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2011年11月10日

【画期的成果?】

2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん等が画期的な治療薬の開発につながる新技術を開発したことが報じられました。

『健康診断などで行う血液検査の感度を従来の100倍に高める新技術を、ノーベル化学賞受賞者で島津製作所フェローの田中耕一さん(52)らが開発し8日、発表した。血液1滴でがんや生活習慣病などを早期診断したり、画期的な治療薬の開発につながる成果という。

 記者会見した田中さんは「今まで諦めていたものが、これで見えてくる。大きな自信を持って紹介できる」と笑顔で語った。

 田中さんらは、病気にかかると体内で新たな種類のタンパク質が作られ、その発見が診断や治療につながることに着目。人の免疫反応で重要な役割を果たす抗体を使って、10万種類以上のタンパク質から病気に関係するものだけを素早く見つけ出す方法を開発した。

 2本の腕を広げたようなYの字形をしている抗体の中心部に、バネのような構造を人工的に作製して取り付け、腕が自在に動いて目的のタンパク質を探し出せるようにした。

 この抗体を使って検査したところ、アルツハイマーの原因物質と見られるタンパク質を従来の100倍の感度で見つけ出すことに成功した。

 田中さんが開発し、平成14年のノーベル賞受賞理由となった質量分析装置でこうしたタンパク質を解析すれば構造が判明し、治療薬開発も期待できるという。

 東京大客員教授も務め、多忙な田中さんは「まだやりたいことがたくさんある。実験が好きなので続けていきたい」。日本の科学技術については「数多くの研究が世界の最先端を行っている。もっと自信を持ってよいと思う」と強調した。』(11月9日付産経新聞)

【わかりやすい説明】

最初にこのニュースを新聞で知ったときにはあまり関心がなかったのですが、昨夜のニュースステーションでノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんがその新技術の開発者としてテレビ画面に登場するのを見て、「ああ、あのサラリーマン研究者の田中さんだったんだ。」と気づきブログで取り上げようと思ったのです。

ノーベル化学賞などと言えば、複雑な化学式がたくさん出てきて受賞者の説明も一般人、特に文科系の僕らにはまったくわからないようなものだろうと思ってしまうものですが、田中耕一さんが身振り手振りで自分が開発したY字型抗体の説明は素人でもわかりやすく、「さすがサラリーマンノーベル賞受賞者だけあって、庶民にもわかりやすい!」と妙なところで感心したのがその理由です。

そしてもうひとつ、ニュースステーションの解説者の方が言われていたのですが、田中さんは2002年にノーベル賞を受賞されたときすでにこの抗体の研究を進められていて、あと5年ほどで開発すると表明していたことが新聞に書かれていたそうです。これもすごい。2007年には間に合わなかったものの、表明していたとおり、ちゃんと新技術を開発したというのも本当に素晴らしいと思います。

さらにこの技術が実用化されれば、血液1滴で今までの検査の100倍の知見が得られると言うことですから、何度も大量の採血をしなくても済むし、新薬の開発にとっても非常に役に立つと期待されているそうです。

もう一回、田中さんにノーベル・サラリーマン大賞でもあげたくなりますよね。  



2011年10月04日

【わさびで受賞】

こんなユニークな研究もあったんですね。

『ユーモアがあり、かつ意義深い科学的研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が29日に行われ、わさびのにおいを使って火災を知らせる「わさび火災警報装置」を開発した今井真滋賀医科大講師(49)、田島幸信・香りマーケティング協会理事長(57)ら日本人7人が「化学賞」を共同受賞した。

 わさび警報装置は、火災発生時にわさびのにおいがする気体を噴射し、眠っている人を起こす仕組みだという。

 このほか、「医学賞」は尿意が意思決定に及ぼす影響を調べた米ブラウン大学などのチームに、「公衆衛生賞」は高速道路で運転するドライバーの注意力の散漫について研究したカナダ・トロント大学のジョン・センダース氏にそれぞれ贈られた。「心理学賞」は、人がため息をつく理由を解明しようとしたノルウェー・オスロ大学のKarl Halvor Teigen氏が受賞した。

 授賞式は米ハーバード大学で行われ、過去のノーベル賞受賞者らが賞を授与した。日本人の受賞は5年連続だという。』(9月30日付ロイター)


