ようやく謝罪に現れた社長に、住民は怒りをあらわにした。
 清水社長は午後1時半ごろ、約1500人が避難する郡山市のビッグパレットふくしまに、青の防災服姿で現れた。2時間近くにわたり、時には土下座しながら住民にわびて回った。
 富岡町の主婦遠藤恵子さん(55)は「きれいな富岡の町を返してください。もう帰りたいんです」と涙を流しながら清水社長に詰め寄った。夫(55)と2人の避難所暮らしは1カ月以上。持病も悪化し、先行きの見えない生活に死を考えたこともあるという。
 避難先で前日、母親(95)が亡くなったという横田一也さん(63)は「避難先で知人8人を亡くした。東電は殺人者だ。もう流す涙もない」と怒りをぶちまけた。
 「どんな思いで生活しているか、ここで寝起きしてみて」。富岡町の農業佐藤ふじ子さん(58)も声を荒らげた。一時帰宅した際、飼っていた牛8頭のうち4頭は死に、子牛を身ごもっていた母牛の姿はなかった。「謝罪はうわべだけ。生活をどうしてくれるのか」と吐き捨てるように言った。
 一方、避難者の中には「頑張ってください」「体に気をつけて」と励ます人もいた。
 清水社長は謝罪を終え、「心身ともにご苦労されている様子が身にしみた。今まで築き上げた地域との信頼関係が崩れたと痛感した」と語った。その後、夜には同原発がある双葉町の住民約1400人が集団避難生活を送る埼玉県立旧騎西高校(同県加須市)を訪問。井戸川克隆町長に「一日も早く皆さまが故郷で生活できるよう全力を尽くしたい」と謝罪したが、同校での滞在時間は7分程度で、町民には会わなかった。』(4月22日付時事通信)


【悪いのは東電だけか?】

清水社長の謝罪はあまりにも遅く、あまりにも型どおりで住民の方々からすれば「今頃何しに来た?」という気持ちだと思います。謝って済むような問題ではないのは明らかです。原発の建設から稼働に至るまで何でも金で解決できると傲慢に振る舞ってきた東電は、もう二度と住民の信頼を得ることはないでしょう。他の電力会社も同じだと思います。

でも悪いのは東電だけではありません。もともと電力会社は単に電気をつくり、町や村に安定的に供給するだけの民間企業です。一旦事故を起こせば悪魔のように生物に襲いかかる放射能をまき散らす原子力をここまで住民を騙し、国民にウソをつき、命にかかわる情報を隠し続け、安全への努力を怠り続けたのは、原子力安全・保安院をはじめとする経済産業省を頂点とする官僚組織であり、それを容認し続けた自民党や民主党の過去数十年以上にわたって政治を担ってきた政治家であり、それに迎合してきた学者であり、真実の報道をしてこなかったメディアであり、最後にそれを黙って見過ごしてきた僕ら国民全部なのです。

これから何十年と続くであろう核汚染、残留放射能の恐怖を身を持って知り、原子力の本当の見直しをしていくために、今まで原子力に関わってきた官僚や政治家はすべて福島に行って住民の方々の怒りを真正面から受け止めるべきだと思います。僕らもこんな惨事を招いた当事者として今この瞬間の被災地の方々の怒りを胸に刻んでおかなければなりません。これからも地震列島ニッポンの原発による汚染は避けられないでしょう。そのとき僕たちも日本全国どこにも逃げ場はない原発列島に住む住民のひとりとして、これからも放出される放射能から逃げることはできないのですから。  



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