2012年12月21日

【活断層の調査】

原子力規制委員会によって次々と原発の敷地内の活断層の調査が進められ、波紋を呼んでいます。

『20日、東北電力東通原発(青森県)の敷地内断層について「活断層」との見解を示した原子力規制委員会の専門家調査団。東通を含め規制委は関西電力大飯(福井県)と日本原子力発電敦賀(同)の3原発で現地調査を実施した。敦賀ではすでに現地調査団の結論が出て廃炉が濃厚となっているが、活断層の存在場所で影響は大きく異なる。3原発で危機感に温度差が出ている。

 大飯原発は稼働している原発であることなどから、最初の調査対象に選ばれ、11月2日に現地調査が実施された。調査会合では、現地調査で新たに見つかった地層の「ずれ」について、専門家の間で「活断層」「地滑りの可能性は否定できない」と見解が分かれ、規制委は年内にも再調査し活断層か判断する。

 活断層と判断されても原子炉直下の断層でないため廃炉となる可能性は低いが、設備の変更を迫られるのは必至で、唯一稼働している大飯原発が再び停止せざるを得ない状況になる。

 これに対し、廃炉の公算が大きくなっているのが敦賀原発。原子炉から約200メートルにある活断層「浦底断層」と連動して、2号機直下を走る「D-1破砕帯」が動くという5人の専門家調査団の見解が一致。活断層の上に原子炉を建てられないため、2号機の廃炉は濃厚となっている。さらに、1号機も稼働からまもなく43年で、運転期間「40年ルール」を厳格に適用すれば廃炉の可能性がある。

 東通原発は敷地内の「F-3」「F-9」破砕帯が20日の評価会合で活断層と判断された。だが、規制委の田中俊一委員長は「(敦賀の)浦底断層は一級の活断層。東通は原子炉直下でもない。どういう断層かよくみないといけない」と敦賀との危険性の違いについて言及した。』(12月21日付産経新聞)

【粛々と進めるべき】

報道によれば、活断層の評価については専門家の中でも意見が分かれることがありなかなか断定的に活断層と判断するとなると難しいようですが、それでも敦賀原発や東通原発ではほとんどの専門家が活断層だとの判断を示しています。いったい、それらの原発を着工する前の政府や電力会社の判断は何だったのかと疑念は深まるばかりです。推測するに福島第一原発の事故調査委員会のひとつが指摘したように、安全を判断するはずの政府の機関も原子力業界の「虜」になってしまって活断層による地震などほとんど起こらないと高をくくっていたのではないでしょうか。

マグニチュード9.0のような巨大地震が起こってしまった今、日本列島は以前にもまして活断層がいつ動くかもしれない「地震列島」に化していることは地震の専門家たちが認めています。福島だけでもとてつもない被害をもたらしているところに、ひとたび他の原発が地震に見舞われ、ひとつでも原発がメルトダウンや全電源喪失といった事故を起こし大規模な放射能汚染が起これば、日本は経済的にも社会的にも再起不能の事態に陥ることは必定でしょう。

大前研一氏は自身のメールマガジンで柏崎刈羽原発を襲った巨大地震でも無事制御棒が挿入され原発が安全停止した例を引き合いに出して、同氏が提案している冷源と電源が確保されていれば、冷温停止に持ち込むことが可能であり、活断層がどんなものであっても原子炉を停止させることが出来ると述べています。本当にそうなのでしょうか?フクイチでも原子炉は安全停止したものの4号機の燃料プールは半壊し今でも危機的な状況は変わっていません。すなわち、全電源喪失など想定を超えるようなことがおこるのが自然災害です。まして自然災害だけでなく電力会社のガバナンスや政府や原子力業界の体質など数え上げれば問題点があまりにも多すぎるなかでは大前氏のような楽観論には到底与することはできません。

活断層がある原発が全部だめだと言っているわけではなく、ちゃんとした科学的根拠に基づいて原子力業界の「虜」にならずに調査が進められ、適正な判断と今後の対策が立てられることが国民の望むことではないでしょうか。そういう調査が進められているかどうかをしっかりと監視することがメディア、政府、そして国民がすべきことだと思います。

そしてもうひとつ、原子力規制委は六ヶ所村再処理工場の活断層について徹底的に検証すべきだと思います。ここがやられれば世界最悪の事故になります。
  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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