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2012年11月29日

【小沢氏の影】

早くも日本未来の党に対する批判が出始めています。

『28日に発足した日本未来の党(代表・嘉田由紀子滋賀県知事)は嘉田氏を「選挙の顔」として第三極の核を目指す。しかし、合流する前衆院議員や参院議員計73人のうち8割以上の60人を「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)が占め、小沢氏の影響力は否めない。「結局、小沢氏の党になる」(自民党の安倍晋三総裁)という批判もあり、小沢氏の影が重荷になる可能性もある。【中島正哉、加藤明子】

【小沢一郎氏はこう語った】無罪確定で会見(11月19日)

 「合流してくれる生活のみなさんにごあいさつと、目前の選挙態勢の打ち合わせだ」

 未来の代表代行に就任するNPO「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は28日、東京都選管への届け出前に東京・永田町の生活本部を訪れ、生活の党職員の助けで提出書類を整えた。

 未来の結党時の届け出メンバー8人のうち6人が生活。小沢氏の元秘書の川島智太郎前衆院議員をはじめ、森ゆうこ、佐藤公治、谷亮子参院議員ら小沢氏の側近が並ぶ。やはり届け出メンバーの「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」の山田正彦共同代表も小沢氏と近い。

 森氏は28日、滋賀県知事公舎を訪れて嘉田氏と会談。終了後に記者団に「代表の仕事がやりすくなるよう、私どもがサポートする。遊説の希望もうかがった」と語った。国政選挙の経験が豊富な小沢氏が、実務を通じて実権を握る気配が早くも漂い始めている。

 嘉田氏から連携の打診を受けたみんなの党の渡辺喜美代表は28日、嘉田氏の留守番電話に「アジェンダ(政策課題)が一致すれば同じ方向を向いて歩くことはありうる」と吹き込んだ。

 一方で、28日の記者会見では衆院選前の合流を否定。未来に生活が合流することについて「背後にいる大物が、黒衣のように嘉田さんを操ることにならないよう願いたい」と小沢氏をけん制した。

 嘉田氏も「小沢色」を警戒しており、賛同人にミュージシャンの坂本龍一氏ら著名人を加えた。しかし、賛同人には小沢氏と近い稲盛和夫・京セラ名誉会長も名を連ねている。』(11月28日付毎日新聞)


【歓迎と警戒】

原発が今回の総選挙の大きな争点となることは間違いなく、だからこそ各政党は原発への取り組みを公約の中に入れて国民にアピールしようとしています。日本未来の党が立ちあがったのもまさに原発をどうするかについて国民の関心が高まっているにもかかわらず、脱原発を本気で推進し、国会で大きな発言力を期待できる政党が見当たらなかったことがその背景にあります。

そんな環境下で急きょ立ちあがった日本未来の党。琵琶湖の水質問題などもともと環境保護に関心の高い滋賀県の嘉田知事が代表となり、代表代行に脱原発の理論派・行動派として有名な飯田哲也氏が就き、さらには脱原発を訴える坂本龍一氏などの有名人を賛同人として揃える同党は間違いなく脱原発に傾斜する国民にとって大きな期待を集める政党として躍進する可能性が高いと言えます。(そういう意味では財界や原子力ムラばかりにしか目を向いていない自民党等よりも日本未来の党の結党に尽力した小沢一郎氏のほうが大多数の市民・国民の声をしっかりと受け止めているのではないでしょうか。選挙に強いということは悪い意味ばかりではなく、その時々の国民の望むものをしっかりと見極める目を持っているということでもあります。)

しかし、その影で小沢一郎氏が動いたことは間違いありません。この記事が指摘するように、小沢氏の存在は、自民党や他の政党の恰好の攻撃材料となるでしょう。政党だけではなく原発を推進したい読売や産経などの大手メディアもネガティブキャンペーンを張る可能性も大でしょう。実際に脱原発の公約が反故にされるようなことになれば、現在の民主党と同じように内部分裂を起こすことになるでしょう。(今朝の読売朝刊の社説ではすでに「「卒原発」には国政を託せない」とまるで読売が日本政府のようなネガティブキャンペーンが始まっています。)

僕も小沢氏への警戒は緩めるべきではないと思います。ただ、だからと言って、せっかく、脱原発の政治勢力として大きくなる可能性のある政党ですから、今はチャンスを与えてはどうかと思います。小沢氏の脱原発への意思を形にした日本未来の党は、少なくとも自民党のような何でも先送りしか考えず、国民の声の重さもわかっていない勢力よりもマシだと思います。選挙後は小沢氏の傀儡政党と言われないように嘉田氏や飯田氏にしっかりとガバナンスをキープするように望むしかありません。みなさんはどう思われますか?
  



2012年11月27日

【嘉田知事動く】

滋賀県の嘉田知事が動いた。これからは女性が国を動かす。その象徴的存在になってほしい。

『滋賀県の嘉田由紀子知事は27日午後、大津市内で記者会見し、12月16日投開票の衆院選に向け、新党「日本未来の党」結成を表明した。嘉田氏は「卒原発」「脱増税」など六つの結集軸を掲げ、賛同する勢力と連携する方針を明らかにした。これに対し、国民の生活が第一は解党して合流する方針を決定。「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(略称・脱原発)も合流を決めた。
 既成政党とは一線を画す「第三極」陣営では、共闘を目指す日本維新の会とみんなの党にきしみが生じる一方、嘉田氏を中心に脱原発を旗印とした勢力の結集が急速に進展。「みどりの風」も合流を検討しており、衆院選の構図に大きな影響を与える可能性もある。
 会見で嘉田氏は「国民の信頼を取り戻し、希望を持てる未来への選択肢となる新しい政治軸を立てる」と訴えた。新党の代表には嘉田氏が、代表代行には橋下徹大阪市長(日本維新の会代表代行)のエネルギー政策でのブレーン的な存在だった飯田哲也大阪市最高顧問が就く。嘉田氏は知事を続投し、自らは衆院選には出馬しない。 
 一方、生活は27日、小沢一郎代表も出席して党本部で常任幹事会を開き、嘉田氏の示した「卒原発」などの結集軸について協議。「政策面では全く一緒だ」(幹部)として未来への合流を決めた。
 また、脱原発の山田正彦共同代表は生活本部で小沢氏と会談、脱原発も未来に合流することを伝えた。小沢氏はこの後、記者団に「脱原発も未来の呼び掛けに応じる」と語り、山田氏は「合流して一緒に頑張ろうということになった」と述べた。
 社民党に離党届を出した阿部知子前衆院議員も神奈川県藤沢市で記者会見し、未来への参加を表明した。』(11月27日付時事通信)


