2012年02月28日

【南相馬市長の完走】

インターネットで原発事故後の南相馬市の惨状を訴えて有名になった桜井市長が東京マラソンを完走されました。

『「諦めずに地域を再建する」。東日本大震災の津波で大きな被害を受け、東京電力福島第1原発事故により今も多数の住民が避難生活を送る福島県南相馬市の桜井勝延市長(56)が26日、東京マラソンに出場した。「市民を勇気づけたい」。復興への決意と被災者への思いを胸に、42.195キロを完走した。
 「救援物資が届かない」。市長は昨年3月に起きた原発事故直後、報道やインターネットを通じて現地の窮状を訴えた。市役所で寝泊まりする日が続き、ほぼ毎朝の日課だったランニングを再開したのは5月に入ってからだった。
 第1原発から約18キロ離れた同市原町区江井の自宅は警戒区域内にあり、自らも原発避難者だ。いつものコースも立ち入り禁止で、今は間借りする同区内の知人宅周辺を走っている。
 「当初はがれきの中を、行方不明者を捜索する気持ちで走っていた」。市長によると、今のコースになっている同区萱浜では、77人が震災の犠牲になった。「みんな34、35年の付き合い。子ども、孫も知っているような仲間。まだ、彼らは生きているという気持ち」と話す。
 東京マラソン出場は、市が災害時相互援助協定を結ぶ東京都杉並区の田中良区長(51)に「被災地の首長として訴えることがあるだろう」と誘われたのがきっかけだった。』(2月26日付時事通信)


【被災地の苦しみ】

南相馬市長のマラソン完走のニュースは、きっと地元南相馬市だけではなくて、福島第一原発の核惨事によってある日突然生活すべてを破壊された福島周辺の方々の心に勇気を与えたと思います。桜井市長の勇気と故郷への思いやりは本当に素晴らしいと思います。

それにしても福島第一原発の核惨事というのは何という酷いことを多くの人々に強いていることか。多くの人々は原発とは何のかかわりもなく、何も悪いことをしていないのに、東京電力と政府とそれを取り巻く原発利権を何が何でも死守しようとする人間たちに突然人間として生きる基本的人権を蹂躙されたのです。こんな酷いことはない。

桜井市長がマラソンを完走した同じ日の2月26日、東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉郡の8町村長と、細野環境相、平野復興相が復興について話し合う意見交換会は26日、双葉町の井戸川克隆町長ら3町長が急きょ欠席し中止されるという出来事がありました。

欠席した双葉町の井戸川克隆町長は、「事実かはっきり分からないが、世論が判断してしまう恐れがある。話し合いの場を設けたのに、一方的に決めて説明するということは、あってはならない。やり方が非常に恐ろしい」と語ったそうです。自分たちの誤りでも何でもないのに、故郷を穢されただけではなく、その原因となる放射性物質を「中間」、「一時的」というオブラートに包んで、強大な国家が被災者である弱い立場の市町村に引き取ってくれと言う。どんなに平身低頭で謝る姿勢を見せても、こんな酷いことをした国家が再び自分たちを騙そうとしているのではないかと恐怖におののくのは当然の感情だと思います。国家が市民を、住民を、さらに言えば自国の子供たちを見捨てるとき、その国家に本当に未来はなくなるでしょう。

こんな酷いことを引き起こした原子力ムラと揶揄される人間たちは、福島の被災地の町長や市長の心の叫びを真剣に受け止めてもらいたいと思うのは僕だけでしょうか?決して許されることではないと思います。



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