2008年02月26日

【世界のタックス・ヘイブン】

皆さん、タックス・ヘイブンってご存知ですか?それは日本語では「租税回避地」と言い、税金が軽減もしくは免除される国や地域のことです。世界中の金持ちは自分たちのマネーに課税されるのを出来るだけ避けるためにオフショア・タックス・ヘイブンにマネーを移動し、時には自分たち自身も動き回るのです。

例えば、それらタックス・ヘイブンとは、スイス、ケイマン諸島、ジャージィ島(英) 、バハマ諸島などなどですが、租税回避地として最近特に世界の金持ちに非常に好まれている場所があります。どこだかご存知ですか?

そう、イギリス、特にロンドンです。

【ロンドンの金持ち外国人の怖れ】

2月18日号タイム誌で、 「マネーを持って走れ」("Take the Money and Run")というタイトルで税制改正に怯えてイギリスに住む金持ち外人が他のオフショア・ヘイブンを求めて脱出を考えているという記事が目に留まりました。

Take the Money and Run. Spooked by a proposed tax change, Britain's foreign rich consider leaving for other offshore havens

彼らはnondomicileあるいはnondom(非居住者)と呼ばれ、英国に住む市民が最高40%の税金が課せられるのに対し、所得税以外は無税という恩恵に預かっているのです。これは外国人にとっては単なる避難地(haven)どころか、天国(heaven)と言えるでしょう。だからこそ、大勢の金持ち外国人がロシア、中近東、アジアなどからロンドンに集まってきているのです。

しかし、外国人への税優遇に対する批判の高まりから英国財務省は新たに18%の税率でのキャピタル・ゲイン・タックス、さらに7年以上英国に居住する外国人に対し年6万ドルの手数料を徴収すべく準備を進めているのです(おそらく2月末までには実施?)。

こんな措置が実施されればかなりの金持ち非居住者外国人は英国から脱出すると予想されます。財務省はその数を全体の115000人のうち、3000人程度と見積もっていますが、マーケット関係者はもっと多いと見ており、そうなれば何十億というマネーが流出して経済にも重大なインパクトありと言うのです。

Britain's wealth managers are more pessimistic, predicting that nondoms will leave in droves, taking billions out of the economy and affecting everything from property prices to spending on luxury goods.

【マネーを取るか、公平を取るか】

世界の金持ちのオフショア資産は凡そ7兆ドル(日本円で約740兆円)。そのうち、スイスに27%、マン島・ダブリン等に14%、ルクセンブルクに13%、カリビアン諸島に13%、シンガポール・香港にそれぞれ5%と4%が集まっているのです(ボストン・コンサルティング・グループによる推計)

この資金を如何に多く集めるかを巡ってタックス・ヘブン同士の熾烈なマネー誘致合戦が繰り広げられており、中でも個人の機密保持を売り物にするスイスや新興勢力のドバイ、シンガポールなどが様々な金持ち優遇措置を競っているのです。

そんな中で何故イギリスは、いったん集まった金持ちに対する課税を強化してみすみすチャンスを逃そうとしているのでしょうか。公平を期すための勇気ある措置なのか、それとも気が狂ったのか・・・・

With so many countries doing all they can to lure the rich, Britain's decision to get tough on tax breaks seems either brave or crazy.

グローバリゼーションがもたらす巨額のマネー争奪戦。モラルを取るか、マネーを取るか、英国の選択にしばし注目しましょう。  



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