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2008年01月28日

【ついに牛乳も】

このところの食料品価格の値上げラッシュには驚かされます。その値上げがついに牛乳にまで波及してきました。

『乳業業界3位の日本ミルクコミュニティは25日、牛乳やヨーグルトなど全172品目を4月1日から3・8~7・1%値上げすると発表した。牛乳の値上げは1978年以来30年ぶり。乳牛の飼料用穀物の価格高騰が続いていることが要因。主力の紙パック入り牛乳「メグミルク牛乳」(1リットル)の希望小売価格は、現行の230円から240円(ともに税抜き)に上がる。

 業界大手で牛乳の値上げ実施を発表したのは同社が初めて。すでに最大手の明治乳業と2位の森永乳業も今春に値上げする方針を固めており、同様の値上げ幅で追随する見通しだ。』(1月26日付フジサンケイ ビジネスアイ)


【値上げのオンパレード】

牛乳だけではありません。即席めんにしょうゆにビール、マヨネーズにパスタと数えあげればきりがないくらいの値上げラッシュなのです。

さらにそれら食料品の値上げは10年から30年ぶりというところが多いのです。たとえば醤油のキッコーマンは平成2年9月以来17年半ぶり、森永乳業は牛乳・チーズ以外の乳製品を一斉値上げするのは昭和49年以来約34年ぶりだそうです。というのも食品メーカーによるこれら食品の値上げの背景に1970年代のオイルショック時に匹敵するかあるいはそれ以上とも言われる原油価格の高騰があるからです。

すなわち、小麦やとうもろこしの巨大輸出国である米国で、石油の代用品となるバイオエタノール量産が農作物の転作を促して、食材の需要と供給のバランスがくずれ日本をはじめとする世界の食料品価格が跳ね上がるようなことがおきているのです。

【複合的な要因】

さらに中国やインドなどの急速な経済発展がそれらの国々の食料需要を増大させ、先を争って世界各地で食料買い付けに走っていることや、地球温暖化の影響で干魃(かんばつ)でオーストラリアや欧州などで不作が続いていることも食料品価格高騰の背景にあります。また、サブプライムローンに端を発した世界経済の変調で金融マーケットで行き場を失ったヘッジファンドなどの投機資金が穀物相場に向かっていることも大きな要因だと言われています。

僕らが日常親しんでいる牛乳や醤油、ビールといった食品の背後にこれだけ複雑でグローバルな要因が絡み合っているのは本当に驚かされるとともに、「日本は一体大丈夫なのだろうか」と思ってしまいます。

【日本の食を守れ!】

こう見てくると、現在の食料品値上げラッシュは単なる一過性の出来事ではなく、原油高騰と地球温暖化と投機資金の動きを主要因とした、日本にとってはこの先相当長期間に亘って国家の根底を揺るがすような緊急事態の前兆だといえるのではないでしょうか。

翻って、日本の農業は高齢化や農村の荒廃などが年々進展しているという危機的な状況があるにもかかわらず、一方ではそんな現状を放置したまま農業保護を優先するあまり海外からの長期的、安定的な食料輸入は商社などの民間に任せっきりで、とても国家戦略として食料の安全確保を考えているとは思えません。さらには、僕ら消費者もそんなことはお構いなしで飽食の限りを尽くしているという無責任な状況になっているのではないでしょうか。

そういう意味では、今回の食料品値上げラッシュは僕ら国民にとっても、農業者にとっても、企業にとっても、為政者である政治家や官僚にとっても日本の食をどうするのかをしっかりと考えて行動する絶好の機会だと思うのは僕だけでしょうか。  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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