2011年09月02日

【野田新首相誕生】

四面楚歌状態だった菅首相に代わって、野田新首相が誕生しました。

『民主党の新代表に選出された野田佳彦財務相(54)は30日午後の衆参両院本会議での首相指名選挙で、第95代、62人目の首相に指名された。菅内閣総辞職を決めた同日午前の閣議後、野田氏は記者会見で、党役員人事について「今日の午後あたりからいろいろと着手したい。幹事長などの骨格を決めていきたい」と表明。この後、小沢一郎元代表に近い輿石東参院議員会長と国会内で会談し、幹事長就任を打診したが、輿石氏は固辞したとみられる。組閣は9月2日以降になる見通しで、それまでは菅内閣が「職務執行内閣」として存続する。』
(8月30日付毎日新聞)


【僅かに膨らむ期待感】

最悪の選択と多くの人が思っていた海江田氏が決選投票で敗れ、前原氏を出し抜いてダークホース的な勝利を収めた野田財務相が党内融和を人事手腕で示したとして、党内外だけでなく経済界までも敵に回していた菅首相のときとは正反対に大手メディアがこぞって歓迎を意を表しています。これもまた日本のメディア特有の「みんなで渡れば」式のような同一反応です。

本当にそんなに簡単に民主党が一枚岩になれるのか、野党も野田さんだったらそんなに協力的な姿勢になるんでしょうか?確かに野田新首相は調整型のようですので、菅首相を全否定していた反応が野田氏に好意的に向かうと言うのはわからないでもありませんが、こういうときほど注意が肝心なのです。大手メディアの報道にもよほど注意してかからないといけません。

僕自身は野田政権に関しても大手メディアの報道はまったく信用していません。

【原発・エネルギー政策を監視すべし】

僕は3/11の福島原発の核惨事後の6ヶ月間、このブログで原発問題を集中して取り上げてきました。それはそれほどフクシマが日本にとってかつてないほど重大な問題であり、政治が原発の処理、エネルギー全般の政策転換という問題を最優先で取り組んでいかないとこの国は本当に一瞬にして崩壊してしまうほどの危機に直面すると考えているからです。なぜか?

第一は、原発がこの国にとって本当に危険な代物だということがフクシマで明確になったからです。福島県やその周辺地域は二度と住民の方々が戻れない土地を多く生んでいますし、今でも放射能の恐怖に怯えて暮らさざるをえない人々が100万人単位で発生している。しかもあれだけの大惨事ですが、それでもまだ最悪ではないということです。(日本にとって最悪とは、日本全土が放射能汚染のために居住不可能になるような事態でしょう。それは格納容器爆発のような事態ではあり得る話です。)大津波や大地震ではなくても震度6程度の地震でさえ日本のほとんどの原発は耐えられない可能性が高いでしょう。また津波や地震といった自然災害だけでなく、原発の技術的あるいは人的な面における単一の原因あるいは複合的な要因で格納容器の破壊などの大事故が起これば、日本は本当に終わってしまう可能性が高いと僕は見ています。津波や地震だけではなく、老朽化原発の脆性破壊でも、ギロチン破断でも様々なことが今の政府や原子力関係者の能力では起こりうるでしょう。

そして日本のどこで起こっても日本人に逃げ場はないことがはっきりしました。この狭い日本では、何百万人もの人たちが海外に逃げることは不可能であり、急性放射能障害で即死するか、放射能汚染で土壌も水も空気も汚染され、汚染された土地で汚染された食べ物で生きていくかしかありません。これが現実なのです。

第二は、これほどの現実が白日の下にさらされたにもかかわらず、政治家も官僚も電力会社も御用学者も今までの原発がもたらす既得権益に固執して原発に関して抜本的な見直しが出来ない可能性が依然高いということです。原発を擁護する人たちはあまりにも危機意識が低い。特に政治家はそうです。しばしば彼らは脱原発を主張する人たちを異常だと言いますが、それはまるっきり逆だと思います。脱原発を主張してきた人たちのほうがフクシマを予想していたし、これから起こることに対する危機意識も高いというのが本当でしょう。

菅首相は、党内外のコンセンサスを得るよりも相手を攻撃することで政策転換を図ってきたため、各方面からの猛烈な批判にさらされましたが、少なくとも原発に関してはフクシマの核惨事に真正面から取り組まざるをえなかったため、背筋も凍るような経験を経て、必死の思いで脱原発の方向性を示したという点については評価すべきだと思います。大手メディアは自らも原子力ムラの利権とつながっているからか、脱原発を進めようとしたこともすべてマイナスととらえて菅首相をこきおろし、「菅おろし」に加担して徹底的な攻撃を仕掛けていたように思います。

原発が止まれば大停電になるといった電力会社の脅しは今のところ現実にはなっていませんし、そもそも原発を今すぐ止めても電力は十分足りているというのは複数の専門家の指摘であり、実際に事実だということがわかっているのです。既存の原発を今すぐに止めたときのリスクとは、原発にかけてきた膨大な投資がフイになるといった既存の電力会社の経営上の問題だということではないでしょうか。さらには発送電分離といった議論が進むことによる地域独占の牙城が切り崩される恐れがあるという電力会社にとってのみのリスクでしょう。

残念ながら、今のところ調整型の野田氏ではこれほど危険な原発政策全体の抜本的な見直しが出来るとは期待できないというのが正直なところです。

したがって、大手メディアの大宣伝に踊らされることなく、僕たち国民ひとりひとりがしっかりと野田新首相、新内閣による政府全体の動きを監視して、日本が破滅に瀕しないように原発・エネルギー政策の抜本的見直しが進むのかどうか注文をつけ続けていく必要があると思います。


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