【市民の怒りを結集せよ】

昨年の3/11の福島第一原発の核惨事は日本の政治・文化・社会の情景を一変させました。この事故は人災であり、その人災は政治では自民党、経済界では電力会社、行政組織では中央官僚、学会では御用学者、そして大手メディアなどの原子力ムラにあります。今でも万人単位の福島周辺の方々が放射能におびえて暮しておられます。

そんな状況を無視したまま、あまりにも傲慢不遜、あまりにも無反省な自民党、3年間の大失敗に学べない民主党、コバンザメのように自民党について回るだけの公明党、こんな政党に日本の未来を託して、再び原発帝国に逆戻りしたらもうニッポンは次の原発大事故によって世界地図から抹殺されてしまうでしょう。残るのは10万年もの長い間有害な放射能を放出し続ける放射性廃棄物と逃げる術のない世界の棄民となった日本民族の無残な姿だけです。世界に誇る1千年の都・京都も放射能まみれになって人がいなくなれば10年と持たず朽ちてしまうでしょう。

そんな日本に絶対にしたくない。そう思うからこそ原発からの脱却を目指す。当然の感情であり、当然の人間らしい道です。そんなことすらかなぐり捨てて、「原発が再稼働しなければ日本経済は持たない」と国民を脅し続ける自民党をはじめとする政治家、電力業界、中央官僚、御用学者、大手メディアなどの原子力ムラの面々に痛烈な一撃をくらわせる時は今しかありません。

嘉田知事の新党「日本未来の党」、支持します。僕たちの原発への怒りを結集してほしい。その一点です。代表代行に飯田哲也氏が就くのも期待が持てます。小沢氏の剛腕、今までは嫌悪していましたが今回は違います。日本をいい方向に向かわせるのなら最後のチャンスを与えてもいいと思います。まだ政治的意思を固めていないあなた、あなたはどう思われますか?
  



2012年11月27日

【脱原発で結集?】

小さな党の寄せ集めでは自民・民主・公明には勝てない。ではどうするか。

『 「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)と新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(共同代表・山田正彦元農相、河村たかし名古屋市長)は、脱原発の第3極勢力を結集する新党結成に向けた調整に入った。

 「みどりの風」(共同代表・谷岡郁子参院議員ら)にも参加を呼びかけている。原発再稼働に慎重な姿勢をとってきた嘉田由紀子滋賀県知事を党首に迎える案が出ており、嘉田氏の動向が焦点だ。

 嘉田氏は26日夕、記者団に対して態度を表明する予定だ。関係者によると、嘉田氏はすでに「脱原発」の河村氏らと東京都内で会談し、原発政策などをめぐって意見交換した。河村氏は、新党が結成された場合、嘉田氏に党首に就任するよう打診したという。嘉田氏は、党首に就任した場合でも知事を辞職しない考えという。周辺では、新党の名称を「日本未来の党」とする案が出ている。

 脱原発の小泉俊明前衆院議員は26日朝のフジテレビの番組で、「別々の政党では、選挙戦は事実上できない。新しい党にひとつになるという方向を目指していきたい」と述べ、3党合流に意欲を示した。「みどりの風」の谷岡氏も同番組で、合流について「連携の必要性がある」として、検討する考えを明らかにした。』(11月26日付読売新聞)


【脱官僚支配は脱原発から】

総選挙の公示日をほぼ1週間後に控えて、大きなうねりが広がりつつあります。各種世論調査を見ても自民党、民主党の得票予想比率が高くなっている中、小政党がいくら頑張っても大勢を逆転するには力不足です。ではどうするか。やはり同じ政策目標を立ててひとつの党として政治勢力を結集することです。その目標として今最も多くの人々が何とかしたいと思っていることは何か。

それは原発を早くなくしてほしいということではないでしょうか。原発ゼロの期限目標はバラバラでも向かうところが同じであれば、総選挙後の新しい議席の中で決めることは十分できます。嘉田知事には是非新党を創ってその代表として頑張ってほしいものです。

脱原発というのはそもそも他の政策公約とはひとまわりもふたまわりも違う政策公約です。今回の総選挙で問われるべきは、福島第一原発事故が国の存亡にかかわるような重大な事故であったということ、地震大国日本では原発の真の安全は成り立たないという共通認識を持って、命を守り、日本の社会・経済・文化を守り抜くために脱原発を目指すかどうかです。脱原発は新エネルギー産業の創出と放射性廃棄物処理への明確な道筋の確率へもつながり、経済にもプラスの影響をもたらすでしょう。

そういう意味で既得権益まみれの自民党が原発温存を政権公約に入れるのは問題の先送り以外の何物でもありません。この政党の懲りない性根を糺すために、市民と第三局の政党が手を結べば脱原発は実現できます。最後まで頑張りましょう。
  



2012年11月22日

【政権公約発表】

自民党が政権公約を発表しました。

『自民党の安倍晋三総裁は21日、党本部で記者会見し、衆院選の政権公約を発表した。「デフレ・円高からの脱却を最優先に、名目3%以上の経済成長を達成する」と明記。2%の物価上昇目標を設定し、日銀法改正も視野に政府と日銀が連携を強化して大胆な金融緩和を行うことも盛り込んだ。外交・安全保障、教育分野では、集団的自衛権行使の明確化や「国家安全保障会議」の設置、教科書検定基準の見直しなど安倍氏の持論が色濃く反映された。

