2008年02月14日

【花形七人衆】

歌舞伎の若手花形七人というと誰かご存知ですか?

実は僕も知りませんでした。でも今回博多座での歌舞伎公演を観てわかりました。わかっただけでなく、次代を担う若手俳優の技とエネルギーに魅了されました。

それは7年前の新春浅草歌舞伎出演を契機に、東京まで来られない人たちのためにと地方公演を誓い合った七人です。

すなわち、市川亀次郎、中村獅童、中村勘太郎、中村七之助、中村亀鶴、市川男女蔵、片岡愛之助。

【クールな演技】

その最初に選んだ舞台が博多座。嬉しいですね。博多っ子や九州各地のお客さんがその若手俳優の熱い思いに応えるように満員御礼の客席。若い女性の観客が目立ちます。後ろのほうにはシルバー人材センターのご一行も。

演目の最初は『義経千本桜』の二段目の渡海屋と大物浦。千本桜は義経を狂言回しにして壇ノ浦で滅んだ平家一門の中で、平知盛、平維盛、平教経三人が生き延びたという設定でその運命を描く、これぞ歌舞伎といえる作品のひとつ。その二段目は平知盛が主役で、今回は中村獅童が演じます。

中村獅童といえば、竹内結子との離婚騒動で男を上げましたが(?)、「男たちの大和」や「硫黄島からの手紙」などの映画やテレビでの役どころに見るごとく、甘いマスクと荒々しそうな言動、そしてその独特の存在感が女性を惹きつける異色の役者です。

今回は、義経の復讐に失敗し、大物浦で大きな碇もろとも海中に身を投げる平知盛役で人間のおろかさ、悲愴、業の深さを演じてますますその男臭さに女性ならずとも惹きつけられました。まさに今回の芝居の大一番でした。

【世代交代の醍醐味】

それにしても若手歌舞伎七人の活躍は目を見張るものがありました。勘三郎の長男勘太郎は祖父の当たり役である家の芸でタップダンスを取り入れた「高坏(たかつき)」を見事に演じていましたし、七之助は義経千本桜で女房お柳という女役の大役を、その細面の顔立ちを生かして立派にこなしていました。七之助は「ラストサムライ」の明治天皇役が脳裏に蘇ります。

弁慶役の男女蔵は父左團次にますます似てきて存在感がありました。片岡愛之助の相模五郎や亀鶴の入江丹蔵もなかなか味のある演技。そして最後の演目だった「団子売」での亀次郎と愛之助の軽快な踊りも心が和みました。

歌舞伎はうまく世代交代をこなして伝統を承継をしなければ存在しないという厳しい世界です。世間一般では世襲が続けば甘えが出来ていろいろなところにほころびも出てきます。それを逆に高めていく宿命を背負った歌舞伎役者たち。若手七人衆のこれからの活躍に声援を送りたいですね。  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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