2012年05月10日

【知らしむべからず】

相変わらずの原子力推進側の隠ぺい工作です。

『関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働の妨げになるとして、内閣府原子力委員会が4月、有識者によって長期的な原子力政策を決める原子力委の「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案の一つから「(原子力と)地域社会との共生」を外していたことが、毎日新聞の入手した議案書で分かった。

経済産業省・資源エネルギー庁や電気事業者側に極秘で事前に議案を示したところ「『地域とはどこか』と論争が起こるのでやめてほしい」と依頼され隠蔽(いんぺい)したという。原発推進派に有利に働くよう、議案を恣意(しい)的に調整している疑惑が浮上した。

【原子力委員会】議案選定、際立つ不透明…委員長は隠蔽を否定  再稼働を巡っては政府が「地元の理解が必要」とする一方、どの範囲が地元かを明確にせず批判を浴びており、問題の議案を取り上げると動きに拍車がかかる可能性がある。近藤氏の了承を受け隠蔽した疑いが強く、原発事故後「ゼロからの出発で議論する」と公平な議事運営を強調してきた近藤氏の姿勢に重大な疑問が浮かんだ。

問題の議案書は「原子力利用の取り組みと国民・地域社会との共生に向けて」。A4判6ページで「立地地域(と)意思疎通を図り、周辺のニーズを踏まえて、必要があれば事業方針等の見直しを行う」「地域社会と議論し、認識を共有する」などと記載。策定会議事務局役の内閣府原子力政策担当室職員が4月24日の策定会議のために用意したものだが、地域がどの範囲を指すのか明記されていない。

 内閣府職員は4月中旬、議案をエネ庁や電気事業者側に示した。すると、策定会議委員の伴英幸・原子力資料情報室共同代表や金子勝・慶応大教授の名前を挙げ「両委員から『周辺には(再稼働に慎重な)滋賀県は含むのか』と追及される」「関西圏首長に理解を求めるハイレベルな活動に影響する」などとして議案から外すよう強く要請があった。内閣府職員は「委員長(近藤氏)に話して決める」と応じたという。
 策定会議前日の4月23日と翌24日には、政府高官が滋賀県の嘉田由紀子知事、京都府の山田啓二知事、大阪市の橋下徹市長らと会談した。近藤委員長は毎日新聞の取材に「事務局(内閣府職員)から『(取り上げると)地域の範囲について議論になる』と聞いた」と認めたうえで「それでやめたわけではなく、他の議題を優先しただけ」と答えた。【小林直、太田誠一、田中龍士】

 ◇新大綱策定会議  原子力政策の基本方針として5年をめどに見直される原子力政策大綱の改定作業を担う有識者会議。立地自治体や財界関係者、研究者、市民団体メンバーら27人で構成され、議論は公開で行われる。10年12月に発足し、東京電力福島第1原発の事故で中断したが、11年9月に委員を一部入れ替え再開した。今夏にも関係閣僚らでつくるエネルギー・環境会議が革新的エネルギー・環境戦略をまとめる方針で、策定会議の議論や新大綱がそこに反映される。』(5月8日付毎日新聞)


【原子力推進のドン】

内閣府原子力委員会の近藤駿介原子力委員長とは、知る人ぞ知る原子力推進派の筆頭御用学者とも言える人物で、今回もその本領をいかんなく発揮し、自分たちの都合の悪い議題など闇から闇へ葬ろうとしているようです。

そもそも以前にもブログで書きましたように、フクイチ事故の最も重要な教訓のひとつは、その放射能汚染の広がりの深刻さから考えて原発の地元とは交付金を受け取る原発立地の市町村だけではありえず、周辺自治体、そして日本全国だということが明確になったということです。

それを認めてしまうと、もう永久に再稼働など出来なくなると恐れて原子力委員会の「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案の一つから「(原子力と)地域社会との共生」を外したということは誰の目にも明らかです。毎日新聞はどこかの読売と違ってよくやっていると思いますが、これでよしとせずにもっとしっかりと執拗にこういう重大な疑惑を取り上げてほしいものです。

フクイチのような重大事故が起きることがはっきりした以上、直接の利益を享受している立地自治体は別にしても、その他の周辺自治体などの地域社会と原発が共生することは僕はあり得ないとは思いますが、それを深く認識するためにもこのような議題でしっかり議論するのが国の役目ではないでしょうか。反省なくして地域と原発の共生なんか絶対にあり得ないし、その前に議論のテーマを隠ぺいするなんて言語道断でしょう。国民の命をもてあそび、愚弄しています。即刻、近藤氏と隠ぺい工作を主導した経産省の事務方は全員退場してもらいたいですね。


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