2008年12月24日

【サンゴの北上】

海の中の異変が続いている。

『「いるはずがない南方のサンゴがこんな所に…。水温上昇で、ついにここまで北上してきたのか」

 国際サンゴ礁年である2008(平成20)年の9月29日、福岡大学理学部の杉原薫助教(サンゴ礁生態学)は、海中の景観に目を見張った。

 長崎県西部の東シナ海に浮かぶ五島列島南部の福江島。るり色のスズメダイや愛らしいクマノミが泳ぎまわる水深2メートルの浅い海底で、褐色がかった暗緑色のクシハダミドリイシの群体を見つけたのだ。

 主に沖縄などに生息する亜熱帯性のサンゴで、九州西側の対馬暖流海域では、熊本県・天草の南部が北限とされていた。10月には、五島列島北部の若松島でも確認された。いずれも大きさは直径40センチほどで、杉原さんは「定着してから少なくても5年はたっているだろう」とみている。』(12月19日付産経新聞)


【温暖化の足音】

この記事によれば、九州西部の海水温は、過去100年約1・2度上昇し、これらのサンゴは五島列島で越冬できるようになり、生息域が約60キロ北上したらしいとのことだ。僕らが目にしている陸上の世界だけでなく、海の中でも相当大きな異変が起こっている。

また、気象庁によると、日本周辺の海水温は、世界平均の2倍強のペースで上昇中で、今後は南方種の北上だけにとどまらず、サンゴ全体の生息域が北上する可能性も指摘されている。

相次ぐ南方海域でのさんご礁の死滅と北方海域でのさんご礁の発見。温暖化の影響は確実に地球全体に及んできているようだ。



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