2010年04月08日

【初めて減少】

森林面積の消失率が初めて減少に転じたとの記事が目に留まりました。

消失率が初めて減少―00年代の森林面積『00年代に世界で消失した森林面積は東京都の約24倍の年間520万ヘクタールだったことが、国連食糧農業機関(FAO)のまとめで分かった。90年代の年間830万ヘクタールに比べて大幅に減り、消失率が初めて減少に転じた。中国やインドで大規模な植林が実施され、新興国の環境意識が変化していることを示唆している。

 分析は「世界森林資源アセスメント2010」で報告された。

 それによると、世界の森林は全土地面積の約3割に相当する約40億ヘクタール。90年代には、農地への転換や火災などで毎年1600万ヘクタールのペースで減少していたが、00年代は年間約1300万ヘクタールに鈍化。さらに中国などで植林が進み、森林が年間700万ヘクタール以上増え、増加分を差し引いた00年代の純減少面積は年間520万ヘクタールだった。特に中国やインド、ベトナムでは植林計画が進み、この5年間で年間400万ヘクタールも拡大した。

 一方で、南米やアフリカでは過去最悪の消失率を記録している。FAOの担当者は「中国などの植林計画も20年までに終了する。地球温暖化防止の視点からも森林減少が加速しないよう、各国は森林の保全と管理を強化しなければならない」と警告する。』(4月4日付毎日新聞)


【厳しい現実】

消失率が初めて減少―00年代の森林面積森林消失の最も大きな要因と考えられているのは、熱帯地域を中心とする開発途上国で起こっている人口爆発によって、増大する人口に見合う食糧を確保するためにそれらの地域で食糧を得るための森林伐採、森林の開墾が急速に進んでいることです。

森林開墾とともに、現在世界各地で頻発している森林火災も森林消失の要因として注目されていますが、これは最近の激しい気候変動がもたらしている部分もあります。

いづれにしても、森林の消失はここ数十年にわたって進行してきており、CO2の吸収減の喪失という意味でも非常に深刻な問題と言えるでしょう。2000年代の森林消失率の減少の多くが中国やインドなどでの植林計画実施による森林面積の拡大によるというのは一筋の希望ではありますが、アフリカやその他の開発途上国では森林消失はむしろ深刻化していることを考えると現実は非常に厳しいと言わざるを得ません。日本にだけいると日本の森の豊かさの中で忘れがちですが、今一度森林資源についてひとりひとりがしっかりと考え、行動していく必要があるのではないでしょうか。



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