2010年02月09日

【琵琶湖1.7個分】

『03~09年にヒマラヤ山脈やその周辺で、琵琶湖1.7個分に相当する山岳氷河の氷が毎年減少したことが、日置(へき)幸介・北海道大教授(測地学)と大学院生の松尾功二さんの分析で分かった。02年に打ち上げられた米国の人工衛星の軌道データを活用して算出した。過去40年間の現地調査で推定された年間平均減少率の2倍に上るという。ヒマラヤの山岳氷河はアジア南部の貴重な水源で、市民生活への影響が懸念される。15日付のオランダの地球惑星科学誌に発表する。

 氷河の面積は航空写真で分かるが、体積や重量の把握は難しい。研究チームは氷河の増減が重力を変動させることに注目。重力の影響を受ける衛星軌道の変化から、アジア中央部の氷河の重量の変化を算出し、毎年470億トンの氷河が減少していることが分かった。この量は海面を年0.13ミリ上昇させる効果がある。

 国連環境計画によると、アジア中央部の山岳氷河の面積は約11万4800平方キロで、米アラスカに次いで広い。年470億トンの減少は氷河の厚さが年平均約40センチ薄くなっていることを示す。巨大な氷床のある南極では今のところ、急激な気温上昇がなく、当面の海面上昇を左右するのは山岳氷河になっている。』(2月6日付毎日新聞)


【深刻すぎる事態】

IPCCの第四次報告によれば、「現在のペースで温暖化が進行すると、ヒマラヤ山脈の氷河が2035年までに1995年当時の5分の1に激減する」としている。先月20日、IPCCはこの記述に関して、「明確で確立された基準が厳密に適用されていなかった」と釈明し、誤っていたことを認めたとの報道があった。

IPCCが誤りを認めたとおり2035年にヒマラヤ氷河が完全に消失してしまうことはないかもしれないが、依然としてこの報告の予測に近いスピードで氷河の溶解は進んでいるようなのだ。

今のスピードでヒマラヤ氷河の融解が進めば、遅かれ早かれ、ヒマラヤが飲み水を供給している黄河、メコン川、サルウィン川、ガンジス川などアジアの主要な河川は深刻な水不足に陥り、世界人口の4割に当たるこの地域の人々が極めて重大な飢饉に陥ることになるだろう。二酸化炭素削減に加えて、氷河融解に対する緊急の対策も必要となるだろう。それは、まさに目の前にある危機なのだから。




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