【物価目標3%は非現実的】日銀総裁が安倍氏に反論

 安倍氏は会見で「民主党のマニフェストはほとんど実行されなかった。国民の政治への信頼を取り戻すために、できることしか書かない」と強調した。

 経済政策では、政権復帰後、速やかに緊急経済対策を行い、大型補正予算を編成することを約束。経済財政運営の要として「日本経済再生本部」を新設する。

 また、「日米同盟強化のもと、国益を守る、主張する外交を展開する」と宣言。沖縄県・尖閣諸島国有化を念頭に、海上保安庁の強化を盛り込んだ。自衛隊の人員、装備、予算も拡充する。民主党政権のもとで冷え込んでいる中国、韓国、ロシアとの関係改善にも取り組む。教育では「6・3・3・4制」の学制を見直し、大学の9月入学を促進する。教育委員会制度も抜本的に改革する。

 一方、東京電力福島第1原発事故を踏まえたエネルギー政策では、原発再稼働の可否について3年以内の結論を目指し、10年以内に「電源構成のベストミックス」を確立するとの表現にとどめた。【犬飼直幸】』(11月21日付毎日新聞)

【バラマキ、軍備拡張、先送り】

テレビでは「安倍カラー」と表現していましたが、軍国色とでも表現したほうがいいのではないでしょうか。先ずはバラマキと金融緩和による経済再生を掲げて経済の低迷で苦しむ国民に甘い言葉を投げかけて、次に右寄りの安倍氏が従来から掲げていた憲法改正、集団的自衛権の行使などの軍拡路線の実現、最後に少しだけあまり触れたくない問題先送りの典型である原発の再稼働の実現を掲げています。

これって3年前に民主党に政権を奪われたときの自民党とどこが違うんでしょうか? またしても中央官僚と財界にべったりくっついてバラマキを大々的に行って経済を再生? 冗談でしょう、国の財政はすでにガタガタでそんな余裕がどこにあるというんでしょうか? 経済を再生するのは新産業の育成ではないんでしょうか、そのための有力な選択肢が危険な原発から当面の天然ガスコンバインドサイクル発電への転換、自然エネルギー産業の育成ではないでしょうか。復興予算の欺瞞を満足に追及することも出来ずにまたバラマキ? 酷い話です。

そして集団的自衛権の行使や国防軍といった軍事力の誇示をまたしても声高に主張する。任期途中で病気を理由に投げ出したような人がそんなことが出来るのでしょうか。さらにそのための教育改革でないかと勘繰りたくなります。

最後には、脱原発どころか原子力への回帰政策。これから10年も何も決めずに再稼働だけは3年以内にします。それってフクイチを経ても何も反省せず、国民の命も切実な声も無視して、原発問題を先送りして、またしても自民党がもたらした原子力政策の無策による核災害を容認するということではないでしょうか。

自民党が政権に復帰すればまちがいなく時計の針は逆戻りし、日本は次に起こる原子力災害によって経済の再生どころか、経済も社会も文化も再起不能の状況に陥るでしょう。「日本を取り戻す」? 過去何十年も問題を先送りしてきた自民党にそんなことが出来るとは到底思えません。それでもみなさんは自民党に頼りますか?
  



2012年11月20日

【廃止決定】

福島県が核燃料税の廃止を決定しました。

『福島県は19日、東京電力に課してきた核燃料税を今年限りで廃止すると発表した。総務省によると、同税を導入している全国の原発立地13道県で廃止は初めて。東電福島第1原発事故を受け、県と県議会は「脱原発」を掲げて県内原発の全基廃炉を求めており、再稼働を前提とする同税も廃止に踏み切った。

 福島県は77年に県核燃料税条例を施行、5年ごとに更新してきた。07年施行の現条例は今年12月30日で自動失効するが、県は県議会に関連条例案を提案せず課税を終える。

 核燃料税は条例に基づく地方税。福島県は、新たに原子炉に入った燃料棒の価格・重量に応じ累計1246億8400万円を課税してきた。原発立地と周辺の10市町村で避難道路の整備などに使われてきたという。ピークは87年度の約79億円で、事故前の11年2月の燃料棒挿入(第2原発4号機)に伴い、11年度に約8億円を課税したのが最後だった。

 県は、原発分の電源立地地域対策交付金も今年度分から辞退しており、財政面では「脱原発依存」が進む形だ。県庁で記者会見した佐藤雄平知事は代替財源に関し「国の財政措置の状況を見ながら、幅広く検討していきたい」と話した。【蓬田正志】』(11月19日付毎日新聞)

【原発との決別】

福島県の決断は厳しく重いものです。国のエネルギー政策がフラフラして定まらない中、過去累計1246億円もの税収を自ら断ち切れば県の財政は前途多難でしょう。本来ならば原発の廃炉で地域の産業や雇用に予想される悪影響を出来るだけ減らし、新たな産業を育成するための地域振興政策が国によって定められ、電源三法に代わる原発廃炉準備補助金のようなものが出てもおかしくないのではないでしょうか。

石炭から石油へのエネルギー転換が行われたとき筑豊等の炭鉱地域は時限立法で様々な救済策が取られました。それ以上の措置が全国的に実施されて初めて、国によって原発漬けにされて危険な原発に依存せざるを得ない地域の原発からの独立が可能となるのです。

そのような原発立地自治体への明日への希望を担保するようなエネルギー政策は、未だに決まっていません。それどころか原発ゼロを目指していたはずの政府は、今回の総選挙によって自民党に取って代わられ、電力業界をはじめとする原子力ムラが自分たちの既得権益を守るために市民をないがしろにする時代が復活しようとしています。

島県は苦渋の決断を下しましたが、他の原発立地自治体も原発の巨大事故が起こって故郷の大地を追われるようなことになっては手遅れだということをしっかりと認識し、原子力からの決別が出来るように国にしっかりと求めていくべきだと思います。このまま原発への依存を続けていけば、たまり続ける放射性廃棄物でいづれ原発が息詰まるのは時間の問題です。無責任な原子力政策のツケを払わされるのは地方だということをフクイチが証明したはずです。先ずは原発立地自治体が目を覚ましてほしいと思うのは僕だけでしょうか。  



2012年11月19日

【原子力をめぐる対立】

この夏に多くの国民の意見が脱原発だったことをもう反故にするのでしょうか。

『 ■民主…早期にゼロ 自民…再稼働させる

 12月16日投開票の衆院選では、原発政策が大きな争点となる。民主党が「2030年代の原発稼働ゼロ」を掲げているのに対し、政権奪還を狙う自民党は30年代の原発ゼロを「無責任だ」と批判、対立姿勢を強めている。新政権の枠組み次第では、原発政策が大きく転換することは必至だ。

