2012年03月22日

「フクシマ・アーカイブ」11日目。2011年3月22日の僕のブログには福島第一原発3号機の使用済燃料プールの記述がありますが、このときは3号機の爆発が1号機とは本質的に違うものだったことなどまったく知るよしもありませんでした。

ここに福島第一原発をはじめ日本に数十基あるGE製の欠陥原子炉マークI等について豊富な知見を有するアメリカの原子力技術者で、福島の事故の際もいち早くメルトダウンが起きたことを明言していたアーニー・ガンダーセン氏が書いた「福島第一原発-真相と展望」という本があります。ここには現在進行中のフクシマの核惨事の真実が明らかにされているのですが、中でも戦慄を覚えるのがこの3号機の状況です。

3号機の爆発は1号機と違い原爆のきのこ雲のようになっていた映像を記憶されている方も多いと思いますが、それは同氏によれば「3号機の使用済み核燃料プールで不慮の臨界が起きていたと考えるのが自然だ」とのことでした。また、もしこの爆発がデトネーションと呼ばれる即発臨界に達し格納容器が破壊されていたら、日本列島がほとんど分断され、何世紀にもわたって居住に適さず、高濃度汚染を前提とした特別な車両でしか移動できないような土地が広範囲に広がっていたというのです。

そして今でも3号機や4号機ではその可能性があるのです。フクシマでさえこんな状況でも原子力関係者は日本全国の原発を再稼働するつもりなのでしょうか。信じがたいことです。

以下は、当時の僕のブログ記事です。


【続く不安な状態】

ここ2日くらい福島第一原発の3号機の使用済燃料プールを中心に自衛隊、消防隊、警察の現場担当者の決死の放水を続けたことで、放射能の大量放出の継続という最悪の事態が僅かながら改善できる一筋の光明が見えてきたと多くの人が思ったのではないでしょうか。しかし、3号機の一部破損があると見られる格納容器の圧力が上昇しつつあり、もし炉の破損が広がればプルトニウム等の大量の燃料が放出されるという新たな危機が始まりつつあります。複数の原子炉で危機的な状況が進行しているために、複合的な事態が危機回避を難しくしているのです。

電源の復旧も今のところ進展しているように言われていますが、はたしてあれだけの津波と水素爆発などを乗り越えて、冷却装置等の機器が動くのかどうかもまだ未知数です。原子力安全保安院の言うレベル5の事態は、一気に6や7に進み、炉心が稼働を停止しているとはいえ、チェルノブイリのような核事故に進む可能性を誰も否定できないのではないのでしょうか。

【対外被ばくと体内被曝への備え】

すでに福島周辺の空気中には連続的にヨウ素やセシウムといった放射性物質が放出され、原乳やホウレンソウがかなり高濃度に汚染されているという報道がありました。例えばヨウ素(131)は半減期は8日と短いものの、ホウレンソウなどの葉っぱや牧草に付着し、それを食べる牛を通して食物連鎖で濃度が高まり、原乳に高い放射能が溜まっているのです。

発表では「「今すぐ」健康に影響があるレベルではない」ということですが、もうここまで現実が進んでいる以上、不測の事態に備えて個人個人でしっかりと事実を把握し、福島との自分との距離もよく考えて、空気からの被ばくと食物の摂取による体内被曝両方について事前の準備をしておく必要があると思います。主な点は以下のとおりです。

1. 時々刻々、自治体や原発団体などから発表される放射線の種類や濃度について正確な情報を収集し、原子力安全保安院の食品安全基準である「飲料水や牛乳に含まれる放射性ヨウ素の量が300ベクレル/kg、野菜類で2000ベクレル/kgとどれくらいの差があるかを知ること。→体内被曝への備え

特に赤ん坊や小さな子供さんはヨウ素等が大人の何十倍も蓄積されますので出来るだけ原発から離れることが必要です。

2. 対外被ばくを避けるため、屋内退避の勧告が政府から出されれば基本的にはそれに従う。水も汚染するのでポリバケツや水筒なども用意して水を保存しておくこと。また雨合羽やビニールシートも用意して放射能に出来るだけ当たらないようにすること。

3.ガーゼマスクや懐中電灯、小型トランジスタ等を用意しておくこと。原発周辺ではヨウ素が大量に放出される可能性があるので自治体などからヨウ素剤をもらうのを忘れないこと。


※詳しくは脱原発団体の原子力資料情報室(以下、CNIC)のホームページをご覧ください。→ http://www.cnic.jp/

【あまりにもお粗末な当事者】

福島第一原発の最前線の現場で決死の思いで放水等の作業を行う自衛隊や消防隊員、警察、そして保安作業員等の人たちには、僕ら市民はただ、ただ感謝の思いでいっぱいです。

それに対して、この後におよんでもトップが出てこない東京電力、住民の安全を確保するためにあるはずなのに情報をスルーするだけに見える原子力安全保安院(この機関のホームページの「原子力災害発生時の住民としての対応」というページのお粗末さには絶句しました。いかにもお役所的な体裁だけで、市民を守る真摯な姿勢など見えません。それに対して、CNICのほうが市民の防災の観点からしっかり書いており極めて充実しています)、未だに政争を繰り返して事態の重大さを認識しているとは思えない与野党の政治家たち(少なくとも官邸は必死に見えます)などを見るともう絶望的にさえなります。

さらに加えて、先週末に記者会見を開いた一部の地方電力会社のトップは、これほどの深刻な事態が福島原発で進行しているさなかに、「自分の原発で想定外のことはないと思うが、」とか、「万が一不測の事態があっても、炉心などに水がいかないようなことは絶対に防ぐ」といった発言をしています。大自然の猛威や人間のヒューマンエラーは想定外ばかりであり、「絶対に防ぐ」などというのは原子力広報や精神論では言えても、市民に信頼の得られる言葉ではないことは明らかです。これは彼らの考え方が事故前から何も変わってないことを暴露したようなものです。ましてや事故が起きて「想定外だからごめんなさい」なんて冗談ではないです。もう彼らには頼れない、自分たちは自分たちで守るしかないと強く思います。


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