2013年03月29日

「フクシマ・アーカイブ」18日目。みなさんは2年前の3月11日以降、少なくなったとはいえ、おびただしい量の福島第一原発関係のニュースが日々テレビや新聞などを通じて流れていたことに、いかにあの事故が日本の在り方を日々問い直し続けているか肌で感じるのではないでしょうか。
放射性物質の基準値はその中でも日々の食事や暮らしに直接かかわってくるだけに神経質にならざるを得ません。特に内部被ばくについては、広島・長崎の原爆投下以来、核兵器の負の側面を出来るだけ隠したいアメリカを中心に健康への影響が無視され続けて今に至っています。スリーマイル事故もチェルノブイリ事故も、そして今回のフクイチの事故においても、国際原子力機関や世界保健機構も内部被ばくについては出来るだけ健康への影響を過小評価したいという姿勢は変わっていません。日本政府がどういうスタンスにあるかは日々の動きを見ていればわかるでしょう。

では僕たちはこの放射線被ばくにどう立ち向かっていったらいいのか?ここに原爆症認定集団訴訟で内部被ばくについて証言した矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授の「内部被爆」(岩波ブックレットNo.832)という本があります。この中に同氏の提言が書いてあります。少し長くなりますが、心に響く言葉なので引用します。


「この時代を生きていくうえでの私の提言は『怒りを胸に、楽天性を保って最大防護を』です。」

「~事態がこうなった限り、能動的に立ち向かうことが大切です。内部被ばくの恐ろしさを学んで、それでもだめだと考えてしまうのでは何の意味もありません。そうではなくて、恐ろしさをきちんと知ることで、政府の発表を鵜呑みにしないようにし、私たちのいま、なすべきことを見出していくことができるのです。私たちは、もはや「汚染される覚悟」が必要です。しかし、悲観して恐怖のうちに汚染を待つのはよしましょう。この怒りを胸にしっかりと収めて、開き直って、楽天的に、知恵を出し、最大防護を尽くしつつ、やるべきことはすべてやるのです。」(同書 57ページより引用)


「汚染される覚悟」・・・重い言葉です。

以下は、2011年3月29日の僕のブログ記事です。

【厳格すぎる?】

民主党から放射性物質の基準緩和を求める声が出てきました。

『民主党の岡田克也幹事長は27日、農産物の出荷停止や摂取制限の目安となる放射性物質の基準値について、「少し厳格さを求めすぎている」と述べ、風評被害を招かないためにも見直しが必要との認識を示した。青森県八戸市で記者団に語った。

 現在適用されている食品衛生法の基準値は暫定的な数値で、食品安全委員会が体内に取り込んでも健康に問題がない数値について議論している。岡田氏は「心配ないものは心配ないときちっと言えることが必要だ。科学的な厳格さを求めすぎれば風評被害になる」と指摘した。 』(3月27日付朝日新聞)


【現状追認】

農産物の出荷制限などが長引いてくると、放射能の風評被害と相まって、それらの作物を生産している農家にとっては死活問題となってきます。したがって、時間が経てば経つほど放射性物質の基準値に対する不満が高まってくる事態は今後ますます増えてくるでしょう。

しかし、一方で福島第一原発からの放射性物質の放出が止まらなければ、広範囲に日々変化していく風下地域において葉物類などの野菜、水、土壌等への放射能汚染は半減期の長いものがどんどん残留・蓄積していく結果となります。

『文部科学省は28日、福島第1原子力発電所から北西約40キロの福島県飯舘村で26日に採取した雑草1キログラム当たりから、過去最高値の放射性セシウム287万ベクレルを検出したと発表した。北西約45キロの川俣町でも過去最高値のセシウム57万1000ベクレルを検出。これまで減少傾向だった放射性物質が2地点で急増した。文科省は「採取場所が全く同じではなく一概に評価できないが、高いレベルの放射性物質が残留していることは確かで、農作物への影響を注視する必要がある」と説明した。

 飯舘村の雑草のこれまでのセシウム最高値は20日採取分の265万ベクレル。セシウムの半減期は約30年で、採取地点付近では拡散しないで残留している可能性が高い。一方、放射性ヨウ素は20日採取分の254万ベクレルから103万ベクレルに減少。半減期が8日のためとみられる。』(3月28日付毎日新聞)


福島第一原発の3号機や2号機の水たまりで高濃度の放射線が見つかり、本格的な復旧には長い時間がかかると予想されています。その間にも放射性物質の放出が続くのであれば、農産物や水、土壌への汚染の蓄積をしっかりとモニターし続ける必要があります。そして監視すべきことがもうひとつあります。それは冒頭の政治家の発言のように、時間が経つにつれて放射性物質の基準値緩和の動きが次々と出てくるだろうということです。事故現場周辺地域の方々は、自分たちの健康を守るのは自分たちしかないという覚悟を持って、しっかりと基準緩和の動きを監視しておくべきだと思います。


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