 枝野幸男経済産業相は16日の閣議後会見で、「できるだけ早く(原発稼働を)ゼロにしたいという強い意志を持っている。その意志があるかどうかが分水嶺(ぶんすいれい)だ」と強調した。

 自民の安倍晋三総裁が15日の講演で、「(原発を)なくしてしまうと、安定的な電力供給は難しい。原発ゼロは無責任」などと民主党政権を批判しており、枝野氏はこの発言に対抗心をあらわにした格好だ。

 民主党政権は9月14日、「2030年代に原発稼働ゼロを可能にする」との目標を明記した「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめた。昨年の東京電力福島第1原発事故以降の世論を踏まえ、従来の原発推進路線から「脱原発」に大きくかじを切った。

 一方で、脱原発路線に反発する経済界や原発立地自治体などに配慮し、閣議決定は見送った。原発ゼロを目指しながら、使用済み核燃料の再処理政策については「従来の方針に従う」と継続を決めるなど矛盾も露呈している。

 これに対し、自民は再生可能エネルギーの導入が進んだ段階で「原発比率を下げていくのは当然」(安倍氏)としたうえで、電源構成の将来像を「10年以内に確立する」という構えだ。喫緊の課題である原発再稼働でも、原子力規制委員会に最終判断を“丸投げ”した民主政権に対し、安倍氏は「政府が責任を持って再稼働させていく」と明言している。

 電力会社の多くは「政権が代われば、すぐに原発が動くと考えるのは早計だ」との見方を崩していない。だが、政府内には「自民が政権に復帰すれば、エネルギー政策の再検討が避けられない」(経産省幹部)との見方が大勢で、「原発ゼロ」の見直しは避けられないとみている。』(11月17日付産経新聞)


【原発問題は単なるエネルギー問題か?】

自民党の安倍総裁は、各地の遊説で原発の再稼働を早期に行っていくと明言しています。そもそも自民党はこれから10年もの間原子力問題を棚上げするというエネルギー戦略などと到底言えない先送りを決め込んでいますので、彼らからすれば原発の再稼働なんて国民・国家の安全を担保しないまま、電力会社救済のためにはすぐにでも必要と考えているのでしょう。言語道断です。

自民党は、民主党が自ら崩壊して棚から牡丹餅のような政権奪取が出来ると見るや、3/11以後1年半以上もかけて様々な角度から政府が国民の意見を聞いた結果、脱原発を望む声が7割近くに達していたことを反故にしても、今日本で最も強固な既得権益である原子力を温存していくべく突き進んでいるのです。もちろんそこには福島やその周辺の方々がフクイチ事故によってとてつもない放射能汚染に見舞われ、今でもフクイチは事故収束の目途も立たず、10万人単位の被災者が見捨てられたままであることをどうするかについて一言も言及していません。弱いものは切り捨て、巨大な既得権益を持つ電力会社や経産省、原子力業界といった原子力ムラをひたすら守ろうとしているのです。

原発の再稼働をはじめとする原子力問題というのは、一度事故が起これば日本が国家として成立しなくなるほどのダメージを受けるという国家の存立に関わる問題であるとともに、日本をここまでダメにしている政官財の癒着による国家の機能不全の典型的な例なのです。それほど重大な問題を自民党に委ねたら、再び時計の針が逆回転するのは間違いないでしょう。もちろん民主党も原子力問題を解決することは出来そうにありませんし、維新の会も期待できません。僕ら市民は、この絶望的な状況の中で一体どうすればいいのか。正直、途方に暮れてしまいます。

とにかく今は、そういう自民党の醜い姿を暴き続けることしかなさそうです。  



2012年11月16日

【政権取った気分】

もう気分は有頂天、自民党の天下と言わんばかりです。

『自民党の安倍総裁は15日、東京都内で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で約1時間半にわたって講演し、経済再生に向けて、公共投資の拡大など政策を総動員する考えを明らかにした。

 エネルギー政策について、安全と判断した原子力発電所は再稼働させる方針を表明。政権を獲得した場合、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加へ向けて前向きに取り組む考えを示した。

 衆院選は自民党が有利とされ、選挙後に同党を中心とする新政権が誕生するのではないかとの見方が出ている。安倍氏の基本政策は、自民党が政権に復帰した場合、新政権の基本構想になる。

 経済政策に関して、安倍氏は「最大の問題点は長引くデフレと円高だ。すべての政策を総動員する時に来ている」と指摘。具体策として、日本銀行と協調し、望ましい物価上昇率を事前に示して、その目標を目指して金融政策を運営するインフレ目標政策を採用する考えを明言。そのうえで、「(金融緩和の)額を決めず、目標達成のため、無制限に緩和していく」と語った。2012年度補正予算案を編成する考えも示し、「デフレ脱却のため公共投資を増やす。来年度予算も景気刺激型にする」と強調した。』(11月15日付読売新聞)

【再び始まるバラマキ政治】

3年前にだれもがあれほど愛想を尽かして突き放したはずの自民党に再び政権を委ねて、政官財の癒着による金権バラマキ政治が再び始まろうとしています。この3年間の民主党政権の体たらくは僕も愛想を尽かしました。しかし、自民党はそれよりも酷かったし、その後も何一つ体質は変わっていない。

その証拠に今回の記事にある安倍総裁の勇ましい発言を聞くと、まるで時計の針を逆回転させているのではないかと耳を疑うような言葉ばかりだ。自民党の過去30年以上にわたる無責任極まりない原子力政策によって引き起こされた福島第一原発の核惨事は「自民党による人災」だ。その責任をすべて民主党になすりつけておいて、「民主党の原発ゼロのような無責任なことはせず、安全と判断した原発は3年以内に再稼働」しますと言う。「安全と判断した原発」? 冗談いっちゃいけない。あなたたちが安全神話を作り、野放図に電力会社の独占を許し、放射性廃棄物の置き場も決めずに危険な原発を放置し続けてきたのではないか。フクイチを放置したまま10年かけて原発政策を見直すという。それは何もやらないに等しい。7割を超える国民が原発にNOと言っているのに、そんな国民の声を無視して原子力ムラの利益のためにまたしても暴走する。こんな無責任な政権の下ではさらなる最悪の事故は必然だ。

