2012年02月27日

【値上げは必然?】

枝野経産相が電気料金値上げについて言及したとの報道がありました。

『枝野幸男経済産業相は24日、BS朝日の収録で、原発の停止分を火力発電で代替する際の燃料費増加に伴い、電気料金が今後「1%とか2%でなく、5%とか10%とか15%というレベルで上がる」と述べ、大幅な値上げは避けられないとの見通しを示した。枝野経産相が具体的な数値を示して大幅値上げが不可避であることを認めたのは初めて。

 枝野経産相は「原発を使わず、その分火力をやれば、コストはものすごくかかるので電気料金は大きく上がる」と強調。原発を使わない場合、電気料金の大幅な値上げは「必然的だ」と述べた。

 また、原発の再稼働問題については、需給逼迫(ひっぱく)を理由に安全性が未確認の原発を再稼働させることはないとした上で、「安全が確認でき、地元の理解が得られたら、今の電力の需給状況では稼働させていただく必要がある」と発言。安全性の確認と地元の理解を前提に再稼働は必要との考えを示した。

 枝野経産相はこれまで、電気料金値上げには一貫して慎重姿勢を示してきた。東京電力が1月に企業向け電気料金の値上げを発表した際、経産相の認可が必要な家庭向けの値上げについては、東電の徹底したリストラなどを念頭に「そうした検討が行われた後、議論の俎上(そじょう)に載るべき話」と述べていた。

 ただ、原発再稼働が見通せない中、電力各社で燃料費が膨らんでおり、人件費などを抑制しても「原価に占める割合が大きい燃料費分の削減はとても無理」(政府関係者)と判断したと見られる。』(2月24日付毎日新聞)


【値上げ回避に再稼働必要?】

電気料金値上げに慎重だった枝野経産相が突如豹変した理由は定かではありませんが、全原発の停止と再稼働の困難さを考えるとこのあたりで「電気料金の値上げは不可避」と国民に警告しておいて、原発の再稼働への道筋を作っておきたいとの思惑があるのかもしれません。

しかしちょっと待ってほしい。政府や東電をはじめとする電力会社が電気料金値上げや再稼働の前にやるべきことをやってから、電気料金値上げを言い出すのなら多少は話はわかりますが、彼らはまったくやるべきことをやっていないのですから話になりません。そのやるべきこととは何か?それは原子力行政を本気で改革し、国民の信頼を回復することです。そのために僕は最低限次のことが必要だと考えます。

1.福島第一原発の核惨事の原因究明

いろいろな調査委員会が発足していますが、未だに結論は出ていない中で電気料金の値上げや原発の再稼働を云々することは言語道断でしょう。福島周辺の放射能被害は甚大でこれから何世代にもわたって国民を苦しめ続けるというのに、これだけでなく次の「フクシマ」が日本のどこかで起これば間違いなく日本は経済的にも社会的にも破たんするでしょう。だからこそ、原発に対する国民の不信が頂点に達し、再稼働に反対しているのです。したがって次の「フクシマ」を絶対に起こさないためには本物の原因究明が必要なのです。もちろんそれは真実の原因究明でなくてはならず、地震の影響は全くなく津波がすべての原因などという「結論ありき」があっては誰も信じないでしょう。

2.福島第一原発の核惨事を起こした当事者の責任追及

次に絶対にやらなければならないのは福島事故の直接の当事者の責任追及と原子力推進にまい進し、原発の安全対策をないがしろにしてきた原子力ムラ関係者の処罰です。東電や経産省などをはじめとして今回の事故で本当の責任を取らされた人は誰もいません。せいぜいその役職を解かれたくらいで済んでいるのは許されないことです。数十万人もの人々の財産と健康を奪った罪は刑事・民事すべての責任を問われて、財産没収や数十年の刑に服すくらい当然だと思います。東電はもちろん破たん処理すべきでしょう。やる気さえあれば電力業界の独占体制を終焉させて、東電なくても電力の安定供給ができる体制を再構築することはできると思います。当事者の責任をあいまいにして自分たちの間違いを国民に押し付けるだけでは、電力値上げも再稼働も国民の納得は得られないでしょう。

3.原発の安全のための徹底的な原子力運営体制の見直しと原発なしのエネルギー政策の早急な構築

原因究明と責任追及の後は、現在ある原発の徹底的な安全対策と原発なしのエネルギー政策の一刻も早い構築です。今経産省や電力会社が安全対策の強化として再稼働の前提としているのは、全電源喪失時の電源車の確保といったあまりにも馬鹿げた枝葉末節の対策ばかりです。こんなことで原発が安全になるならこの人たちは一体今まで何をしていたのかということです。
4月に発足する原子力規制庁ひとつとってもただ看板を変えただけで魂が入っているとは到底信じられません。
次の事故を起こさないためには原発はもう稼働しないのが最善の策だと思いますが、もし百歩譲って稼働させるとしても、そのためには組織や人間を総入れ替えする原子力安全体制の抜本的な見直しをして、そのうえで全国の原発の危険度を地震や津波などの自然災害、電力会社のガバナンスなどあらゆるリスクを比較検討してランク付けし、最も危険度の低いところを最小限再稼働することくらいでしょう。稼働できない原発のコストと火力代替によるコストの増加は、今まで経営努力をしてこなかった電力会社が先ず必死の努力をして自ら解決すべきです。不稼働の原発は最終的には政府が引き取ることも日本を破滅させないために必要であれば国民に説明して検討すべきだと思います。

上記に述べたような一連の改革をやらずして、やれ電気料金の値上げは不可避だとか原発の再稼働は必要だと念仏のように唱えても絶対に国民は納得しないでしょう。燃料のコスト増とか電力会社の経営難とかは知恵を絞れば解決の道は得られますが、今のようなずさんな原発の管理体制では再びフクシマのような核惨事が起こるのは必定であり、それはコスト増どころの話ではないことを肝に銘じるべきだと思います。



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