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2012年05月17日

【議論の行く末は】

本当にどこまで真剣な議論が行われているのでしょうか?

『原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のあり方を検討する内閣府原子力委員会の小委員会(鈴木達治郎座長、委員6人)は16日、処理方法ごとに経済性や克服すべき課題などを総合評価した結果をまとめた。各委員の意見では、従来の国の方針だった使用済み核燃料をすべて再利用する「全量再処理」を積極的に支持する委員はおらず、再処理と直接処分(地中埋設)の併用を支持する意見が多数となった。政府のエネルギー・環境会議が夏にもまとめるエネルギー中長期戦略に影響を与えそうだ。

 小委は、使用済み核燃料を▽全量再処理▽全量直接処分▽両方の併用--の三つの政策選択肢について評価した。小委として意見の一本化はしないが、16日までの議論で示された委員の意見では、全量直接処分を支持する委員は1人で、併用支持が最多の4人。残る1人は、将来の原発比率や青森県六ケ所村の日本原燃再処理工場の稼働状況を見極めるまで政策決定を先送りする「留保」を支持した。

 委員の支持を集めた「併用」は、六ケ所再処理工場を完成させた後に使用済み核燃料を再処理しつつ、同工場の処理能力を超える分は直接処分も可能とする政策。将来の原発依存度や再処理工場の新増設、高速増殖炉の実現見通しなど不確定要素が多い中、「政策の柔軟性がある」と評価された。

 これに対し、全量直接処分は総事業費が10兆9000億~11兆6000億円と他の方法より約3兆円安く、将来の原発依存度にかかわらず最も安上がりとなった。一方で、再処理を前提に使用済み核燃料を受け入れてきた青森県の反発や埋め立て地の選定が難航するリスクがあり「使用済み燃料が行き場を失う」と指摘された。コストが最も割高とされた全量再処理は経済的には不利だが、ウラン資源節約などの利点があるとされた。

 評価結果は月内に政府のエネルギー・環境会議に送られ、エネルギー中長期戦略に反映される。【阿部周一】』(5月16日付毎日新聞)

【先送りは最悪の選択】

ハッキリ言ってフクイチという日本を破局に陥れた可能性のある史上最悪の核惨事を経て、このままでは日本は本当に崩壊するという危機意識を持って将来のエネルギー戦略を議論すべきなのに、詳しい議論の中身まではわからないものの、報道されている記事で判断すると再処理と直接処分を併用する案が専門家の支持を集めたり、政策そのものを「先送り」しようという選択肢も出されたりとこの期に及んでも核燃料サイクルの延命を意図しているような気がしてなりません。

原子力小委員会のメンバーのひとりで、原発反対派の原子力資料情報室の伴英幸代表は、大量にたまっているプルトニウムの消費見通しが立たない中では再処理工場を即刻止めるべきだと主張されているそうですが、本気で政策の見直しをしようとすれば当然の意見だと思います。

結局、原子力を推進する立場の有識者と呼ばれる人たちは、現行の政策を大きく変更すれば青森県六ケ所村を抱える青森県や原発立地自治体、電力業界の反対を招くのが怖くて腰が引けている政府におもねっているとしか考えられません。こんなことで、日本のエネルギーの本当の変革が出来るのでしょうか。政府の言う「革新的エネルギー・環境戦略」の取りまとめは今年の夏だそうですが、小手先の政策変更でお茶を濁すならば将来に大きな禍根を残すことになるのは間違いないでしょう。

またしても日本の政府や官僚のお家芸である問題の「先送り」がだんだん明らかになってきています。原子力ムラにおもねり、国民の安全をおざなりにする有識者たちなど不要です。  




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