規制委の最初の踏み絵?-大飯の活断層調査
【現地調査】
原子力規制委員会が来月早々に大飯原発の活断層調査を実施するそうです。
『関西電力大飯原発(福井県)の敷地地下で活断層の存在が指摘されている問題で、原子力規制委員会は17日、定例会を開き、来月2日に初めての現地調査を実施することを決めた。年内にも活断層かどうか判断し、運転の可否を検討する。また、Jパワー(電源開発)が建設中の大間原発(青森県)などについても活断層調査の必要性を検討する。
【図で見る】全国の原発の敷地内にある断層の検討状況
現地調査団のメンバーは、規制委の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)のほか、岡田篤正・立命館大教授▽重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員▽広内大助・信州大准教授▽渡辺満久・東洋大教授--の計5人。調査の公平・中立性を保つため、過去に原発の安全審査に関わった専門家は外して選考したとしている。
活断層の疑いが指摘されているのは大飯原発1、2号機と、3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層(破砕帯)」と呼ばれる地層。旧経済産業省原子力安全・保安院が全国の原発について断層調査を実施する中で、大飯など六つの原子力関連施設について、敷地内に活断層がある可能性が浮上した。
先月発足した規制委は、全国で唯一稼働している大飯原発を優先して現地調査を実施することを決め、人選を進めてきた。残り5施設についても順次、メンバーと日程を決め、現地調査を行う。
大飯原発の断層をめぐっては、関電も8月から調査を始めており、月内に中間報告を公表する見通し。【中西拓司】』(10月17日付毎日新聞)
【調査結果と規制委判断を注視】
そもそも大飯の活断層は再稼働の前から東洋大の渡辺満久教授などの専門家がその存在を指摘していたにも関わらず、断層の再調査もせずに再稼働に踏み切っていました。
もし活断層であれば、今断層が動いても原子炉に重大な危険が及び、原子炉崩壊といった事態が起これば日本列島が東西に分断されかねない重大なことなのです。それを事業者の関西電力や保安院は今の今まで資料が紛失してないとかいろいろな屁理屈をこねて調査さえしてこなかったのは言語道断でしょう。
今回の調査団のメンバーの中にはその危険性を指摘した渡辺満久教授も入っているということですから、一応学問的、中立的な調査が行われることを期待しますが、調査結果によっては規制委が何らかのバイアスをかけてくる可能性も否定できません。
まさに今回の活断層調査は規制委の姿勢をリトマス試験紙にかける最初の「踏み絵」として注視しておきたいと思います。
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