さらには「デフレ脱却のため公共投資を増やす。来年度予算も景気刺激型にする」とバラマキ発言のオンパレード。民主党よりも酷いポピュリスト政党だ。人々に甘い言葉を投げかけてまたしても官僚の巨悪をのさばらせ、国家財政を破たんの淵に追い込み、市民・国民を放射能のさらなる危険にさらそうというのか。

民主党同様、自民党のこんな無責任なやり方は絶対に許せないと思うのは僕だけでしょうか。  



2012年11月15日

【党首討論での表明】

ウソつき呼ばわりされた野田首相がついに解散を決意したようです。

『野田政権は、14日夜、政府・民主三役会議を開き、自民党が野田総理大臣が提案した定数削減などに協力する方針を決めたことを受けて、衆議院選挙を来月4日公示、16日投票とすることを決めました。

野田総理大臣は、14日の党首討論で、自民党の安倍総裁に対し、衆議院の定数削減を来年の通常国会までに実現することを確約すれば、16日に衆議院を解散する考えを表明し、自民党は幹部が会談し、野田総理大臣の提案に協力する方針を決めました。
これを受けて、野田政権は、14日夜、総理大臣官邸で政府・民主三役会議を開き、衆議院選挙の日程などを協議しました。
その結果、衆議院選挙の日程について、来月4日公示し、16日に投票を行うことを決めました。
このあと、民主党の安住幹事長代行は記者団に対し、「民主党として、引き続き政権運営を行うため、全員の当選を目指したい。今後は山井国会対策委員長を中心に、野党側と調整してもらうことになった」と述べました。
また、民主党幹部は記者団に対し、「16日に解散で確定した」と述べました。』(11月14日付NHK)


【無能政党同士の茶番劇】

この3年間の民主党政権の無節操ぶりにはあきれてモノも言えませんが、それ以上にここまでの混乱をもたらしたそもそもの元凶は重大な問題を先送りし続けて既得権益の温存に汲々としていた自民党であることを忘れてはいけません。しかも、自民党はこの3年間何の反省も自己改革も出来なかった。ただ、民主党が自壊し始めたことをいいことに棚から牡丹餅的な政権奪取を図ろうとしているだけです。そして政党や政治家の無能さとは裏腹に、中央官僚機構は今回の福島原発事故での無反省ぶりや復興予算での狡猾な振る舞いを見るまでもなく、ますます強固になって既得権益を守り、自分たちだけが焼け太り、国民・市民を見殺しにし、国家そのものを食いつぶそうとしているのです。

総選挙の結果はどう転んでも民主党の大敗、自民党の復権でしょう。第三極の結集を声高に叫ぶ石原慎太郎氏はどう見ても時代錯誤的ですし、日本維新の会の橋下氏も雪崩現象を呼ぶような力があるようには見えません。原子力問題に限っても、このままいけば自民党を第一党とする連立政権の誕生によって再び原子力の推進、原子力ムラの復権が進んでいくことになる可能性が強いでしょう。

新しい政権の下で再び大きな地震が起こり、福島第一原発が崩壊するような事態となれば、ただでさえ疲弊している日本の社会・経済は致命的な打撃を受けることになると思います。

それでも僕たち市民は政治家を通して、自らの一票でしか今のところこの事態を別の方向へ向かわせる術はありません。とにかく、絶望的な状況ではあってもひとりひとりの政治家の思想や能力を見極めて、本当にこの国のことを想い、原子力の呪縛から解放してくれる人に一票を投じましょう。  



2012年11月14日

【猪瀬氏、都知事立候補】

石原慎太郎前都知事の後継として猪瀬副知事が都知事選に立候補を表明しました。

『東京都の猪瀬直樹副知事(65)が都知事選(29日告示、12月16日投開票)に立候補する意向を固めたことが13日、関係者への取材で分かった。来週にも正式表明する。

 猪瀬氏は13日、周辺に「告示日が来て何もしないことはあり得ない」と語ったという。辞職した石原慎太郎氏は後継として猪瀬氏を指名。さらに自民党が猪瀬氏を支援する見通しになり決断したようだ。関係者によると、すでに事務所やポスターの準備を進めている。

 猪瀬氏は知事の職務代理者として公務を優先する考えで、立候補表明は告示の1週前になる見通し。選挙戦では、副知事として5年あまり石原都政を支えた実績を強調するとみられる。

 衆院の解散・総選挙を控え、自民党は都知事選でのつまずきを避けるために独自候補擁立を見送り、党の世論調査で圧倒的な支持率となった猪瀬氏支援の方針を固めた。ただ都連、都議団には「議会に根回ししない」など難色を示す声も強く、16日に都連側と協議し、調整を急ぐ。自民党関係者は「猪瀬氏支援でまとまるはず。大丈夫だと思う」と自信。自民党が支援を正式に決めれば、公明党も足並みをそろえるとみられる。みんなの党は猪瀬氏支援をすでに表明している。

 前神奈川県知事の松沢成文氏(54)、前日弁連会長の宇都宮健児氏(65)らが立候補をすでに表明している。』(11月13日付読売新聞)

【官の暴走を止めれるか】

猪瀬 直樹氏と言えば、学生時代は学生運動に没頭し、全共闘議長を務めるなど武闘派でならし、社会に出てからは天皇、政治などをテーマにノンフィクション作家活動に入り、1987年に「ミカドの肖像」で大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞した作家として有名です。しかし、2001年、小泉内閣の行革断行評議会の評議員になって道路公団の民営化など特殊法人改革のオピニオンリーダーとして活躍、2007年、地方分権改革委員会委員と東京都副知事に就任後は石原都知事の腹心として、東京都の行政改革を足元からしっかり実行してきたことで知られています。特に、3/11の東日本大震災後は東京電力改革、東京天然ガスタービン発電所の建設計画など福島第一原発後の首都圏の電力確保、国のエネルギー政策への具体的提言を次々と実行しています。

