2009年09月28日

【重大事実】

あの痛ましい事故の調査報告の信憑性に疑問符がついた。

『JR西日本福知山線脱線事故の調査情報漏洩(ろうえい)問題で、航空・鉄道事故調査委員会(現・国土交通省運輸安全委員会)の鉄道部会長だった佐藤泰生元委員(70)にも同社幹部が十数回にわたり接触を図っていたことが26日、分かった。JR西が明らかにした。

 幹部は、現在の同社副社長が室長を務め、事故対応を担当する審議室から指示を受けて接触し、「中間報告書の解説や日程を教えてもらった」と説明。会社ぐるみで事故調の委員に接触を図っていた実態が判明した。

 接触を図ったのは、JR西東京本部の鈴木喜也副本部長(55)。佐藤元委員は山崎正夫前社長(66)に報告書案の一部コピーを渡した山口浩一元委員(71)と同様、国鉄出身で、鈴木副本部長と4年間、同じ職場で働いた先輩になる。

 26日夜に会見を開いた鈴木副本部長は「情報を早く入手し、安全対策に貢献したかった。軽率で不適切だった」と謝罪。ただ、「昔からの付き合い。会社ぐるみとは思っていない」と釈明した。』(9月26日付産経新聞より抜粋)


【企業体質と真実】

高い独立性を持って事故の原因を徹底的に調査し、今後の鉄道の安全に役立てるべき調査報告に責任を持つべき調査委員会が事故を起こした会社の人間と会って情報を漏洩していたとは衝撃的だ。昔からの付き合いだとか、そういう次元の問題ではないことは明らかである。

JR西日本と国土交通省の調査委員会に欠落していたのは何か。それは遺族に対する心からの反省と職業人としての誇りではないか。

報道によれば旧国鉄時代の先輩後輩の関係を利用して接触を図り、情報の交換を行っていたと言う。先輩後輩の関係というのは、日本独特の文化であり(英語には言葉そのものがない)、プラスに働けば非常に社会にとっていいのだが、マイナスに働けば例えば「白い巨塔」に見られるような医学会における象牙の塔化みたいなことになるのだ。すわなち、先輩への絶対的服従や先輩後輩関係のためにガチガチに固まり本来の研究活動などが阻害されたりすることである。

【先輩と後輩】

日本社会では、先輩後輩関係というのはあらゆる場面で見られるものでいい面もたくさんある。剣道などのスポーツでも吹奏楽などの文化活動でも、学校時代から日本人は先輩を大事にすることを身体に叩き込まれるのだ。それによって、その集団に属する個々人は切磋琢磨し、先輩は後輩を親身になって指導して集団や個人の資質向上を大いに助けることになる。

しかし、今回の例のように悪意をもって先輩後輩関係が利用されれば、すべての歯車は逆回転し始めることを忘れてはならない。始末が悪いのは、当の本人たちに罪の意識がないことと、後輩が先輩の間違いを正すのが極めて難しいことが多いことだ。

日本人である僕たちは常にこのことを心しておく必要があるのではなかろうか。

そして、もうひとつ、今回のJR西日本福知山線脱線事故の調査情報漏洩(ろうえい)問題で注意しておきたいのは、これが政権交代のひとつの効果かもしれないということだ。今後も政権党である民主党と官僚との緊張関係から、官僚が絡む不祥事などが次々と明らかになる可能性があることをしっかり頭に入れておいたほうがいいだろう。

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