2012年08月02日

【まっとうな受け答え】
田中俊一氏の所信だけを聞いていると、ひょっとしたら新しい規制委員会はうまくいくのではないかという期待を抱かせるような上手な受け答えに聞こえます。

『衆院議院運営委員会は1日午前、政府が国会に提示した原子力規制委員会の同意人事案で初代委員長候補の田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)から所信を聴取した。田中氏は原発の再稼働について「新たな調査の結果、活断層による影響があるとの判断になれば、運転の停止を求めるべきだ」と述べ、再稼働した関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を含め規制を厳格に適用していく考えを示した。

 田中氏は「(再稼働の)安全性に関する判断基準も含め、慎重に確認、評価を行う必要がある」と強調。そのうえで「津波や活断層の評価など技術的な点の精査が不十分だった可能性がある」との認識を示した。

 さらに、大飯原発の敷地内の断層(破砕帯)が活断層である可能性が指摘されていることについて「事業者任せではなく、委員会としても調査に加わって自ら判断していく」と語った。

 規制委設置法に盛り込まれた原発の40年運転制限ルールについては「40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させない姿勢で臨むべきだ」と述べた。

 田中氏は「油断してはだめだが、原発はコントロールできると思う」とも発言。東京電力福島第1原発事故に関しては「どんなに反省しても、し切れるものではない。福島の地をできるだけ早く元に戻し、古里に戻れるようにする思いで取り組んできている」と話した。

 また「原子力ムラの住人」と指摘されていることについて「今まで仕事をした経歴で言われるのであれば、否定するすべはない。ただ、私は研究所が長く、あまり事業者との付き合いはない」と説明。「規制委の透明性を守ることで、今までとは違う、事業者とは一線を画した規制行政ができる」と強調した。委員会の運営については透明性確保の観点から「基本的には原則すべて公開し、議事録を取りたい」と述べた。

 同意人事をめぐっては、田中氏が内閣府原子力委員会の前委員長代理だったことなどに、超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」や鳩山由紀夫元首相ら与野党から再考を求める声が上がっている。【笈田直樹、岡崎大輔】』(8月1日付毎日新聞)


【裏に潜む巨大権力の危険性】

しかしながら、まともそうな受け答えをする田中俊一氏が新しい原子力規制委員会の委員長になって本当にこの国の原子力行政が今までとは全く違う、国民の側に立った規制を行っていけるでしょうか?

残念ながら、僕は今のままでは「否」と答えざるを得ません。なぜか?そう考える理由は以下のとおりです。

1. 田中俊一氏がどんなに原子力ムラから「足を洗った」と宣言しても、今まで原子力推進の責任の一端を担ったことについて、国民が納得のいく責任の取り方を示して、今後も委員長としてどういう風に国民に対する「透明性」を確保してその職に就くかを明確にしない限り、原子力ムラの一員だったこの人がたったこれだけの所信表明をするだけではまったく信用できないこと。

2. 委員長が誰になろうと、3/11以降もそもそも経産省をはじめとする政府、電力業界、原子力業界、政治家、それらを取り巻く御用学者や御用メディアなどの原子力ムラの無責任体質と、原発と核燃サイクルを何としてでも維持しようとする数々の工作や企てはまったく変わっていないことから推察すれば、新しく発足する原子力規制委員会は原子力から国民を守るよりもさらなる原子力翼賛体制の維持・拡大のために、今まで以上の強大な権力として国民の命と国家の安全を脅かす可能性が強いこと。これは元の木阿弥どころか、さらに強大な原子力帝国の復活となるでしょう。

その工作や企てとは、玄海原発再稼働を巡るやらせメール疑惑、鉢呂大臣の突然の経産相辞任騒ぎ、原子力委員会の秘密会議疑惑、野田首相の大飯原発再稼働声明など数え上げればキリがありません。

【今、何が必要か】

ではどうすればいいのでしょうか?やはり、原点に戻ってすべてを一からやり直すしかありません。すなわち、

1. 福島第一原発事故を起こした責任者の処罰と原子力ムラ全体の解体

先ずやるべきはあれだけの巨大な核惨事を引き起こし、10万人以上もの避難者を未だに救えなくしたフクイチ事故の責任者をすべて告発し、牢屋に入れることです。東京電力の幹部はもちろん、原子力安全・保安院や原子力委員会、原子力安全委員会の委員たち、御用学者らすべてです。そして責任の所在を明らかにして原子力ムラといわれる悪魔のような人間たちを一掃することが先決です。そうしなければどんなに規制組織を作っても「張り子の虎」に終わってまた大事故を引き起こすことは必定です。原子力事故は、今でもフクイチだけで将来的な被害額は天文学的になるのは目に見えており、今度起こればもちろん国家は破たんします。

2. 原子力に関するすべての情報を国民の共有財産として公開すること

国家機密とか企業秘密といったもっともらしい理由で、この国全体の電力需給が本当はどうなのかとか、フクイチ事故の真の原因はどこにあるのかなど国民が最も知りたい原子力に関する情報を国家の崩壊を食い止めるためにすべて国民の前に公開することが必要です。情報の公開が不完全にしか行われず、原子力ムラの意図するままに情報操作が行われている現状では、今行われている意見聴取会は茶番にすぎません。国民の必要とする情報を公開することが関係者の処罰と同時に速やかに行われなければなりません。

3. その上で現在存在する原発、それから核燃料サイクル関連の施設はすべて即廃止すること

その際発生する電力会社の債務超過などは当然の報いです。やることもやらない中での国民へのつけ回しは言語道断です。まともな経営者であればもっと早く手を打つべきだったことをしていなかったわけですから、政府に原発を引き取ってもらうなり、新たな電源を早急に確保するなり命を懸けてやっていくべきでしょう。ただ、国民経済の混乱を招かないように当然政府は緊急措置を次々と取っていくべきですし、そのための国民負担の発生も僕たち市民・国民は覚悟すべきでしょう。それをしなければ、明日にでも大地震が起きたり、馬鹿な電力会社の人為ミスで原発が大事故を起こせば日本列島は即破局に落ちいるわけですから、そうならないための「覚悟」だと考えなければなりません。緩やかな減原発などと甘っちょろい対策ではもう日本は救われないほど危機的だという認識を国民全員が持つ必要があると思います。

日本を世界で最初の原子力の墓場としない覚悟が求められています。日本が原子力の墓場になるということは、世界全体が経済も社会も文化も歴史も崩壊の危機に晒されるということです。人類の最も愚かな民族として未来永劫迫害を受け続けることにならないようにするために、今日本人に本当の覚悟が求められていると思います。世界は日本の動きを真剣に見ています。


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