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2012年05月24日

【不思議な選択肢】

高速増殖原型炉「もんじゅ」の将来についての選択肢が4つ示されたそうです。

『日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の将来の研究開発の進め方について、文部科学省は23日の原子力委員会新大綱策定会議で、廃炉を含めた選択肢4案を示した。政府がもんじゅ廃炉案を本格検討するのは初めて。

 4案は、(1)運転開始後10年以内の実用化を目指して従来通り推進(2)当面3~5年運転し実用化が可能か判断(3)実用化を断念し国際的な増殖炉研究施設として活用(4)廃炉にして基礎研究のみ継続--としている。

 もんじゅは原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の要に位置づけられてきたが、原子力委の専門部会は16日、使用済み核燃料をすべて再利用する「全量再処理」▽すべて地中に埋める「全量直接処分」▽両者を併用--の3選択肢を提示した。文科省案では、全量直接処分を選ぶ場合は使用済み核燃料が得られないので高速増殖炉は(3)と(4)になる。全量再処理または併用を選ぶならば(1)と(2)が選択肢になる。【阿部周一】』(5月23日付毎日新聞)


【廃炉は必然】

過去にこのブログでも何回か取り上げましたが、「もんじゅ」が目指す高速増殖炉というのは、核兵器保有国が核兵器用のプルトニウム製造炉としてスタートした、原爆製造用原子炉で、これに成功すれば、核分裂しないウラン238を使って、原子力発電でも燃料を100倍以上使え、ウランが40年で枯渇しても「夢の原子炉」として4000年以上も資源を使えるとかつては謳われました。
しかし、現実には、その破格の危険性ゆえに1984年にはアメリカが研究から撤退、イギリス、ドイツ、フランス、ロシアもすべて、重大事故を続発してすでに開発・実用化を断念している代物なのです。

そんな危険を顧みず、日本だけが開発を継続、1995年に発電開始して3カ月も経たずしてナトリウム漏れ事故でストップ、その後も動いていないのです。さらに恐ろしいことにあるだけでも危険な炉なのにその立地地点の真下には白木・丹生断層が走り、その周辺にも活断層が走っているというのです。

こんな超危険な代物を安全に運転するなんて原子力の専門家でも信じていないというのに、今回の文部省の「もんじゅ」の将来像の選択肢といえば、推進継続、数年稼働、研究用として活用、廃炉にしても基礎研究継続だそうです。僕はただの素人の市民ですが、専門家でなくても「もんじゅ」の危険性に目をつぶって何としてでも延命を図ろうとする意図ばかりがちらつく選択肢では到底信じられないというのが正直なところです。もういいかげん問題の先送りをしている場合じゃないということがまだわからないのでしょうか。

しっかりと一言漏らさず公開の上で議論して、ちゃんと勇気を持って「完全に廃炉」という結論を出すことが市民の命を守る専門家の役割だと思うのは僕だけでしょうか。誰におもねっているのか疑ってしまいます。
  




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