2014年03月15日

ブログによるフクシマ・アーカイブ4日目です。

事故後3年が経って何が変わったのか?事故後、原発の安全性は何も変わっていないし、原発に対する市民の信頼はまさに事故以前とは比較にならないほど地に落ちました。そんな中、唯一変わったのは民主党政権から自民党政権になってフクイチ事故以前の「原発行け行けドンドン」の安倍首相による原発回帰が急速に進んだところでしょうか。再稼働に前のめりになればなるほど本当の意味での安全はまたしても二の次になっています。

たとえば、四国電力の伊方原発3号機。原子力規制委員会のガイドラインに沿って大型ポンプ車や放水砲などの6項目の安全対策を終えて再稼働できるように準備をしているそうです。しかし、伊方原発は敷地内に活断層はなくても日本最大の活断層と言われる「中央構造線」が近くにあり、そこが動けばひとたまりもありません。

そういう状況を知るにつけ、福島第一原発の核惨事という日本を壊滅させたかもしれない大事故を経験しても、なんらその反省をすることもなく、本当に自らの命を賭けてでも住民を日本を守るという姿勢ではなく、ただ原発を維持したいという姿勢しか見えない人間たちの欺瞞だけが目につきます。そしてその頂点にいるのがひたすら原発再稼働を唱え、東京オリンピックを勝ち取るためにフクイチの地下水は完全にコントロールされているといい放った安倍首相その人です。こんな人にニッポンの将来がかかっていると思うと背筋が凍ります。

3年前の3月15日。この日は2号機を中心に大量の放射能がまき散らされた「運命の日」となりました。すなわち、福島第一原発では原子力安全委員会等の無能集団が右往左往する中で、1号機・3号機の水素爆発や2号機の燃料棒の空だき状態など身の毛もよだつ事態が進行したのです。

次にどうなるか見えない状況の恐ろしさ。原発事故の恐怖をまざまざと思い知らされた長い長い一日でした。


以下に2011年3月15日のブログ記事を掲載します。

【危機続く】


まだまだ予断を許さない状況が続いています。

破局回避を天に祈る―福島第一原発
『東日本大震災に見舞われた東京電力福島第1原発で14日、2号機の燃料棒が一時、冷却水から完全に露出するという、前例のない事態が起きた。一時的な「空だき状態」で、最悪の場合は米スリーマイル島原発事故のような非常事態につながりかねない。同日午前には、3号機の原子炉建屋(たてや)で水素爆発が発生。完璧な管理によって、その安全性を強調してきた日本の原発は、前代未聞の制御不能状態に陥っている。

 2号機では14日午後、原子炉圧力容器内の水位が一気に低下し始めた。このため、原子炉建屋が爆発した1、3号機よりも優先して注水作業が続けられたが、水位の低下を止められず、約4メートルある燃料棒全体が露出する「空だき」状態が一時的に発生した。

 その後の注水で水位は上昇したが、万が一、水位が回復しなければ、燃料棒が溶ける炉心溶融が進行し、原子炉内の燃料の大半が溶ける「メルトダウン」と呼ばれる事態になる恐れがあった。

 これは原子炉自体が損傷し、放射性物質が外界に拡散しかねない事態だ。』
(3月14日付毎日新聞)


【現場の努力に敬意】


原子炉の「空だき状態」が一時的にせよ起きたことにショックを受けました。報道にある通り、冷却水がなくなって燃料棒全体が露出することを「空だき」状態と言い、これが続くと最悪の場合原子炉内の燃料が溶ける「メルトダウン」に陥るのです。メルトダウンとなれば原子炉内の放射能が外部に放出されることが予想されますから、絶対に避けなければならないのです。

問題なのは空だき状態となった2号機だけでなく、1号機も3号機も建屋が爆発で破壊され依然として安心できる状況ではないことです。ひとつの原子炉だけでも大変なのに3つも同時に危機的状況にある。これはもはや最悪の事態を想定して、福島県だけでなく首都圏も含め、ヨウ素剤の頒布や大規模な避難計画を実施すべきときに来ているのかもしれません。そして長期的な電力不足に対応した経済の立て直しを早急に検討すべきだと思います。

平和で安全な日本という国が今脆くも崩れ去ろうとしています。日本に今いる僕たちは福島原発の周辺の方々だけでなく、すべての地域で戦争以上の国家存亡の危機にあることを肝に銘じておかなければならないと思います。

今はとにかく、そんな危機的な状況の中で必死になって、死を覚悟で現場の方々がメルトダウンという最悪の事態に至らないように動いている。僕らはこの方々たちの無事を祈り、最悪の事態にならないように祈りたいと思います。



同じカテゴリー(原子力)の記事画像
地球より重い責任―東京電力
安堵と不安の連鎖続く―福島第一原発
空気から食品へ―放射能の脅威
3月18日の記事
変わり始めた原発報道―福島第一原発
福島第一原発の惨禍に想う
同じカテゴリー(原子力)の記事
 地球より重い責任―東京電力 (2014-03-25 05:18)
 安堵と不安の連鎖続く―福島第一原発 (2014-03-22 09:42)
 空気から食品へ―放射能の脅威 (2014-03-20 05:20)
 3月18日の記事 (2014-03-19 05:12)
 変わり始めた原発報道―福島第一原発 (2014-03-18 07:01)
 福島第一原発の惨禍に想う (2014-03-17 05:06)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

< 2024年03月 >
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
hLg
プロフィール
luckymentai
luckymentai
海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
Copyright(C)2024/博多っ子の元気通信 ALL Rights Reserved