【5年連続の快挙】

このイグ・ノーベル賞は「裏ノーベル賞」とも呼ばれていて、米国の「ユーモア科学研究ジャーナル」誌の編集長、マーク・エイブラムス氏が91年に創設したそうです。これまでに日本人は31人が受賞しているとのことで、あの発明家のドクター中松氏や犬語翻訳機「バウリンガル」の開発者なども受賞していてなかなかユニークです。そんな中、2007年からは日本人が連続して受賞しているとのことで、政治や経済の世界では衰退の一途と言われる日本人も捨てたものではないなあと嬉しくなりますね。

※「イグ・ノーベル賞日本人受賞者の一覧表」

それにしてもわさびの火災報知器とは、よく考えたなあと感心します。わさびって刺身には欠かせないものとして日本人にはなじみ深い食べ物ですが、その鼻にツンと来る匂いを火災報知器に使うというのはホントに日本人らしい発明ですよね。「七人のサムライ」先生方に脱帽!!!
  


2010年07月21日

【「はやぶさ」人気沸騰】

これほどまでにブームになるとは、今は亡き「はやぶさ」自身も予想だにしなかったでしょう。

 『小惑星探査機「はやぶさ」が6月に帰還したことを受け、”誕生の地”である相模原市が宇宙ブームに沸いている。はやぶさ帰還を描いた映画を上映する市立博物館(中央区高根)には、全国から来場者が押し寄せている。はやぶさが持ち帰り、同館で今月末に全国初公開となるカプセルについても問い合わせが殺到。4月に政令指定都市に移行した相模原市は「シティーセールスにつなげたい」と、追い風に期待を寄せる。

 映画は、帰還が話題になった6月だけで約5千人が観賞。平日でも定員210人の席がぎっしり埋まり、満員御礼が続く。「開館以来、こんなことは初めて」と市立博物館はうれしい悲鳴を上げる。好評を受け、今月16日までだった上映を8月31日まで延長することを決めた。

 宇宙関連のイベントも相次ぐ。市は、市内に研究機関のある宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)と今月1日、山崎直子さんら宇宙飛行士の講演会を開いた。事前に用意した500人分の入場チケットが、配布開始とともに終了するほどの人気だった。』(7月18日付 カナロコ)


【胸打つ感動】

小惑星探査機「はやぶさ」が先月13日、7年1カ月ぶりに地球に戻って来て、夜空の星になったことは日本全国に大きな感動を与えました。
地球からお3億キロという途方もなく遠い小惑星「イトカワ」に着陸し、地球誕生と同じ成分というこの小さな惑星の砂を持ちかえることをミッションに2003年に地球を飛び立った「はやぶさ」。2005年に「イトカワ」に到着したものの、一度目の着陸失敗で機体が損傷、一時は通信が途絶えて行方不明になったそうです。

さらに四つあるエンジンのうち三つが破損。壊れた2台の正常な部品を電子回路でつないで1台分の推進力を得るという起死回生の策で切り抜けたのは、相模原市にある管制室の根気強い作業があったのです。満身創痍(そうい)の中で2010年6月にサンプル採取できたであろう砂の入ったカプセルを地球に落とし、自身はミッションを終えて夜空に散っていきました。

何度の失敗にめげずに、その重責を果たした「はやぶさ」に自分自身の人生を重ね合わせて感動した人々も多かったのでしょう。「はやぶさ」は日本のヒーローとなって蘇ったのです。

【次なる目標へ】

一時は事業仕分けの対象にまでなったといわれる小惑星探査機計画は、「はやぶさ」の地球帰還によって一般大衆の絶大なる支持を受けたこともあり、2014年に後続の探査機を打ち上げることに決まりました。日本経済新聞によれば、日本政府はさらに性能を高めた「はやぶさ2」の打ち上げ計画を来月確定する計画だということです。本当によかったですね。新しい技術の進歩は様々な苦難と挫折の中から生まれてくるものです。是非、「はやぶさ」で培った技術を後継機にも存分に生かしてほしいものです。
  



2009年07月23日

【悪天候、視界を阻む】

トカラ列島など本命の観測可能地域では、悪天候が視界を阻み皆既日食は見られなかったようです。

『日本の陸上では46年ぶりとなる皆既日食が22日午前、鹿児島県のトカラ列島や種子島、東京都の硫黄島などで起きた。継続時間はトカラ列島の悪石島(鹿児島県十島村)が6分25秒など、今世紀最長。皆既日食帯以外の日本各地でも部分日食となった。気象庁によると、梅雨前線などの影響で雨や曇りの所が多いが、薄曇りで晴れ間がのぞいた那覇や福岡、松江では午前9時半すぎから、太陽が欠け始める様子が観測された。

