2009年09月02日

【これからの車】

地球温暖化の影響を極力抑えるために有効な手立てとして、今ガソリン車に代わって電気自動車(EV)がいよいよ実用車として世界中で脚光を浴びつつあります。そんな中、自動車メーカーにとっては、この大不況の中での最後の切り札としてEVの開発・販売が至上命題となってきています。

8月31日号のアジア版タイム誌に「中国のパワープレイ」("China's Power Play")というタイトルで、EV市場での中国企業の野望が取り上げられています。

China' Power Play --- The market for electric cars is about to get bigger - and Beijing wants Chinese firms ready to cash in


【弱点が強みに】

日本では現在トヨタやホンダがハイブリッド車で先行していますが、いづれ車の主流はEV車になっていくというのが大方の見方ではないでしょうか。EV車といえば、日本車では三菱自動車の「i-MiEV」や日産の「リーフ」などがすでに参入していますし、米国車ではGMが「Volt」を発表しました。

しかし、タイム誌が注目しているのは、中国の電気自動車です。昨年12月に中国で発売されたBYD社のハイブリッド車「F3DM」に続き、この6月には米中合弁で「Coda」というEV車がデビュー、来年にはカリフォルニア州で販売される予定です。価格は45000ドル(4.2百万円)、1回の充電で145-193キロを走ります。これだけでも欧米や日本のクルマにも引けをとらない性能と価格競争力を持っていると言えます。

では何故、中国がそれほどEV車を国を挙げて推進しようとしているのか。それは、先ずEV車は比較的新しい技術であり、技術や販売などあらゆるフィールドで長い歴史をもつ欧米や日本の自動車メーカーに比べると歴史の浅い中国の自動車メーカーが優位に立てる可能性があるからです。まさに電話インフラのなかった途上国で携帯電話が急速に普及したのと同じように、弱みが強みとなりえるからです。

また、不況で買い控えが広がっていて、しかもガソリン車の魅力を知り尽くしている欧米などの消費者に比べると、依然として景気もよく、自動車の売れ行きもいい中国の国内マーケットが控えていることも強みとなっています。さらには、EV車に積極的に取り組むことで、CO2排出削減を世界にアピールすることにもなります。

【解決すべき課題】

ただし、課題もあります。先ずは価格。45000ドルではまだまだ中国国内ではガソリン車の価格に対抗して消費者に買ってもらうには高いといわざるをえないでしょう。また、中国では自動車を取り巻くインフラはまだまだ発展途上であり、標準的な家庭でもEV車の充電が手軽に出来るとは限りません。

それでも、米国などと連携して自動車市場を戦い抜いてゆくには、最良の選択肢であることは間違いないでしょう。日本のメーカーもうかうかしてはいられないのではないでしょうか。

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