石原都知事は原発推進論者だったので猪瀬氏は真正面から原発に対する自らのスタンスを明らかにすることはなく、個別具体的にガスタービン発電を導入するとか、東京電力の不明朗な会計や経営姿勢を追求し、遠回りでも首都圏の電力改革を進めていくことを実行しておられたという印象でした。

もし東京都知事に出馬して当選したら、是非官僚支配の打破や実効性のある電力改革路線を今まで以上に実行してもらいたいと切に願っています。自民党が勝ち馬に乗る形で猪瀬氏の支援に回るようですが、原発推進を画策する自民党を東京都から変えていくことができる方なので、たとえ自民党の支援が決まっても自民党に物申す都知事として都民・市民の側に立った政治を実行してもらいたいと思います。  



2012年11月13日

【エネルギー見通し】

米国が世界最大の産油国になるそうです。

『国際エネルギー機関(International Energy Agency、IEA)が12日発表した「2012年版世界エネルギー見通し」で、米国が2020年ごろまでにサウジアラビアを抜いて世界最大の石油生産国に浮上するとの見方を示した。

シェールガス採掘には反対運動も

 IEAは「米国で最近みられる石油とガスの生産回復は経済活動を促しており、世界のエネルギー市場における北米の立場を着実に変えている」と指摘。米国は現在、エネルギー総需要の約20%を輸入に依存しているが、35年までには実質的にエネルギーを自給する状態となり、他の大半のエネルギー輸入国でみられる傾向とは全く逆の現象が起こると述べた。

 米国では新技術の開発、特にシェールガスの採掘によってエネルギー市場が激変しつつある。シェールガスの掘削で使用されるフラッキング(水圧破砕)と呼ばれる技術は他国では規制が設けられたり、禁止されたりしており、賛否両論がある。』(11月13日付AFP時事)


【激変するエネルギー市場】

米国が世界最大の石油生産国になれば世界のエネルギー市場は激変するこは間違いありません。いや、エネルギー市場だけでなく、世界の政治・経済情勢そのものが大きく変わることになるでしょう。

先ず予想されるのは、エネルギー自給によって世界に対する米国の政治的自由度、発言権はより一層強くなり、米国の唯我独尊、多極化しているアジアやアフリカ、中南米への介入の増加につながっていくのではないかと危惧します。

それから米国内の原子力発電は、安価なシェールガスの普及によりますますコスト的に見合わなくなり、米国全体のエネルギーに占める原子力の割合は低下の一途を辿ることになるでしょう。これは米国の政策というより、市場の圧力でそうせざるを得なくなるということです。

そして日本はこの米国のエネルギー自給達成が見込まれる2020年ころにどういう影響が見込まれるか?原子力政策という観点から見ると、残念ながら資源の乏しい日本は米国のエネルギー事情がどうあろうと、石油や天然ガスへの依存は続くため、それらの資源の調達先が一部中東から米国に代わるだけで国家の生命線であるエネルギー確保のためには一定程度の原子力への依存は避けられないという方向に進むのではないかと危惧します。

2020年まであと8年あまり。この8年の米国の動きによって日本のエネルギー政策にとっても大きなパラダイムシフトが起こることは間違いなさそうです。
  



2012年11月12日

【連続出稽古】

初日を数日後に控えた鳴戸部屋に日馬富士が連続して出稽古にやってきて盛り上がりました。

『昨年、急逝した先代鳴戸親方(元横綱・隆の里)の命日にあたる7日、鳴戸部屋(福岡市東区)では、力士らが土俵で黙とうし、亡き師匠に場所の健闘を誓った。大関・稀勢の里は、3日連続で出稽古(でげいこ)に来た横綱・日馬富士に勝ち越し、調子を上げてきた。

 5、6日は、日馬富士に圧倒された稀勢の里だったが、この日は鋭い突き押しを見せて6勝3敗。「今日は(先代に)言われたことを思い出しながら取った。体もだいぶ動いてきた」とうなずいた。

 前日までは調子の上がらない大関にいらだちを見せていた横綱も「(稀勢の里は先代の命日で)気合も集中力も与えられたと思う。いい稽古ができた」とご満悦だった。【小林悠太】』(11月7日付毎日新聞)


【目指せ優勝】

九州場所が横綱になって最初の場所となる日馬富士は、この記事後の8日にも鳴戸部屋に出稽古にやってきたので4日連続の出稽古になりました。こんなことは今までになかったことです。それだけ横綱になって緊張感が高まっているのと、やはり横綱になる前からライバルとして戦ってきた稀勢の里との稽古が一番場所前の自分にとってプラスになると考えたのでしょうか。

僕はたまたま外国人留学生に鳴戸部屋の朝稽古を見せに連れてきた6日に日馬富士と稀勢の里の稽古姿を見ることが出来ました。どちらも気合い十分で本番さながらといった感じでした。

日馬富士には横綱としての初土俵、是非優勝してもらいたいし、稀勢の里も早く全勝優勝をして綱取りへの一歩を踏み出してほしいと願うばかりです。
  



2012年11月09日

【ミス続発】

正直言ってこの人たちに中小企業で働く熟練工のような完璧な仕事を求めるのはそもそも無理な話です。

『原発ごとの放射性物質の拡散予測地図にミスが相次いでいる問題で、原子力規制委員会は8日、修正した九州電力玄海(佐賀県)と川内(鹿児島県)両原発の地図の公表を来週に延期することを明らかにした。気象情報に関するデータ処理のミスが7日に見つかり、九電分だけでなくすべての地図を総点検する。新たなミスが見つかる可能性について、規制委事務局の原子力規制庁幹部は「現時点では不明」としている。

 規制委は6日、この2原発の予測地図について、風上と風下が正反対になっていたミスを発表。8日に修正した地図を公表する予定だった。しかし規制庁によると、地図作製を委託されていた独立行政法人・原子力安全基盤機構が公表予定の地図を点検したところ、7日夜になって、気象情報のデータ処理の手法を間違えていたことが分かった。

 このため、規制委は、九電以外の残り14原発についても同様のミスがないか、再度点検することを決めた。規制庁幹部は「これ以上のミスは許されないが、仮に見つかっても大きな誤差はないだろう」と語った。【中西拓司】』(11月8日付毎日新聞)