 国立天文台によると、悪石島では午前9時35分に太陽が欠け始め、10時53分16秒から6分25秒間、皆既日食の状態が続いた。人口約600人の十島村には、約700人の見物客が上陸。このほか、悪天候で接岸できなかった約400人が、船上で皆既日食を待った。

 しかし、十島村をはじめ、種子島、屋久島などには大雨注意報が出ており、十島村役場などによると、午前10時半すぎの天候は大雨で、観測はできなかった。』(7月22日付時事通信)


【予期せぬ贈り物】


でも意外なことに、部分日食ではありますが福岡でも見ることが出来ました。午前10時40分ころ、会社の中で「部分日食が見えるみたい」との声がどこからともなく聞こえてきて、ビルのバルコニー部分に出てみるとなんと数人の社員が皆既日食用の簡易メガネを片手に曇り空を見上げていました。そのメガネを拝借して空を見上げてみると、なんと部分的に欠けた太陽が見えるではありませんか。46年ぶりの世紀の天体ショーと思えば、これは凄い。ついつい興奮して見入ってしまいました。

NHKやヤフーなどのネットを検索してみると、国立天文台が硫黄島派遣した観測隊が、衛星「きずな」で配信した完璧な皆既日食の動画映像を流していました。次に国内で見られるのは、26年後の2035年9月に北陸、北関東などで起きる皆既日食となるそうですから、偶然とはいえ貴重な体験となりました。みなさんはご覧になりましたか?



  



2009年04月30日

【宇宙からの映像】

若田さんが宇宙からの日本列島の映像を写してくれました。

『国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在中の日本人宇宙飛行士若田光一さん(45)が、日本実験棟「きぼう」の窓から日本列島を撮影した動画が24日、公開された。
 若田さんは9日、きぼうの船内実験室に2つある窓の一つから、ビデオカメラで地球を撮影。ちょうど日本上空を通過する時間帯で、約6分間の動画には四国や東北地方、北海道の地形がはっきりと映っていた。
 若田さんはこのほか、ISSやきぼうの内部を紹介するビデオを撮影。いずれも宇宙航空研究開発機構のホームページで公開された。』 (4月24日付時事通信)


【いつ見ても感動】

最近は宇宙からの映像といっても結構目にすることが多くなったので、それほど驚くことはないのですが、やはり動画で見ると臨場感があって感動モノです。

実際に宇宙にある実験棟「きぼう」から若田さんがこれと同じ風景を見ていたんどと想像しながら見てみてください。

宇宙航空研究開発機構のホームページ-『「きぼう」日本実験棟の窓から撮影した日本』

6分間くらいの映像なのですが、記事にあるように四国や東北、北海道は鮮明に映っています。残念ながら九州はよくわかりませんでした。多分、太陽光発電のパネルが邪魔して見えなかったのでしょう。

こんな映像を見ていると、本当に自分たちがいろいろ思い悩んでいることがいかにもちっぽけに思えてきますね。

  


2009年03月17日

【緊急事態】

国際宇宙ステーションが一時、緊急事態に陥ったとの報道が目に留まった。

『米航空宇宙局(NASA)は12日、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙ごみが衝突する恐れがあったため、滞在中の3人の乗組員が緊急脱出装置に一時避難したと発表した。宇宙ごみは通過し、衝突を免れた。
 接近が予測された宇宙ごみは直径13センチ程度。時速約2万8000キロ以上で周回しており、ISSに衝突していれば大きな被害が生じる可能性があった。
 NASAは宇宙ごみがISSから約4.5キロ以内に接近する危険性を予測。ISSの位置を変えて衝突の危険を回避する時間がなく、マイケル・フィンク船長ら米国とロシアの乗員3人はISSにドッキングしているロシアの宇宙船「ソユーズ」の脱出カプセルに約10分間避難した。』(3月13日付産経新聞)


【宇宙ゴミの脅威】

宇宙ゴミ(うちゅうゴミ)とは、英語ではスペース・デブリ(space debris)と呼ばれ、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上〔低・中・高軌道〕を周回している人工物体のことである。(フリー百科事典『ウィキペディア』より引用)

旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げて以来、世界各国で4,000回を超える打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生し、その多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたものの、現在もなお4,500トンを越える宇宙ゴミが残されている。

その後も人工衛星の打ち上げなどで宇宙ゴミは増加の一途を辿っており、それらは人工衛星や宇宙ステーションと同じ周回軌道を高速で回っていて、その破壊力がすさまじいために、今回のような事態がますます増えていくことが予想されているとのことだ。どのくらいすさまじいかというと、直径10センチほどの宇宙ゴミでも宇宙船を完全に破壊してしまうくらいなのだ。

