2012年04月18日

【共同提言】

大飯原発の再稼働問題で、周辺自治体である京都府と滋賀県が共同提言を発表しました。

『ひとたび原発事故が起きれば、立地地域と変わらない影響を受ける「被害地元」だ-。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題で、京都府と滋賀県が17日に打ち出した原発政策をめぐる7項目の共同提言は、原発周辺自治体の立場を強調する内容となった。一方の政府は「地元」の範囲も明確に示しておらず、再稼働に慎重な両府県の提言に国がどう対応するかが今後の焦点になる。

 「原発事故で被害を受ける可能性がある自治体の責任として、安全の担保を真剣に考えた」

 京都市内で会見した滋賀県の嘉田由紀子知事はこう述べた。共同提言は京都府の山田啓二知事と12日に大飯原発を視察した際、安全性に疑問を感じたのがきっかけだったという。

 原案を作成した嘉田知事がこだわったのが「被害地元」というキーワード。立地自治体だけでなく滋賀、京都も原発の「地元」であると強調することで、政府に真剣な対応を迫った。

 山田知事は大飯原発が立地する福井県に対し、「急に京都府と滋賀県が議論に割り込んだとの印象を持っているかもしれないが、被害地元として理解をいただきたい」と説明。政府には「説明責任を果たしていないのに、いつ同意をとるかの手続き論ばかりが先行している」と厳しく批判した。

 大阪府も16日、原発再稼働の8条件について表現を緩和した「提言」とし、大阪市と調整して政府に提出する方針を決めたが、嘉田知事は「大阪府市は政治的メッセージが強い。こちらは『被害地元』として政策提言している」と立場の違いを強調した。

 一方、藤村修官房長官は17日午前の記者会見で、共同提言をまとめたことについて「真摯に受け止め、必要に応じて(政府の立場を)説明する」と述べた。』(4月17日付産経新聞)


【今後の試金石】

原発の「地元」とはどこまでの範囲を言うのかを明確にせず、立地自治体の同意が得られれば、周辺自治体には「説明」だけすればいいとする政府のやり方は、地方を自分たちの都合のいいように分断して原発の再稼働への道筋をつけやすくする過去と変わらぬ小賢しい手口です。そんな政府のあくどい手口に騙されず、自らを「被害地元」として政府に原発政策を巡って7つの政策提言を共同提案した京都府と滋賀県には是非頑張ってもらいたいと思います。この府県が政府を動かせるかどうかに、日本の今後の命運がかかっているといっても過言ではないでしょう。京都・滋賀が「被害地元」と政府が認めればこの狭い日本の各地に点在する原発の周辺はすべて被害地元となります。もちろん玄海原発の周辺である福岡県も「被害地元」です。

京都府と滋賀県だけではなく、昨年の3月11日以降、日本の大多数の国民はすでに「地元」とはどこかについて直観的に肌で感じています。時代は3/11の前と後でまるっきり変わったのです。もうフランスがどうだとか、中国がどうだとかではない、福島において原発のシビア事故を経験したニッポンの国民にとっては「地元」がどこかなど議論の余地がないことなのです。そんなことを話題にするのは、原発から得られる利益を享受したい人たちだけです。どんなに原発推進をしてきた人たちが抵抗しても、その肌感覚は覆すことができないでしょう。

すなわち、「地元」あるいは「被害地元」とは日本全体です。原発の再稼働だけでなく、原発の存続の是非を決めるのは原発の周囲5キロとか10キロの何とか町や、その市町村がある県にとどまるわけがない。フクイチの核惨事がそれを証明したのです。しかもフクイチの事故は今まで起こった事故の中で最悪だったということに過ぎず、これから先、フクイチ以上の事故が起こって、何万人いや何十万人もの人々が急性放射線障害で死に至り、半径数百キロの範囲の市や町がどんな生物も住めない場所になる可能性は十分にあるのです。

百歩譲ってそんな原発の「地元」の範囲を現実的なところまで狭めるとしても数百キロになるでしょう。フクイチの核惨事とはそういうことだったということを原子力ムラの人間たちは認めるべきでしょう。それほどの大事故が日本で起こったということを。今までの「地元」と言われていた市町村、そして電力会社、原子力安全・保安院はそのことを正直に認めるべきです。もうあなたたちの都合のいいようには事は進まないのです。(今日の読売の社説を見ると、原発の再稼働問題について「冷静で現実的な議論が必要だ」と見出しをつけていますが、地元自治体の「反乱」を見て冷静でいられないのは原発推進に固執する読売新聞を含む彼らのほうではないでしょうか?)


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