2011年10月20日

【ついに断念】

モンゴルに核のゴミを持っていく計画はとん挫しました。

『モンゴル政府は、日米両国とともに進めてきたモンゴルに原子力発電所の使用済み核燃料の一時保管・処分場を建設する計画を断念することを決め、9月下旬に日本政府など関係者に伝えたことが14日、わかった。モンゴル国内で反対運動が高まり、計画継続は不可能と判断したとみられる。同様の計画は、02年にオーストラリアでも世論の反発で失敗に終わっており、改めて国際的な処分場建設の難しさが浮き彫りになった。

 計画は昨年9月、米エネルギー省のポネマン副長官がモンゴルを訪問したのを機に交渉がスタート。日本の経済産業省も参加し今年2月、ワシントンで初の3カ国協議を実施した。また、モンゴルからの核燃料調達を目指すアラブ首長国連邦(UAE)も加わり、7月初旬には、ポネマン副長官が、海江田万里経産相(当時)宛てに、政府間覚書(MOU)案を送付し年内締結を目指していた。

 3カ国の秘密交渉は、毎日新聞が5月に報道したが、モンゴル政府は公式には交渉の存在自体を否定してきた。報道後、モンゴル国内で市民が反発を強め、計画撤回と情報公開を求めてきた。

 これらの状況を受け、モンゴルのエルベグドルジ大統領は9月21日の国連総会演説で「モンゴルに核廃棄物処分場を建設することは絶対に受け入れられない」と表明、ウィーン国連代表部のエンクサイハン大使も国際原子力機関(IAEA)総会で「他国の核廃棄物を受け入れる考えも、処分場を建設する考えもない」と演説した。

 エルベグドルジ大統領は9月13日、モンゴルに核廃棄物を貯蔵する問題で、外国政府やIAEAなどの国際機関と交渉することを禁じる大統領令を発令。2月3~4日に、ワシントンで日米両国との協議にモンゴル代表として出席した外務省のオンダラー大使などを更迭した。

 一方、日本政府は、福島第1原発事故を受け、事故処理に忙殺されたほか世論の反発もあり、交渉継続は難しいとの考えを米エネルギー省に伝えていた。

 IAEAの調査によると、モンゴルは推定140万トンの豊富なウラン資源がある。モンゴル政府は、ウラン資源を有効に活用するため、ウランを核燃料に加工し、海外に輸出する案を検討、その際に、使用済み核燃料を供給先から引き取る「核燃料リース契約」を導入する考えを模索していた。米エネルギー省は、その構想をさらに発展させ、各国の使用済み核燃料をモンゴルに集めて一時貯蔵・最終処分する案を提示、日本政府とともに交渉を進めていた。』(10月15日付毎日新聞)

【究極の安全策】

昨日、枝野経産相がIEAの会合で「世界最高水準の原子力安全の技術、知見を世界に提供したい」と語り、引き続き原発輸出を推進する姿勢を強調したことをお伝えしました。そしてフクシマの核惨事の原因究明も出来ていないうちに「危険な」原発を他国に輸出するなんてとんでもないことだと申し上げました。

この原子力の問題を考えるときに最も重大なことは、「トイレなきマンション」と揶揄される原発の使用済み核燃料の一時保管、あるいは最終処分場の引き受け手がどこにもないことです。日本国内では青森県六ケ所村の再処理工場に3千トン近い核廃棄物が全国の原発から運ばれてきて貯蔵されており、もう貯蔵施設は満杯に近くなっています。これらはフクシマ同様、ほぼ永久に冷却し続けなければならないわけですから、津波や地震で電源が喪失すれば日本だけでなく全世界が緊急事態に陥ることは必定です。もちろん、そんな自然災害が起こらなくても、各地の原発も自前の使用済み核燃料の貯蔵施設は次々と満杯になりつつあり、持って行き場がなくなりつつある中、今回のフクシマの核惨事で出た膨大な量の放射性廃棄物の行き場もないという極めて危機的な状況にあります。

これほど危機的な状況にあるにもかかわらず、原子力ムラの人間たちは破たんした核燃料サイクルを未だに温存しようと画策するばかりか、他国にまで使用済み核燃料を持っていこうとしていたのですから開いた口が塞がりません。

枝野経産相、「世界最高水準の原子力安全の技術、知見を世界に提供したい」と豪語するのなら先ずこの使用済み核燃料の安全な処理方法、そして最終処分場の問題について明確な答えを出すことが先決ではないでしょうか。それも出来ずに何が世界最高水準の原子力安全か。核廃棄物を他国にこっそり持ち込もうなんて世界最高水準の犯罪行為ではないでしょうか。


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