2012年12月11日

【活断層の疑い】

敦賀原発2号機の真下を活断層が横切っているという疑いが強まりました。

敦賀原発をどうする-活断層と再稼働『 「今のままでは再稼働の安全審査はできないというのが、私の印象だ」。原子力規制委員会の田中俊一委員長は10日の評価会合でこう述べ、敦賀原発の再稼働を容認しないとの姿勢を強調した。

【敦賀2号機の廃炉不可避】直下「活断層の可能性」

 今回の判断は、「世界最高の安全規制」を目指す規制委にとって存在感を示した格好だが、現行法では事業者に運転停止や廃炉などを命じる法的権限はない。規制委事務局の原子力規制庁幹部も、委員長発言について「田中氏個人の感想」との見解を示しており、廃炉の判断は原電自身に委ねられる。

 原子炉等規制法では、「急迫した危険がある場合」に限って、「原子炉による災害を防止するために必要な措置を講じることができる」と規定。さらに、耐震設計をめぐる国の安全指針の手引でも「活断層の上に原子炉建屋など重要施設の建設は認めない」としている。

 しかし、「急迫した危険」の法解釈について、規制庁は「ミサイル攻撃や人工衛星の落下、火山の噴火など、明確に危険が予見できる場合」との見解だ。活断層の活動は1000年単位で起こるとされ、活断層を「急迫」と認定するのは困難とみている。さらに、国の手引も、建設時の許認可を念頭にしており、すでに建設されているものについては強制力はない。

 それでも、来年7月には、規制委設置法に基づき、既存原発にも最新の安全対策を課す「バックフィット制度」の運用が始まり、その延長で、活断層の影響があると認められた原発の運転を停止できるようになる。現在、敦賀原発は定期検査のために運転を停止している。

 「廃炉を命じるのは難しい」(規制庁幹部)との慎重論もあるが、田中委員長はこれまでの会見で「(活断層の可能性で)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」と述べており、活断層と判断された場合は廃炉が不可避になるとの見方を示唆している。【中西拓司】』(12月10日付毎日新聞)

【権限がないから危険を放置していいのか】

敦賀原発をどうする-活断層と再稼働驚愕するのはこの記事にある原子力規制庁幹部という匿名の発言です。規制委事務局の原子力規制庁幹部が、こともあろうに自分たちのボスである委員長発言について「田中氏個人の感想」との見解を示しているというのです。法律的に廃炉が困難と思うのなら何故その法律の改正を行って国民の生命・財産を守ろうとしないのか。「個人的な見解だ」などとうそぶいている場合ではないはずです。暴走する官僚の見本のような発言ではないでしょうか。

国民の生命や財産を二の次にして一部の利権や業者のために動く姿は旧来の原子力安全・保安院の姿と何ら変わりません。彼らは福島第一原発の核惨事の責任をまったく取らずにただ看板だけをすげ替えただけという事実をこんなところで暴露しているのです。言語道断だと思うのは僕だけでしょうか。

法律がないから、権限がないから、市民や国民の命が脅かされていても何もしない、そんな国家がどこにあるでしょうか。

もうひとつ付け加えれば、敦賀原発の東側には浦底断層という活断層が通っています。原発の直下を走っていなくてもこの断層の存在だけで敦賀原発は2号機だけでなく、すべて廃炉にすべきでしょう。さらに日本原電はこれほどの危険な原発を今まで嘘に嘘を重ねて活断層の存在を否定し、稼働し続けてきたのです。こんなデタラメな電力事業者を過去何十年も放置してきたこと自体、この国の原子力行政がいかにデタラメだったかを証明しています。もちろん、原子力安全神話を放置してきた自民党に政治的責任があることもこの敦賀の一件だけで明白です。

≪参考≫ ~浦底断層とは~

 福井県敦賀市立石岬付近から敦賀湾を横切り、滋賀県長浜市に至る「浦底-柳ケ瀬山断層帯」(約25キロ)の一部を構成する。70年代に複数の研究者が活断層の可能性を指摘し、91年出版の学術書「新編日本の活断層」では長さ約3キロの活断層として掲載されている。最近4000年以内に活動したと考えられている。



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