【なぜ続く初歩的ミス】

それはなぜか? それは彼らが市民の命など念頭になくひたすらうわべだけの仕事をして原子力の本当の姿を市民から隠すことしか念頭にないからです。だから自分たちの怠慢で福島第一原発の核惨事は起こったなど微塵も思っていないし、いくらミスが続いても自分たちの責任ではないと逃げまくることしかない人間たちだからです。

こんな人たちにあなたは自分の命を預けますか? 例えば、こんな人たちが点検した飛行機に乗りますか? 僕なら絶対に乗りません。そんな人たちが30年以上にわたって監督してきたのが日本の原発であり核燃料再処理施設であり、福島第一原発であったのです。もちろん現場の技術者は優秀だったと思います。しかし、いくら現場が優秀でもそれを管理・監督する人たちが無能だったら現場はいづれ崩壊します。それが日本の原子力の実態だと思います。

そして今、また保安院や原子力安全委員会の看板を単に原子力規制庁、原子力規制委員会と変えただけの人間たちが同じ轍を踏もうとしているのです。あなたはそれでも目をつぶって信じますか? いつまで信じ続けますか?  



2012年11月08日

【オバマ勝利】

今年最大の政治ショーが終わりました。

『米大統領選は6日、投開票され、民主党のバラク・オバマ大統領(51)が中西部オハイオ州や南部バージニア州など激戦州の大半を固め、勝利に必要な270人を超える選挙人を獲得し、再選を決めた。大統領は勝利確定後、地元の中西部イリノイ州シカゴで演説し、「我々は一つの国家、一つの国民」と強調、選挙戦で際立った党派間対立を乗り越え、結束して内外の課題に取り組む決意を明確にした。

【写真ドキュメント・アメリカの長い1日】勝利宣言をするオバマ大統領
 演説でオバマ氏は「経済は回復に向かっている。10年続いた(イラクとアフガニスタンでの)戦争は終わろうとしている」と1期目の成果を指摘。2期目に向けた財政赤字の削減や税政改革への意欲を示し、野党共和党への協議を呼びかける考えを示した。ただ、共和党は譲歩に応じる姿勢を示しておらず、調整が難航するのは確実だ。

 年末には、歳出削減と大型減税の期限切れが重なる「財政の崖」が迫っており、早くも緊張した局面を迎える。2期目の政権は、主要閣僚を大幅に入れ替えて臨む方針で、新たな閣僚人事も今後の焦点となる。

 フロリダを除き、オバマ氏が獲得した選挙人は303人で、ロムニー氏の206人を大きく上回っている。』(11月7日付毎日新聞)


【高揚感なき勝利】

思えば2009年1月20日に米国大統領に就任したオバマ氏は圧倒的な米国民の熱狂に迎えられました。あのときワシントンDCには全米から200万人近い人たちがオバマ大統領を一目見ようと集まったと言います。テレビで見ていてもすごい光景でした。もう25年近く前の1988年、僕は小雪が舞うワシントンDCのホワイトハウス近くのペンシルバニア通りでパパ・ブッシュの大統領就任パレードを見学していました。あのときでさえ米国民の大統領に対する熱い思いを肌で感じましたが、オバマ大統領への期待感、高揚感はそれをはるかに上回るものだったと思います。

そして今回、オバマ氏はロムニー氏を破って大統領再選を果たしました。しかし、そこには1期目のような国民の高揚感、期待感はほとんどなかったのではないでしょうか。スタート時点ですでにレーム・ダック化が始まっているとも言えます。最初の関門は来年1月末に迫った国防費などの歳出の強制削減と大型減税の期限切れを乗り越えられるかですが、1期目のときはリーマンショックが世界全体を襲い、その震源地だった米国では自動車産業も瀕死の状態にあったところをオバマ大統領は苦しみながらも切り抜けたことを考えれば「危機に強い大統領」の本領を発揮する可能性は十分あるのかもしれません。果たして高揚感のない米国民を納得させられる2期目となるのか、注目したいところです。
  



2012年11月07日

【またもミス?】

原発の放射性物質拡散予測にまたミスがあることが判明しました。

『原子力規制委員会は6日、先月公表した全国原発の放射性物質拡散予測について、九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)で風向きを間違えるミスがあったと発表した。九電が気象データで誤った伝え方をしていた。拡散予測の訂正は3回目。
 事務局の原子力規制庁によると、拡散予測は同庁の依頼で原子力安全基盤機構が計算したが、両原発では放射性物質の拡散方向が180度逆になっていた。
 九電によると、6月に気象データを同機構に提出した際、風向の説明で誤解を与える表記があった。同機構は風上と風下を逆に計算し、公表後の10月26日、九電に問い合わせたが、担当課長が風向を間違えて説明。ミスは明らかにならず、鹿児島県からの問い合わせで5日に初めて気付いたという。
 規制庁の森本英香次長は記者会見し、「再び訂正しなければならない事態をおわびしたい」と謝罪。「1次情報を全て外部に依存し、チェックが働かなかった」と責任を認めた。訂正を加えた試算は8日に公表する。
 九電も福岡市の本社で会見し、鎮西正直副社長は「われわれが気付くべきだった。抗弁のしようがない」と謝罪した。』(11月6日付時事通信)

【命を軽んじる風潮】

自分たちの犯したミスについて謝罪を繰り返す光景をつい1年半前にも何度も見せられました。それはあの福島第一原発の核惨事を引き起こした当事者だった東電や保安院の人たちです。あれだけの事故を起こしても出てくるのは謝罪の言葉だけ。誠意を見せるわけでもなし、ときには平然と開き直ることも多々ありました。

たとえ今回はシュミレーションであっても、それが命に直結するデータであるという真剣さが作業する本人たち、そして電力会社や原子力安全基盤機構にあるならばこんなに何度も訂正を繰り返すような失態はありえないはずです。結局、原子力事故というものをナメている、市民をナメているとしか思えないと考えるのは僕だけでしょうか? それをチェックも出来ずに見ているだけの規制庁はもっと酷い。こういういい加減な体質が福島第一原発という未曾有の事故を招来したという意識は全くないのでしょう。原子力技術がたとえ彼らが言うところの「世界最高水準」であったとしても、こんな体たらくでは市民の命は守れないし、日本も世界も守れるはずはありません。顔を洗って出直して来いといいたいのは僕だけでしょうか。
  