【有効な対策、未だなし】

当然ながら、人工衛星や宇宙船を頻繁に打ち上げているアメリカやロシアは、その対策のため宇宙監視ネットワーク を構築して、9000個近くにのぼる比較的大きな宇宙ゴミを登録して常時その動きを監視している。

しかし、登録されていない1ミリ以下の宇宙ゴミは数百万個以上にのぼるとされていることや、監視してもすべての宇宙ゴミを消滅させたり、今回のように宇宙ステーションの回避行動に間に合わなかったりするなど万全とは言えない状態なのだ。

人間が平和利用であれ、戦争利用であれ、過去60年近くにわたって宇宙空間に無造作に投げ捨ててきた宇宙ゴミ。地球近くの大気圏外の空間も地球同様、有限のものであり放置すれば自らのリスクとして跳ね返ってくると言うことをここでも思い知らされているのだ。

アメリカやロシアだけでなく、中国やインドなど新興経済国も核弾頭作りにいそしむばかりでなく、宇宙ゴミの除去に積極的な関与・国際協力が望まれるところだ。ちなみに日本も美星スペースガードセンター(BSGC)、上斎原スペースガードセンター(KSGC)の2施設でデブリの監視を行っている。

  



2008年10月15日

【宇宙ビール?】

サッポロがいよいよ「宇宙ビールを製造」というニュースが目に留まりました。

『ビール原料になる大麦の宇宙空間での栽培の可能性を研究しているサッポロビールは2日、栃木県那須町のサッポロビール那須工場で、宇宙ステーションに運ばれて一定期間過ごした大麦の子孫を原料にしたビールの醸造実験を始めた。11月上旬には小瓶(334ミリリットル)100本を「世界初の宇宙ビール」として誕生させる計画だ。

 実験は、岡山大学資源生物科学研究所(倉敷市)の杉本学・准教授(細胞分子生化学)と進める「極限環境ストレスの大麦への影響調査」の一環。

 杉本准教授は、ロシア科学アカデミー生物医学研究所が、国際宇宙ステーションを活用して進めている「宇宙環境における植物の適応能力とライフサイクルに関する研究」に参画している。』(10月3日付毎日新聞)


【宇宙で大麦栽培】

この「宇宙ビール」の原料となる大麦は、ロシアとの共同研究で2006年に「はるな二条」という品種名でロシアの宇宙ステーションに持ち込まれ、船内で5ヶ月間保存され、生育実験では28日間で50~60センチにまで成長させることに成功した後、地球に持ち帰られ、群馬県内で栽培されて今年3世代目が収穫されたとのこと。

この3世代目の種子を使って、杉本准教授らが工場に併設の「那須 森のビール園」の手づくりビール工房で、小型の釜や槽を利用して手作りでビールを醸造するそうです。

【興味津々、宇宙の味】

果たして、宇宙の大麦で作られたビールはどんな味がするのか。ビール党の僕としては興味津々なのですが、如何せん、このビール、あくまでも実験用の試作品なので販売はしないとのこと。ああ、残念。

ただ、宇宙科学関連のイベントなどで披露していくそうなので、だれか情報を聞きつけて試飲できるかも知れませんね。宇宙からのビールの話題でした。

  


2008年08月08日

【地球外生命?】

火星に生命が存在する?ーそんな可能性が出てきています。

『米専門誌アビエーション・ウイーク(電子版)は1日、米航空宇宙局(NASA)が、火星の生命存在の可能性に関する重大な発見を8月半ばにも発表する計画だと報じた。

 同誌は、この重大な発見が、火星で水の検出に成功した米探査機フェニックスに搭載された分析装置MECAで得られたと指摘。分析は現在も進行中で、発表が9月にずれこむ可能性もあるが、NASAはすでにホワイトハウスにも説明したとしている。

 水の確認などを発表した7月31日の記者会見で、NASAはMECAの成果に関する質問を避けるため、担当の研究者を出席させなかったという。

 フェニックスは、生命の検出を目的とした装置は積んでいないが、MECAには、2マイクロ・メートルまで見分ける光学顕微鏡とさらに解像度の高い「原子間力顕微鏡」が設置されており、細菌が視野に入れば撮影できる。 』(8月2日付読売新聞)


【水の存在から発展】

もともと米航空宇宙局(NASA)は7月31日に、火星の北極付近の地表で観測活動中の探査機「フェニックス」が採取した土壌から「水の存在を確認した」と発表しています。水があるとなれば、なんらかの有機物の存在、そして生命の存在へとつながっていきます。

