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2011年10月28日

【2倍以上?】

どうしてこれほど違う数字が出てくるのでしょうか?

『東京電力福島第一原発事故の初期に放出された放射性物質セシウム137は約3万5000テラ・ベクレルに上り、日本政府の推計の2倍を超える可能性があるとの試算を、北欧の研究者らがまとめた。

 英科学誌「ネイチャー」が25日の電子版で伝えた。世界の核実験監視網で観測した放射性物質のデータなどから放出量を逆算。太平洋上空に流れた量を多く見積もっている。』(10月27日付読売新聞)


【広島原爆との比較】

もともと福島第一原発の核惨事から放出された放射性セシウムの量については、菅内閣が衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出していた試算があるという報道が、8月26日に時事通信からされました。それによるとセシウム137の放出量は、メルトダウンした福島第1原発1~3号機が1万5000テラベクレル(テラは1兆)、広島原爆の168.5個分(広島原爆1個は89テラベクレル)だったということです。この数字と照らし合わせると、確かに今回の北欧の研究者による試算が政府推計の2倍以上ということになります。また、広島原爆何個分というたとえが適切であるかどうかは議論の余地があるところですが、この数字も393個分というとてつもないものになります。

3万5千テラベクレルという数字がどれほどの量なのかは僕には実感できません。しかしながら、今になって福島の高濃度汚染地域と同じあるいはそれ以上の放射性セシウムが関東周辺でもホットスポットとしてあちこち見つかっている事実を見ればさもありなんということなのでしょう。これから数年後、あるいは10年、20年後の放射性物質の拡散による健康被害がどういうものになるのかを検証するときになって初めて僕たちは3万5千テラベクレルの本当の恐ろしさを知ることになるのかもしれません。だからこそ、この数字は記憶しておくべき数字として取り上げておきました。

≪参考≫ 論文と「ネイチャー」の記事(英語)
・ Xenon-133 and caesium-137 releases into the atmosphere from the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant: determination of the source term, atmospheric dispersion, and deposition - ACPD
  




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