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2012年04月23日

【大飯を捨てて伊方へ】

何としても原発の再稼働を急ぐ政府・民主党。ますますきな臭くなってきました。

『四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働推進論が政府・民主党内で急浮上している。原発再稼働の手続きでは、関西電力大飯3、4号機(福井県おおい町)が先行しているが、近隣府県の強硬な反対に直面。国内で唯一稼働中の北海道電力泊3号機(泊村)が5月5日に運転を停止した後、「原発ゼロ」の事態が長引く可能性があるためだ。
 民主党の前原誠司政調会長は22日午前のNHK番組で、原子力規制庁の発足まで再稼働の手続きを進めるべきでないとの意見が出ていることについて「そうは思わない」と反論し、国の原子力安全委員会と経済産業省原子力安全・保安院で対応できるとの見解を示した。これに関し、民主党幹部は「伊方原発は安全委のチェックが済めば手続きを進める」と語った。』(4月22日付時事通信)


【何が何でも再稼働?】

大飯原発の再稼働が時間がかかりそうだと見るや、次は電力業界との関係が深いと言われる仙石由人民主党政策調査会長代行が全面に出てきて、「原発を止めたら日本は集団自殺をすることになる」と発言したり、今度は仙石氏が会長をつとめる前原グループの前原誠二政調会長が伊方原発の再稼働を急ぐ発言をしたり、政権内部の何が何でも再稼働を進めたいとの思惑ばかりが見え隠れします。

おそらく電力業界をはじめとする原発再稼働をなんとしても急ぎたい原子力ムラの圧力が政治家を駆り立てているのでしょう。フクイチの大惨事後も事故の収束はまったく見えない上に、原発をどうするのか中長期的な展望を国民の前になんら示すこともない政府・民主党が再稼働を急ごうとすればするほど原子力に対する国民の信頼はどんどん地に堕ちていくでしょう。

フクイチ事故が起こった後に原子力の専門家として総理官邸から協力要請を受けて内閣官房参与として3月29日からほぼ半年間、その苛烈で生々しい事故の内情をつぶさに知り、関東3千万人の避難という最悪の事態の直前まで行こうとした恐るべき惨事に立ち会った田坂広志氏が書いた「官邸から見た原発事故の真実~これから始まる真の危機~」という本がここにあります。

その著書の中で田坂氏は、原発事故の後の現在の「最大のリスク」は何かと問われ、「政界、財界、官界のリーダーの方々の中に広がっている「根拠のない楽観的空気」」だと語っています。

そして、フクイチ事故が一時は首都圏3千万人の避難もあり得たという事実の重みを真剣に受け止めていないリーダーが多いこと、そのために起こる最大の問題は「信頼の喪失」であると警告しています。さらに原子力はそのとてつもない危険性と原子力が本来抱える究極の問題である「高レベル放射性廃棄物」の問題に対して根本的な解決策が示されない限り、国民の信頼は得られないと述べています。

まさに今回の原発の再稼働を巡る政府・民主党、原子力安全・保安院を筆頭とする官僚組織、電力業界、産業界、一部大手メディアなどの原子力ムラといわれる人たちは、「根拠のない楽観的空気」に未だ支配され、国民の信頼を回復するどころか、新しい安全神話を作らんばかりに声高に安全対策は実施したと公言し、大飯が当面ダメと見るや、次は東海・東南海・南海地震と津波のリスクが高まる伊方原発を何が何でも再稼働させようとしているのです。
彼らはこんなやり方で国民の信頼が得られると思っているのでしょうか?ほんとうに恐ろしい国家だと思います。

≪参考≫

・田坂広志氏のブログ「新しい風」

・田中龍作ジャーナル「【福井報告】弱者の味方も今は昔 仙石氏『他の原発も再稼働する』」2012.4.16
  




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