もし地球外生命が火星に存在しているとなれば、もっと他の星にも存在しているというひとつの証明になるでしょう。

なにかワクワクするような発見ですね。8月中旬のNASAの発表に期待したいところです。

  


2008年02月06日

【再生医療の驚異】

再生医療の進歩はとどまるところを知らないようだ。

『あらゆる細胞に分化する万能性を持つヒト胚性幹細胞(ES細胞)から、網膜の細胞を効率よく作ることに理化学研究所と京都大の共同研究チームが成功した。細胞移植によって網膜を再生できれば、失明の恐れがある網膜疾患の根本的な治療法につながると期待される。米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(電子版)に3日、掲載された。

 視野が著しく狭くなる網膜色素変性や、視力が低下する加齢黄斑変性などの網膜変性疾患は、高齢者の失明原因の上位を占める。網膜はいったん損なわれると修復が極めて困難なため、有効な治療法はほとんど確立されていない。

 理研発生・再生科学総合研究センターの高橋政代チームリーダーは「安全性の検証などまだ多くの課題があるが、10年以内に臨床応用の試験を開始したい」としている。』(2月4日付産経新聞)


【現在は対症療法のみ】

つい最近、網膜に傷があることがわかってレーザー治療手術を受けたのですが、その手術に至るまでの診療過程で驚いたのは、人間の網膜は現在の医療技術では再生できないという事実でした。

すなわち、網膜に傷が出来たり、網膜はく離を起こしたり、あるいはこの記事にあるように高齢になって罹ることが多いといわれる網膜変性疾患は失明に至ることもあるといいます。そして網膜が再生できないため、その治療は対症療法でしかないのが実情なのです。

実際、眼科医にかかって初めてわかったのですが、レーザー手術も単に網膜にリベットを打って穴が大きくなるのを防ぐだけといったまさに「対症療法」なのです。これには本当に驚きました。

【今後の再生医療に期待】

そんな中での今回のニュースは、網膜の病気に悩む人には朗報です。といってもまだまだ研究段階で実際に治療に使われるようになるには未だ長い時間がかかるのでしょうが、一筋の希望の光が見えてきたのは大事なことですね。

網膜に限らず、脱毛や薄毛を再生させたり、老化した肌を若返らせたりと再生医療の進歩はとどまるところを知りません。

これからの医療の進歩に大いに期待したいですね。  


2007年12月27日

【チームジャパン始動】

一刻も早く日本の研究者の英知を集める時だ。

 『京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授は25日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究者でつくるネットワーク組織「iPS細胞研究コンソーシアム」を、京大のほか東京大や慶応大、理化学研究所など国内の第一線の研究機関が参加する「チームジャパン体制」で、来年1月にも立ち上げる構想を明らかにした。
 事務局は中核研究施設「iPS細胞研究センター」が設けられる京大に置く予定。
 京都市内で開かれた科学技術振興機構主催シンポジウムで言及した。世界でiPS細胞研究が激化する中、日本から成果を出すために論文発表前に研究成果を共有し、知的財産を一括管理・共有する組織「iPS細胞研究コンソーシアム」が必要と強調した。
 メンバーは、iPS細胞を神経細胞などに分化させる研究に蓄積のある慶応大や東大、安全面の研究を行う自治医科大、臨床応用の研究を進める理化学研究所などを挙げた。製薬会社などの民間企業や病院も参入する見通し。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の西川伸一副センター長がリーダー、山中教授がサブリーダーを務める私案も明らかにした。近く研究者が集まり、組織の具体化を検討する。』(12月25日付京都新聞)


【早かった立ち上げ】

もともとヒトiPS細胞を世界で初めて作製した山中伸弥教授は、複数の研究所が再生医療の研究を推進し熾烈な競争を繰り広げている米国に先陣争いで敗北しないためには早く「チームジャパン」を立ち上げる必要があると力説していた。これからは、日本発の研究成果を公表した山中教授だけで初期研究を実用化の段階までもっていくには、ひとりで孤軍奮闘していては駄目なのだ。

今後は人材と資金をいかに出せるかが勝負というのが山中教授の警鐘だった。これに学会や政府もすばやく反応して、ようやく「チームジャパン」の組成が現実のものとなりつつあるのだ。

最近、様々な分野で米国や世界の後塵を排することが多くなってきている印象がある日本。ぜひ、山中教授の研究を世界の医療の最先端で生かせるように頑張ってほしいものだ。そういう意味で久々の明るいニュースだ。  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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