2012年08月03日

【福岡での意見聴取会】

いよいよこの週末、8月4日(土)の午後2時から4時にかけて福岡でも政府主催の「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」が開かれます。この機会に福岡に住む僕たち市民も一度真剣に原発を今後どうするのかについて考えてみようではありませんか。
「意見聴取会」という呼び方自体ふざけていると言うか、「国民の意見を一応聞こうではないか」というお上意識が感じられるのですが、そんな瑣末な批判をしている場合ではありません。僕たち自身の命がかかっている問題なので、この際政府の考え方にしっかりとモノを言うべきだと思います。原子力問題は3/11前とは違ってすべての国民にとってタブーではなくなりました。

【3つのシナリオ】

政府はこの意見聴取会を行うに当たって、3つのシナリオを用意しています。それは2030年時点での原子力の比率を①ゼロ、②15%、③20~25%にするという選択肢です。(詳しくは内閣府のページをご覧になってください)

そのシナリオをどれかを選択するか、あるいは第4のシナリオがあればそれを意見表明するということです。パブリック・コメントとして内閣府に提出することも8月12日までは可能です。みなさんも是非提出してみられてはどうでしょうか。

【僕の主張】

ちなみに僕の主張を以下に述べておきますので、ご意見をいただければ幸いです。手短に言うと、原発と核燃サイクルの即時停止を求めるもので、その理由としては①地震多発国での国家の崩壊を招くような原子力災害を避けるため、②日本社会は原発をコントロールする能力がないこと、③放射性廃棄物の最終処理方法、処理地を決めきれていないこと、④暗黒の産業ではなく、未来の産業を早急に育てる必要があること、です。


『私は、内閣府が提示する3つのシナリオではなく、第4のシナリオとして全原発の即時廃炉と核燃料サイクルの即時停止を求めます。その最も大きな理由としては、東日本大震災同様、世界で最も地震が多発する日本では高度な技術だけでは国家の壊滅さえ招きかねない原子力災害を防ぐことは不可能だからです。以下にその主要な論点のみを申し上げます。



1. 原発を即時全廃しなければならない最大の理由は、他の産業事故などと比べてあまりにも巨大なリスクの大きさにあります。今回の福島第一原発事故でも明らかになったように、人類は過去何千年にわたって戦争によって破壊と復興を繰り返してきましたが、原子力事故というのは一旦大規模に発生すれば何万年と続く大気・水・土壌の放射能汚染のゆえに、放射能に被災した広大な地域の復興が不可能になるからです。ある意味、大規模な原子力災害が起これば国家そのものが何千年もの間放射能に汚染され機能しなくなるという事態が想定されます。それは復興が可能な戦争よりもひどいし、福島の事故でさえ最悪ではなく、もっと悲惨で取り返しのつかない原子力災害が原発の集中立地する若狭湾や六ヶ所村の再処理施設などでは現実に起こりうるということです。そして、その事故が起こる確率がきわめて高いのが、地震が世界でもっとも多発し、地震学者の最近の知見によれば今後10年以上活発な地震活動が続くと言われている地震大国・日本の現実であるということです。原子力を推進しようとしている政府関係者や原子力産業界、電力業界、原子力学会や原子力を擁護しようとするマスメディアなどの「原子力村」関係者は、「原子力はそれでも日本の経済の発展にとって必要だ」「世界最高水準の日本の技術をもってすれば原子力は安全に運転できる」と主張しますが、そのような主張をするときにこの活動期に入った地震の脅威、東海・東南海地震の確率の高さなどについて何の説明もないのはどういうことでしょうか?そういう地震のリスクに言及せずに、技術力で克服できるとか、電力不足や経済への足かせばかりを強調するのは著しく説得力を欠いていると言わざるをえません。それは国家を一瞬にして崩壊させかねないほどの原子力災害をあまりにも過小評価しているということです。言いかえれば、原子力技術の温存を図りつつ潜在的な核保有による安全保障を確保するどころか、自国の原発が地震によって複数壊滅することによる国家経済・社会・文化の一瞬の破たんというとてつもないリスクを抱え込んでいるということではないでしょうか。これは国家の存立そのものを脅かすほどのリスクであり、その近い将来における発生確率は極めて高いと言わざるをえません。そういうリスクの存在を国家や政財界のリーダーたちはあまりにも過小評価しすぎているし、もし意図的に無視しているとしたら国家や政財界のリーダーとして失格でしょう。



2. 二つ目の理由は、日本という国が社会全体として原発や核燃料サイクルという巨大技術を動かす能力、キャパシティがないということが今回の福島の事故によって明確になったということです。今まで原子力の安全をここまで疎かにして、国民の生命と財産を脅かし、立地自治体にあっては補助金や様々な経済的なアメを与え続けることによって原発への依存から脱却できないようにしてきた「原子力村」を核とした社会・経済構造が日本という国家にビルトインされ、福島ほどの事故が起きても何ら責任も取らず、反省もせず、開き直ってきたのです。この社会構造はまさに太平洋戦争に突き進んで国家を破たんさせた戦前の官僚組織、政治家等の硬直性と同質のものだと言わざるをえず、ひとかけらの正統性もキャパシティもありません。福島の事故後もその社会・経済構造は何も変わっておらず、たとえ高度な技術力を持っていてもその精神の荒廃が続く限り、いったん事故を起こせば一瞬にして国家を非常事態に陥れるような原子力災害に対応できないのは明白です。その証拠に3/11以後1年半もの時間が経過しても原子力災害に対する備えは何も出来ていないというのが実態であるし、原子力村は国民の生命の安全よりも自分たちの権益の確保ばかり画策しているのではないでしょうか。



3. 三つ目の理由は、「トイレなきマンション」と言われる放射性廃棄物の最終処分問題の存在です。すでに六ヶ所村の再処理施設には日本全国の原発から集まってきた放射性廃棄物であと数年もすれば満杯になることは明白であり、この問題を放置したまま原発を運転しつづければどんなに原発を運転したくともすべての原発は自動的に停止せざるを得ない状況に追い込まれるのは時間の問題です。これこそ政府そして原子力村全体の無責任ぶりを象徴するものであり、この道筋を示せない限り原発と核燃サイクルの即停止は当然だと考えます。



4. 最後に、福島の核被害を経た今、正統性を失い、常に国家を非常事態に陥れる危険性が高く、何十万人もの住民にこれから放射能汚染という健康被害を出し続け、子供たちに未来への希望を失わせるような産業ではなく、たとえ当面は厳しい道のりであっても市民、国民に希望を与え、併せて新しい経済・社会の発展の礎となるような産業を育成していくことが今早急に求められているということです。それは、エネルギーの分野では間違いなく太陽光などの自然エネルギー産業の育成です。もちろん、自然エネルギーへの大胆なシフトを進めるため、原発を即廃炉にして電力の供給体制に齟齬を生じないようにするには天然ガスや石炭によるコンバインドタービン発電やコージェネレーション発電による効率的な発電、発送電分離による電力の地域独占体制の見直しなどを進めることです。また、原発を即廃炉にしてもすでに発生している膨大な放射性廃棄物の処理を国民のコンセンサスを得ながら進めていくには、新しい産業へのシフトを大胆かつ迅速に行って、原子力の負の遺産処理を早急に始め、その高度な処理技術の開発・実施能力を世界に伝えていくことが世界最悪の原子力災害を起こした日本の責務だと考えます。』



≪参考≫

1. 内閣府のページ「話そう、"エネルギーと環境の未来"」

2. 内閣府の提示する3つのシナリオ

3. エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会


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