2012年11月06日

【再検討】

大飯原発の活断層調査結果について規制委は7日に再度会合を開くことになりました。

『関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は4日、2日に実施した初の現地調査の結果を検討する会合を東京都内で開いた。破砕帯が、活断層とみなされる約12万~13万年前以降に動いた可能性が高いことでは一致したが、その原因が地震活動によるものかどうかで意見が分かれ、結論は出なかった。規制委は7日に再度会合を開き、関電からも意見を聞くことを決めた。
 会合では、調査団のメンバーで以前から危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授が「敷地内に活断層があるのは確実」と断言。一方、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員や岡田篤正立命館大教授は、現時点では結論が出せず、さらに調査が必要と指摘した。
 終了後、取材に応じた元地震予知連会長の島崎邦彦委員長代理は、破砕帯を含む地層が動いた時期が約12万年前より新しいとの認識で一致したと述べた上で、「活断層ではなく、仮に地滑りであれば(影響は)ごく小さな範囲なので大きな問題にはならない」と説明。「今の段階では、活断層と地滑りのどちらかに絞ることはできない」とした。
 規制委が破砕帯を活断層と判断すれば、全国で唯一稼働中の大飯原発は運転停止を迫られる事態になる。』(11月4日付時事通信)


【規制委に望むこと】

学者同士の議論の最中にあれこれと批判するのは避けたいと思いますが、学者の意見を踏まえたうえで規制委が大飯原発の活断層の可能性について判断を下す前に規制委に望むことがあります。

1. 原子力規制委員会は、その設置法に定められているとおり市民・国民の命を原発事故から守るために設置されたわけですから、少しでも活断層の危険があると判断される場合には安全面を取って大飯原発を停止するよう関電に申し入れていただきたい。活断層と判断する学者がひとりでもいる以上は、その危険性があるわけだから無視はできないはずです。

2. 議論はあくまでもすべて公開して行っていただきたい。議事録もすべて公開して行い、最終結論を出す時にはなぜそう判断したのか、どの委員が賛成だったのか、反対だったのか、どの学者の意見を忖度するしたのか、すべて明らかにしてもらいたい。(今のところ、すべての議論、議事資料、議事録は公開されていますので、今後も市民の監視が必要です)

3. あいまいな結論を出さないでいただきたい。市民・国民の命を守るためには活断層の危険性が少しでもあれば大飯原発は即稼働停止でしょう。それを政府や関電に丸投げするようでは、規制委の存在意義はない。  



2012年11月01日

国のエネルギー基本計画は腰の定まらないまま、2030年代の原発ゼロなどというまやかしで済ませようとする民主党政権、政権交代の可能性が高まる中、過去の過ちをまったく反省せずに原発推進を加速させようとする野党・自民党、それに迎合する経済界、原子力規制委員会、原子力規制庁に象徴されるようにますます権力基盤を強化する官僚組織、この期に及んでも無批判に権力に擦り寄る大手メディアなど、フクイチを経ても日本という国のカタチはほとんど何も変わっていません。こんな状況の中、生き残るために自分はどうすべきなのか、原子力に関する自分の具体的な行動原理について考えてみました。

1. 福島第一原発事故の責任追及の動きに参加すること

・福島原発告訴団・九州が組織されているので、その告訴団に入って東京電力などの責任者を追及していく。告訴団への参加は1口1000円の会費を払い、陳述書を書いて事務局に送付する。

・そうすることで先ずは福島第一原発事故の責任を明確にしていくことがすべての出発点だと考えます。

2. 信頼できる政治家を見極め、次の総選挙で脱原発を掲げる政治家、政党に投票すること。

・総選挙が近づくにつれ、民主党も自民党も他の政党も有権者に一時的に擦り寄ることばかりやっています。政治家や政党の原子力に関する考え方、政策をひとつひとつ明確にさせ、どの政治家が脱原発を本気で考えているのか、あるいは言葉とは裏腹に原発推進を画策しているのか見極め、次の総選挙で信頼できる政治家に投票すること。

3. 脱原発基本法の制定に向けた動きに加わること

・「脱原発法制定全国ネットワーク」(代表世話人 河合弘之弁護士)の活動内容を知り、可能であればこのネットワークに参加して脱原発法制定に向けた動きに加わる。

・今の国家の原子力推進体制は当然のことながら法律に基づいて行われています。原子力推進の姿勢を頑なに守ろうとする官僚組織も自分たちの失敗を認めたくないという理由以上に法律に基づいて行っているという根拠がある限り、少々政治家が動いたところでその姿勢を変えることはありません。したがってその根拠法である原子力基本法を脱原発基本法に変えることが必要だと考えます。

4. 福島そしてその周辺の地域の方々の放射能汚染の真実の状況を可能な限り情報収集し、出来るだけ多くの人に知らせ、そして出来ることでいいからそれらの方々の力になっていくこと

・福島やその周辺地域の方々はまだ万人単位で避難生活を強いられています。そんな中で伝わってくるのは放射能に敏感な態度を示すだけで周りから白い目で見られたり、行政がそういう姿勢を助長するようなことをやっているという噂です。遠く離れた九州からは肌感覚としてわかりにくいのですが、他人事ではなく自分のこととして考え、手助けする姿勢が常に必要だと思います。日本の狭い国土では一旦フクイチのような事故が起これば百キロや千キロの距離など無意味になってしまうことを肝に銘じるべきです。

5. 決してあきらめない姿勢、絶えざる情報収集、情報発信、そして信頼できるネットワークづくり

・子供たちを守る、故郷を守る、日本を守るために決してあきらめない姿勢。

・原子力ムラの欺瞞や隠ぺい、組織的圧力に屈しないために、絶えざる情報収集、情報発信を行って、信頼できる仲間の輪を広げていくこと。


みなさんは原子力について真剣に考えてみたことはありますか?福島第一原発事故により実際に日本でもチェルノブイリかあるいはそれ以上の原子力事故が起こることが明白になりました。これからは、原子力に反対か賛成かの前に、自分と家族の命を守るためには原子力にかかわる知識は不可欠です。
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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