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2012年10月31日

【関電が先陣】

関西電力が他の電力会社の先陣を切って電気料金値上げ表明を行いました。

『関西電力の八木誠社長は29日、電気料金値上げについて「具体的な検討を開始した」と正式表明した。原発停止に伴う財務悪化を食い止めるには値上げしかないとの判断で、九州電力も30日に値上げ検討を表明する方針。北海道、四国、東北電も値上げを模索しており、9月の東京電力に続き電気料金値上げが全国に波及する。

 値上げ時期や値上げ幅について八木社長は「未定」としたが、同社は13年4月にも家庭向けで平均15%程度、企業向けで20~30%値上げする方向で検討している。家庭向けは規制料金のため政府の審査対象になる。審査には4カ月程度かかるとみられ、その結果、関電は追加コスト削減などを求められる可能性がある。認可申請を伴う関電の本格値上げは第2次石油危機後の80年以来33年ぶり。

 関電が29日発表した12年9月中間連結決算は、最終(当期)損益が1167億円の赤字(前年同期は204億円の黒字)で、上期としては創業以来最悪だった。7月に再稼働した大飯原発3、4号機を除く原発9基の停止で、火力発電燃料コストが前年同期比1800億円増加。福島第1原発事故前との比較では、年7000億円の燃料費増となる見通し。関電は、原発による発電比率が5割程度と大手で最も高く、発表済みのコスト削減策だけでは燃料費増の影響を補い切れなかった。

 13年3月期通期の業績見通しは「未定」としたが、資源エネルギー庁の試算によると、大飯以外の原発が停止したままでは13年3月末時点の純資産額は前期比5820億円減の5747億円に減少、14年3月期中に債務超過に陥る可能性が高い。八木社長は「再稼働できない状況が継続すると財務体質が大幅に悪化し電力の安定供給に支障を来しかねない」と値上げへの理解を求めた。

 九電も、原発6基すべてが停止しており、エネ庁試算で今期4700億円の追加コストが発生し、13年3月末時点の純資産は3088億円まで減少する見通し。30日の中間決算発表で値上げの意向を正式表明し、関電と同時期の値上げ実施を目指す。北海道、四国、東北電も原発停止で赤字体質に陥っており、関電、九電に続く値上げを模索している。中部、北陸、中国電は値上げに慎重だが「今後も原発停止が続くようなら値上げも視野に入る」(中部電関係者)。東京電力も柏崎刈羽原発の13年4月再稼働ができなかった場合、追加値上げなどの対策が必要になる。【宮島寛、和田憲二】』(10月30日付毎日新聞)


【初めに値上げありきでいいのか】

「傲慢不遜」という言葉はまさに今日のニッポンの電力会社の姿勢を表すために作られた言葉ではないかと思うほど、八木社長の値上げは当然という態度にはあきれてモノも言えません。 「電力の安定供給に支障をきたしかねない」という脅しをちらつかせる様は、原子力発電を金科玉条として推進し、反面地域独占にあぐらをかいて経営の合理化努力を怠ってきた自らの経営の失敗をすべて電力の需要者である消費者や企業に押し付ける傲慢不遜な電力会社の姿勢を象徴しています。

最初は国家の原子力政策に協力してきただけだったかもしれません。しかし、最近では東京電力を頂点に電気事業連合会という業界団体が政府との力関係を逆転させ、原子力の安全対策もないがしろにしてきた結果が東電福島第一原発の核惨事だったことをもう忘れたのでしょうか。債務超過の可能性に至っているのは、そのツケが今回ってきたということです。特に関西電力は東電が国有化されてしまい、電力業界の雄の立場からずり落ちたことから東電に代わって地域独占の甘い汁を守るべくますます傲慢な姿勢を強めています。

関電をはじめとする電力会社は、ここは公益企業の原点に立ち戻って、お客様である消費者や企業のために自分たちがまず何をなすべきかをしっかりと反省し、資産売却や経営陣の報酬返上などにより肥え太った体質を思い切って改善すること、さらには不良資産となってしまった原子力施設の国家への譲渡などにまで踏み込んだ交渉を政府とやっていくべきではないでしょうか。いつもいつも、「電力の安定供給が脅かされる」とか「計画停電にするぞ」といった脅しだけでは国民は納得しないでしょう。
  




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