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2007年08月10日

【経済発展とMe世代】

それは1992年に始まった。そう、当時の中国の最高指導者であり改革派だった鄧小平がシンセン等の都市を巡り、社会主義体制の下で市場経済を導入して経済発展を進めるとの宣言「南巡講話」を出したあの時である。

あれからたった15年足らずの間に中国は毎年9%以上の経済成長を達成し、世界経済を牽引するほどの力を持ってたのだ。来年には北京でオリンピックも開催される。

そんな中で、中国の若年層、ミー世代は政治についてどう考えているのだろうか?8月6日号タイム誌「中国のミー世代」("China's Me Generation")と題して、中国の新興中流層は若く、金持ちで幸運を享受しているが、政治には無関心とレポートしている。

China's Me Generation ― The new middle class is young, rich and happy. Just don't mention politics.

【ノンポリと消費社会】

タイムの記事を読むと、中国の若者達の行動様式の変化に驚かされる。その中では、女性ダンサー、会計士、コンサル会社の保険数理士等さまざまな専門職業の若者達が登場し、携帯を操り、海外に旅行し、日々の生活をエンジョイしている様が描かれている。彼らのもっぱらの関心は自分の生活がどう豊かになるかであり、政治には無関心を装っているのだ。

※写真は中国の若手女優Liu Yun(23才)

30歳以下の中国人はおよそ3億人。しかし、かつての文化大革命、天安門事件などの政治的事件は過去のものとなり、グローバル経済の枠組みにしっかりと組み込まれ、消費社会がもたらす様々な経済的恩恵にその大半の人々は酔っているのかもしれない。

そういった若者の姿は、日本の若者と大差ないように見える。消費社会に生きているという意味ではどこの国の若者も、政治よりも自らの経済的利益に関心が向くのは仕方ないことなのだろうか。

【不況が転機か】

こういった中国の新しい若者層の政治的無関心は、経済的な繁栄が続いているときには問題にならないかもしれない。しかし、不況が訪れたときにそれで済むかどうかが問題だ。

The political passivity of China's new elite makes sense while the good times roll. The question is what will happen to the Me generation - and to China - when they end.

もうひとつ問題がある。それはこれら都市の若年中間層・富裕層と地方の農民との格差問題だ。都市では土地所有権が認められようとしているのに、農民は土地を買うことができないこともその一例だ。

中国の若者達のミーイズム。不況や混乱が国内で噴出したときに、彼らの不満の矛先が政治に向くとしたら、自国政府ではなく隣国日本になる可能性は高いだろう。これからもしっかりとミー世代の中国の若者の動きはウォッチしていく必要がありそうだ。  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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